山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

鹿肉

冴えない天気の割には、奥多摩駅前はバスを待つハイカーでやっぱり溢れかえっていた。当然、東日原行のバスも増便されたが、それに先だって川乗橋行きの臨時バスが出て行った。東日原方面の客は、大半が川乗橋で降りるため、そのような運行措置にしたのだろうが、川乗橋行きバスなんて初めて見た(いったい大型バスが、あんな狭い場所で反転して帰って来られるのだろうか・・・)。
我々は東日原から鷹ノ巣山、久しぶりだ(山の記録はこちら)。往路はほぼ10年ぶりの稲村岩尾根。約3時間、ヒルメシクイノタワ以外ほぼ一本調子で登りっぱなしの尾根だが、登り始めは紅葉のはじまり、途中で最盛期、山頂付近は既に冬景色と、変化のある眺めで癒される。まさに、下降中の紅葉前線と擦れ違うように登ったことになる。高校山岳部時代は紅葉なんて眼中になく、只、早く山頂に着かないかと思いながら登っていただけのような気がする。
榧ノ木尾根もほぼ同様の錦模様、飽きることなくあっという間に「丹下堂」に辿り着いた。朝からどんよりした空だったが、なんとか降られずに済んだ。
今年の1月以来の「丹下堂」訪問。前回は雲取山の帰り、鴨沢西からバスに乗り、わざわざ途中下車して寄ったのだが、今回は榧ノ木尾根を駆け下っての入店。店内は一組だけ。天気がいまいちだと、行楽客(特に二輪派)は敏感に反応するようだ。
山から下りて汗だくだったら、風呂に入る前に先ずビールを呑みたいところだが、今日は山頂の寒さで凝り固まった筋肉を弛緩させるため、風呂が先。今日も男風呂はひとりで貸切状態。
風呂から上がったら、早速、ビールと鹿肉(鉄板焼き)を注文。ひとりでやらせていただく。う~ん、美味い。ビールに良く合う。つい、みんなが風呂から上がって来るまでに平らげてしまいそうだ、まずいまずい、ゆっくり味わおう。

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雲取山に登った帰りは鴨沢BSからバスに乗り、熱海BSで途中下車。まだ午後1時前。およそ1年2ヶ月ぶりに「丹下堂」訪問(前回はこちら)。女将さんに聞かれ、雲取山から下りてきたと話すと、「(こんな寒空に登るなんて)みなさん、お好きなんですね~」とお褒めのお言葉を、ややあきれ顔で頂戴する。そりゃそうかもなあ、でもそんな物好きが7人も、1時間に1本も走っていない路線バスをわざわざ途中下車して、この店へやってきたことも同程度に奇特だよ~、そこんとこも褒めてくれよ~。而してその訳は、日帰り温泉とビールと鹿肉焼きがあるから。奥多摩湖畔で、日帰り温泉は峰谷橋の馬頭館(但し、時間は16時までで、料金1,000円)とここだけ、鹿肉焼きはここしかない。この3つが揃っているところは「丹下堂だけよ!」ともっとアピールしていいんじゃないだろうか。もちろん、我々としてはあまり混んでしまうのも困るので、そこそこ儲かる程度(潰れない程度)に流行って貰えれば十分なのだが。
750円支払って風呂場へ。男性は1階、女性は2階にある。時間が時間だけに、風呂は男女とも完全、貸切状態。男湯は湯温39~40℃だったが、それほど冷え切っていない身体には丁度良かった。湯はもちろん循環式だが、このアルカリ性で仄かに硫化水素臭がする「鶴の湯」の湯は、肌触りが柔らかで心地良い。すっかりさっぱりして食堂に戻り、日が差し込んでぽかぽかの囲炉裏端に座る。湖面も見えてちょっとだけリゾート気分。
湯上りはもちろん待ちかねた(鴨沢BSでは飲むのを我慢した)ビールと、この店の名物鹿肉焼き(1,300円)。臭みは全くなく、今日も味加減は丁度良い。ビールに良く合う。全員が揃ったところで雲取山登頂の祝杯をあげ、他にも、とろろめし定食やら、やまめ塩焼き、ホルモン焼き、なす焼などを思い思いに注文。ここは、ホルモン焼きもかなりイケると思う。
はじめは14時7分発の奥多摩駅行きバスに乗ろうかと思っていたのだが、ビールと料理とぽかぽか陽気で、良い気分になり、そんなのはどうでもよくなった。奥多摩駅15時26分発のホリデー快速おくたま2号に乗られれば十分と、次の14時55分発のバスまで、ゆったりまったりした。

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紅葉真っ只中のノボリ尾根を登って(山の記録はこちら)、榧ノ木山に行った帰りに入店。奥多摩湖畔に「熱海」という集落があるが、その端っこの高い石垣に張り付くように「丹下堂」はある。この店のウリは少なくとも2つあると思う。一つは日帰り温泉、もう一つは鹿肉料理である。もともとは温泉に入る目的だけで(もちろん、湯上がりのビールも頂くつもりで)ここに来たので、鹿肉料理があることは店に入って(風呂から上がって)から知った。
日帰り温泉に食堂が付いている、というのはよくあるパターンだが、ここは明らかに食堂に日帰り温泉が付いている。調べたことは無いが、全国的に珍しいと思う。基本的にどちらも利用することが多い(たいてい食堂でビールを飲む)小生にとって、あまり違いは無いが・・・。ここの温泉は、ご存知、鶴の湯である。源泉は湖に水没してしまっていて、どう上手くやっているのか判らないが、ポンプで汲み上げた温泉水を「馬頭館」など、湖畔の旅館などに配っている。温泉スタンドもある。丹下堂は数少ない(鶴の湯ではここだけ?)日帰り温泉である。
予てより、奥多摩も丹沢同様、鹿が増えすぎて食害に悩まされていると聞いていた。それは山の中を歩いてみれば一目瞭然、奥多摩では下草を見ることは殆どない。みんな鹿ちゃんのせい。せいぜいあるのは毒があるハシリドコロなど。ならばサッサととっ捕まえて、ヨーロッパのジビエ料理のように、奥多摩の特産にしたらいいのにと思っていたが、ことはそんなに簡単ではないらしい。最大の課題はハンター不足との由。もし奥多摩町住民だったらハンターになってもいいが・・・。ともあれ、調べてみると予算がついて鴨沢に鹿肉解体場ができたらしく、なんとか流通の形ができ、この店でも販売を始めた次第のようだ。

29 丹下堂に到着。

ひと風呂浴びてビールを呷ってから、鹿肉の鉄板焼きを注文。しょうが味噌味か。食べてみると全く臭みは無い。食堂の女将曰く、ちゃんと下処理してあります、とのこと。食感や味は、豚でも牛でもなく、やっぱり鹿肉らしいと言えば鹿肉らしい。強いて言えば鯨肉や馬肉に近いか。バスに乗って行くのではなく、山の帰りに直接この店を目指すには、榧ノ木尾根を下るしかない。従って、そう度々来ることができないのがちょっと残念。でも何とか次の計画を捻り出したいと思っている。

32 珍しい鹿肉。奥多摩産です。

店のHP/奥多摩・丹下堂

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