山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

鯖塩焼き

数馬の湯でのんびりした後、武蔵五日市駅行きのバスに乗車。そこそこ空いていたが、笹平BSの近くで、どやどやとハイカーのパーティが乗ってきた。その後、ちょっとした事件が発生(発覚?)したのだが、その顛末は山の記録に詳しいのでここでは述べない。実際のところ、ちょうどその頃、小生の頭の中は「何処の店に寄るか」という課題に支配されていたので、余りそれどころではなかった。
そのうち、武蔵五日市駅の手前、「寿庵忠左衛門」の蕎麦を未だ手繰っていないことを思い出し、このちゃん、ひろちゃんの同意を得て五日市BSで途中下車。ところが、昼夜通しで営業していると思っていたら、16時30分まで中休みだった。まだ16時前、む~残念。せっかく途中下車したので、次善策として、近所の「音羽鮨」へ入ってみることにした。
ここはその名の通り寿司屋であるが、看板には「すし」と共に「ラーメン」という文字もある。寿司屋のラーメン? 入口に掲げられたメニューを見る限り、一品料理が豊富で、中華もあるという、変わり種の寿司屋だ。後で音羽鮨のHPを見れば、午後2時から4時までは中休みがあることになっていたが、運良く入れたようだ。
入口を潜ると、登山姿の中高年集団が一組、既に盛り上がっていた。我々は、うなぎの寝床の様に長い店の奥のテーブル席に陣取る。さて、じっくりとメニューを拝見。だんべぇ汁(420円)はここ五日市のご当地グルメ。昨年のヨルイチで我々にもすっかり馴染みだ。
霜降り馬刺し(1,300円)や馬レバー刺し(1,400円)、ダチョウ刺し(1,500円)なんてものも置いてある。ダチョウには興味が湧くがちょっと勇気が出ない。居酒屋並みに、餃子(410円)もポテトサラダ(430円)もあるので、さっそく注文。あとは刺身盛り合わせ(1,860円)に厚焼き卵(570円、猛烈に甘い)、鯖塩焼き(620円)。酒は、やっぱり喜正だ。寿司屋で餃子とポテトサラダはミスマッチかも知れないが、ここが居酒屋だと思えば何の不思議はない。次回はやはり、寿司もつまんでみたい。 

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音羽鮨のHP: こちら

「丸辰有澤商店」を出た後、「河米伊藤商店」に移動。この2つの酒店は近いので、ハシゴするにはもってこいだ。「河米伊藤商店」に着いたはずが、一瞬、あれ、閉まっている?と思ったら、角を回り込んでみるとちゃんと電気が点いていた。お客もそこそこ入っている。
ここは結構、角打ちスペースが広く、ゆったりしている。内装もまったく飾り気が無い。たいてい、昼間は普通に酒店の倉庫、夜は角打ちというケースが多いと思うが、ここは最初っから半分が酒屋(というか田舎のよろずや的店構え)で、残り半分が角打ちに合わせたような店内配置という感じがする。昼間は弁当を売っているとのこと。何か昔懐かしい風情が漂っている。 
この店のシステムは、ショーケースにある酒や乾きもの等をレジに持っていて支払いする方式。つまり、コンビニと基本同じ。もうビールは止めにして、日本酒。カップ酒は「寒山水 純米吟醸」という、福岡・八女の酒。すっきりキレがあるが、口当たりが良い。その後は、青森の酒「作田 特別純米」。こちらもキレがあって爽やかだ。
この店の特徴としては、呑める日本酒の種類はそれほど多くないが、その代わりに肴が普通の角打ちにはないものがある。例えば、鯖塩焼きとかはたはた干物焼きとか、注文を受けてから焼いてくれるところがありがたい。他のテーブルで注文しているものの良い香りが伝わってきて、ついつい注文してしまうことにもなるだろう。実際、隣りのテーブルでなにやら美味そうなのを喰っているな、と見ると、なんとオムレツだ。それも、朝食に出てくるようなプレーンではない。こっちにもお願いと追加注文。食べてみると、具沢山で美味い。出汁巻き卵も良いが、このようなオムレツも酒に合う。
支払いは、しめてひとり1,000円強ってところ。ということで、2件ハシゴしても合計約2,500円。時間と懐に余裕が無い時には、角打ちはうってつけと云えるだろう。

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蔵前から浅草に出て、またぶらぶらする。浅草は今日も相変わらず外国人観光客でたいへん賑わっている。それを目当てに雷門前には車夫ばかり、五月蠅いほどいる。これだけの車夫が喰っていけるのであれば、車屋は浅草では一大産業になってきていると見える。人力車には一度も乗ったことは無いが、浅草の景色も違って見えるのだろうか。
景色の中で、つい目が行くのはやはり飲食店。浅草には日本料理屋、居酒屋が多いが、大衆食堂も多い。もちろん個人的には、いくら酒があっても酒の肴が充実していないと、大衆食堂には入りたくない気分だが、浅草の大衆食堂は呑ベエに優しい店が多い。浅草寺から浅草六区方面に抜ける「奥山おまいりまち」にもそんな店で気になっていた「君塚食堂」がある。
ぱっと見は、何処にでもありそうな店構え。でも創業は明治初期とのこと、見かけによらず超老舗なのである。「競馬中継」の看板があるのもこの辺りの店らしい。冷たい風が通り抜ける店先で、せっせとおでんを作っているおばあちゃんがいる。さしずめかつては看板娘だったのだろうと思われる。外は寒いので、店に入ったら熱燗でおでんかなと思っていても、店の中はポカポカなので、冷たいものでも呑もうかと云う気になる。そこでホッピー黒を注文。肴は(甘くない)玉子焼きと鯖塩焼き、そしておでんにした。どれも素朴な味だが、奇を衒わない安心して喰える味とも云える。おでんはどの具もしっかり味が染みていて美味い。おばあちゃんお奨めのウィンナー巻きは、驚くほど柔らかく煮込んである。たまにはホッピーでおでんも悪くない。
店内を見渡すと、常連らしい客が多いようだ。我々の後から来る客も、店員と丁寧な挨拶を交わす。皆、地元の人間なのだろうか。店の人とも長い付き合いなのかも知れない。もちろん、テレビ中継に熱中している競馬好きもいる。でも、歓声を上げたり溜息を洩らしたるりせず、静かに熱く見入っている。この店にも小さな人間模様が詰まっている。ほろ酔い加減ですっかり温まってから店を出た。表では、おばあちゃんが寒空にもへこたれず、くるくる動き回っていた。

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君塚食堂のHP: こちら 

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