山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

餃子

四万温泉から路線バスで中之条駅に移動。帰路は13時26分発の指定券を持っているので、また今日も中之条駅界隈で昼食をとることにした。「吾妻路」のような店はもう無さそうだし、今日も日差しが強烈なので、さしあたり駅に最も近い「みどりや」はどうかな、と覗いてみる。
入ると、左手がカウンター席、右手が小上がり(荷物がいっぱい積み上がっていて、上がり難い雰囲気)になっていて正面がテーブル席。その奥はどう見ても普通の家庭の台所のようで、しかもそこのテーブルではご主人と思しきご高齢男性がお食事中。店舗の客間と、家族の台所がくっついた、見るも珍しい構造。おやおや拙いタイミングだったか、と思ってしまうが、縄暖簾は出ているし・・・。
入ってしまった以上、ともかく注文してみよう。先ずは生ビールをいただく。これはちゃんと冷えている。突き出しには山菜(たぶん、こしあぶら)の天ぷら。なかなかだ。あとは何を食べようかとメニューを眺め、ニラ玉ください、とご主人に告げる。判りましたと奥へ下がっていくが、やがて厨房では女将さんが「バカ!」「ニラなんか無い!」「そもそもニラ玉なんて、月に一つか二つぐらいしか注文が入らない!!」などと旦那に向かって吼えている。ひー、声が大きいので我々にもしっかり聞こえちゃっていますけどー。
やがて一呼吸おいて、ご主人が戻ってきて「・・・ニラ玉はできません。」と申し訳無さそうに仰るので、それでは何ができますかと聞けば、餃子(300円)、茹でイカ(???)などとのこと。そのどちらもいただくことにした。イカはごく普通で可も不可もなし。餃子は、襞のつけ方が何となく素人っぽい。味はまずまずだが、ちょっと変わっている。どうやら、餡にニンジンが入っているようだ。
腹はまだまだ満ち足りてはいないが、また何か頼むとご主人が奥で罵倒されそうな感じもして、カミさんももう追加注文はしないつもりらしい。何れにせよ、何となくいたたまれない雰囲気になってきたので、これで出ることにした。

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暑くなると、どうしても高い山に登りたくなる。しかし、日帰りの場合、登れる範囲は限られる。同じ山(例えば大菩薩嶺)ばかり登るのは憚られるし、山行計画を立てる身には悩ましい季節だ。そこで、今回はとっておきのプランとして、およそ30年ぶりに黒金山を登ることにした。タクシーを駆使すれば、一気に標高1,550mまで上がることが出来る。今日は総勢5人でタクシー1台なので、料金メーターは怖くない(山の記録はこちら)。
青笹から黒金山に通じる登山道は昔からあったが、現在はそのほぼ中間点を林道が横切っていて、そこが今回のスタート点。30年前にはこんな登山口は無く、日帰りで登ること自体、想像もしなかった。その時は、乾徳山中腹にある高原ヒュッテ(現在は無人避難小屋だが、当時は素泊まりのみの有料小屋だった。暖房が無く、晩秋の夜は随分と冷えた記憶がある。)に泊まり、翌日は乾徳山、黒金山を越えて、西沢渓谷へ下った。
黒金山は、中央線沿線の山と云うよりは、ほぼ奥秩父の領域。事実、シラビソやコメツガが主体の森で、苔生した深山のひんやりした雰囲気に包まれている。黒金山山頂は、残念ながらガスに包まれていて眺望は得られなかったが、涼しさを求めて黒金山に登ったので、目的は十分達成した。
乾徳山を経由し、大平牧場の上にある登山口まで下れば、またタクシーを呼び、さて風呂だ。近くに「笛吹の湯」があるが、知りえた情報の範囲では、食事処もビールの自動販売機も無いようなので、当然スルー。その下流には「一の橋館」という温泉旅館があるが、タクシー運転手に訊いても立ち寄り湯をやっているか不明だったので、塩山に近い「はやぶさ温泉」に行くことにした。ここは、たいていのタクシー運転手に訊いてもイチオシである。
「はやぶさ温泉」とは随分カッコいい名前を付けたものだと思っていたが、ここの地名が「山梨市牧丘町隼」であることに初めて気が付いた。漢字ではなく、ひらがなにしたのが良かったようだ。
ここは普通の日帰り温泉とは違い、家族経営のような、手作り感がある施設である。たいして広くないフロントには、桃や野菜などが段ボール箱に並べられていている。桃ひとつ100円は安いと思うが、持ち帰ると思うとなかなか手が出ない。入浴料600円を支払い、貴重品をフロント脇のボックスに預けたら風呂場へ。源泉かけ流しで、カランの湯も源泉100%。湯温も程良い。しかも高アルカリ性(Ph10)なので、つるつるすべすべの湯である。
さっぱりしたら大広間へ。南側が開け放たれていて、手入れが行き届いた庭を眺めることが出来、ちょっと気の利いた旅館にいる気分になれる。まずは生ビール。今日もビールが美味い。さて、つまみ。ここは、下手な居酒屋顔負けにつまみの種類が豊富。表面がパリッとした餃子は勿論美味いし、モツ煮込み、牛すじ煮込み、ごぼう唐揚げ、砂肝塩焼きと、どれも日帰り温泉の食事処の水準ではない。腹が減っていれば麺類や丼物、握り寿司、うな重まであるので問題ない。つい、長居をしてみたくなってしまいそう。お湯佳し、食事処佳しであれば、地元のタクシー運転手が勧めるのは当然である。

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はやぶさ温泉のHP: こちら 

数馬の湯でのんびりした後、武蔵五日市駅行きのバスに乗車。そこそこ空いていたが、笹平BSの近くで、どやどやとハイカーのパーティが乗ってきた。その後、ちょっとした事件が発生(発覚?)したのだが、その顛末は山の記録に詳しいのでここでは述べない。実際のところ、ちょうどその頃、小生の頭の中は「何処の店に寄るか」という課題に支配されていたので、余りそれどころではなかった。
そのうち、武蔵五日市駅の手前、「寿庵忠左衛門」の蕎麦を未だ手繰っていないことを思い出し、このちゃん、ひろちゃんの同意を得て五日市BSで途中下車。ところが、昼夜通しで営業していると思っていたら、16時30分まで中休みだった。まだ16時前、む~残念。せっかく途中下車したので、次善策として、近所の「音羽鮨」へ入ってみることにした。
ここはその名の通り寿司屋であるが、看板には「すし」と共に「ラーメン」という文字もある。寿司屋のラーメン? 入口に掲げられたメニューを見る限り、一品料理が豊富で、中華もあるという、変わり種の寿司屋だ。後で音羽鮨のHPを見れば、午後2時から4時までは中休みがあることになっていたが、運良く入れたようだ。
入口を潜ると、登山姿の中高年集団が一組、既に盛り上がっていた。我々は、うなぎの寝床の様に長い店の奥のテーブル席に陣取る。さて、じっくりとメニューを拝見。だんべぇ汁(420円)はここ五日市のご当地グルメ。昨年のヨルイチで我々にもすっかり馴染みだ。
霜降り馬刺し(1,300円)や馬レバー刺し(1,400円)、ダチョウ刺し(1,500円)なんてものも置いてある。ダチョウには興味が湧くがちょっと勇気が出ない。居酒屋並みに、餃子(410円)もポテトサラダ(430円)もあるので、さっそく注文。あとは刺身盛り合わせ(1,860円)に厚焼き卵(570円、猛烈に甘い)、鯖塩焼き(620円)。酒は、やっぱり喜正だ。寿司屋で餃子とポテトサラダはミスマッチかも知れないが、ここが居酒屋だと思えば何の不思議はない。次回はやはり、寿司もつまんでみたい。 

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音羽鮨のHP: こちら

焼き餃子を喰いたくなったので、両国へ行くついでに「亀戸ぎょうざ両国支店」に入ってみた。もう午後2時を回っていたが、店内は昼時の如くかなり賑わっている。一番入口寄りの小上がりが空いていた。店員に「餃子とビール」と告げると、「餃子は何枚にしますか?」と訊かれる。一瞬、逡巡し「とりあえず2枚」と答える。どうやらここは、餃子の皿を何枚も重ねる客が来るらしい。
ビールが出て来て間もなく、餃子もすぐ出てくる。見込みで焼いているのかも知れない。1皿5個、250円。東京ではまあまあ安い方の値段だろう。 ここの食べ方は醤油と酢以外に、ラー油ではなく、洋カラシを使う。つまり焼売と同じ。皮は薄く、パリッとして申し分ない。具は、あっさりしていて甘みを感じる。野菜が多めなのだろう。奇を衒わない真っ当な餃子だ。カラシも良く合う。いくら食べても食べ飽きない感じがする。
うーむ、個人的にここの餃子は、今までで一番、美味いかも知れない。少なくとも、今まで美味いと感じていた池袋の「東亭(ここはランチのみで、しかもビールを飲めないのが、玉にキズ)」といい勝負だ。「東亭」の餃子はとても巨大なので、2枚食べようなどとは思わない(しかも大変混んでいて、夫婦だけで切り盛りしているので、追加注文は基本的に無理)が、ここの餃子はそうゆう心配はいらない。どんどん、焼いている。
そんな風だから、客の回転は良さそうに思うのだが、意外に皆さん、じっくりと腰を落ち着かせて黙々と喰っている。我々より先に入っていた客は、我々が追加の餃子を食べ終わるまで、誰一人として立ち上がらなかった。皆、この店(餃子)が好きなようである。
ここ、両国支店は、餃子以外にもラーメンや焼きそば、野菜炒め、チャーハンなど、それなりにあるが、亀戸の本店は、餃子一本やりだそうだ。随分、強気だ。今度は、腹を空かせて亀戸本店に行ってみるか。 

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本厚木で打ち上げた後、新宿駅が通過点の3人組で、西口の「思い出横丁」にちょっと寄り道。相変わらずこの横丁は賑わっているが、この頃益々、外国人観光客の割合が増えて来ているように感じる。この横丁はもはや、立派な観光地だ。特に「中通り」と呼ばれる路地は、我々日本人にとっても映画セットのように感じるくらいだから、このディープなエスニック感は欧米人にも受けるのだろう。
ここで酸性雨が降りさえすれば、リドリー・スコットが描いた「ブレードランナー」の映像世界そのものだ(近々、続編が公開されるそうで、楽しみだ)し、「メン・イン・ブラック」に登場するようなエイリアンが、ここでこっそり店を開いていたって何も不思議ではない。この路地を通り抜けるだけで、ちょっと異次元世界にトリップ出来る。もちろん、ここは仮想空間ではない。観光客に媚びない、リアルな生活臭漂う横丁なので、一層、魅力的なのだろう。
この頃、「CoCo壱番屋」とか「ひな鳥」、「情熱ホルモン」など、いわゆる新興チェーン店がこの横丁に店を構えるようになっている。かつての混沌とした昭和レトロ的雰囲気が壊されつつあるように感じるが、それらもすぐにこのカオス時空に取り込まれてしまうのかも知れぬ。
アユラシの提案で「岐阜屋」に行ってみる。この店もこの横丁のひとつの顔である。一応、この店は中華料理屋なのだが、ここでビールも呑まずに帰る客は少ないだろう。事実、昔からここを中華料理屋だと思ったことは一度も無い。小生にとっても、ここは中華風肴を出す居酒屋である。
何とか居場所を落ち着けたら、ビール。それと共に、餃子(400円/5個)、木耳玉子炒め(570円)、ピータン(360円)も注文。どれもこれも美味い。ビールグラスを傾けつつ、狭い路地を行きかう人々を眺める。ぼんやり眺めていると、時の移ろい、人間関係、俗世間の荒波などに揉まれ翻弄された、人々の後ろ姿が透けて見えてくるような錯覚に陥る。これだけで、この横丁を堪能できる。

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岐阜屋のHP: こちら

シトシト雨の中、細尾峠から薬師岳に登り(山の記録はこちら)、あとは「やしおの湯」を目指してズッキンバッコンの尾根歩きをしてきた。それにしても、アカヤシオを見た昨年とたった一週間しか違わないのに、今年はアカヤシオの花は影も形も見当たらず、トウゴクミツバツツジもごく僅か、シロヤシオは終わり掛け、ヤマツツジが丁度花盛り、そして新緑が目に沁みるようだった。去年と比べれば、今年は少なくとも3週間は早い。まことに花のタイミングは難しい。それだけ、春から初夏にかけては、季節の移ろいがダイナミックだと改めて感じる。
山から下りるとどんぴしゃり、目の前が「やしおの湯」だった。合羽を脱いでスパッツを外していると、目の前に大型バスがすーっと横付けされ、中高年ハイカー達がドヤドヤと建物へ入って行った。ひ~!タイミング悪し! 風呂場に行くと案の定、洗い場は順番待ち。恐らくは、女湯の方がさらに大混雑だろう。
湯はややカルキ臭を感じるが、無色透明のつるつるすべすべ系。直ぐ近く(と云っても直線で20kmぐらい離れているが)の、日光湯元のにごり湯とは全く趣が異なるから不思議だ。
風呂から上がったら、ロビーのソファー席へ。団体客はここには来ないと見え、そこそこ空いている。反対側には畳敷きの交流室(何故「交流」なんだろ)もある。ロビーの手前には飲食コーナーがあって、食券販売機が置いてある。ここで、ビールと餃子をいただき、暫し寛いでいると、だいぶ遅れてなおちゃんも風呂から上がって来た。大変な混みようだったらしい。それにしても、団体ツアーで公共施設にやってくるのは、止めてほしいものである。 
ところで、東武日光まで向かったタクシーの運転手は、「やしおの湯」よりも「東照温泉」がお気に入りとのことだった。「以前は、女夫渕温泉だったが・・・」と。へ?だったとは・・・?と訊くと、今は閉館しているとのこと。女夫渕温泉が廃業していたとは知らなかった。これも3.11大震災によるものだそうだ。露天風呂(混浴)は開放感たっぷりで気に入っていたのに残念である。

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本仁田山を登り、「もえぎの湯」で汗を流した後、待ちに待った「天益」へやってきた。目当ては鹿肉竜田揚げ(700円)を賞味してみること。鹿肉とはもちろん、地元奥多摩産のジビエである。昨今のニホンジカによる食害はまこと惨憺たる状況であるが、この頃、奥多摩にも鹿肉処理場が出来たおかげで、僅かながら流通するようになった。奥多摩ではここ「天益」と、「丹下堂」で提供されている。これで、食害が減ると云う訳ではないが、小生も、ささやかながら奥多摩の環境保全と鹿肉産業(?)の発展に寄与したい(というのは表向きで、実態は単に鹿肉喰って酒を呑みたい)ので、機会があれば寄ってみたいと思っていた次第。
調べてみると、「とうきょう特産食材使用店」という都の登録制度があり、この店も東京産の鹿肉などで登録されている(「丹下堂」でも鹿肉が登録済み)。これに登録されると、東京都のHP等で、その店名を公表する仕組み。ただ、それだけではちょっと有難味というか、インパクトが薄いよね。地産地消をもっと大々的にアピールするためのひとひねりが欲しいね。
前回、昨年10月(レポはこちら)に来た際は、運悪く、鹿肉が品切れていたので、今回は予め、なおちゃんに鹿肉の在庫確保と、店の座敷の予約をお願いし、準備万端整えての入店となった。この店の女将さんは、いつも登山客を相手にしているせいか、顔を合わせて開口一番、今日は何処の山に登ったのか、雪の状態はどうだったか、まで訊いて、ちゃんと情報収集に余念がない。この店が、山やの情報交換の場になっている所以である。
いつもカウンター席なので、奥の座敷は初めて。10人は余裕で座れる大きさ。「もえぎの湯」に浸かったメンバーが三々五々集まり、ビールでスタート。さっそく目当ての鹿肉竜田揚げをいただく。初めて食べたが、「揚げ」というよりは、「ソテー」に近い感じ。でも下味がしっかり付いて、かつ肉も柔らかくジューシー。いけるね~。我々はつい鹿肉のことに話が偏りがちだが、実はこの店の看板料理は、昔から餃子である。ここの餃子は薄皮で美味い。ビールがすすむ。
ビールの後は、澤乃井純米吟醸生原酒立春朝絞り。これは、日本名門酒会に参加する全国の蔵元が、立春の日に合わせて上槽し壜詰するというもの(詳しくはこちら)。いわゆる日本酒版ボジョレーヌーボーのようなものか。これを目当てにする人も居そうだが、こちらは勉強不足で知らなかった。呑んでみた印象は、まことに爽やかで春を感じさせる。
美味い酒を呑んで美味い鹿肉と餃子を喰って1時間強、これで一人約2,000円だった。これは病みつきになりそうだ。そうなると、奥多摩に来たらなるべく簡単な山に登って早いところ「天益」に入ろうなどと、邪まなことを考えてしまいそう。今後の山行プラン立案に、少なからぬ影響が出そうな予感がする。

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東京都檜原村の京岳BSから「トヤド浅間」に登って生藤山まで歩き、山梨県上野原市の井戸BSまで歩いたが、思いの外、時間がかかった(山の記録はこちら)。やや積雪があったせいだろうと思う。北面に限らず、南側の植林帯にも結構、雪が残っていたし、林道に出ても轍は凍結状態(のんちゃん、滑って転んで、手に持っていたアイゼンのバンドを破損!)、なかなかアイゼンを外すタイミングが難しかった。
当初計画では神奈川県相模原市の鎌沢入口BSへ下る予定だったが、時間短縮のためには井戸BS側に下り、タクシーを呼んだ方がいいと判断し、軍刀利神社を過ぎたあたりで藤野タクシーに電話すると、受付の女性は、軍刀利神社も井戸BSも判らないと云う。マジですか。上野原のタクシー会社に電話した方が良いとか、挙句には車が出払っているとか云い出すので、はいはいと電話を切った。それではということで、電話番号を登録してあった富士急山梨ハイヤーに電話すると、最寄りの営業所は大月なので、上野原にあるタクシー会社さんへ電話した方が良いと云う。仕方ないのでネット検索してから、上野原タクシーに電話、漸く井戸BSが判るヒトと話が出来た。
それにしても、藤野駅と上野原駅とは隣り駅で、井戸BSからもほぼ同距離だし、東尾垂の湯からも似たり寄ったり。何故、藤野タクシーがそれほどまでに井戸BSに対して消極的なのか判らぬ。逆に、東尾垂の湯からタクシーに乗って、井戸BSへ行く場合には、上野原タクシーだったら遠まわしに断られるのかも知れない。山梨県と神奈川県との行政区の違いがそうさせているのか。ともかくも、県境の近傍を往ったり来たりするには、予め地図での場所確認が必要なようだ。
とにかくタクシーによるリカバリーは不発に終わり、東尾垂の湯にはほぼ1時間遅れで到着。結局、なおちゃんを2時間も待ちぼうけさせてしまった。辺鄙な場所だが、意外に客が多い。その大多数は車利用の客である。
ここは初入湯。源泉かけ流しで、源泉の湯温も45.8℃あり、正真正銘の高温泉。4時間で880円(貸タオル付き)。こういう料金体系を見ていつも思うが、その半分の時間でいいからもうちょっと安いプランもお願いしますよ。「酒類・弁当類の持ち込みは出来ません」とのこと、そのぶんメニューも豊富で、食堂にチカラを入れている様子が窺える。今回はビールの友に、餃子と冷奴、枝豆、げそ揚げを賞味。餃子は皮も具もちょっと変わっていて美味かった(但し、具体的に何故どう違うのかがよく判らなかった)。
藤野駅への送迎バスが、16時15分の次が17時40分までないので(何故きっかり1時間おきじゃないのかな)、その分、ビールを余計に呑んだのは云うまでもない。

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東尾垂の湯のHP: こちら 

安達太良山に登った帰り(山の記録はこちら)、大宮で途中下車して「いづみや第二支店」に入った(写真は本店です、すみません)。そもそも、東北新幹線か上越新幹線、長野新幹線で遠出した山の帰りには、大宮で途中下車することが多い。たいていの場合、「いづみや本店」か「いづみや第二支店」のどちらかに入りこむことになる(ちなみに第一支店に相当する店は日暮里にある)。何故に惹かれるのか。「いづみや」は言わずと知れた老舗大衆食堂兼大衆酒場で、昭和ノスタルジーそのものの雰囲気を醸しているが、この店(両方とも)の一番の魅力は、店内の雰囲気や料理、酒もさることながら、店員と客筋にあると思う。
入ったことのある人にはよくお判りのとおり、店員の殆どは、呼びかけるには「お姐さん!」か「お母さん!」か「おばちゃん!」が相応しい、人生経験豊富な女性シルバー世代である。みなさん、実に味がある。観察しているうちに、店員間に序列らしきものがあるように感じてくる。単に年功だけではなさそう。新入りの「お姐さん」にビシビシ指摘をする古株「お姐さん」もいる。新入り「お姐さん」の場合、あまり一度に多く注文すると、忘れられることがある(二皿か、せいぜい三皿が限界である)ので注意した方がいいし、なかなか料理が来なくてもイライラせずにゆったり構えた方がいい。この店のシステム上、注文を受けた料理の数を単価別に伝票へ書き込んでいくので、どの料理がいくらなのか(料理メニューの数はかなり多い)、頭に入っていなくてはならないし、出来上がった料理が、どのテーブルの注文なのか覚えておかねばならない(伝票には料理名は記載されない)ので、「お姐さん」方も大変なのである。
客筋も興味深い。一人の客が多い。そして多くは公営ギャンブル好きの方々のようである。我々のように最低でも4人、どうかすると今回のように8人で、しかもリュックサックを背負って入る客は稀であり、注目を浴びる。一人連れの客は長居せず、いつの間にかすっといなくなる。仕事の憂さを晴らしに来たのか、家庭が上手くいってないのか、ギャンブルの女神に見放されたのか定かではないが、何気なく客の背中を眺めていると、その人の人生が透けて見えてくるような気がしてくる。それらがこの店の味と言える。 

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