天丼(かきあげ丼)を喰うのは久しぶりである。勿論、嫌いではないのだが、この頃基礎代謝が落ちて来ているせいか、丼物を喰うのは腹に堪えるので少々難儀である。また、せっかくだから丼物以外に何かつまんでみたいし、ビールや酒も呑んでみたい。そうなるとどうしても敷居が高く感じてしまうのだ。今回は意を決して食べてみることにした。
店は、かねてより狙いを定めていた「中清」。浅草には天麩羅屋が多いが、一般的に天丼と云えば、「中清」のすぐ近所にある「大黒屋」が先ず思い浮かぶ。何時も人気なので、目の前を通ると、たいてい行列が出来ている(でも近くにある別館では行列を見たことが無い。いったい味が違うのか、客が知らないだけなのか)。
ホッピー通りからやってきて、伝法院通から浅草公会堂の角を右に曲がったら、すぐ右手。入口から玄関までの長い石畳を辿ると、建屋は蔵造り風になっていることに気が付く。元々、蔵だったのだろうか。何れにしても重厚な店構えである。
暖簾を潜ると仲居さんがお出迎え。予約無し、ランチを所望すると、テーブルが4つ並んだ部屋へ通される。先客はいない。我々の後からは2組ほどやってきた。この部屋はそのまま中庭へ通じるようになっている。中庭には池があり、幾匹かの錦鯉が優雅に泳いでいる。その奥に離れ風の建物があるが、良く見ればこちらとは繋がっている様子。コースのみ、離れ風の客室の予約が可能なようである。仲見世辺りの騒然とした雰囲気とは違い、閑静な風情である。
テーブルについたらメニューを拝見。先ずはビールの後、カミさんは天丼、小生も同じにしようかと思ったが、ここの名物「雷神揚げ」丼にしてみた。かき揚げにしては分厚いので、雷神が持つ太鼓のようだ、というところから命名されたらしい。
胡麻油の香りだが、それほど強くは無い。味はやや濃いめ。揚げは、思いの外、しっとりとしていて、サクサク感は全くない。かき揚げに、タレを上からかけたのではなく、タレの中を潜らせたように感じる。でも、かきあげ丼(雷神揚げ)はサクサクが良いなんて、誰が決めたんだ?! と云わんばかりに、堂々ともっちり感満載である。思わず、こう云う天丼もあっていいんじゃないかな、と云う気になる。味は申し分ない。やはり偶には、こういう天丼(かきあげ丼)にありつきたい。しっとりとしたかき揚げ丼が好きな人にはお薦めである。 

_DSC0675

_DSC0682

_DSC0678

_DSC0681

_DSC0676

_DSC0679

_DSC0680

_DSC0683

_DSC0684


中清のHP: こちら