子の権現から下りて(山の記録はこちら)「休暇村・奥武蔵」で温まった後、たまには池袋で打ち上げようと云うことで、リサーチャーなおちゃんが予めピックアップしてくれたいくつかの店の中から、「萬屋松風(よろずやまつかぜ)」をチョイス。実は、十数年ほど前に勤務地が池袋だった頃、何度かカミさんと通ったことのある店で、雰囲気は気に入っていた。センベロなど格安居酒屋がカオス的に多い池袋西口にしては、ちょっぴり高級な居酒屋。その外観もこの界隈には似つかわしくない、つまりケバケバしさも場末感も全くない民芸調である。若者には魅力的には映らないかも知れぬ。引き戸を開けて店に入ると、二階へ通される。先客は一組のみ。使い込まれて黒光りする柱や梁、前に来た頃と変わらぬ、陰翳礼讃の世界。
リュックサックを荷物置き場に置いて席に着いたら、喉が渇いたのでやっぱりビールからスタート。プレミアムモルツのハーフ&ハーフを呷る。この店は以前と同様、日本酒の種類が豊富だが、いまトレンドの日本酒銘柄とは一線を画した品揃い。思い思いに水芭蕉、雪の茅舎(ぼうしゃ)、石鎚樽しぼり、星自慢等々を味わう。肴も通常の居酒屋とはちょっと違って、酒好きには堪えられないメニューが多い。刺身おまかせ五点盛り、サバの冷燻製、牡蠣のオイル煮、おからのコロッケ、出汁巻き玉子、関サバ開き、じゃこと大根のサラダ、白子酢の物、レンコンはさみ揚げなどを注文。
以前は満席になるようなことはなかったが、この頃は名前が売れたのか、我々が帰る頃には大入り状態となった。それでも狭い処にぎしぎし詰め込まれるような店とはちょっと違い、隣のテーブルとの程良い距離が落ち着けるので、混んでもさして気にならない。これも魅力のひとつかも知れない。従って、みんなでワイワイやるのではなく、気心が知れたもの同志でゆったりと、会話と酒と肴と店の雰囲気に酔うにはもってこいの店と云えよう。

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