三か月に一回の定期検査の午後、根岸の「笹乃雪」に行ってみた。最寄駅は鶯谷なのだが、今回は浅草から都バスに乗って行ってみる。電車移動だと点と線の1次元にすぎないが、バスだと街並みが2次元的に見えてくる。直ぐ外の歩道橋から見ると、やや古びているものの鉄筋コンクリート4階建ての立派な料亭に見える。玄関を潜ると、下足番が現れる。こんな店は随分と久しぶり。予め料理のコースを予約していると個室に通されるとのことだが、我々は大部屋のテーブル席へ。他の客は二組だけだったが、どちらも中国系外国人。ロンリープラネットにも載っているのだろうか。仲居のおばちゃんが、素朴なジャパニーズイングリッシュで一生懸命説明している。でも豆腐はトーフ、湯葉はユバ。マレーシアに居たとき、たしか英語ではBean Curdとか云っていたが、トーフもユバも国際語になっているのかも知れない。
この豆腐料理店の創業は元禄四年、実に320年以上も昔からやっている老舗中の老舗である。大石内蔵助等が討ち入り後、預けられていた細川家屋敷に、この店の豆腐が届けられ食したという、歴史秘話があるのには恐れ入った。今が旬の柳原白蓮の色紙もさり気なく飾ってある。
生ビールを呷ったあとは、「綾」を頼んでみる。昨今、「屋守」で有名な(元々は「金婚」が主要銘柄の)、東村山にある豊島屋酒造の微発泡酒。仲居さんから、吹き出るから慎重に、と言われて慎重に開けたがやっぱり吹き出た。そのあとは金婚生貯蔵酒。料理は全部で10品あるものの、量は少なめで次から次へと出てくるので、あっというまに食べ終わってしまう。このうち、最初に出てきた白酢和えは、大きな器に素材が綺麗に並んでおり、これを自ら混ぜるようになっているところがちょっと面白い。それにしても、デザートに至るまでとことん豆腐尽しなので、余程の豆腐好きでないと少々飽きる。カミさんは途中で肉が食いたくなったそうである。

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