帰国してそろそろ一週間。目論見通りに、ここぞとばかりに和食を喰い捲くってきたが、寿司は喰った、串焼きも喰った、鮎も喰ったと指折り数えていくうちにハタと、そう云えばまだ蕎麦を手繰っていない、と気が付く。このままテキサスへ帰る訳にはいかない。
新蕎麦にはやや早いかも知れないが、出来ればそれもなんとか喰ってみたいとの思いが強くなり、早速、次の日曜日に行ってみようと、手頃な店を検索開始。そのうちに、以前から気になっていた浅草の「丹想庵 健次郎」を思い出すが、この店は日曜日が休業だ。むぅ、残念・・・、と思ったが、ふと、ならば今度の金曜日に会社を休んで行けばイイじゃん、と妙案を思いつき、早速休暇届を出すと共にカミさんに都合を打診、すると返信でもう「予約入れた」と返事。
当日の金曜日は本降りの雨。仕事だと出掛けるのは憂鬱だが、蕎麦屋が目的となると、ものともせずに浅草へ。黄昏時の雨の浅草は、外国人観光客も見当たらず、JRAの場外馬券売り場も閉まっているので、おやっと思うほど閑散としている。浅草寺の北側、言問通りを隔てた浅草3丁目は飲食店が点在しているものの、普段でも外国人観光客は殆ど見かけない地区で、浅草寺界隈の喧騒とは別世界。今宵も何時もに増して静か。「丹想庵 健次郎」はそんな路地にひっそりとある。
17時30分の開店時刻に合わせて行ってみると、我々が本日の入店第1号。浅草の蕎麦屋らしく落ち着いた内装。カウンター席と小上がりがあるが、思いの外、若い店主がどこでもいいと仰るので、一番奥の小上がりへ。ガラス戸の外は箱庭が設えている。
店内を見渡すと、「新蕎麦」との貼紙。来た甲斐があった。ともあれ、先ずはビール(サッポロ赤星650円税込、以下同様)で喉を潤しながら、メニューを眺める。肴も酒も色々あってうれしい。それでは、日本酒へ移ろう。口火は会津の酒、野恩・生酛仕込特別純米無濾過原酒(1,200円)をいただく。骨太な酒だ。
やがて蕎麦焼味噌(550円)と銀だらの西京焼(950円)が登場。焼味噌は、味噌の塩気がかなり上品で、酒の肴にはもってこい。こんな美味い焼味噌は、秩父のこいけ以来だと思う。銀だらもぷりぷりで、我が身が蕩けそうである。客はその後三々五々やってきて、いつの間にか満席。
その後、太刀魚の炙り(値段失念<(_ _)>)、めごち天ぷら、ねぎぬたをもらうがどれも申し分ない。ねぎぬたは、箸休めに丁度良い。そして仕上げは二種もり(1,500円)にしてみた。二八蕎麦と田舎蕎麦。喉越しの違いはあれど、どちらも香り高い。久々の新蕎麦を堪能し、この店の雰囲気にも堪能した。また、季節を変えて来てみたい。

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