この頃、埼玉県越谷市では鴨鍋(この界隈では鴨ネギ鍋と呼ぶ)がご当地料理になりつつあるらしい。日頃、越谷へ行く機会が多いカミさんが仕入れてきた情報で、実際に東武線越谷駅近くの店で、鴨ネギ鍋の宴会をしたことがあるとのこと。
社会人になってだいぶ暫くしてから、鴨鍋の美味さに気が付いて以来、機会がある限り鴨鍋を喰いたいと思い続けてきた我が身にとって、このような状況を見過ごす訳にはいかない。いつ何時、マガモが絶滅危惧種に指定され、鴨鍋が、うな重並みに高騰しないとも限らない。喰えるときに喰っておくしかない。
今回、越谷の鴨ネギ鍋を食すために訪れたのは、「大花亭」と云う料亭である。もちろん、料亭と云っても越谷のことなので(馬鹿にしているつもりは全くない)、比較的庶民的な店。日曜日に予約無しで行ったのだが、女将と思しき人が出て来て、基本的に日曜日は予約客のみです、とは云いながら、「鴨ネギ鍋(2,000円/1人前)」か、「鴨のお狩場焼き(1,200円)」でしたらご用意できますとのこと。それならば全く文句は無い、せっかくなので両方いただくことにする。
客間は個室ではないが、他にひと組が先に居ただけで基本的に静か。日曜の昼間の料亭がこんなものなのは、既に吉川の糀家で経験済み。まこと贅沢な時間を過ごせる。
ビールをちびちび呑んでいるうちに、先ず「鴨のお狩場焼き」がやってくる。鴨と葱を陶板で焼き、おろし卵をつけて食すシロモノ。こりゃ、日本酒だ。(車を運転する)カミさんに申し訳ないと思いつつ、日本酒リストにあった「花陽浴・純米吟醸・美山錦」をいただく。普通に「花陽浴」が呑めるのは、如何にも埼玉の料亭という感じだ。
そのうち鴨ネギ鍋も登場。鴨と葱以外に、鶏つみれ、油揚げ、絹ごし豆腐、椎茸、葛切り、セリも入っていてとても具沢山。締めにはうどんがついてきた。これはこれで大変美味しかったのだが、個人的に、鴨鍋の具材と云えば、カモとネギだけに限る、とあえて断言したい。「カモがネギを背負って・・・」とはよく云ったもので、この2つだけで鴨鍋が絶妙に美味い。あとは何もいらない。よく、通常の寄せ鍋の如く、様々な食材が入っていたりするが、全く不要と云うか、別のジャンルの鍋という気がする。
ちなみにこの日は夕食も家で鍋(ついでに云えば、翌日の朝食はその雑炊!)。馬齢を重ねるに連れて、益々鍋が美味く感じるようになってきたから不思議なものである。 

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