女子連と合流した後、今度は「桝一市村酒造場」に行ってみる。知る人ぞ知ることだが、つい二年前まで、セーラ・マリ・カミングスという女性アメリカ人が取締役だったのが、この造り酒屋。もう十数年前のことだが、一時期、かなり有名になって、テレビや雑誌に時々登場したので、覚えている人もいると思う。欧米人で初めて利き酒師になったことでも有名。活動は造り酒屋の再建だけに止まらず、ある意味、小布施を現在のような一大観光地にしたのは、彼女のお陰と云っても過言ではないだろう。
直売店は外観も内装も重厚な造り。無駄な装飾は無い。店内はかなり賑わっている。松葉屋本店とは好対照だが、こちらは店内での無料利き酒は無し。店の一角にバーカウンターがあり、そこで金を払って飲ませる仕組み。ここ辺りでは、量り売り直飲、すなわち酒屋でコップ酒を飲むこと、云うなれば角打ちのことを「手盃」(てっぱ)と呼ぶそうだ。従って、カウンターではなく「手盃台」と云うそうである。
このちゃん、なおちゃんと手盃台に座り、さて手盃酒は何にしようかとメニューを拝見。7種類あるうち、白金(山廃)、雲山(原酒)、スクウェア・ワン(特別純米)を選んだ。その名の通り、スクウェア・ワンは「桝一」の英語読み。ハイカラなイメージが湧いてくるが、原点復帰と云う意味を込めたものらしく、味わいも至って武骨。昨今の流行りには流されない頑なさを感じる。白金も、山廃らしく酸味がしっかり。雲山は比較的呑みやすい。手盃台には荒塩が置いてある。越後湯沢の利き酒コーナーですっかり経験済みなので、塩を舐めつつ呑むのは堂に入ったものだ。
飲み比べた結果から、スクウェア・ワンの四合瓶を買うことにした。陶器製のボトルが洒落ている。

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