山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

桜鍋

今年の第19回松田さくらまつりは、2月11日から3月12日までとの情報を得たので、2月25日に行ったら丁度良いだろうと思っていたら、当日の朝に乗ったタクシーの運転手曰く「もう、葉桜」と。山から下りたらちょっと覗いてみようかと思っていたが、当てが外れた。そうなると我々は、単にもう桜を見に行かないだけだが、さくらまつり自体を止めるわけにもいかないだろうから、関係者は大変だ。まだあと2週間、3月12日までどう凌ぐのだろうか。
我々は喰い意地が張っているので、花見をやめたからと云って、桜鍋を喰うのを止めることまでしない。勿論、既に「肉八」には6人で予約(byなおちゃん)も入れてある。店の前には「さくらまつり特別メニュー」が掲げられている。暖簾を潜って入ると、店主夫婦がお出迎え。女将さんは大変、人あたりが柔らかい。一方、御主人は強面で如何にも職人気質風。ワシの作る料理が不味い筈が無い、と顔に書いてある。先客は一組のみだったが、我々の後から二組やってきた。
先ず、ともかく「健楽の湯」から我慢してきたので、ビールで乾杯、グビッとやる。その後は日本酒にしようと冷蔵庫を眺める。御主人は、好きなタイプを云って貰えれば、それに合った酒を出すと仰る。客はどうせ日本酒の銘柄なんか知らないだろうからな、という感じ。話を半分聞きながら冷蔵庫の中を物色すると、どれもいい値段の酒ばかり。確かに美味そうだが。そんな中に、呑んだことが無い酒を見つけ出し、値段も程々の様なので、これを下さいと申し出。「日置桜・清水緑山・特別純米」とある(「日置桜・清水緑山・純米吟醸」もあったが、ちょっと手が出ない)。訊けば、ご主人のお気に入りの酒らしい。・・・外さないで良かった。呑んでみると、呑み易いがしっかりコクも酸も感じられて、確かに良い酒だ。気に入った。
待ちに待った桜鍋は、イメージがだいぶ異なり、ニラと桜肉のみとシンプル。まるでモツ鍋のようだ。肉は、色が変わったら直ぐに食べなさい、との仰せに従いパクつく。柔らかくって美味い。桜刺しもイケる。肝心の桜は拝めなかったが、日置桜を味わい、桜肉を堪能した。また来年も、この手でイクか。

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半世紀近い登山歴をもつ兄が、なんと八ヶ岳の硫黄岳も天狗岳も登ったことが無いと云うので、1泊2日で行くことにした。ついでに、小生も泊ったことが無いオーレン小屋を予約し、更に未登の「峰の松目」(2,568m)にも登ることにした。
(1日目)
アプローチはタクシーで茅野から桜平へ(7,200円)。我々のタクシーが戻っていったあと、次々と別のタクシーがやって来る。ジャンボタクシーも来る。少なくとも小生の学生時代には桜平などという登山口は存在していなかった。いつ頃出来たのか定かではないが、主稜線に近いせいか(夏沢峠までコースタイム100分)、かなりの人気登山口になっているようだ。
はっきりしない天気で、霧の様な霧雨の様ななかを、沢沿いに登り始める。沢の水量が多いような気がする。程無く夏沢鉱泉に到着。多くの子連れの登山者が屯している。夏休み最後の思い出作りだろうか。更に登ると、オーレン小屋の発電小屋がある。いわゆる、昨今流行りのマイクロ水力発電。あとで小屋の主に聞いたところ、発電量は8kwあるとのこと。それだけあれば、少なくとも小屋の電灯分ぐらいは十分賄える(談話室にはコンセントもあって、ちゃっかりスマホを充電している奴がいた。小屋も公認か?) だろう。実際には、火災感知器・火災受信機の24時間稼動(押入にも煙感知器があるそうな)、水洗トイレ用浄化槽の運転、そして廊下、トイレ等の24時間照明に使われているようだ。タービン羽根も多少砂利が流水に混じっても破損しないよう、頑丈なものにしているらしい。導入したのは2002年とのこと、八ヶ岳の小屋は総じて環境問題への取り組みに積極的だが、オーレン小屋もかなり先駆的にエコに取り組んでいると思う。小屋の主はベンツより高かった、と言っていたが、きっと国の補助金も貰っているだろう(後で調べると、総事業費は2,200万円)。
11時25分オーレン小屋到着。ここにも子連れのグループが多い。受付を済ませ(1泊2食付き9,000円)、着替えや酒、つまみ等をデポしたら、先ず峰の松目を目指す。雨がパラついてきたので合羽を着装。苔むしたシラビソとコメツガの森を緩やかに登っていくと、鞍部に分岐を示す道標があり尾根道を右にとる。緩やかな登りは次第に傾斜が増し、一部、木登りのように急な部分をクリアしてほぼ平坦な道を暫く進めば、コメツガ・シラビソ林にシャクナゲが入り混じった山頂に到着(12時30分)。聞いていた通り眺めは無いが、八ヶ岳にしては実にひっそりとした頂である。
軽くレーションを食べたら引き返し、次は硫黄岳を目指す。オーレン小屋への分岐の標識を通り過ぎると再び登りに転じ、無心に登っていくと、やがて森林限界を越える。雨は上がったが、どちらを向いても真っ白ガスの中。右手、赤岳鉱泉からの道と合わさった処が赤岩ノ頭(2,656m)だ(13時30分)。二十人くらいの子連れパーティが休憩中だった。中には就学前の子供もいるようだ。硫黄岳はもう目の前。登る程にガスが切れ始め、次第に赤岳や阿弥陀岳が見え隠れするようになる。子供連れ大パーティは、硫黄岳山荘が今日の宿泊地らしい。硫黄岳は山頂を示す標識と三角点は随分離れている。三角点(2,760m)はだだっ広い山頂の東の端にあって、そこまで行くには断崖絶壁になっている火口の縁を通らなくてはならず、危険だからと行政が判断したのかも知れない。とにかくほぼ平坦で広いので余り違いは無い。
これ以上ガスは晴れそうにないので下山、夏沢峠までの間、登ってくる登山客と結構すれ違う。皆、硫黄岳山荘を目指しているようだ。夏沢峠はガスの中。やまびこ荘は営業中だが、ヒュッテ夏沢は、この時期でも雨戸が閉まっている。小型風力発電機がズラリと並んでいるが、ピクリとも動かない。ゆるゆると涸れ沢のような道を下っていくと、オーレン小屋に戻る(15時10分)。汗が引かないうちにさっそく缶ビール。小屋の前で子連れパーティが遊んでいるが、やがて赤岩ノ頭と峰の松目との鞍部に向かっていった。やはり硫黄岳山荘が宿泊場所なのかも知れないが、16時近くになって漸く登り始めるとは、随分と呑気ではないのか。雨がパラついてきたので、小屋の談話室に移動する。薪ストーブがガンガン焚かれている。小屋の主が約30分に1回、薪をくべに来て、周囲の登山者たちと一頻り話してから去っていく。11月3日で小屋を閉める訳は、主曰く「いくらストーブを焚いても暖かくならない」ほど寒くなるから、とのことだった。あと僅か2か月先のことだ。16時半頃、モンベルツアー(女性のみ対象?)の一団が雨をついて到着。ツアーにしては、ごゆっくりな行程だ。それにしてもこの小屋は女性客の割合が高い。7:3ぐらいだろうか。女性に人気な理由はいろいろありそうだが、やはりトイレ・洗面所が綺麗で男女別になっているところか。
17時30分に夕食。云わずと知れた桜鍋。肉はとても柔らかく、量も十分ある。これに蕎麦と天麩羅も付いているのだから豪勢だ。旅館の食事処のように、各テーブル(座卓)に、予約した人の名前が掲げられているところも細やかなサービスと云えよう。再び談話室に戻り、どちらも北海道出身という若者2人パーティと暫し歓談。就寝20時。夜半に激しい雨の音で眼が覚める。
(2日目)
4時30分起床。気温は10℃、フリースジャケットを着る程寒くは無い。外は雨は止んでおり曇のようだが、峰の松目が良く見えているのでガスはそれ程低くないようだ。5時20分過ぎに朝食。昨日とテーブル(椅子席)が違っている。小屋のスタッフも厨房で同時に朝食をとっている。さっさと食事を済ませ、支度をして5時50分出発。直接、根石岳へのルートをとっても良いのだが、一応、夏沢峠経由で登ることにする。樹林帯を抜け、根石岳の登りにかかると、辺りのガスは急に切れ始め、視界が開けて行く。先行していたモンベル・女子ツアーを追い越す。7時15分根石岳到着。ここからから東天狗岳までは指呼の距離。左手を仰ぐと、遠くに南アルプスや中央アルプス、御嶽山が良く見える。北岳の右側には塩見岳も顔を覗かしている。天気は急速に回復しているものの、むしろ南八ヶ岳の方がガスがとれるのが遅い。
7時40分東天狗岳到着。北海道ペアに追い付く。ここから、西天狗岳(2,646m)を往復する。彼ら二人は稲子湯に下山すると云う。モンベル・女子ツアーは東天狗岳で大休止、西天狗岳に行くつもりは無さそうだ。8時00分西天狗岳に着くと、南八ヶ岳のガスもすっかりとれていた。蓼科山はまだガスの中、北側の回復が遅いようだ。東天狗岳に戻ったら、天狗の奥庭を経由して黒百合ヒュッテに下る。昔乍らの佇まい。コーヒーでも飲みたいところだが先を急ぐ。11時15分渋の湯到着。茅野行バスは11時30分発なので、バスは諦めタクシーを呼ぶことにして、ゆったりと久しぶりに渋御殿湯に浸かった。

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オーレン小屋のHP: こちら 

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