立川北口「梅の湯」の傍で、何処かいい店がないかネットで探したところ、見つけたのが「あかつき」。電話を入れると「はいれます」との返事、さっそく向かう。
北口の立川通りから、ローソンの角を東へ入る路地は、映画館が無いのに「シネマ通り」と云うそうだ(かつてはあったらしい)。ハイカラな名前だがそもそも店が少ないし、土曜日の日暮れ時は開いている店はさらに少なく、この先に果たして店があるのか、と思うような暗く寂しい小路。それでも暫し進むと、沙漠のオアシスの如く、ライトアップされた白壁の店が現れ、そこが「あかつき」だった。
扉を開けると、左手がカウンター席、右手がテーブル席。先客は、テーブル席に数名で女子会。外装も内装も、白木または古木とクリーム色の壁との組み合わせが、清潔感を感じさせる。スペインかフランスの田舎(行ったことがないので単なる妄想)にありそうな佇まいである。カウンターの中には、店主と女性店員。店主は意外にお若い。
我々はカウンター席へ。一応、ビールは「梅の湯」で済ませてきたので、とりあえず日本酒。今日の酒はこれです、と示されたのが「天寶一おりがらみ」と「貴」と「明鏡止水」。先ず「天寶一おりがらみ」をいただく。広島の酒とのこと。口に含むと、フレッシュ感はあるが、旨みも強く深い複雑な余韻。吟醸ではなさそうだ。自分好みの酒である。
先ずは揚げ蕎麦と肉味噌(?)のお通しが出てくる。これだけで、十分、酒の肴になるが、他に小松菜とエリンギのおひたし、かますの開き、大根の天麩羅、鶏カツと油麩の卵とじなどをいただく。
どれも料理はシンプルなのだが、何れもこだわりのもの、という感じ。味付けはあっさりで、出汁と素材の旨みを生かしたもの。若い店主なのに、随分と枯れた料理を出すものだ。普段、行くような居酒屋ではなかなかお目にかかれない。大根の天麩羅はあまり見たことが無いが、じんわり美味い。個性が強い日本酒だと負けそうな、繊細な味。
最後は蕎麦だが、ご主人は、蕎麦屋をやっているつもりはない、と仰る。確かにここは蕎麦居酒屋と云うよりも、割烹に近く、締めの蕎麦を提供していると云う感じ。ご主人曰く、蕎麦は毎日3ヶ月打ち続ければ、商売ができるようになるそうだ。不出来な蕎麦を3ヶ月分喰い続けるのも大変そうだが・・・。 
日本酒は酒屋が選んで来たものだとのこと、それでも品揃えを見ると、やはりこだわりがありそうだ。ほとんど、飛び込み的に入ったのだが、いい店を見つけた。馴染みになってみたい。今度は、大人数でやって来ようか。

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あかつきのHP: こちら