予約した19時15分に合わせ、「千住の永見」を出る。距離的には大して離れていないのだが、途中、メトロ日比谷線と東武スカイツリー線を渡る「開かずの踏切」があるので、10分ぐらいかかる。踏切を渡って牛田駅方面に向かうと、右手に「是屋」と書かれた白い提灯が見えて来る。この辺りは飲食店が少なく静か。
大きな入口扉の左側が全面ガラス張りとなっていて、その前にテーブル席、奥にカウンター席が連なり、その左側が厨房という造り。全体的に照明が抑えめなので、クラシックバーに見えなくもない。でもここは、全くの和風居酒屋である。我々には、カウンター席の、その更に奥のテーブル席が用意されていた。
腰を落ち着けたらメニューを拝見。ずらりと並んだ日本酒の銘柄。目移りしてしまう。もうビールはいい感じなので、やはりここは日本酒でスタート。各自、思い思いの銘柄(もうだいぶイッチャっているので、誰が何を頼んだのか、は云うに及ばず、自分が呑んだ銘柄もすっかり忘れた)をグラスで頼み、乾杯。
料理も日本酒にマッチしたものが並んでいる。お通しは、ズッキーニの煮浸し。味付けがやさしい。我々が注文した料理は、特製タレかけ炙りベーコンのポテトサラダ(600円)、完熟トマトまるごとお浸し(500円)、栃尾の油揚げ(500円)、竹の子と山菜の天ぷら(890円)、鯖へしこ(600円)。
ここのポテトサラダは、スカイツリーにあやかったのか、山盛りになっていて、そこへかき氷のシロップよろしくタレがかかっている。よく見るとそれはジュレ。舌で確かめるとオニオンスープのジュレのようである。名前の通りベーコンが存在を主張しているものの、それほどではなく、全体としてはやはり、やさしめな味付けとなっている。トマトのお浸しもやさしい味だが、出汁がしっかり浸みてとっても良い味だ。
それ以外の料理も皆、美味しいが、基本的には日本酒を邪魔しない、やや控えめな感じ(鯖へしこだけは主張している)。ここは日本酒が主役であって、料理は助演役である。
ここ「是屋」の人気の秘密は何か、まだよく判らないが、少なくとも呑んべえ女子を虜にするようなスタイルは持っているように思う。その意味では、北千住では異色の酒場である。

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