三斗小屋温泉から流石山、大倉山、三倉山と越えて下界に下りたら(山の記録はこちら)、無理すればそのまま家まで帰れるものの、折角なので地元の温泉に浸かり、地のものを食し、地酒も飲みたいのが人情。そうなると当然、宿に泊まるのが自然の摂理というものだ。那須の山に登って会津(福島)側に下りたのも今回初めてである。今が将に実りの時期、黄金色の田圃と真っ白な花を咲かせた蕎麦畑が広がっていて桃源郷のようだ。今回は久々、隊長と二人での山旅、湯野上温泉にある民宿「にしきや」に泊ってみた。外観は茅葺屋根の古民家そのものであるが、内装は意外とモダン。風呂もたっぷりの大きさで快適である。
そもそも、この宿に予約を入れたのは、1泊2食に地酒1合まで付いて税込9,180円というプランに惹かれたから。それにここは珍しく一人客でも受け入れてくれる(当初は一人での予約だったので)。夕食に出てくる地酒は一人1合のはずだったが、隣の席の方からのありがたいお裾分けもあり、都合、4種類の地酒を頂くことができた。内訳は・・・
「会津娘 純米」(会津若松/高橋庄作酒造店)・・・芳醇だが素朴で呑み飽きないタイプ。
「風が吹く 山廃純米吟醸生酒」(会津美里/白井酒造店)・・・旨味と酸味がバランスしていて、キレも適度にある。
「国権 道一筋 本醸造」(会津田島/国権酒造)・・・淡麗でスッキリ、呑み飽きないタイプ。ラベルが斬新。
「写楽 純米」(会津若松/宮泉銘醸)、フレッシュ感とコクがいいバランス。
この頃の造り酒屋では、製法や精米歩合だけでなく、酒米や酵母も様々に変えた多品種少量生産をウリにしているところが増えたが、この「風が吹く」や「写楽」もそうらしい。特に「風が吹く」は他の種類も色々試してみたい感じがした。隊長は「道一筋」が気に入った様子。もちろん酒だけではなく、会津名物「こづゆ」や、同じく会津名物らしいが、このところ何かと食すことが多い「馬刺し」も十分堪能した。「山から下りたら・・・」をそのまま具現化したような宿だった。

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