久しぶりに男子三人連れで、会社帰りに居酒屋へ行くことになった。入った店は、神田駅西口から歩いて数分の距離にある「玄気」。野菜居酒屋と銘を打っているので少々興味があった。表通りに面したところは天然酵母パン屋になっていて、細い路地に入ったところに「玄気」の入口があった。神田にもこんな店があるのか、という佇まい。ここだけ周りの景色から切り離されている。入ってみると、更に感じる何とも摩訶不思議な空間。この店の主は独特の世界観をお持ちのようだ。階段があるので2階もあるらしい(3階もあるらしい)。我々は1階の奥のテーブルへ。
先ず生ビールを注文すると、突出しは、なんとケールの葉っぱのサラダ。しかし青汁で想像するような青臭さは全くなく、少々のドレッシングがかかっているだけで、ビールに合ってしまうから不思議である。出だしから期待をそそられる。メニューを見ると、様々な野菜を使った料理が並んでいるが、必ずしもベジタリアンオンリーと云う訳でもなく、メンチカツや海老、卵料理等もある。ビールの後は、各自、思い思いの焼酎お湯割りと日本酒を注文。
さて料理、先ずは「伝説のベーコン、レッドムーン、ひかりレンコンのポテトサラダ」(1,200円)なるものを注文してみた。口に入れてみると、ジャガイモ(レッドムーンと云う名の品種らしい)がやけに甘い。凸さんが「サツマイモじゃないの?」というくらいに甘い。付け合わせの青菜は何か良く判らなかったが、アシタバのようだった。これも味が濃い。ベーコンは何が「伝説」なのか判らないが、しっかり燻蒸されていて香り高い。いきなり出会い頭のパンチをくらったようなポテトサラダだった。
次に頼んだのが「ホワイトアスパラ、トムトムジャンボのネギ塩焼き」(1,200円)。出てきた姿から考えるに、「トムトムジャンボ」とはきのこの一種だ。とても大ぶりなのでエリンギかと思ったが、後で調べると、とあるシイタケの商品名だった。しいたけにしては、随分と大きくて歯応えがある。ホワイトアスパラも缶詰ではない、しっかりした食感。春が旬のはずだが、いったいどこから仕入れたのだろう。
次は「牛タン、アボカド焼メンチカツ」(1,200円)。牛たんとアボカドの姿が見えないのでミンチになっているものと思われる。メンチカツの上にタルタルソース的なものが乗っかっていて(食べてみるとかぼちゃと卵のミックスっぽい)、付け合わせにきのこ(たぶん、トムトムジャンボ)とかぼちゃ。このかぼちゃ、とても甘くほくほくしてきめが細かい。やけにインパクトがある。他の料理名から想像するに、これは「くり将軍」に違いない。メンチカツそのものは、意外にまろやかで牛タンは感じない。アボカドのおかげかも知れない。
「ばってんナスの辛味噌」(600円)を頼んでみると、生のまま出てきた。齧るとナスの香りが強く味が濃い。辛味噌がかかっただけでちゃんとした料理だ。
仕上げは「三豊ナス、ひよこ豆、刻みブロッコリーのチーズオムレツ」(1,200円)にしてみた。炒めたナス、ブロッコリーがサイコロ状になっていて、ひよこ豆を含め、それぞれがまたまた濃くて美味い。特にブロッコリーの味の存在感が大きく、がつんときた。
我々が、いちいち料理の味に感心しているうちに、店の主が、この店のお好み焼きの特徴を、隣の客に説明しているのが聞こえてきた。それによれば、この店のお好み焼きは、普通と違って生地が玄米、キャベツの代わりにベビーリーフ(!?)を入れるとのこと・・・。聞いただけでは、仕上がりの姿が想像つかない。ともあれ次回は、そのお好み焼きを喰ってみるしかない、ということで意見は一致した。
三人とも、それなりに酒も飲んで、食べ応えのある野菜を喰ったという充実感に浸る。会計を済ませ、静かな興奮が冷めやらないまま外に出ると、天然酵母パン屋(「玄気」との関係は良く判らないが、「玄気」が売店もやっている、ということだろう)の前で、我々を見送りに出てきた「玄気」の主から、「このパン、とてもおいしいですよ」という勧めに従い、凸さんがパンをいっこ、お買い上げ。是非、食べた感想をお聞かせ願いたい。

_DSC5108通り側にある天然酵母パン屋

_DSC5109

_DSC5110

_DSC5111この野菜メニューをご覧あれ!

_DSC5112

_DSC5113

_DSC5114

_DSC5115

_DSC5116

_DSC5117

_DSC5118

_DSC5119