アサヒビール園で、生ビールと焼肉と小田原おでんと桜を堪能した後、路線バスで新松田駅へ移動。いつもの「あさぎり6号」の時間までまだ間がある。さて何処かにもうちょっと寄って時間調整しようかと思った時、ふと、ならば未だ入ったことが無い「橘」を覗いてみるか、と思い付いた。何故その店を知っているのかと云えば、偶々この店を溺愛している方のブロクを見たからである。
しかし店の中の様子までは窺い知れない。駅前から見上げても果たしてあそこが店なのか、と思わせるほど殺風景な外観なので、ちょっとわくわくどきどきしながら階段を登る。扉を開けると、そこは意外に広い空間。先客の方々が一斉にこちらへ目をやる。
ざっと10人近くいるだろうか。コの字カウンターの周りに散らばって座っている。皆さん、比較的御年輩の方ばかり。女性もいらっしゃる。カウンター内には、更に御年輩のご夫婦と思しきお店の方。でも全く矍鑠としていらっしゃる。我々五人が纏まって座れそうなのは一番奥のようだ。
世に、「コの字カウンター」がある居酒屋は、正統派居酒屋、という風潮がある。それだけで居酒屋の風格があがる感じがする。比較的、赤羽や東十条、千住、門前仲町にはその手の居酒屋が多い。ひとり乃至は二人で入る店としてはベストだろう。
ちょっと席をずらしてもらったり(一番奥の席はまだ来ていない常連さんの席なので空けておいてくれ、とか云われたり)しながら、何とか五人が収まった。改めて見渡すと、なんともレトロ。これぞ、中高年のオアシス。密かに感動すら味わう。
呑みものはホッピー割にした。ここでは、自分で割るのではなく、店のご主人が調整した状態で、しかも氷無しですりきり(福井弁でつるつる)で出て来る。付き出しはしば漬け。全員分の呑みものが出て来たところで、何となくお隣りの常連さんも混ざって乾杯。コの字カウンターにはそんな雰囲気がある。つまみには、さんまの開きをもらう。ひとり一品注文することがこの店のルールのようである。
何れにしても新松田駅前に、まさかこんなにもディープな居酒屋があるとは知らなかった。我々はまだまだ松田ではもぐりだ。是非ともまた来なくてはならない。

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