神保町の古本屋街に行き「悠久堂」で、山関係の古本を暫し物色。望月達夫著、茗渓堂刊「折々の山」初版本がややしみがあるものの、外箱付き、著者の毛筆署名落款入で1,000円だったので手に入れた。この手の本には皆の関心が無いのか、随分と得した気分。他にもう1冊仕入れた後、ちょっと喉が渇いたので何処かに入ろうということになった。
この界隈は、全くの喫茶店(含、珈琲専門店)には事欠かないが、ビールも呑める店となると、意外に少ない。まして今日は祝日。目当てのひとつだった「ラドリオ」も今日は休み。ビヤホールの場合、有名な「ランチョン」も日曜日・祝日は休み。かと云ってまた「放心亭」に入って、アイスバインで淋しい思いをする気にもならず。神保町の祝日の午後は、沙漠状態である。
当てもなくうろうろしていると、ふとドイツ国旗が目に入った。ってことは、ビヤホールか? 高まる期待を抑えつつ近づくと、ありゃカフェだ。しかもドイツカフェとは珍しい。でも、ビールもありそうなので入ることにした。店の名前は「シュヴァルツヴァルト」、即ちドイツの「黒森」のこと。
かつてのドイツの森は、戦争で自然林は全て失われ、現在の黒森はトウヒの植林が主であると聞いたことがあった。実際にフランクフルト近郊を車で通ったとき、遥か彼方まで1本1本の木が整然と並んでいるのを見て、ドイツ人気質に触れた気がした。
店の中に入ると、山小屋風の内装、壁面にはずらりと様々な鳩時計(カッコウ時計)が並んでいいる。見ているうちに何処かのカッコーが鳴き始める。良く見れば、どの時計も実際の時間には合っていない。そう云えば、つい最近、その鳩時計をテレビ東京の「もやさま」(2月7日放送)で見たばかりだと思っていたら、この店を経営しているのが、まさしくその鳩時計専門店「森の時計」だった。恐ろしい程奇遇だ。番組の中で店の経営者は、元々はカッコウ時計なのだが、カッコウは閑古鳥を連想させ縁起が悪いので、日本では鳩時計となった、云々の説明をしていた。
この店はキャッシュオンデリバリー。ケーニッヒ・ルーヴィッヒ・ヴァイスビアと、カリーブルストをいただく。ヴァイスビアはいわゆる上面発酵ビールでろ過をしていないもの。ドイツビールにしては、ちょっとフルーティか。カリーブルストはその名の通り、ボイルしたソーセージにカレー粉が塗してあり、玉ねぎのみじん切りが掛かったシロモノ。なかなかイケる。バータイムの方がメニューは豊富なので、やっぱり今度来る時は夜が良いだろう。

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シュヴァルツヴァルトのHP: こちら