ひさしぶりだと思ったら、まだ1年経っていなかった。夏山合宿の候補地と日程を決めるため打ち合わせ(≒と云う名の呑み会)が必要だと云うことになり、それではと、ここ「酒蔵秩父錦」にしてみた。出席者が6人となったため、奥の座敷を使えないかと思って予め電話してみたがだめとのこと。物置になっちゃっているのかも知れない。そうなると、コの字(とエの字の中間的な)カウンター席の角に座ることになる。
千葉方面から京葉線でやってくる場合、陽気が良ければ八丁堀駅から歩くのが一番近い。前回は、有楽町駅から歩き出し、道の南側から店にやってきたが、今回は北側から。でも、どちらからやってきても、この店の存在感は異質である。そこだけ空間が違う。ここが銀座であることが、錯覚させる要因の一つかも知れない。もしこの店がそのまま秩父市街や川越の蔵造り通りにあったとしたら、すっかり溶け込んでしまい、マニアでもない限り目を留めることはなさそうな気もする。
それでも中に入っていると、外観同様、中も思い切り枯れている。巷には、外観はレトロだが内装はモダンと云うレストランもあれば、外は現代風なれど、中だけはレトロ感を演出している居酒屋もある。その点、ここは外見も中身も同じ、そう云う点で極めてピュアな居酒屋である。これがこの店の真骨頂であろう。中に入ると我々のうち先に来ていた3人以外、他に客はいない。あとから二組やってきたが、カウンター席には座らず、四人掛け席に着いた。最初から最後までカウンター席は事実上、我々の貸切状態である。
「秩父錦」の店でも、最初はやはりビール。そのあとは、「秩父錦」を燗にしてもらう。これぞ淡麗辛口。つまみは、ポテトサラダ、モツ煮込み、さつま揚げ、メンチかつ、ウルメイワシ、空豆、カミカツを注文。ここは、さつま揚げとカミカツが名物と云っていい。さつま揚げは、出てきた瞬間はパンパンに膨らんでいるが、見る見るうちに(カメラを向ける間もなく)萎んでしまう。その分、ふわふわである。カミカツは日本酒の肴になりうるのか、と思ってしまうが、これも辛口の秩父錦ならではの組み合わせと云っていいだろう。これは、この店が持つもう一つの顔である。

_DSC8350

_DSC8351

_DSC8352

_DSC8353

_DSC8354

_DSC8355

_DSC8356

_DSC8357

_DSC8358

_DSC8359

_DSC8360

_DSC8361