山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

やきとり

「dancyu」の表紙を飾っていたのを覚えていた。いつか行かなきゃならぬ、と思い続けているうちに1年近く経った。この頃、小田急線から登戸乗り換えすれば、稲田堤駅は思いの外近いことに気が付き、ならば丹沢から下りたら、それ程寄り道にはならずに「たぬきや」に行けることが判ったので、不老山の帰りが良いチャンスだった。
行ってみると、まさしくここは「川の家」だった。この開放感は、どんな店にも無い。「天国に一番近い飲み屋」と称されたのは、たしかに伊達ではない。ゴールデンレトリバーやボーダーコリーなどの飼犬が何頭も来ていたが、みな寛いでいるように見える。ここは彼らにとっても楽園なのだろう。
着いたのはもう夕方6時近かったが、日の長い季節になったのでまだ明るい。さっそくビールと煮込み、やきとりを注文(自分のテーブル席へはセルフサービス)する。どれも到って普通なのだが、この店の雰囲気が良い味なので、美味い。その後注文した焼きそばも全然普通なのだが、とにかく美味い。あーーー幸せだーーー。
同じテーブル席に居た、常連の方(老犬ボーダーコリーを連れて、本当に毎日来るそうである)の話によれば、10数年前にはこの界隈に同じような店が3軒あったらしい。
Webで調べた範囲では、この店の創業は昭和10年だそうである。その当時、稲田堤は両側が桜並木の名所で、「関東の三大桜名所」の一つに数えられた程だった。最盛期には500本もの桜を目当てに、河原は花見客で埋め尽くされたとのこと。対岸の東京都調布市側から川崎市側へ、大勢の客が渡し舟に乗ってやって来たという。最盛期には40軒もの茶屋があったが、現在の「たぬきや」が最後の一軒というわけ。何故、桜が無くなってしまったのか、更にググってみると、世話を怠って枯らしてしまったり、道路造成のために切られてしまったとのこと。昔は国土交通省(昔は建設省か)も川崎市も、庶民の花見には消極的だったのだろうか。何れにしろ、勿体ない話である。
ここ「たぬきや」は河川敷にあり、当然、河川敷は国土交通省の土地なので、売買は勿論のこと、借地権の譲渡も不可。従って、廃業したら建物も取り壊しということになるそうだ。この店の存続自体が、立派な文化遺産である。国土交通省も堅いこと云わずに、この店が将来に憂いなく存続できるような大岡裁きをしてもらいたい。せめてそれまでは、頑固者(常連の方がそう云っていた)の女将さんが、元気で頑張ってくれることを切に願う。

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昔から、神田駅の北口と西口とのあいだ辺りに、古びた洋風居酒屋があるのは気が付いていた。外観はぱっとせず、かなり入り難い雰囲気なので素通りばかりしていて、いつの間にかもう30年以上経ってしまった。今回は、「かんだ光寿」のあと、カミさんと、えいっと扉を開けて入ってみた。先客はテーブル席に2組(中高年男4人グループと、ヤング女2人グループ)と、カウンター席に青年男性2人連れ。店の人はマスターひとりのみ。
ここで洋風居酒屋と書いたが、何と表現して良いか少々迷う。外観と店内の配置はバーだが、メニューは全くバーらしからぬ。メインはやきとりである。従って、ここはバーというよりも、店のタイトルどおり、「洋酒の居酒屋」風の「酒場」と云うべきだろうか。店のネーミングは、直ちにホイジンガの著書を連想させる。ただ、カウンター席は歴史論の思索には向いているかも知れぬが、この店が「遊び」とどう結びついているのかは判らない(マスターに店名の由来を訊き損なった)。
カウンター席に座り、山崎ハイボールを注文。「鶉の玉子おろし」と「生キャベツ」という突き出しは、洋風居酒屋で出てくるものとしてはかなり変わっているが、ここがやきとり屋だと思えば全く違和感はない。
この店はだいぶ古そうなのだが、マスターにいつできたのか訊くと、「さー、私が来てから30年になりますが・・・」と仰る。でも、30年前だったら小生も存在だけは知っている。おそらくは、トリスウィスキーが流行ったという1960年代頃には、もうこの店はあったのではなかろうか。
やきとり(ねぎまのこと)とてばさき、つくね、そして串焼きソーセージを頼んでみる。ほんとは、ぼんじりを食べたかったが切らしているとのこと。突き出しの「鶉の玉子おろし」に付けて食べる。いける。これって、何処かで食べたことがある。国分寺南口のやきとり屋だったか。急に30ん年前を思い出した。
はっきり云って、依然として入り難い雰囲気ではあるものの、マスターも特に話し好きではなさそうだが気さくな人で、意外にリラックスできる店だと思う。ひとりでぼ~っとしてみたい時にも良いかも知れない。そのうち、ふと目に付いたときがあれば、こんどはもうちょっと軽く扉を開けられそうだ。

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