すっかり舟下りを堪能した後は、再びアユラシ号に乗って移動。昼時なので、蕎麦を喰いに行こうと連れて行かれたのは、大石田町の山の中、次年子(じねご)という名前の集落。こんな辺鄙な場所(失礼!)に、蕎麦屋なんて有るのだろうかと訝しく思うようなところだが、ここは知る人ぞ知る蕎麦街道なんだそうな。
休日ともなると、山形ナンバーだけでなく、宮城ナンバーの車もわんさかとやっているとのこと。そんな街道、たしかにポツリポツリと蕎麦の看板が現れ、それらしき店もあった。我々が向かう「そば座敷・平吉」は、街道から更に山の中に入ったところ。まさに知る人ぞ知る店、アユラシが山形にいなければ、未来永劫まで入ることが無かった蕎麦屋だろうと思う。外には、なにやら赤い大根の様な根菜が積まれていた。近くにいたおばあちゃんに訊いてみると、次年子かぶ、だと云う。へー、これでもかぶですか、と驚いた。世の中、結構知らない野菜があるものだ。
駐車場には結構、車が停まっているし、店の中もかなりの人。予約した時間になるまでは、外でお待ち下さいとのことで、暫し外にいた後、入店を許可される。見掛けも内部も、昔の農家の佇まいそのまま。室内には仏壇や、ご先祖の写真が飾られていて、旧家にお呼ばれされたような錯覚に陥る。
アユラシには申し訳ないと思いつつ、ビールをいただく(今回はそんなシーンばかりで恐縮です)。そばのメニューは、そば膳(1,200円)ともりそば(750円)のみ。両者の違いは、前者には「揚げ出しかいもち」と「そばおしるこ」が付いてくる。もりそばで十分そうだが、「揚げ出しかいもち」に興味があったので、それだけ単品で注文した。
その「揚げ出しかいもち」というシロモノ。出て来たものを見て、齧ってみると、どうやら、そばがきを揚げて、おろし入りのだし汁と一緒になったもの。蕎麦の香りが強いだけでなく、不思議な食感。ふーん、これはなかなか面白い料理だ。何故、他の店では揚げたりしないのだろうか。
やがて「もりそば」が出て来た。「そば膳」もそうだが、付け合わせに、玉葱のかき揚げと、ワラビの煮浸し、そして生の(乾燥ではない)きくらげが出て来た。薬味は、ねりからし、だ。これが次年子風なのかどうかは判らないが、こんなパターンは初めて。生きくらげは、昨夜、伝七でも喰ったので、山形ではポピュラーなのかも知れない。何れにしても、どれも美味いし食感も新鮮。きくらげに、からしを付けて喰うのは初めてだが、イケる。ほー。そして、麺。山形にしては極めて細打ち、香り喉越しも申し分ない。辺鄙な場所(また失礼!)に、こんな店があるとは、びっくり。山形の蕎麦、恐るべし。

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そば座敷平吉のHP: こちら