山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

東武日光線・伊勢崎線沿線

今回は図らずも、行きも帰りもつい先月の21日に営業運転を開始したばかりの新型特急リバティに乗車することになった。リバティ(Revaty)は、VarietyとLibertyの造語とのこと、そんなことはどうでも良いが、やはり新しい車両は気持ちが良い。シートは江戸小紋のような藍色柄で和のテイスト、海外旅行客を意識しているものと思われる。
和尚は、東武日光駅前の土産物屋で、湯葉とヤシオマスを仕入れてきた。ヤシオマスは冷凍庫に入っていた土産用のシロモノだが、和尚が「電車の中で食べたい」と我が儘を云ったら、女将が「ようござんす」と請け合い、一生懸命解凍してくれた。
調べてみるとヤシオマスは栃木県水産試験場が開発した魚で、肉の色が県花のアカヤシオに似ているため命名されたとのことだが、さっきまで見てきたアカヤシオはピンク色掛かっているのに対して、こちらはどうしてもオレンジ系に見える。うーん、ちょっと無理矢理な感じ。そんなこともどうでも良いが、味は申し分なし。舌に蕩ける。
ヤシオマスはニジマスの三倍体。生殖能力がない分、大きくなり続けるため、食用としての価値が高くなる訳だ。長野駅前の「大久保西の茶屋」で喰った信州サーモンも、ブラウントラウトとニジマスの三倍体だった。一般に淡水の魚は小さいが、三倍体を使うことで商品価値も上がるということで、この頃の流行りなのかも知れない。
対して、小生が持参した酒は飛良泉山廃純米マルヒNo.77という、秋田の酒。かなり酸味が勝っているが、生酒のフレッシュ感も相まって、意外に呑みやすい。これならば、ヤシオマスや湯葉とも合う。今回は、滅多にないリッチな帰路となった。


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日光の山に登るとき、決まって利用するタクシー運転手の横山さんは、話の種として、神橋の前を通るときにいつもこの修繕費用に幾らかかったのかを客に尋ねる。思い描いた数字に、さらにゼロを一つつけると正しい額になる、と仰る。なおちゃんも小生も常連なので、最早我々に同じ質問はしないが、今回は和尚も居たので嬉しそうに質問していた。正解は8億円。たしかに高いけど、世界遺産が8千万円じゃちょっと安過ぎる気もする。
「やしおの湯」で温まったあと、横山さんの車で東武日光駅前へ移動。駅に近い「米源」という酒屋で降ろしてもらう。ここは造り酒屋ではなく(かつてはそうだったらしい)、普通に地元の酒屋なのだが、地酒が無料試飲が出来るという有り難い店。
女将さんと思しき店のひとが出てきた。さっそく、「きざけ日光誉」、「純米吟醸東遊」、「柏盛生原酒」と、端から試飲させてもらう。女将さんは、接客に出てきた割りには無口で、酒の説明は一切なし。尤も、試飲している最中にくだくだ説明されるのも有り難迷惑。無口な女将の方が、利き酒の集中できる。
ひと通り呑んだ結果、「柏盛生原酒」が一番口に合う感じだったが、ちらりと値札を見ると四合瓶で3,250円と、ちとお高い。すると「柏盛原酒」の方が1,800円となっていたのが目に入り、「これも試飲させて下さい」と頼むと、「柏盛生原酒」に較べやや世間ずれした口当たりだが味はまずまず。これでも良さそうだと思い、「こっちをください」と云うと、やっと「1,800円です」としゃべった。
「米源」を出た後、皆さん思い思いに駅前の土産物屋を物色。小生の食指はもう動かないが、ふと見ると、いつのまにか和尚が「さかえや」の前で、ベンチに座ってお茶を飲みながらゆばまんじゅうを喰っていた。

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旧イタリア大使館別荘を出た後、立木観音まで移動。まだ雨は降り続いている。途中、同じく有料で開放されている旧イギリス大使館別荘を外から眺める。此方は黒壁でかなりシックだが、やはり和のテイストも感じられる。立木観音に着いたが、500円を払って拝観する気にもならず、土産物屋を物色しながらタクシーを待つ。
当初はレイクサイドホテルにある「湖畔の湯」に入る予定だったのだが、ホテルがリニューアル中とのことで、やはり「やしおの湯」にやってきた。此所来るのは、アカヤシオかシロヤシオが咲いている季節ばかりだが、今年もそうなった。
今年は、昨年よりはアカヤシオの開花が遅かったようだ。毎年、咲く時期は意外と変動する。開花期間が短いアカヤシオはかなり難敵。満開に当たったら其れこそ僥倖と呼ぶべき。今年は何とか目にすることが出来たので佳しとすべきだろう。
ここ「やしおの湯」は団体ツアーのコースに組み込まれているらしく、今日もそのようなバッジをつけたグループを見かけたが、洗い場が渋滞するほどではなかった。何れにしても賑わいぶりは相変わらず、たいそう繁盛している。
一方、休憩スペースはそれ程ツアー客がいる訳ではない。バスの時間を気にすることになるので、そこまで寛ぐのは難しいのかも知れない。1年前とちょっとテーブルの配置が変っていた。食事処の券売機で生ビールと焼餃子を購入。いつも、「餃子はビールと一緒にしますか?」と訊かれるが、つい、ビールの魅力には勝てず、「別々で良いです」(つまり、「早くビールを呑ませてくれ」)と答えてしまう。それでも餃子が来る頃にビールがなくなってしまっては元も子もないので、ちびちび意地汚く呑むことになる。

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今日は朝から本降りの雨。こんな天気じゃ、山もないだろうと思っていた者も居たようだが、雨で身の危険を感じることがない限り、ヤメはない。折角のオフでもある。晴れの山や曇りの山に限らず、雪の山も、雨の山もそれなりの風情があるし、悪天だと静かな山を楽しめるメリットもある。
尤も、雨天でも予定通りに登るかどうかは別。今回は、社山を登るつもりだったが、眺望が良い山にわざわざこんな天候で登るのは、さすがに酔狂が過ぎるので、半月山まででやめにしてあとは適当に観光でもして帰ろうと、予定通り東武特急に乗る。今回は、先月デビューしたばかりの東武特急500系「リバティ」に乗車。東武が社運(?)を掛けて導入した新型車両。今後しばらく、様々なシーンでこの車両を目にするはずだ。
いつものタクシー運転手横山さんも、本当に我々がやってくるのか気を揉んだようだ。こんな天気でもやってくる我々は、上玉のお客だろう。タクシーで半月山第1駐車場まで一気に登る。当然かも知れないが、誰もいない。これで、今日の静かな山は約束された。
思ったよりも気温が低い。手袋を持ってこなかったので失敗したかと思ったが、そう思ったのは身体が温まるまで。何とかアカヤシオを愛でることができたあとは、中禅寺湖畔を周遊。こんな天気でも、釣師は意外にいる。山屋よりも釣屋の方が、天候に無頓着のようである。
旧イタリア大使館別荘に立ち寄る。我々はずぶ濡れ状態だったが、日光博物館の女性職員が二人、手持ち無沙汰だったようで歓迎された。立地も良くて素晴らしい眺めだが、和の建築材を巧みに使った洋風建築がなかなか素晴らしい。これは、確かに日光が誇るべき遺産である。
中禅寺湖畔には、かつては28ヶ国の大使館別荘があったそうだが、今はフランス大使館とベルギー大使館の別荘だけが現役だそうな。何故、イタリアは手放したのだろうか。財政危機の影響だろうか、などと思いを巡らせつつ、ゆっくりとコーヒーを飲んで暖まったので、ちょっと後ろ髪を引かれつつ別荘を後にした。

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「トロッコわっしー6号」は相老駅に16時54分着。できれば終点の桐生駅まで乗りたいところだが、そうすると東武鉄道に乗り換えるためには、かなり離れた新桐生駅までタクシーで移動しなくてはならず(歩いたら30分では着かないし、酒が入ったら全く無理)、「特急りょうもう」への乗り継ぎも上手くいかない。そこでやむなく相老駅で途中下車となる。
残念ながらトロッコ列車旅はこれで終了だが、列車旅そのものはまだ続く。相老駅で東武鉄道に乗り換え、17時4分発「特急りょうもう40号」に乗車。いつもながら、相老駅は寂しい雰囲気の駅だ。何故寂しいか。駅には改札口以外何も無いのである。
個人的な見解から云うと、まがりなりにも特急列車が停車する駅で、しかもわたらせ渓谷鐵道と東武鉄道の2路線が接続する駅で、売店も無いというのは全くいただけない。このことは前回チェック済みだったので、何とか対策を講じなくてはならないと思っていた。それを救ってくれたのは、「トロッコわっしー6号」車内の売店だった。
「特急りょうもう」に乗る頃には持参した日本酒はとっくに無くなり、「トロッコわっしー6号」車内の売店で買った、「辛口・赤城山」の口を開ける。わたらせ渓谷鐵道沿線の、みどり市大間々町にある近藤酒造が醸す酒。口当たりは爽やかですっきり、いわゆる典型的な淡麗辛口、飲み飽きないタイプ。
つまみには、「イカ天大王」が出てきた。これが、なにげに美味い。買った「辛口・赤城山」は300ccの小さいボトルなので、みんなでちびちび味わう。これで、浅草までの約2時間を何とか凌ぐことができた。

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今年は、山から下りて、東武特急で帰ってくる機会が多かった。仙人ヶ岳から始まり、今回の高原山まで都合6回、うち100系のスペーシアはこれで3回目。やっぱり帰りは、酒を舐めつつ優雅に特急に乗るのがいい。鬼怒川温泉から浅草へ帰る場合(キロ数:128.4km)、スペーシアだったら2時間丁度に対して、区間快速電車は2時間48分でその差は48分。この時間と少々のリッチ気分を、特急料金1,340円で獲得する訳だが、2時間48分はちょっと長いので、1,340円は高くないと思う。
ちなみにJR中央線の場合、甲府~新宿間(キロ数:123.8km)をスーパーあずさに乗ると1時間30分。普通列車を乗り継ぐと2時間30分で、その差1時間。特急料金1,660円。こうしてみると、スーパーあずさの価値も高いと云えるが、余り日帰り山行の場合は使う例が少ない。日帰りで甲府まで行くことが少ないせいだろう。もし甲府以西へ日帰りする必要があれば、朝晩、あずさを使うことに躊躇いは無い。
一方、朝、浅草から特急に乗って、山に向かうことは基本的に無い。それは、東武特急の始発時刻が遅いことに他ならない。東武日光へ向かう場合、始発の「けごん1号」は浅草7時30分発で、東武日光到着が9時18分。我々が良く利用する快速(この快速電車はかなり速いので利便性が高い)の場合は、浅草6時20分発で東武日光に8時25分着。
早起きに不都合があれば別だが、自然な成り行きとしては、あえて時間が遅くて高い料金を払う必要はない、ということになる。途中で快速電車を追い越すような特急のダイヤでも無い限り、この流れは変わらないと思う。東武さん、その点、どう考えてますかね。今度、500系がデビューするときのダイヤ改正が見ものか。閑話休題。
鬼怒川温泉駅前でひと息ついた後、我々4人は16時45分発のスペーシア「きぬ134号」に乗り込む。隣りのホームには、スカイツリートレインが止まっていた。外装はやけにチャラチャラしていて気恥ずかしいが、一度は乗ってみたい車両。この列車は下今市17時44分発で、浅草着が19時35分。停車駅も特急きぬとほぼ同じ(特急料金も同じ)。浅草到着時刻がやや遅いが、何れ乗る機会もあるだろうし、その時が楽しみだ。

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「鬼怒川パークホテルズ」へ向かう前、風呂上がりの待ち合わせ場所は途中にある「浜一」という蕎麦屋で、と決めておいたのだったが、さっぱりしてから戻り、暖簾は出ていたので中を覗くと、目が合った女将さん(?)から「もうおしまいです」と、すげない手ぶり。そりゃ困ったなと、一つ手前の「きぬ太茶屋」に戻ってみると、中に客は居るものの、やはり女将が「すみません」との手ぶり。向かい側の「ラーメン八海山」も閉まっている。時刻は16時。考えてみれば土曜日のこの時間は、鬼怒川に居る客はたいてい宿に着いてのんびり風呂に浸かる頃。そんな時に店を開いても、閑古鳥が鳴くと云うものだ。
仕方なく、駅前に戻ってみると、先週入った「いっぷく味処 つるや」は、やっていた。ひと安心。土産物屋を兼ねている店なので、開いているのはそのせいだろうと思ったが、ふと見た隣の食事処「杉ん子」も開いていたので、今回はそちらに入ることにした。店に入ると、1階にはテーブル席と土産物売り場、2階にもレストランがある様だが、女将さん(?)に「1階でも大丈夫ですよ」と云われる。先客は2グループ。奥の客は、学生のような男子4人、手前がおばさん2人連れ。どちらも、遅い昼食(又は早い夕食)をとっている様子。
さて、腰を下ろしたら、所在を知らせるべく、女子連にラインを入れた後、ガラケーの和尚へは電話。すると、和尚の携帯は小生が預かっていることに気付かされる。これでは連絡の仕様がないが、「浜一」辺りの店は皆閉まっているので、そのうち必然的に駅前に来るだろうし、そうしたらこの店の前を通るだろうと思い、安心して生ビール(650円税込、以下同様)を注文。ついでに、メニューを見て気になった鴨の紅茶スモーク(900円)も注文してみる。
紅茶スモークは、まずまずの美味しさだが、紅茶らしさはもうひとつ判然としない。そのうち、通りを行く和尚の顔が見え、やや遅れて女子連も到着。皆さん、だいぶ「鬼怒川パークホテルズ」のラグジュアリー風呂を堪能したようである。その頃にはもう、こちらの生ビールはすっかり無くなったが、おかわりは自重することにした。

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高原山の鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳を登った後は、西平岳登山口から車道をひたすら下り、ちゃんと舗装された道に差し掛かったところで、予約していたタクシーが丁度やってきてくれ、乗車。待ち時間は全く無しの、絶妙なタイミングだった(山の記録はこちら)。
さて、そうなると次は風呂だ。最寄りは鬼怒川公園駅に近い「鬼怒川公園岩風呂」。料金は510円と、この鬼怒川界隈では最安だが、特急スペーシアで浅草方面へ帰るには、鬼怒川温泉駅での乗り換えが必要となるし、食事処や休憩室が無いので、湯上りビールもお預けとなってしまうのが難点。
そうなると、次候補として調べてあった、鬼怒川温泉駅に最寄りの「鬼怒川パークホテルズ」に行こうということになった。タクシーは駅で降ろしてもらい、先ず切符を購入。今日は土曜日なので、先週と違って列車は選り取り見取り。頃合いが良さそうな、きぬ134号の指定をとる。
駅から鬼怒川パークホテルズまでは5分ほど。門の入口、玄関、フロントの手前、フロントと、4か所に宿の係員がいて、皆さん笑顔で「お疲れさまでした」と、まるで我々が泊まり客のように応対してくれるので、その都度、つい「風呂に入りたいだけです」と云ってしまうが、それでも笑顔は変えずに「ようこそいらっしゃいました」と応対してくれる。ちゃんとしたホテルマンのホスピタリティはさすが違うなあ、と感心。これだけでも、800円(税別)は安いと思ってしまう。
貴重品はフロントで預かってもらうスタイル。強欲な日帰り温泉施設だと、コインロッカー代を取られることになるが、ここはそんなマネはしない。ただし個人個人ではなく、女性同士、男性同士でまとめて預けることになる。フロントで応対してくれたのは、日本語ペラペラな東南アジア系女性だった。
風呂場に行くと、先客は二人程で、ほぼ貸切状態。内湯は古代檜風呂と大樽風呂、外は石造り露天風呂、屋形舟風呂などがあって広々、洗い場の設えも、日ごろ通っている日帰り温泉とは、ちょっと高級感が違う。大満足。さっさと上がってしまうのは、さすがに惜しい気がする。やはり偶には少々料金が高くても、ラグジュアリーな湯に浸かるのも悪くない。少々後ろ髪を引かれる思いで風呂から上がり、フロントに預けた貴重品(含、和尚の財布と携帯)を回収したら、さてビールを呑みに行くか。

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今日は三連休最終日の祝日、さすがに浅草へ帰る客もそれなりにいるようで、指定席の確保がなかなか難しい状況。丁度良い時間の、定期運行の特急「きぬ」(100系スペーシア)だと、9人の席がバラバラになるとのことなので、ならば仕方なく臨時(季節運行)の特急「きりふり」の座席をとった。
「仕方なく」というのは、「きりふり」が鬼怒川温泉駅始発ではなく、下今市駅で乗り換える面倒があるためだ。それを除けば、特急料金が100系スペーシアで1,440円なのに対して、きりふり300系では1,030円とお得。もちろん、その分、車体は古びているし(このちゃんが、「便器の下に線路が見えた!!!」と云っていたが本当!?)、シートピッチは狭い(1,100mm対960mm)のだが、これらは然したる問題ではない。むしろ我々の世代には、ノスタルジーを感じさせてくれるという点で、スペーシアには無い、味があるとも云える。しかし東武としては、来春に新型特急電車500系が導入されるとのこと、この300系を見られる機会も、残り僅かかも知れない。
臨時列車だけあって下今市から乗車するときはガラガラだったが、途中駅に停まる度に乗客は増え、春日部を発車する頃にはほぼ満席となった。
席に着いたら、リュックサックの中から、尾瀬~日光沢を旅してきた「フモトヰ・夏純吟」を取り出す。その名の通り夏の暑い頃に呑む、清涼感があるタイプの酒だが、何となく呑むのが勿体なくて、ついこの時期になるまで呑みそびれてしまった。
備え付けの片持ちテーブルをセットし、酒ボトルとカップとつまみを並べれば、宴の再開。終わってみればあっという間の3日間。今年は天候にも紅葉にも恵まれなかったが、味わい深い山旅となった。日光沢温泉は良い宿だが、ここばかりだと他の温泉宿に行く機会が減ってしまうので、また来年も、という訳にはいかないかもしれない。それでも、次回はやはり紅葉の頃を狙って、群馬側の丸沼温泉から湯沢峠越えで、温泉のハシゴでもしようかと、プランを考え始めている。

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「大吉庵」を出た後の鬼怒川温泉駅前。まだ電車の出発時刻には間があったので、さっき呑んだ燗酒の口直し(?)に、もう一軒入ることにした。駅前のロータリーに面したところには、何軒か土産物屋兼食事処が並んでいるが、そのなかで、客の呼び込みが熱心だった「いっぷく味処 つるや」に入る。
食事処は2階。上がってみると、かなり賑わっていて、我々はまとめて座ることが出来ず、2ヶ所のテーブルに分かれることになった。今日は三連休の最後の祝日(国民の祝日)なので、さもありなん。内装は意外とモダンで、食事処というよりはCaféという感じである。
皆、思い思いの飲み物や食べ物を注文する。小生は湯葉刺しに冷酒(鬼笑い純米生貯蔵酒)にしたが、鬼怒川温泉麦酒や、クリームあんみつを頼んだ者もいた。場所柄、女性が多いような気がするのは、気のせいか。なんとなく、一杯やる感じとは違う。目の前であんみつを喰っている者がいると尚更だ。この頃は、職場旅行なんてないだろうから、かつてとはだいぶ様子が違う。
職場旅行で鬼怒川へ来た時は、2日目にいったい何処で呑んでいただろうかと思い返してみるが、場所が浮かんでこない。よくよく考えてみるに、鬼怒川温泉に限らず、どこの温泉場へ行っても、2日目は朝に解散することが普通だった。なかに朝食でもビールを呑む豪の者もいたが、大抵はもう酒はたくさん、と軽く朝食をすますか、二日酔いで朝食どころではないものが殆どだった。
鬼怒川温泉の場合、酔い覚ましに観光するような、気の利いた場所が見当たらないせいもある。最寄りは龍王峡か日光江戸村ぐらいが相場だが、しらふの男同士で渓谷見物しても始まらない。さっさと朝に解散して、特急「きぬ」に乗って浅草へ戻るのが妥当な選択だ。浅草に戻るころには胃の具合も正常になり、ではちょっと「神谷バー」にでも寄っていこうか、という方がありそうな成り行きである。

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いっぷく味処 つるやのHP: こちら 

女夫渕から鬼怒川温泉行のバスに乗る。約1時間半も乗るのでエコノミー症候群になりそうだが、途中、川俣の土産物屋前でトイレ休憩が入るのが有難い。別にトイレに行きたくなくても、身体を伸ばしたい感じ。その後、通過する瀬戸合峡は、紅葉が盛りだったら良い眺めの筈だが、今年は今一つの様子。
鬼怒川温泉駅に着いたら先ず、帰りの特急指定席を確保し、さて昼食だ。正直云って、温泉街の食事処というと、大した店が無いと云うのが世間の通り相場だが、果たして鬼怒川温泉は如何なものか。
皆の意見を集約すると「蕎麦」ということになるので、事前に調査済みだった「大吉庵」に入ってみることにした。丁度昼どきなので開いているかどうかの心配はいらない。暖簾を潜ると、先客はひと組のみ。テーブル席も座敷もあって店内はそれなりに広いが、なにしろ9人という大所帯なので、座敷に上がらせていただく。応対してくれるお年を召した女性店員は、客が入っても何だか迷惑そうな顔をしているが、それが地顔なのか(のりちゃんが、トイレのスリッパのこと(?)で、年配女性店員から注意されていたようだが、詳細は不明)。
とにかく席を確保し、生ビール(600円)で乾杯の後は、茸おろしあえ(500円)、板わさ二人前(1,000円)、舞茸天ぷら(1,200円)、漬物盛り合わせ二人前(1,000円)を注文。温泉街相場かも知れないが、少々割高である。それに、板わさと漬物は、注文の単位が二人前となっているところが何と云うか、変わっているというか、あえて敷居を高くしている感じだ。こちらとしては一人前にしてほしい、などと云うニーズは無いので、それが可能なのかどうかは訊きそびれた。
ビールの後は日本酒にする。熱燗(600円)を3本頼むと、忽ち出て来た。予め湯煎されていたのだろう。銘柄は会津の酒「末廣」。一杯目を呷ってみると、何やら変わったお味。これは明らかに普通の日本酒ではない。古酒の味に近い。たしかに、色もやや琥珀がかって見える。他の2本はどうか見てみると、それぞれ色が違う。さっき呑んだものが一番色が濃く、他の2本はほぼ無色とその中間。1年物と2年物と3年物の古酒が出て来た感じがする(実際、1年物はかなり尖った印象)。どのような経緯で、このようなシロモノが出来上がったのか、店に訊いてみたい気もしたが、事を荒立ててもしょうがない(たぶん、もう来ることは無さそうだけど、次回、また熱燗を注文してみたい気持ちもある)ので止めた(Woodyさんは訊きたがっていたが・・・)。
ポジティブに解釈すれば、思いがけず、「古酒」をいただくこととなった訳だ。店で意図していた筈も無いが、損したと云うよりも、なんとなく得した気分がしないでもない。
ともあれ、最後に蕎麦をいただこう。普通のもりそばと、ちたけ(乳茸)が入った付け汁のもりそばを注文。蕎麦そのものはまあ普通だが、なるほど「ちたけ」のつゆは、茸の香りが強くてなかなかだ。この店は突っ込みどころ満載だが、良い点もあるので、今後の改善を見守りたい。

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「やしおの湯」でまったりした後のこと。もはや馴染みとなったタクシー運転手に、今日は往路(東武日光駅⇒細尾峠)だけでなく、復路(やしおの湯⇒東武日光駅)もお世話になった。もうとっくに還暦を過ぎている筈であるが、よくしゃべる運転手である。オヤジギャグも時々炸裂させる。一方で、利用客に対するサービスにも熱心であり、観光で貸切の場合には、自ら観光ガイドまでするそうである。タクシー会社の社員でありながら、名刺も自前、観光名所の写真入りで、なんと10種類もあるそうである。そのせいで、全国にリピーターを持っている、かなり遣り手の運転手である。
今回も、我々が「やしおの湯」で寛いでいる時間を見計らって、運転手方から「そろそろ迎えに行きましょうか?」と云って来る程である。我々も、まんまとその手練手管に嵌ってリピーターとなり、日光に来る際にはほぼ必然的に予約を入れてしまうことになる。
ともあれ、東武日光駅に着いたら「またお願いします」と別れの挨拶をしたあと、駅の窓口で切符を購入。2週続けて東武線に乗っての帰り。当然、2週続けて特急スペーシアに乗ることになる。先ずは接続する普通電車に乗って、下今市まで移動し、乗り換え。その乗り換え時間は2分しかないので、もたもたしていると、危うく置いて行かれそうになる。
なんとか座席まで辿り着き、ほっとしたところで徐にボトルやらカップやらを取り出し、大型テーブルに並べる。ほたるいかの「缶つま」も出て来た。車窓からの眺めも肴に、暫しまったりできる。この東武日光線の上り特急に乗る際は、進行方向とは反対の向きに座って、男体山や女峰山が遠ざかる姿を眺めるのがお勧めである。もちろん、東京の街明かりが恋しい人は、進行方向と同じ向きに座りたくなるはず。今日は、逆景の気分である。

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今年もしつこく三ノ宿山へツツジを見に行った(山の記録はこちら)。正確には、薬師岳から東へ連なる尾根を歩いた。この頃は、この尾根を「日光南山稜」と呼ぶ輩がいるようであるが、なかなか良いネーミングである。
この前の週、同じ薬師岳から古峯神社まで南下したので、二週続けて薬師岳を登ったことになる。物好きと云われても仕方が無い。前の週はアカヤシオが満開だったのに、今週はアカヤシオは見当たらず、すっかりシロヤシオに変わっていた。トウゴクミツバツツジは二週に渡って見られた。ともあれ、僅か一週間の間に、こうも変化するとは興味深い。この季節の山はダイナミックだ。 
三ノ宿山から麓までは、シロヤシオからヤマツツジへと移り変わり、場所によってはトウゴクミツバツツジを含め3種類のツツジが混在し、「やしおの湯」が近づくにつれ、ヤマツツジだけの世界へと変わる。胸やけがするほどツツジを堪能したら、程なく「やしおの湯」に到着。ここはツツジが咲く頃しか来ないため、丁度一年ぶりとなる(前回はこちら)。
今年はどうかなと思っていたら、昨年同様、某ハイキングクラブの名前が書かれた大型バスがやってきていた。風呂場へ行ってみると案の定、カランは占拠されていて順番待ち。前回は女湯だったが今年は男湯が大被害を被った。毎度云うが、団体で立ち寄り湯を利用するのは止めてくれませんかね!大迷惑だ!と云っても、きっと聞き入れられないだろうから、これで止めておく。
湯は相変わらず、アルカリ性たっぷりの「ぬるすべ」系。 さっぱりしたら、さっさと休憩室へ移動。ここは結構広いから、団体客に占拠されるようなことにはなっていない。良かった。荷物を置いたら、まっすぐ券売機へ。やっぱり、生ビールに焼き餃子を注文してしまう。
それにしても、どうも我々にとって「やしおの湯」は鬼門である。二度あることは三度あると思った方が良い。また来年も三ノ宿山に来るかどうかはさておき、もし来ることになったら、「やしおの湯」は立地条件が良いので外し難いものの、次は別の日帰り温泉を考えた方が良さそうである。

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「出会いの森福祉センター」で、風呂上がりのビールを飲み損なったので、悶々としながら新鹿沼駅までタクシー移動。ビールが呑めるまで世界は灰色である。スペーシアの指定券を購入したら、取るもの取り敢えず売店へ行き、缶ビールとつまみをゲット。ホームに入ったら、直ちに呑みたいところだが、ベンチは無い。ホームで立呑みは少々端ないので、スペーシアがやってくるまで、さらに暫し我慢。
ふと、辺りを見回して気が付いたのだが、この駅からスペーシアに乗り込む客は、ゴルフ客の方が遥かに多い。この近所にはゴルフ場が多いのだろう。試しにググってみると、あるわあるわ、忽ち十数ヶ所も見つかる。バブルと共にゴルフ場もだいぶ減ったはずだが、この界隈のゴルフ場経営者は、意外に健闘しているのかも知れない。
やがてスペーシア「きぬ134号」到着。話題の金色スペーシアだった。これに乗るのは初めて。昨年の、日光東照宮四百年式年大祭を記念して塗装したもの。東照宮の荘厳さをアピールしているらしいが、まあまあかな。少なくとも撮り鉄ではないので、さしてわくわくすることは無い。内装は、これまでと全くそのまま。いつも通りの大型テーブルが我々を待っていた。
席に着いたら、おあずけを喰らっていたビールを漸くいただく。甚だタイミングを逸しているので、絶好のタイミングではないが、とりあえず待ちに待っていた瞬間。これで落ち着ける。周りの景色も天然色に戻る。我々が乗った、新鹿沼17時21分発の「きぬ134号」は、この先、栃木と春日部に停車した後、北千住には18時32分到着。1時間余の列車旅は、長からず短からず。
車窓の外は、田植えが終わったばかりの稲と、収穫間近な麦。栃木は二条大麦の生産が日本一だそうである。二条大麦と云えばビールの原料。と云うことは、今呑んでいるビールは昨年、目の前の畑で穫れたものかもしれないし、今眺めている畑の麦は、やがてビールとなって呑むことになるかも知れない。随分と栃木県の経済に貢献しているようだし、この辺りの畑の世話になっている訳だ。そう思うと、少々栃木に親しみが湧いてきた。

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古峯神社入口で待っていてくれたタクシーの運転手に、どこかお勧めの立ち寄り湯がないか訊くと、新鹿沼駅の近くにあると云う。何処かと訊けば「出会いの森福祉センター」とのこと。
そもそも今回の山行計画を立てた時に、立ち寄り湯はひと通りリサーチしていたが、どうやら近所には「出会いの森福祉センター」という高齢者福祉施設以外になく、しかもその「出会いの森福祉センター」には、ビールを置いて無さそう(これって、立ち寄り湯としてかなり致命的!)ということが判っていたので、ほぼ機械的に対象外にしていた。風呂上がりのビールが楽しみな高齢者はいないのだろう。そのようなことから、汗を流すのは北千住まで我慢するつもりでいた。
もうひとつ、「前日光ツツジの湯」という施設が、古峯神社から山を越えたところにあるが、やや寄り道気味だし、駅からもだいぶ遠い。逆に古峯神社からは比較的近いため、メーターを稼ぎたい運転手にしてみれば、積極的に推薦し難い面もあったのだろう。
でもそうは云っても、やはり早く汗を流したいのは人情。運転手の話を聞いているうちに、やっぱり行こうか、ということになった。なんとか、実はビールは置いてあるのに何故かHPには書かれていない、という情報ミスがあることを祈りつつ向かう。
「出会いの森福祉センター」は田圃に囲まれた長閑な場所にあった。確かに高齢者が多いが、地元の人間に愛されている温泉施設の様だ。さっぱりしたあと、休憩スペースへ。くまなく探したが、ビールの自動販売機は無い。売店があったが、売っているものはせいぜいソフトドリンク。ならば代用品が無いかと見渡した結果、目に止まったのはアイスクリームの自動販売機だった。
「手作り風ソフトアイス」を購入。黙って暫し齧る。「手作り風」らしさは、あまり伝わって来ない・・・。うーん、残念ながらやっぱりビールには敵わない。それにしてもソフトクリームを喰ったのは、みくりが池以来だ。これからは、このような事態が生じる可能性があれば、予めビール缶保冷ホルダー(例えばこれ)を持参し、途中で酒屋に寄って缶ビールを調達するしか無いか。

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細尾峠から薬師岳を経て、夕日岳、地蔵岳でアカヤシオを堪能した(≒見飽きるくらい見た)後、ハガタテ平から一気に下ると、古峯(こほう)園という、古峯(ふるみね)神社の境内にある庭園に辿り着く(山の記録はこちら)。ここは随分と立派な庭園で、いわゆる池泉廻遊式である。こんな山深い処にある神社に、これほどの庭園があるとは、正直云って驚いた。園内には茶室、茶店、休憩所などが4つもある。
少々興味が湧いたので、古峯神社について調べて見ると、創建はおよそ1,300年前とのことらしいが、具体的な創祀年代は不詳のようである。祭神は日本武尊。藤原隼人という人が京都からこちらに移って来て創祀したらしく、この人物は何と日本武尊の臣下(!)だった、との話まである。何やら年代が合わないような気もするが、とにかく古くて由緒正しいことは間違いなさそうだ。しかし、これほどまでに広大な庭園を誰がいつ頃整備したのかまでは判らない。古峯神社に参拝する講社はなんと一万を数えるそうだから、それなりに整備資金も集まると云うものだ。それにしても、山に登っていると、日本武尊の伝説や、祭神となっている神社に時々出くわす。馴染みがある処で云えば、秩父の三峯神社や、奥多摩の武蔵御嶽神社がそれだ。
我々は、庭園を見渡すことが出来る、茶店(峯の茶屋)に入ることにした。もちろん、抹茶なんぞを飲むのが目的ではなく、ビールを期待してのこと。今日は結構、気温が高かったせいか、喉がすっかり乾いた。果たして、期待通りにビールがあった。外観は全く普通の茶店のようでも、ちゃんとビールを置いてあるところはエライ。いっぺんに気に入った。
やってきたビールは、直ぐに呑み干してしまう。やはり、山から下りてその場でビールを呑めるのは全く最高である。この茶屋をもっと贔屓にしたいところだが、登る山が限られているのがやや残念。そのうち、古峰ヶ原の紅葉でも眺めに来るか。

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このちゃんが約1時間後に東武日光駅にやってくることになったので、それまで何処かの店でお茶でもしようか(まだ山に登っていないので、ビールというわけにいかないのが残念)、ということにはなったのだが、いざとなるとなかなか開いている店が見つからない。流石に観光地の午前8時台はそんなものか。マクドナルドでもあればいいのだが、そういう店はこの辺りにはない。
そうこうしているうちに、JR日光駅方面に向かってとぼとぼ歩いて行くと、パン屋の看板が目に入る。パン屋ならば早起きだろうから、開いているだろうと期待して近づいてみると、果たして店はやっていて、1階の奥が喫茶スペース(いわゆるイートインができる)となっていた。これでひと安心と入店。2階の喫茶は9時開店のようだ。 
せっかくのパン屋なので、珈琲だけでなくパンもいただく。
この店は様々な種類のパンを扱っていて、なかなか意欲的である。色々ある調理パンの中からコロッケパンを選ぶ。130円。観光地価格ではなく、地元価格がうれしい。近所には日光金谷ホテルのベーカリーがあるが、そちらはたぶん、地元の方々は買わないだろう。ここの店内では、よくみると菓子・スナック類も売っている。実に庶民的な店である。
イートインコーナーで、パンを齧りながら珈琲を飲む。この頃は、登山当日の朝にこうやってのんびり珈琲を飲むことが少なくなった。段々、集合時間が早くなってきていて、始発電車に乗っても、待ち合わせ駅で珈琲を飲む余裕が無くなって来ているせいかも知れない。集合時間が早くなってきているのは、目的地が次第に遠くなってきていることと無縁ではないような気がする。
山から下りたら、汗を流して一杯やろうということになると、自ずから下山時刻はだいたい決まってくる。そのような観点からすれば、ここ日光も公共交通機関利用での日帰りはほぼ限界。この頃は、いっぱいいっぱいの処に通うことが増えた。この傾向は、手近な山で済ませられる、冬季以外は続くような気がする。

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「トロッコわっしー6号」は相老駅に16時53分到着。ここで、「わたらせ渓谷鐡道」に別れを告げ、東武線に乗り換える。相老駅下車も初めて。乗降客は我々以外、殆どいない、やけに殺風景な駅である。わたらせ渓谷鐡道と東武線が接続していることだけが、この駅の存在価値の様に見える。
「わたらせ渓谷鐡道」から東京方面へ帰るには、3つの選択肢がある。即ち、相老駅で東武線に乗り換える以外に、終点の桐生駅まで行き、両毛線に乗って高崎へ出るケースと、同じ両毛線を反対方向の小山まで出るケースである。どちらの場合も、出来れば新幹線に乗りたいところである。そうすると、どういう結果になるか。
・高崎経由の場合: 上野19:06着。料金は水沼駅起点で5,880円。
・小山経由の場合: 上野19:10着。料金は水沼駅起点で5,140円。
・東武線経由の場合: 北千住18:41着。料金は水沼駅起点で2,970円。
ということで、時間的にはほぼ同じ。料金はやはり、東武線経由の場合が圧倒的に安い。従って(自らのプランを自画自賛している訳ではないが)、どうしても大宮で降りて「いづみやに寄りたい!」ということでもない限り、東武線を選択するのが素直な判断と云うことになる。
東武特急には、ちょっと変わった特急料金制度がある。我々が乗る、相老17時4分発の「りょうもう40号」以降は、夜割料金になる。相老から北千住の場合、昼間の特急料金は1,030円だが、夜割では820円と、210円割引になる。日光・鬼怒川線の「きぬ」の場合は、下今市発車時刻が18時53分以降が夜割対象と、やや遅めの時間設定。これはやはり、利用者数の違いによるものだろう。もっと云えば、「きぬ」の場合は、平日よりも土日の方が特急料金が割高となる(東武日光~北千住間で100円の違いだが)。観光客の足元をしっかり見て、取れるところは取ろうという感じである。
ということで、我々はお得な「りょうもう40号」に乗車、北千住到着の18時41分まで、黄昏時の風景を眺めつつ、またちびちびとやった。

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足利市駅からは17時06分発「特急りょうもう38号」に乗車。乗車直前に座席指定を買ったのだが、それでもかなり空いている。しかし、何故か端から席を埋めていくスタイルに東武は拘るので、我々の車両の隣はガラガラである。まったく、いつも思うことながら、東武はこのスタイルを改めるつもりはないのだろうか。
ここから北千住までは1時間強。酒を呑みながら景色を眺めたり少々しゃべったりすれば、北千住も遠くはない。途中の停車駅は館林、羽生、加須、久喜、そして東武動物公園と、特急の割には結構止まる。元々、「りょうもう」は急行列車だったので、その名残なのだろう。館林以北は単線区間なので、止まらない駅でもゆっくりしていく。一方、北越谷を過ぎると複々線になるので、運行もスムーズ。
200系のシートピッチは985 mmと、100系スペーシア程ではないにしろ、まずまずの広さ。東武はこういうところに結構、熱心だ。そして、200系の特徴は何といっても、壁部に大型の折り畳み式テーブルが設置されていることである。
多くの場合、4人で向かい合わせに座るため、シートを回転させると、シートの背面に設置されているテーブルは使えなくなる。4人で賑やかにやる時こそテーブルが必要なのに、大いなる矛盾。小田急ロマンスカーMSE60000形のような、肘掛収納式テーブルだったらまだしも、多くの場合は窓枠にボトルやカップを並べるしかない。基本的に鉄道会社は、シートを回転させて呑んだり食ったりすることに、反対しているとしか思えない。
その点、この東武200系の大型テーブルはとても優れものである。行楽用列車の本分をちゃんとわきまえている。東武はえらい。その他の特急も、ちゃんとしてほしい。閑話休題。
さて、シートを回転させ、テーブルを引き上げて準備万端。ザックから取り出したのは「南方・純米吟醸・無濾過生原酒」。かの南方熊楠の実家、その名も「世界一統」という造り酒屋が醸す酒。旨みがあってフルーティな感じ。かなりイケてる。これさえあれば、北千住なんてすぐだ。 

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ココファームでまったりした後は、再びタクシーに乗り、後先になってしまった風呂へ向かう。ネットで銭湯をググってみると足利市街には、「幸の湯」と「花の湯」の2つあるようである。ネット情報から、最寄りの「幸の湯」に行くつもりになってはいたのだが、試しにタクシーの運転手にどちらがお奨めか訊いてみると、「花の湯はまったく普通の銭湯ですよ」とけんもほろろな口調。こちらとしては「まったく普通の銭湯」であっても、一向に差支えないのだが、そこまで一刀両断に裁かれると、そのアドバイスに歯向かって「じゃあ、花の湯へ行って下さい」とは云い難くなってしまった。而して「幸の湯」へ行くことに決した。
途中、屋台が見え、店の人が準備中。再びタクシー運転手に尋ねると、「パンヂュウ」とのこと。右党ではないので、甘味に関する造詣は全く浅いし、関心も薄いが、太鼓焼きのようなものらしい。後で調べてみると「岡田のパンヂュウ」と云えば、かなりの人気店の様子である。
「幸の湯」に着くと、駐車場には結構、車が止まっていて賑わっているようである。外観だけ見ても、名前だけはやけに銭湯風だが、まったく今ふうの日帰り温泉施設である。 フロントで700円を支払って風呂場へ。脱衣所はゆったりしているので、リュックサックを背負った登山者でもまったく問題ない。洗い場も、湯船もまずまずの大きさ。露天風呂には入らなかったが、内風呂でも明るく開放的なので満足できる。ここは一応、温泉らしいのだが、薬湯や「軟水の湯」なんて湯船もあったりして何だかよくわからない。
風呂上がりは飲食コーナーへまっしぐら。ここは食券を買って、係りの人に渡す仕組み。なかは男性一人できりもり。テーブルには誰もいない。やや照明が暗いせいか。皆さん、風呂上がりは何処へ行っているのだろうか。全くのひとりビールを楽しむ。 
またそのうちにここ「幸の湯」へ来ることもあるだろうが、次回、足利へ来た時には、タクシー運転手にアドバイスを求めることはせず、ひとこと「花の湯まで」と云うことにしよう。調べてみると、「花の湯」は超レトロな湯屋の様子。それまで廃業せずに待っていてもらいたい。 

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