山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

上越新幹線沿線

「おぎのや」ですっかりいい気分になったせいで、高崎からはやはり在来線はやめて、新幹線に乗り込む。でもその前にやはりコンビニに寄り、PETボトルが特徴の「月夜野ビール」を仕入れることにした。今日は上越線ビールシリーズの「C61 20」でも「D51 498」でもなく、オリジナルラベルの「ロマンの里のヴァイツェン」500mlペットボトルにしてみた。
高崎駅19時44分発の「たにがわ414号」に乗車。この列車は越後湯沢駅始発なのだがガラガラ。この時期、越後湯沢辺りへ行く観光客は少ないということか。高い山でなけりゃ紅葉はまだ残っているはずだろうに。
今年に限らず、紅葉の色付きは年々悪くなっているような気がするものの、今日はいい天気だったせいもあり、先週の浅間隠山&高ジョッキに引き続き、まずまず上出来の紅葉を鑑賞した気がする。近くで紅葉した木を見上げるのも悪くはないが、ちょっと遠くの、しかし木々の葉の色は見分けられる程近い山肌が、様々な彩りで埋め尽くされているのを見るのはいい気分になる。
それも黄や赤の紅葉一辺倒ではなく、マツやカシ類など常緑樹が程々に点在している方が遥かに風情があるように思える。今回は、荒山から鍋割山に掛けてと、銚子の伽藍から下流、両側の渓谷沿いが良かった。赤城山は意外と植林が少ないので、紅葉狩りには向いている山のような気がしている。
大宮駅には20時15分に到着。ここまでわずか約30分。ちょっと物思いに耽ったりしていると、ビールを飲み干し切れないまま着いてしまう感じだ。一方、在来線だと約80分。ビール1本だけでは時間を持て余すのは間違いない。

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88 車中はやっぱり月夜野ビール。

「沼垂ビール」を堪能した後、店の外へ出ると店の看板には「発酵の町」という文言と共に、古風な女性の顔が描かれている。いったいこれは誰?と思ってしまう。調べてみれば「小唄勝太郎」という昭和初期の歌手。いわゆる我々の親の世代に人気だったスターなので、知らなくても全く不思議はない。
日本橋霞町(今の人形町辺り)で芸者をしているうちに、歌手として名が売れるようになったとのこと。戦前は超売れっ子歌手だったらしい。この「勝太郎」が生まれたのがここ、沼垂町だった。ということで、沼垂町が生んだ昭和の大スター「勝太郎」を看板に入れたようなのだが、あまりにも昔過ぎてそれほどキャッチーな看板とは思えない。閑話休題。
「沼垂ビール」からは新潟駅までは徒歩で15分ほど。近くには日本酒の「今代司酒造」とか、味噌の「峰村醸造」などがあるのだが(だから「発酵の町」なのだ)、乗るべき新幹線の時間まであまり無くなってしまったのでスルー。またの機会としたい。
新潟駅に着いたら、KOISKで缶ビール(もちろん新潟なので「エチゴビール」)を入手し、15時10分発の「とき328号」に乗り込む。新潟駅を発車すると、長岡まではひたすら新潟平野。トンネルに入る辺りは、小千谷とか山古志。すなわち錦鯉の産地。地図を見るとこのトンネルの上の山中には、見ていて気持ちが悪くなる程、溜池が犇めいている。
トンネルを抜けるとすっかり景色が変わり、浦佐駅辺りからはまだ真っ白な越後三山が望める。この辺りの眺めが上越線の中では最高だと思う。ビールが美味い。でもそんな時間はほんの束の間、あっという間にまたトンネル。次に地上に出るのはもう越後湯沢駅なので、山が目の前に迫り過ぎて大した景色は望めない。上越新幹線はとにかくトンネルが多すぎるのだ。

115 あの看板のモデルが勝太郎です。
116 帰りの新幹線はエチゴビール。
117 今日も八海山は雪雲の中。

長岡駅で列車待ちでぶらぶらしていた時のこと、何の気なしに貼紙を見ると「普通列車グリーン車のすすめ」とある。曰く「ゆったり快適な座席で、密避け移動を実現」、「SuicaなどのICカードなら車内改札なしの非接触利用も可能」、「ジパング俱楽部・大人の休日俱楽部割引も適用可能」、「長岡駅みどりの窓口でも事前購入していただけます」、云々。
文言自体は至極真っ当で特に突っ込むところは無いが、ここは長岡駅。一方、普通列車グリーン車が走っているのは、一番近いところでも上越国境を越えた先の新前橋駅以南だ。ここで宣伝するのは何故?どんな客を相手にしているのか?と疑問が湧いてくる。まさか長岡駅から都心へ移動する際に、上越線(在来線)で山を越えて、新前橋駅で乗り換えて湘南新宿ラインか上野東京ラインを利用する客なんて、いるのだろうか?
ちょっと調べてみると、例えば長岡駅を6時33分発の電車に乗ると、水上駅、高崎駅で乗り換え、新宿駅には11時59分着。5時間26分掛けて移動するのも大変だけど、そのうち「普通列車グリーン車」に乗れるのは高崎・新宿間の1時間45分。乗り鉄だったら有り得るが一般客に勧める話ではない。
やはりまともな客相手だったら、例えば長岡駅6時32分発「とき300号」に乗り、大宮駅で湘南新宿ラインに乗り換える。その大宮・新宿間の35分間を普通車じゃなくてグリーン車に乗って下さい、という金を毟れるところはとことん毟ろうというJR東日本の戦術かも知れない。閑話休題。
我々は長岡駅からE4系「MAXとき」に乗車。とっくに廃車になっていてもおかしくなかったE4系だが、ここにきてJR東日本は「Thank you! Max!」キャンペーンを展開中。でも、いつがラストランなのかは周知されていない。これもいまのうちに挙ってE4系に乗ろうとする乗客から出来るだけ金を毟り取ろうとする、JR東日本の戦術のような気がする。

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213 ポケットに冬菜のお土産。
214 間もなくラストランの「MAXとき」。
215 Thank you!Max!
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弥彦の「冥加屋」で風呂に入ってまたビールを呑んでいい気分になった後、そろそろ帰る頃合いになってきたので弥彦駅まで戻り、弥彦線に乗って吉田駅経由で燕三条駅まで移動する。この駅から上越新幹線に乗るのは初めてだ。
とりあえず次の新幹線の切符を買うと、40分ほどの待ち時間。これだけあれば、駅構内の何処かの店に入ってビールを一杯呑むには丁度いいのだが、残念ながらこの燕三条駅にそのような都合のいい店は無い。あるのは、NewDaysと土産物屋だけ。商売っ気が無いのか、そもそも需要が無いのか判らない。
仕方がないので、時間潰しに土産物屋に入ってみると、そこは土産物も売っている地元物産センターだった。他に店が無いせいか、やけに広々としているのに、客は疎ら。土産物店というよりも博物館か美術館に近い。売っているものは燕特産の刃物や洋食器類。
ぶらぶらと眺めているうちに、チタン製タンブラーに目が留まる。その輝きに魅了されてしまい思わず買いそうになったが、値段を見るとひとつで11,000円もする。購買意欲が忽ち萎んだ。もし小生がギャンブラーで、直前にパチンコとか馬券で小金を稼いでいたら、きっと買っていたかも知れない、と思った。結局、冷やかしで入っただけでおしまい。
NewDaysでエチゴビールを手に入れ、新幹線に乗り込む。乘ってみると、我々5人が3人掛けの席3つに夫々、2人、1人、2人という割り振り。2人掛けの席が全て一杯だったせいもあるのだろう。車内はたいへん静か、女子連がごく普通の音量でしゃべっていただけで、「煩い」と他の客から注意された。
小生はエチゴビールを静かに開け、車窓から見える守門岳や越後三山などの残雪の山を眺めながらちびちびやった。

173 弥彦駅に戻ってきた。
174 燕三条駅からも弥彦山が見える。
175 あれは何?と菊丸。守門岳でした。
176 新潟に来ればエチゴビール。
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177 浦佐駅付近では八海山も見えた。

蕎麦屋「天丸」で今回の打ち上げをした後、上毛高原駅に戻り上り新幹線「とき」に乗車する。やってきたのはE2系。ひと頃は東北新幹線や長野新幹線(北陸新幹線が開通する以前)で最もポピュラーな車両だったが、この頃見掛けることはだいぶ少なくなってきたように思う。
2002年に東北新幹線が八戸まで延伸された際の「はやて」のCMに出てきたE2系は、背景がCG化されていて(例えばこれ)やけにカッコ良く見えた(のは小生だけだったか?)。それが月日は移ろい、今の東北新幹線はE5系、北陸新幹線はE7系が主役となり、E2系の主な居場所は上越新幹線になってきた(東北新幹線でも近距離用の「やまびこ」ではまだ現役)。
それが最近になって、上越新幹線もE7系に置き換える計画が発表され、いよいよE2系も風前の灯火となってきたかに思われた。ところが、一昨年の台風19号でE7系が10編成(120両分)も廃車となったことでその計画が見直されたようで、E2系ファンにとっては(小生は違うが)、暫くは心穏やかな日々が続くこととなった。ということで上越新幹線を利用した山行の場合、まだ暫くはE2系のお世話になりそうである。閑話休題。
今回は自粛警察は見当たらなかったが、昨今のウィズコロナルールに倣い、座席は回転しないまま着席。昨日の残りの日本酒とワイン、つまみを取り出す。なにせ昨夜は、夕食を食べ終わった途端、皆、撃沈してしまったので酒はたっぷり残っている。この頃、寝るのが早くなってきているのはやはり寄る年波のせいだろうが、それにしても早過ぎる。このままだと、そのうち夕食の最中に寝そうである。それを避けるには、食べる量を減らすか(糖質を減らすか)、食べるスピードを更に遅くして、血糖値の上昇を穏やかにする必要がありそうだが如何?

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「湯テルメ谷川」で湯上りビールが呑めなかったまま、再び呼んだタクシーで、上毛高原駅前の「天丸」に乗り付ける。昨日に引き続きの入店。ってか、駅周辺で酒とつまみがある店はここしか知らないので、選択の余地は無い。
つくづく、ここ上毛高原界隈に限らず、東京近郊のそれ程の規模ではない街には、譬え観光目的でやってこようとも、シュっと車でやって来てシュっと帰る輩が多いせいか、我々のニーズに応えてくれる店はホント、少ない。ましてやこのウィズコロナ時代、潜在的にはそのような欲求があるような輩でも、マイカー移動を強いられているこのご時世だから、これから新たに我々の期待に応えようとしている店が現れる可能性も低い。この時代には、細々と食い繋いでいくしか我々の生きる道は無い。
そんななかにあって、ここ「天丸」はまさに沙漠の中のオアシス。つまみが少ないのは玉に瑕だが、そんな苦言を呈する訳にはいかない。いま「天丸」に見放されると、もう上毛高原駅に来たらその足で上り新幹線に乗ってさっさと帰るしかなくなる。この恩恵に最大限応えるには、我々としても2日間連荘することに、何らためらいがあってはならない。
取り敢えず腰を落ち着けたら湯上りビール。ホッと一息ついたら、とりあえず上りの新幹線の指定席を押さえるべく駅のみどりの窓口へ行ってくる。目の前にあるので、多少酔っていたとしても躊躇いは必要ない。
後顧の憂いをなくしたところでビールから日本酒(水芭蕉・吟醸)にチェンジ。つまみはすっかり馴染みとなった、もつ煮込みと紅白板わさ。漬物盛り合わせも頼んだら、これで一品料理総なめだ(うそ)。勿論、最後はもりそばで締めた。(心の奥底で新たな店が駅前に出来ることを祈りつつ)また、ここに寄らせてもらおう。

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108 今日もまた「天丸」で打ち上げた。
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今年の締め括りの山は何処にしようかと、残暑厳しい8月末から考え始めたが、かなり悩んだ。悩む理由は勿論「雪」である。理想的には、天候が比較的安定している地域で、程々の雪があって、スノーシューでの登降に支障ない山容の山で、かつ最寄りに良い温泉宿があるということになるが、そんな都合が良いところはなかなか思い付かない。
今回は宿(宝川温泉「汪仙閣」)を先に決めてしまったので、その近所の山ということで取り敢えず上州三峰山を捻り出したが、果たして「程々の雪」があるかどうかが長い間気を揉むタネになった。そのうち年が押し詰まって来ると今年はドカ雪らしく、「程々」を上回る可能性が高くなった。果たしてどうなるか。
と思いつつ、上毛高原駅に下車。上州三峰山は追母峰から登って吹返峰、後閑峰と辿るのがノーマルなのだろうが、雪があったら時間が掛かりそうなので、最高峰の後閑峰を直接登る西ルートをチョイスすることにした。
大雪で駅から歩かないといけないかと懸念したが、どうやら麓にある乗馬クラブまではタクシーで行けそうと判り、ホッと胸を撫で下ろす。それでもタクシーを降りてから直ぐに現れた雪にはトレースが無いので、6人での交代ラッセル。でも思った以上に時間が掛かり(約4kmのそれほど険しくない道程で3時間以上も掛かった)、結局、予定の時間内では後閑峰に辿り着けなかった。たぶん、あと1時間ぐらい必要だったろう。それでも天気はまずまずだったし、今シーズン最初の雪はそれなりに楽しめたと思う。目の前の大峰山には雪雲が掛かっていたので、彼方は寒そうだった。
下りは早い。忽ち乗馬クラブ前まで戻り、またタクシーに乗って駅前の「天丸」に横付け。相変わらず上毛高原駅前に店はこの1軒しかない。前回は谷川岳の帰りに寄った時なので、もう5年半ぶり。店の外観も中も変わっていない。変わったのは、今回がウィズコロナ時代だということ。それなりに客が入っていたので、3人ずつ、別のテーブルに座ってビールをグビッとやった。この季節であっても、汗が引かないうちのビールの美味さは変わらない(山行記録はこちら)。

009 眺めが良いところで。
013 風が無いので寒くはない。
014 ここからスノーシュー。
017 緩い登りが続く。
019 標高920m付近。
020 ここから山道。林道はまだ右へ続いている。
023 やっと本格的な登り。
026 時間切れで、ここで戻ることにした。
029 ここは1,010m峰。
030 スキー場があるのは、5年前に登った吾妻耶山。
034 またリベンジしたい。
035 下りは速い。
039 快調に下る。
040 切り通しのようなところ。
041 また眺めが良いところへ戻ってきた。
043 ここでスノーシューを脱ぐ。
044 上毛高原駅前の「天丸」に寄る。
045 くまちゃんを待ちきれずに乾杯。
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「小嶋屋」で呑んで喰っていい気持になって19時1分発のE7系の「とき342号」に乗車(自粛警察も近所に乗車していて水を差される)。E7系の「とき」は初めてだ。
それにしても今回は、ドンピシャで紅葉の最盛期に当たったことが印象的。毎週のように登っていてもなかなか巡り合うことは少ない。しかしそのせいで、思わぬ経験もした。要因としては、①紅葉の最盛期なので(コロナ禍にもかかわらず)人が多くやって来たこと、②ロープウェイの始発が8時、最終が16時までの、都合8時間のあいだに登らなくてはならないこと、そして③大日岳直下には鎖が1本しかないこと。
この3つの相乗効果で、大日岳の鎖場では大渋滞が発生したと思われる。これを分析してみたい。
仮定が多いが取り敢えず適当に想定してみると、登山者はロープウェイの定員81人×4台分としても324人(多分もっと多かった)。それが大日岳へ到着したとしてそれは次第にバラけるが、恐らくは何処かの時間帯に集中するので(多分、正規分布に近い形になると想定できるので)、例えば偏差値60%を想定すれば324人の約7割が±10%の時間範囲に入ることになり、226人。一方、その時間幅を考えてみれば、ロープウェイ山頂駅から大日岳までは、標準コースタイム225分。とすると±10%バラつくとすれば45分間の間に、226人が集中することになる(これはまさしく数珠つなぎ状態)。つまり登りと下りが重なる最盛期では、1分間の間に登る人5人、下る人5人が睨み合う計算。登ってみて良く判るが、1分間の間に都合10人が上下することはほぼ不可能。だいたいこんな状況に近かったと思う。
ともかく渋滞した。渋滞したと云えば、他人の迷惑を顧みない15人の団体ツアー。また沸々とイライラを思い出す。何処のツアー会社か知らないが、ツアー会社としての在り方、休み易い場所をどう選ぶとか、ペース配分など、もっと勉強せよ!!!

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「柳都shu*kura」で上越妙高から新潟まで辿ったあとは、上越新幹線で帰郷。新潟14時19分発の「とき326号」に乗れば、大宮には16時02分に到着。今日1日の走行距離は760km余り。このうち北陸新幹線と上越新幹線で550kmを稼いでいるので、新幹線でなければ叶わない芸当。
その点、新潟県は北陸新幹線と上越新幹線の2本が通っているので、こういった観光列車の楽しみ方が可能と云える。長野県と新潟県の間にはもうひとつ、飯山線を走り長野駅と十日町駅を結ぶ「おいこっと」という観光列車があるので、これにもいつか乗ってみたい。
新潟駅構内の「ちゃぶぜん」でもそれなりに呑んだが、これから大宮まで1時間半以上あるので、手ぶらじゃどうも乗りにくい、やっぱりKIOSKで缶ビールを買うことにした。そうなると、選ぶのはエチゴビール。いくつかの種類が並んでいたので、その中から選んだのはヴァイツェン。
つまみは、新潟なので柿の種にしよう。これも実に様々な種類が並んでいて大いに迷うが、食べたことが無いものがいいと、「タレかつ丼風味」にしてみた。「タレかつ丼」とは我々にとっては、いわゆる普通の「かつ丼」のことだろう、「ソースかつ丼」も同居する地域ならではの表記方法なのだろうと思っていた。
ところがググってみると実態は違っていて(例えばこちらのサイトをご覧あれ)、新潟県でポピュラーな「かつ丼」とは「醤油ダレかつ丼」のことを指すらしい。しかも、群馬県の主流は「ソースかつ丼」、埼玉県と東京都が「玉子とじかつ丼」ということで、上越新幹線は3種類の「かつ丼」文化圏を跨ることになっている。従って、新潟県の「かつ丼」を採用した柿の種をKIOSKで販売する上では、どうしても「タレかつ丼風味」と表記せざるを得なかったのだろう。ひとつ、勉強になった。
ついでにもう一つ。車内の案内図には、日本語、英語、ハングル以外に、2種類の漢字表記がある。ひとつは明らかに中国の簡体字だが、もうひとつは繁体字。何故、旧字体である繁体字表記が必要なのか、俄かに判らなかったが、同じくググってみると、台湾や香港は今でも繁体字表記なのだと知った。今日は2つ、勉強になった次第。

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越後湯沢からの帰り。前回は2階席だったが、今日は意外にスキー客が多かったせいか、一階席だった。車窓からの眺めは諦めて、カップ酒(今回は鶴亀)をなめるとしよう。つらつら考えるに、今回のように、新潟の残雪の山には、闇雲に片っ端から登ってみたい。しかし、とは思いつつも、色々と条件があるので、行先は自ずと絞られる。それが少々辛い。
一番の制約は、公共交通機関利用であること。東京を出るのはどんなに早くてもせいぜい午前6時。新幹線で越後湯沢か浦佐に着き、実際に山に登り始めるのは9時より早くなることは無いだろう。一方、自家用車ならば前夜から家を出ることも可能なので、日の出から登り始めることが可能。その時間ならば、まだ雪も締まっていて、アイゼンで快調に登れるだろう。この差は大きい。
公共交通機関利用の場合、余計な荷物(≒着替え、酒&肴、等)のデポがなかなか難しいことも制約になる。駅のコインロッカーか、宿ということになるが、後者の場合は、登る前に宿へ行かなくてはならないので、宿へのアクセス性が重要だ。
もうひとつの大きな制約は、登るためにスノーシューやピッケルが必要かどうか、という問題。スノーシューの場合、レンタルできる店が近くに無いと大変面倒。昨今、スノーシューは主なスキー場だったら借りられるようになったが、その場合も、山はスキー場から登れることが条件。もうひとつ、ピッケル無しに登れる山かどうかは大きな制約である。勿論、その前にいくらピッケルを持っていても、使いこなせなくては話にならないけど、我々なんちゃって山岳会メンバーではちょっと無理な相談。而して、ストックで登れる山しか選択できない。南北中央アルプスや八ヶ岳は、夢のまた夢。
そうやって行先を考えていくと、今回のように越後湯沢+平標茶屋(又はホテル・エフ)+日白山(又は平標山)という組み合わせは、かなりグッドチョイスと自画自賛してみたくなる。しかしそれももう、踏破してしまった。また次のグッドチョイスを模索しなくては。

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高崎ワインバールでたっぷりワインを呑んだせいで、もう在来線で帰ろうなどという気はさらさらなく、躊躇なく新幹線のりばへ移動。次の列車までちょっと時間があったので、「一番搾り」という看板に魅かれてベックスコーヒーに入る。
べックスコーヒーは、時々時間を潰すために、大宮駅にある店に入って珈琲を飲むことはあるが、勿論それは朝だけで、陽が落ちてからは入ることは無い。そもそも仕事でも無い限り、夕方に珈琲を飲むことすら無い。今回も、ビールのサインが出ていなければ入ることは無かった。
入って一番搾りを頼もうとすると、「C61 20ピルスナー」という文字が目に入る。ピルスナーというからにはビールの筈だ。早速、カウンターで注文してみる。良く見ると、「C61 20ピルスナー」だけでなく「D51498 BLACK」もあった。C61形20号機は、云わずと知れた現役SL、2011年に復元された後、JR高崎支社所属で「SLばんえつ物語号」、「SL奥利根号」、「SL碓氷号」などを牽引して人気だ。
味わいは、普通に喉ごし感があって、かつフルーティーさもある。なかなかイケる。調べてみると、製造元は月夜野クラフトビール、販売はJR東日本高崎支社というコラボレーション。まだ発売開始から1年経っていないようだ。2種類をあわせて、「上越線ビール」と呼ぶらしい。
呑み鉄ならば、このビールが眼に入ったら看過は出来そうにない。美味いかどうかは二の次としても、呑み鉄ごころを擽る、実に憎い商品だと感じ入った。こういう商品開発はこれからもどしどしやっていただきたい。

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「味らく茶や」を出たあと、また越後湯沢駅へ戻る。ホームへ上がる前に、KIOSKに寄って呑み鉄用のカップ酒を購入。大宮までは僅か50分余なので、とりあえず1本あればなんとかなる。買ったのは、鶴齢の青木酒造が造る「雪男」。スキー板を担いだ雪男のキャラクターがなかなか味がある。スキーを売り物にしている商売のやり方は巧いと思う。
もう一つ、駅の構内には、新潟のスキーをアピールする「レルヒさん」のキャラクターが至る所に貼られている。それに触発された訳ではないが、酒のつまみに買った柿の種・カレーバージョンの袋も「レルヒさん」だらけ。このゆるキャラがどの程度流行っているのかは判らないが、地元の観光協会が力を入れているのは間違いなさそう。HPだってある。
このキャラクターの元となってる実在上の人物、テオドール・エードラー・フォン・レルヒは、当時のオーストリア=ハンガリー帝国の軍人で、1910年から1913年まで来日した。当時の旧日本陸軍はその8年前、かの八甲田山で199名もの遭難死者を出したことで、スキー技術の習得には熱心だったので、レルヒはうってつけの人物だったようである。
我々が乗車する新幹線は、E4系の「MAXとき」。近々、二階建て車両のE4系は廃車になるらしいとのことで、この車両に乗れるのも残り少ないようだ。車内販売の点やバリアフリー、それに少子高齢化の観点からも、もう二階建て車両の時代ではないのかも知れない。二階席の眺めの良さは、もうしぶん無かった(今回も二階席)のでそれはやや残念。一階席は眺めが無い分、いつも空いていて、直前に乗る場合には何時も一階席だった。目線がホーム床面すれすれなので、スカート姿の女性が近くにやってくると窓から目を逸らす必要があった。そんな面倒ももうすぐなくなる。

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浦佐駅のコンビニ(NEWDAYS)で、車内で呑むための缶ビールを購入。流石に、ご当地ビールであるエチゴビールを売っていた。折角なので、レッドエール(IBU25)を購入。ピルスナーに比べると苦味がやや弱いが、香りは此方の方が高い。個人的にはかなりお気に入りのビールである。
コンビニでは、山菜も売っていた。この時期に越後の山に来るときの楽しみの一つは山菜である。今回も、4年前に六日町に来たときと同様(そのときの記録はこちら)、木の芽(あけびのつる)を買うことにした。これはなかなかの珍味だと思う。極めて季節限定なので、本当にこの時期しか手に入れることが出来ない。食べ方はシンプルイズベスト(こんなサイトを見つけた。次回はこれを試してみたい)。
今回は、湯掻いてからサラダドレッシングで喰ってみた。シーザースサラダ用ドレッシングとの相性はグッド。カミさんはちょっと摘まんで「苦い」と云ったきり手を出さなかったので、仕方なくというかこれ幸いと、小生が残りをすっかり平らげた。日本酒のつまみとして喰ったが、きっとキリリと冷やした白ワインとも相性が良さそうだ。もう来年が待ち遠しい。
浦佐駅13時55分発、E2系のとき322号に乗車する。5月5日ともなるとリターンラッシュかと思いきや、浦佐駅からの乗客は疎ら。今回は、事前に切符購入してあったので、指定駅車両へ。もちろん、指定席はそれなりに席は埋まっていたが、自由席車両がどうなっていたのかは判らない。
席に着いたら、さっそくレッドエールを開けるが、車窓の外はずっとトンネルの壁しか見えない。越後湯沢前後でちょっとだけ雪山が望めるだけで、その先は再びトンネル。上越新幹線は、眺めという点ではいまいち。そうこうしているうちに関東平野に出て、あとは単調な風景ですぐ飽きる。もうこうなると早く大宮へ着かないかな、今日は何処へ寄るかな、ということばかり考えてしまう。大宮の居酒屋に寄りたくなるのは、上越新幹線の単調さと因果関係があるかも知れない。

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「しんばし」の蕎麦を堪能した後は再び駅に戻り、コインロッカーからリュックサックを回収。大宮まで1時間足らずだが、もう手元に酒は残っていないので、ちょいとNEWDAYSでビールを物色。おや、ここには生ビールのサーバーまで置いてある!と驚いたが、ここはちょっと自重して缶ビール。ご当地地ビールのエチゴビールのうち、ビアブロント(360円)を購入。
越後湯沢13時8分発のMAXとき320号に乗車。我々は、2階建て車両の2階席。ほぼ満席状態。今日は3連休の中日だが、これだけ混んでいるのは久しぶり。行楽帰りとこれから東京方面へ遊びに行く客とが混在しているのかも知れない。
今回は、天候に恵まれ、雪のコンディションにも恵まれたおかげで、首尾良く平標山に登頂することが出来た。夏道だったら登り3時間ぐらいのコースを、スノーシューを履き、休みを入れて山頂まで約4時間。上出来だ。自家用車では無く、公共交通機関利用の場合、東京を朝出て、その日のうちに登って下りて来られる雪山としては、このくらいが限界だろうと思う。また来年も、越後湯沢界隈の山を目指すことになるだろう。
さて、エチゴビール・ビアブロントをいただく。かなりホップが利いている感じだが、香りも悪くない。この苦みは、一般的な日本のビールに比べてみるとかなり強めに感じる。試しに調べてみると、IBU(International Bitterness Units)という苦味を表す指標があり、このビールはIBU=26とのこと。ちなみに一般的なビールのIBU値を調べてみると、
 ・バドワイザー IBU=10
 ・アサヒスーパードライ IBU=16
 ・キリン一番搾り    IBU=21
 ・サントリーモルツ   IBU=21
 ・サッポロヱビス    IBU=25
ということで、やはり概ね感じた通りだ。苦ければ良いと云うことはないが、ビアブロントは気に入った。今後、贔屓にしたい。

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列車が来る時間になったので、改札口を通ってホームへ。いつも感じるが、上毛高原駅のプラットホームは巨大なスノーシェルターだ。プラットホームだけでなく線路の上も全て丸ごと屋根に覆われている。たとえ外は吹雪となっていても、ここは別世界。今日は日差しが強いが、このなかは涼しさすら感じる。
そこへ、するするとオール2階建てのE4系新幹線車両が到着。17時26分発の「MAXとき334号」に乗車。大宮まで僅か48分の列車旅である。この頃、上越新幹線でE4系に乗ったことは無かったが、今日は偶々、往路も復路もE4系だ。
E1系と同様、連結部に乗降用の階段があることから、当然、ワゴン販売はやってこないと思っていたが、E4系にはワゴン専用のリフト(エレベータ)が備えられているらしい。一度、作動中のリフトを見物してみたいものである。結局、今日は客が少ないせいか、車内販売はやってこなかった。
我々が乗った車両の1階席は、我々だけという貸し切り状態。土曜日の夕刻の上りだから、ということもあるが、こんな乗車率でも上越新幹線としてペイしているのだろうか。上毛高原駅から、この列車に乗る客も、我々以外には殆どいない。
1階席の窓は、線路の両脇に設えた防音壁より低いため、眺めは殆ど得られないが、ここが移動居酒屋(女子連にとっては井戸端)と思えば、そんなことは欠点とは感じない。贅沢な時間を過ごすうちに、18時14分大宮到着。やや物足りないと感じつつ、さて降りようか。

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前にも云ったことがあるが(何度だって云うが)、上毛高原駅は立ち喰いそば屋が一軒と、コンビニが一軒だけの寂しい構内である。今では、この界隈の玄関口は水上駅ではなく、ここ上毛高原駅なのに、それにしてはちょっと物足りなさ過ぎないか。電車でやってくる(あるいは、電車で帰る)客を軽く見ているような気がする。みなかみ町も、越後湯沢駅を見習って、思い切って駅ナカに日帰り温泉でも掘ったら如何だろうか。それとも地元の温泉組合に顔向けできなくなるのが怖いのだろうか。
ともあれ、時間があれば、上毛高原駅前に唯一ある蕎麦屋の「天丸」にでも寄りたいところだが、今日は、次の上りまで40分余りしかないため、ちょっと難しい。そうなると、この構内で時間を潰すしかなくなる。そこで、閑散とした駅構内1階の窓際に、白木の無垢材でできたテーブルと椅子が並んだ待合スペースがあったので、切符を買ったら全員そこへ集合。和尚は腹が減ったらしく、駅構内の立ち喰いそば屋で、かけそばを喰ったらしい。さすが、代謝量が違う。あれだけのガタイを維持するには、それなりの食欲なのだ。
テーブルに着いたら、徐にリュックザックから酒ボトルを取り出す。今日、持参したのは「モダン仙禽無垢」という、栃木県さくら市(旧氏家町と旧喜連川町が合併してできた市)にある仙禽酒造のスタンダード。この日本酒のウリは「ドメーヌ化」ということで、仕込み水と同じ水を、稲作に使用した米を原料にしていると云うこだわり。呑んでみると、旨味と酸味のバランスが良く、すっきりした感じ。確かに無垢だ。何杯でもすいすい呑める。
それにしても今日は気温が高かったせいか、白毛門に登っている間で、持って行った飲み物PETボトル4本は、ほぼ全て飲み干した。うち、1本は凍らせて持って行ったのだが、大正解だった。4月頃までは、飲んでもせいぜいボトル1本ぐらいだった。日に日に暑くなる、これから先が思いやられるが、それに比例してビールも美味くなるので、それはそれで仕方が無い。
これからはビールの季節。そうだ、もし、日帰り温泉が難しいのであれば、みなかみ町の地ビール、「月夜野クラフトビール」とコラボして、ビヤホールでも造ってくれれば、それでもいい。ビヤホールこそ、駅ナカに相応しいはず(ドライブインには最も相応しくない)。そうすれば我々も、売り上げに貢献するため、年1回か2回は来るのは間違いない(大した貢献ではないけれど)。是非、一考願いたい。 

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何かのせいで、一度ケチが付くと何故かなかなか登れない山がある。小生の場合、その最たる例が今回の白毛門。これまで何度もチャンスを逃し、ようやく42年越しに白毛門の登頂を果たすことが出来、個人的にひそかに感無量。喉に刺さった魚の骨が漸く取れた思いである。天気が良く、谷川岳東面の岩壁を眺められたことや、様々な花に巡り逢えたことは、むしろ付け足しに過ぎないが、それはそれ。幸いであったことは間違いないので、まさしく登頂成就に花を添えられた形だ(山の記録はこちら)。
ともあれ、山から下りたら、先ずはさっぱりしたい。土合橋にやってきた、予約済タクシーの運転手が開口一番、「テルメ谷川でも寄りますか~?」とおっしゃる。ふむ、やっぱりそうくるか。もちろんそれでも構わないが、念のため「真沢の森」と「テルメ谷川」で、どちらがお奨めかと問えば、お湯は「真沢の森」の方が良いし、何しろ「テルメ谷川」は混んでいる、とのこと。ならば「真沢の森」で決まりだ。
場所は、上毛高原駅に近い。途中、水上駅を過ぎる頃、そのタクシー運転手に、水上温泉の現状を聞いたところ、どの宿もかなり集客数が低迷しているとのこと。たしかにそんな気がする。我々としては、在来線の特急電車「水上」が廃止になってしまったため、そもそも水上駅に行くことが無くなってしまった。駅前に、多くの宿の案内係がずらりと並んで、観光客を応対していた光景は、もはや遠い過去の記憶となったようだ。
「真沢の森」に到着。ここはちゃんとした旅館だが、日帰り温泉利用客も受け入れていて、利用料は500円とお得。和尚が「銭湯よりも安いな」と云ったが、そんなことはない。群馬県の銭湯入浴料金(上限統制料金)は400円である(ちなみに日本一高い県は、神奈川県で470円)。でも、ボディーソープもシャンプーも備え付けられているので、ほぼ同程度と云って良い。
風呂場は、エントランスが改装工事中だった。内湯と露天風呂がある。露天風呂は、内風呂の建物から伸びた屋根の下なので、開放感はいま一つ。しかし、高台の斜面に設えてあるので、気分はなかなか良い。さっぱりしたらロビーに戻り、フロントでビールを注文。食事処のテーブル席は宿泊者用に準備が整っているため、我々は使えない。もっと早い時間だったらよかったのか。従って、ロビーの椅子を陣取り、乾杯。持参した乾き物をこっそり取り出して摘まむ。やや落ち着かない雰囲気だが、客が少ないので、ちょっと秘密の湯という感じで悪くは無い。1泊2食付きで1万円ぐらいなので、今度はそれでも良さそうだ。

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谷川岳ツアー最終日、造り酒屋見学の後は、昼食。やっぱり蕎麦でしょ、ということで、わずか3週間ぶりで「天丸」に再び入店。特段贔屓にしている訳ではないが、とにかくここは我々にとって立地条件が非常に良い。新幹線の時間を見ながら一杯やって蕎麦を手繰ることができる、上毛高原駅界隈で唯一の店と云っていい(駅構内に立ち食い蕎麦屋があるけれど・・・)。
新治タクシーの古株運転手に、この店と上毛高原駅とで、どちらが古いのか訊いてみたが、たぶん蕎麦屋じゃないかな、とややあやふやながら答えが返ってきた。それが本当だとしたら、本来、蕎麦屋にとっては千載一遇のチャンスだった筈だが、どうも我々以外の客は皆、車でやってきているように見える。食べ終わって駅に向かう客は見あたらない。ということは、立地条件には関係なく、それなりの客の入りがあるようだ。
我々が到着したときにはほぼ満席で、暫し待つことになった。やがて小上がりが空いたが、7人では2テーブルに分かれることになるとのこと。そこで、1テーブルに(女性陣は皆スリムなので)7人が犇めき合って座った。我々が落ち着いた後も、来客が引きも切らない。
2回目ともなると、もう勝手を知っているので、ビール乾杯の後は、地酒の「誉国光本醸造」と「水芭蕉吟醸酒」を其々頼む。この2つの酒とももうすっかり馴染みだ。つまみもほぼ前回同様、板わさ、山菜盛り合わせ、天麩羅盛り合わせ、もつ煮込み、月見芋、漬物盛り合わせ、となる。どれも(月見芋を除き)群馬の地酒に良く合う。
あらかた出来上がったら、締めは勿論、もりそば。今日もしっかりコシがある。ありがたい、ありがたい。またの機会まで、暫しさようなら。

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「天丸」で良い調子で呑んでいるうちに、丁度いい時間になったのでふらふらと上毛高原駅へ移動。まさしく目と鼻の先なので、どんなに酔っ払っても辿り着ける。ありがたい。
上毛高原駅には、コンコースもプラットホームも、寂しいくらいに人がいなかった。そもそも上毛高原駅は、ビジネスで来る乗客がいるとは思えない。この時間帯に停車する列車は1時間1本のみ。それでもこんな状態なのは、観光客も新幹線ではなく、車でやってくるということだろう。
いつも思うことだが、この駅はとにかく殺風景過ぎる。今のところ、立ち食い蕎麦屋とコンビニしかない。ホームにはそれこそ何にもない。たとえ腹を減らしてこの駅にやって来たとしても、蕎麦も饂飩もノーサンキューというひとだったら大変寂しい思いをする。ここから電車の中でどんちゃんやりたいっていうひとは(大宮まで45分なので、どんちゃんする程時間がないが)、コンビニのカップ酒と在り来たりの乾きもので何とかするしかない。直ぐ隣の越後湯沢駅と同じにしろとは云わないが、集客のためにはもうちょっと何かして欲しい。
無理矢理造った駅なので、もう存在そのものに価値があるだけなのかも知れないが、我々にとっては群馬の山を登る上では欠かせない駅。重宝しているのは間違いない。願わくば、駅ナカに立ち寄り湯と、地酒を集めた「ぽん酒コーナー」と地元の食材(含、えだまメンチ)販売所を作ってくれたら、もっと贔屓にしたい。みなかみ町の観光課には、是非とも前向きに検討願いたい。
やがてやってきた「とき326号」は、指定席の乗車率はせいぜい50%程度だろうか。ゴールデンウィーク前なのでこんなものなのかもしれない。席に着いたら、駅のコンビニで買ったカップ地酒「谷川岳 特別本醸造」を傾ける。すっきり辛口。「水芭蕉」と同じ永井酒造の酒。群馬の地酒で群馬の山の余韻を楽しんでいるうちに、いつの間にか大宮到着、何はともあれ今回も佳き山行だった。

 

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日帰り温泉「ゆにーいく」でさっぱりした後、「昼は蕎麦が良い」と和尚が云うので、タクシーの運転手に勧められた、上毛高原駅のすぐ前の「天丸」に入ってみた。外も中も古民家風、なかなか良い風情である。結構、客が入っている。みんな自家用車で来ているようだ。車だったら、こんな新幹線の駅近くでなくても良さそうだが、逆に云えば、他に店が無いのか、ここが余程美味いのか、どちらかだろう。
絶好の場所なので、酒と肴を待つ間に、このちゃんに新幹線の切符を買いに駅まで行ってもらったおかげで、ぎりぎりまで、店でゆっくりできる。
ビールは「ゆにーいく」で呑んできたので、はじめから日本酒で乾杯。「誉国光(ほまれこっこう)」と「水芭蕉吟醸酒」を呑んでみた。どちらも地元、川場村にある造り酒屋、土田酒造と永井酒造が醸した酒。 「誉国光」はいわゆる呑み飽きないタイプで、燗に合う感じ。「水芭蕉」は淡麗だが吟醸酒らしく香りが良い。こちらは池袋の「萬屋松風」でも置いてあった。このところ群馬の酒を飲む機会が増えてきているが、何れも奇を衒わない真っ当な酒というイメージがある。
肴には、板わさ、山菜盛り合わせ、天麩羅盛り合わせ、こんにゃく味噌田楽、月見芋、漬物盛り合わせをいただく。みんなが好きな厚焼き卵は、ここには無かった。厚切りの蒲鉾は、食紅で染めたもので、この頃おせち料理ぐらいでしか見掛けないクラシックタイプ。山菜には菜の花、天麩羅には蕗の薹などがあって、春を感じることができる。
〆はざる蕎麦。太さは普通で、しっかりコシがある。食べてみて、この店が偶々新幹線の駅前にあるだけで、車の客もやってくる訳が判った気がする。その意味で、ここは我々にとっても使い勝手が良い店である。

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