山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

車内、船内、機内

「ポッポ駅前屋」を出た後、とりあえず山北駅から松田駅へ移動。Woodyさんは海老名から相鉄線なのでそこでお別れ。残りの4人は「特急あさぎり」の座席指定を入手すべく、いつものようにJR松田駅北口出札窓口へ。今日は見慣れない駅員。駅員次第なのだろうが、4人分の席を確保してもらおうとしたら、まだ10分ぐらいあるのに完全にパニックってた。
確かに小田急の硬券が無ければ(ついでに云えばPASMO・SUICAの処理が無ければ)、 もうちょっと時間的余裕が生まれ、多少冷静な対応が出来たのかも知れないが、結局、手に入れた指定券を確認してみると、新宿までの3名(なおちゃん、あひるちゃんと小生)は、6号車6番A~C席で、通路を跨いで横並び。新百合ヶ丘で下車するひろちゃんは、なんと5号車の11番D席。
試しに、スマホから小田急のネット予約システムに入って、空席状況を確認してみると、6号車の1Aから6Dまでの24席は、小田急のネット予約システムでは購入できないようになっていた。つまりここはJRの発券システムに割り当てられている訳だ。 
一方、新百合ヶ丘下車の場合、何故6号車ではなく、5号車11Dを指定したのか、謎だ。どうも、新宿駅まで乗車する場合とは、なにかしら条件が異なるとしか思えない。ともかくもこんな席の並びになってしまったが、大方空いているだろうと4人でボックスに座っていると、2度、我々が座っている席の指定券を持った方が現れ、リュックサックとコップとつまみを持って移動するハメとなった。
3人と1人を別の車両にするのは全く理解不能だが(悪意すら感じられるが)、3人を横一列でとるのも甚だ気が利かない。これはJR東海の駅員ベースで沸き起こりつつある一揆の火種で、そのうち「特急あさぎり」をJR松田駅に停車させない運動に発展する前触れかも知れない。

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「だるま料理店」で日本酒に酔い、相模湾の魚に酔い、建物の雰囲気にも酔ったあと、通りへ出てふらふらと駅の方向へ。途中にある、「日栄楼」と云う名の中華料理店の外観がやけに渋い。こういう店構えが気になって仕方が無い小生としては、腹が減っていたら是非覗いてみたい感じだが、残念ながらもう入らない。せいぜい餃子2個ぐらい。またにしよう。
小田急小田原駅に戻り、窓口でロマンスカー特急券を購入(カミさんが窓口に並んで待っている間に、小生は売店でカップ酒をゲット)。発車まであと4分ぐらいしか無い「はこね90号」の座席が取れた。この頃、松田駅から乗る「あさぎり」ばかりだったので、このスムーズさが新鮮。松田駅のJR東海駅員がイラつく気持ちも、判らないではない。
カスタマー・サティスファクションには反するものの、いっそのこと、松田駅には「あさぎり」を停めない、という選択肢だってある訳だが(むしろ、JR東海はそれを願っているはず)、そうしないのは何故か。小田急が首を縦に振らないせいかも知れない。
飛び乗るようにして、「はこね90号」に乗車。車両はLSE7000形で、いわゆる展望車付きクラシックカー。座席は図らずも11号車、つまり先頭車だった。展望席(10列~13列目まで)ではなかったが(4列CD)、ちょっと伸び上がってみれば、先頭車両ならではの眺めが得られる。進行方向が明るいのは、やはり気持ちが良い。これだけで酒の肴になる。平日の上りロマンスカーはやはり空いている。次回は、10列~13列目までを狙ってみたい。

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偶々だが、また今日も小田急ロマンスカーに乗ることになった。小田急から感謝状ぐらい呉れそうだ。今日の行先は箱根。山は完全オフで、温泉と喰い物と酒が目当て。日曜日だと云うのに、小田急新宿駅はかなりの混雑ぶり。皆さんも泊まりなのか、それとも日帰り旅行なのか。外国人が目立つ。
つくづく思うことだが、草津や伊香保は(近郊の山に登ることや、景色を眺めることは別にして)、基本的に温泉宿以外で時間を潰せる場所がない。湯畑なんて、見ていて直ぐに飽きるし、伊香保だって石段を上下するぐらい。その点、箱根は温泉宿以外にも楽しめるところは多いし、美味い食事処や甘味処(基本的には関心無し)もそこかしこにある。従って、箱根は何度来ても飽きない、とても優れた観光地だと思う。
まだ、朝だがやはりビールぐらい呑もうと、売店で缶を仕入れる。指定席に着くと、車内販売のメニューを眺める。缶ビールとつまみのセットを500円で販売している。つまみは、4種類の乾き物(ミックスナッツか、さきいか&柿ピーか、チーズ鱈か、小田原揚げ)の中からひとつを選べる仕組み。これら乾き物は売店でも売っているし、たぶん、もっと安上がりに済む筈だがそれはそれとして、このセットのキャッチコピーが「ごほうびの一杯を、おつまみと一緒に。」となっているのが気になった。
このコピーは、完全にターゲットをさらりーまん(またはOL)に絞っている。つまり、「ロマンスカー」ではなく「ホームウェイ」の乗客が対象だ。小田急の特急列車が、観光客相手ではなく、座って帰りたいさらりーまんを重視するようになったことを、このコピーが示している。この動きは、小田急に限らず、東武でも西武でも京成でも京急でも、今まで有料特急電車が無かった京王でも始まっているようだ。週末ぐらい、座って一杯やりながら優雅に帰りたい、というおやじ(またはおやじOL)心をくすぐる、憎い戦略だと思う。

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「肉八」で桜鍋に舌鼓を打った後、JR松田駅から、毎度お馴染になった特急「あさぎり」に乗車する。いつものように、窓口で指定席特急券を購入。常々、指定券と共に硬券がホチキス留めされているのが不思議に思っていた。前回も、硬券の必要性についてなおちゃんが駅員に質問していたが、どうも要領を得なかった。
而して、こんなブログを見つけ読ませていただき、ようやく納得した。これでも鉄道シロウトにはなかなか理解し難いが、要は「あさぎり」の料金体系上、JR松田駅と小田急新松田駅は扱いが同じ、つまり松田駅はJRの駅なのだが、システム上、小田急の駅として扱われる、ということ。お陰で、JRの割高特急料金を払わずに済む。
一方、座席の指定はJRのシステム(マルス)でもできるが、特急券そのものの発券はJRとしてはダメ(なにせ、料金体系が小田急なので)。なので、小田急から硬券を手に入れて、指定券と特急券をセットにしてホチキス留めしている訳だ。硬券を手に入れられること自体、昨今では珍しい、いわゆるレア物なので、松田駅の特殊事情は、鉄道マニアの間では有名なようである。わざわざ、小田急の硬券を手に入れるだけのために、松田駅から「あさぎり」に乗る切符マニアもいるようだ。
蛇足だが、マルスでもできる、ってところに若干のミソがあるようで、予め、マルスで扱える座席と、小田急のシステムで扱う座席は分けてあるらしい、ということも判った(今度、無理を承知で「どうしても1号車じゃなきゃヤダ」とか云ってダダを捏ねてみるか)。そうなると、JRの駅で座席指定券を買った彼氏と、小田急の駅で買った彼女は、隣り合わせの席にはなれないということ。「あさぎり」は世にも稀な、ややっこしい電車である。

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ヒューストンから成田まで、およそ14時間の長旅だが、日本の航空会社のフライトだと、搭乗しただけでちょっとホッとする。アナザースカイ(by葉加瀬太郎)を聞くと、ちょっと胸が熱くなる。機材はボーイング777。CAのサービスは、明らかにUAと違う。座席は一番後ろにした(プレミアムエコノミーも空いていたが、真ん中の席なのでやめた)。これで、小生の座席を後ろから蹴るやつはいない。
離陸してまもなく(アメリカ時間で)昼食。注文を取りに来た時に、洋食(ビーフ)は人気が高いので、和食(鰆)にしてもらえると助かります、と云われ、了解。その代わりに、到着前の食事(これも日本時間としては昼食)は優先的に選択できますとのこと(ラザニアにした)。
その間の食事(ヒューストンから見れば夕食の様な、成田側からすれば朝食の様な)は、サンドウィッチ。3回の食事では、其々ビールと白ワインと赤ワインをいただいた。眠くなるまで映画を見ることにした。見たのは・・・
・「聖の青春」:ちょっと退屈なシーンではうっかり寝てしまったが、はたと気が付いたところで巻き戻して、漏らさず鑑賞。マツケンの迫真の演技ではあるが、ストーリー的には盛り上がらない。
・「ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち」:これぞティム・バートンの世界。「アリス・イン・ワンダーランド」よりも破天荒。主演の(もしかすると主演はエイサ・バターフィールドかも知れないが)エヴァ・グリーン、ずいぶん目力が強いな。ティム・バートンが好みそうなキャラクターと感じる。
・「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」:ヒュー・グラントがずいぶん老けた感じを出していたが、きっとメイクのせいだろう。メリル・ストリープのオンチぶりは、聞いていて本当に気分が悪くなる。
・「オデッセイ」:孤高の主人公が良く似合うマット・デイモン主演。リドリー・スコットの映画は何となく結構見ているけど、これは見過ごしていたので丁度良かった。「アポロ13」の火星版、という感じがしないでもない。
・「ザ・コンサルタント」:ベン・アフレック、渋い。これが今回、一番面白かった。如何にも、続編がありそうな終わり方。シリーズ化に期待してみたい。
結局、まともに眠ることなく、成田への着陸態勢に入る直前まで、映画を見続けた。日本に戻ってきたら、もう春になっているかなと淡い期待をしたが、相変わらず日本は寒かった。 

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久しぶりで海外出張。行先は米国テキサス州ベイタウン。テキサス州は全く初めて。同行者の都合で、ヒューストンへの往路はユナイテッド航空でのフライトとなった。成田出発は17時で、ヒューストン到着は同じ日の13時45分。気長に行くしかない。
これまでの僅かな体験から云うと、アメリカの航空会社のCAは、日本人に対して(というかアジア人に対して)扱いが粗略な印象があるが、今回は、それほど横柄ではなかった(勿論、愛想が良いということもない)。これまで無かったCA教育プログラム費用を、何処からか捻出したのだろうか(勝手な妄想です、無視して下さい)。
出発は、ユナイテッドがスターアライアンスなので、第1ターミナル南ウィング。成田発だから、日本人が多いのは当然だが、中国系も随分乗っている感じ。中国系旅行者は、世界のあらゆる場所を席巻している。
ベルト着用ランプが消えると、夕食タイム。鶏のから揚げのようなものがメインディッシュ。お世辞にも美味いとは云えないが、まあ何とか喰うことは出来る程度だった。
隣りの席が空いていたのでゆったりできて良かったのだが、すぐ後ろが中国系家族で、小さい子供が、前半ははしゃいでバタバタ動き回ったり、小生の座席を後ろから蹴ったり、後半は大音声でぐずって、ちっとも泣き止まず、煩くてちっとも寝られない。結局、ヒューストンまで11時間45分、うとうとぐらいしか出来なかった。まったく泣きたいのはこっちの方だ。もう途中からは、寝ることはすっかり諦めて、読書と映画鑑賞することにした。
映画は「マグニフィセント・セブン」を観た。いわゆる「荒野の七人」のリメイク。主演はデンゼル・ワシントンだった。これまで、デンゼル・ワシントンのカウボーイ姿なんて見たことが無かったが、意外に西部劇が似合っていると感じた。ヒロインは、ヘイリー・ベネットという、この頃売り出し中らしい若手女優。初めて見たような気がする。特に可も無く不可も無し、今後に期待しよう。 

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「梵の湯」でまったりしたあと(今日は美の山公園でも、1時間もまったりランチしたので、とてもゆるい一日だ)、タクシーで皆野駅に出て、御花畑駅で下車。
西武秩父駅へ行くための近道は、日帰り温泉施設工事中のため通れず、車道沿いに廻り道。西武秩父駅前に建設中の日帰り温泉施設「祭の湯」は、だいぶ外観が出来上がって来た様子(4月24日開業予定とのこと)。何だかパッと見は、高尾山温泉に似た感じがする。
高尾山口駅と同様、駅前にあって便利なので、開業した暁にはさぞや混むことだろう。話の種に、少なくとも一度は覗いてみる必要はあるが、秩父は春夏秋冬を問わずシーズンオフは無いので(冬でも祭やら、霊場巡礼などがあるので)、そのタイミングは難しい。何れにせよ、開業して暫くは静観していた方が無難だろう。
周りの温泉施設や飲食店は、多かれ少なかれ客を取られるだろうから、むしろそっちが狙い目。暫くご無沙汰の「駅前」は、そろそろほとぼりも冷めただろうから(何故、冷却期間が必要だったかは、こちらをご覧いただきたい)、そろそろ覗いてみるか。
15時25分発の特急ちちぶ32号に乗車。つい3週間前(そのときのレポはこちら)にも乗車したばかり。今宵は飯能に引っ掛かっていこうと云う魂胆なので、特急料金は400円で、乗車時間は40分。このちゃんが持参してくれたアヒージョを突きつつ、日本酒をちびちびやれば、飯能なんてあっという間だ。

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「若松食堂」で良い気持ちになった後、今宵も「あさぎり」で新宿(アニーは町田で下車)へ帰るため、とっぷりと暮れた夜道をとぼとぼとJR松田駅北口へ向かう。もうすっかり勝手が判っているので、特急指定券の購入を駅員に告げた後、徐にSUICA・PASMOカードを提示。それにしても硬券が気になる。
首尾良く入場を済ませた後、「あさぎり」専用ホームで待っていると、やがて闇の中からMSE60000形の車体が浮かび上がってくる。今日も乗車は6号車。松田駅で買うと、そうなるのだろうか。今日は比較的、乗車率が高いように感じるが、それでも50%にはなっていないだろう。
指定席に座り、日本酒ボトルとカップを取り出す。今日持参した酒は、「るみ子の酒」という三重県伊賀市にある森喜酒造場の酒。漫画家の尾瀬あきらが書いたラベルが特徴(こちらをご覧あれ)。ちなみに「るみ子」とは、まさしく杜氏の名前なのだ。味はすっきりしているが、米の旨みも感じる。呑み飽きない酒である。
MSE60000形の特徴的な車体の色は、小田急のHPによれば「フェルメール・ブルー」とのこと。フェルメールの絵画に使われているブルーと云えば、ラピラズリを原料としたウルトラマリンブルー。ラピスラズリのブルーは、イメージ的にはかなり深いブルーという感じがするが、MSE60000形のブルーはもうちょっとくすんだように見えるが気のせいか(汚れているだけか?)。
フェルメールのブルーと聞くと、先ず「真珠の耳飾りの少女」のターバンの色を思い浮かべる。たしか以前は「青いターバンを巻いた少女」なんていう題名だった。それほどターバンのブルーが印象的と云うことだが、実際に絵を見てみると、ターバンよりも、真珠よりも、少女の瞳が印象的だ。けっして細密描写ではないのに、実に瑞々しく描かれていて、見る者を惹きつけてやまない。
瞳と云えば、ちょうどニュースで、「被害者のスマホ写真、瞳に容疑者の姿 鑑識係長が解析」なんてやっていた。少女の瞳にもフェルメールが写っているのでは、と思わせるような輝きだ。

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妙法ヶ岳登頂後は、三峰神社の興雲閣にある「三峯神の湯」に浸かるつもりだったが、思いの外、時間がかかり、予定バスの時間まで残りわずか。湯に入ると必然的に次のバスとなり、「久呂無木」到着時刻は確実に1時間遅くなるので、涙を呑んで今日は立ち寄り湯は無し(しかし、ビールはしっかり呑んだ)。やはり雪があると、それなりに時間がかかる。
同じ話は、路線バスについても云える。三峰神社BSを15時35分発のバスに乗り、三峰口駅で5分の待ち合わせで、池袋行直通の快速急行に乗る予定だったが、バスはスリップに注意してゆっくり走ったせいか、定刻を少々遅れ、ぎりぎりアウト。バスの運転手も、三峰口駅改札口に居た駅員も、待ち合わせをしてくれるのか、くれないのか、何も云ってくれない。
走って切符を買って(秩父鉄道はPASMO・SUICAが使えないので、一つずつしかない券売窓口と券売機に8人で群がって切符を買う必要がある)、もたもたしているうちに結局乗れなかったら最悪だ。(駅員が直通電車を停めていてくれない限り)あえてリスクは取らず、そのまま終点の西武秩父駅までバスに乗り、次の特急レッドアローちちぶ40号に乗ることにした。「久呂無木」到着時刻は、20分ほど遅くなるが仕方が無い。予定外だが、500円払って優雅に行こう。
そうとなれば、車内から酒盛りだ。リュックサックから取り出したのは、「積善・純米・ヒマワリの花酵母」。前回呑んだ、「りんごの花酵母」と較べて華やかな香りは抑えめだが、酸味とこくのバランスが程良く、飽きがこない感じ。酵母の違いだけで、これほど味わいに差が出るとは、改めて驚く。ということは、酵母はただ単に、エチルアルコールと二酸化炭素を生成させるだけではなく、様々な微量の副生成物を作っている訳だ。例えば「りんごの花酵母」だったら、他の酵母と較べてカプロン酸エチルを多めに作る「癖」がある、という具合に。酵母の世界はなかなか深い。杜氏になったら病みつきになるかも知れない。
「積善・純米・ヒマワリの花酵母」を味わいながら、「特急ちちぶ」の車窓からとっぷりと日が暮れた外を眺めていると、列車のスピードが緩くなったかと思ったら、怪しい色にライトアップされた、芦ヶ久保の氷柱まつりが一瞬見えた。 

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西丹沢の山を登った帰りには、このところ我々は、御殿場線から小田急線へ乗り入れる特急「あさぎり」に乗ることがほぼ日常化してきている。シラフで帰るのであればともかく、多少いい気分になった状態で、ともすれば立ちんぼのままで新宿まで帰ることになるのは堪らない。
JR松田駅から「あさぎり」に乗るためには、切符は小田急線の新松田駅に近い新松田口(南口)ではなく、松田口(北口)の窓口で買う必要がある(って云うか、新松田口には切符売り場が無い)。相変わらず、JRと小田急のインターフェイスはすっきりしていないように思える。
「信玄」からJRの松田口へ行く途中、駅のすぐ手前に「肉八」なる飲食店(肉料理店?)を見付けた。営業中の様で、店内に客も見える。今度、例えば「まつだ桜まつり(2016年は2月13日から3月13日まで)」の時にでも寄ってみたい感じだ。どうもこれまで、松田駅界隈の店とは相性が良くなかったが、「信玄」に入れてちょっと改善した感じ。その勢いのまま「肉八」にも入ってみたい。
松田駅での切符購入はなかなか複雑怪奇であるが(以前、実際にひろちゃんが購入し、なおちゃんが笑い転げていた時の顛末はこちらに詳しい)、その時に対応した、頭が柔軟ではない駅員はおらず、別の駅員に変わっていた。顧客対応度は向上したように見受けられる。
しかしながら、今回もちょっと混乱するのは、JR松田駅で「あさぎり」の乗車券を買う際、SUICA、PASMOが利用可能だと云うこと。御殿場線はそもそもSUICA、PASMOは使えないが、「あさぎり」に限っては、窓口内にタッチする機械があるため利用できるのだ。おかげで我々も、「あさぎり」に関してはだいぶ詳しくなった。
切符の購入を済ませ目出度く、凡そ1年ぶりの「あさぎり」乗車である。相変わらず、この「あさぎり6号」は乗車率は低い。前回も書いたが、すくなくとも「あさぎり6号」は全車自由席にした方が良いと思う。切符を買う面倒臭さとの落差が有り過ぎだ。しかし、いくら乗車率が低いと云っても、廃止にしては困る。松田駅18時23分発は、我々にとって丁度、便利な時間なのである。
ともかく、席に落ち着いたところで酒ボトルを取り出し、ちびちびやる。今日は思わぬトラブルに遭ったが、終わり佳ければ全て佳し。目出度し、目出度し。

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やってきた211系の高尾行普通電車は、ロングシートだった。何だかこの頃、我々の意向を無視してロングシートが増えてきたような気がする。ホリデー快速ビューやまなし号が無い時間帯や季節外れには、特急に乗ってね、っていうJR東日本の企みが感じられるのは考え過ぎか。
ついでに云えば、特急「かいじ」や「あずさ」が高尾に停まらないのも、山梨から帰る客を(もちろん、やまなしへ向かう客も)、京王線に取られてしまうのを避けたい、というJR東日本のこすっからい戦術のように思うのも、やっぱり考え過ぎだろうか。
そう云えば、東京オリンピック開催に合わせて、中央線・青梅線にグリーン車付きの12両編成の車両を走らせる計画があるらしいが、それも睨んでのことだろうか。ちなみに大月からグリーン車に乗った場合、八王子までだったら50km以内なので570円だが、立川まで行くと僅かに50kmを超える(50.3km)ので780円。日野に着いたら、普通車両へ移動するという小技が使えるとは云え、2020年以降は、八王子で呑む機会が増えそうな予感がする。話が脱線した。
のんちゃんは、飼犬のお散歩の時間までに家に帰るとのこと。ならば前倒しで車内での呑みも必要だ。菊丸のご子息の意向に従ってもいられない。ロングシートだの云ってられない。それでも、満員の状態で呑むほど面の皮は厚くないので、高尾駅に近付かないうちにかるく一杯やろうと、そそくさと、昨晩飲み残した日本酒ボトルと、カップとつまみを取り出す。乗客は、各シートにひとりかふたりぐらいなので今のうちだ。
今日の酒は、会津坂下の曙酒造が造る「天明・焔・山廃・特別純米」。燗酒用とのことだったが、冷やでもなかなかイケる。山廃ならではの、しっかりした酸味と旨みがこの酒の特徴。鮭のトバを齧りつつ、ちびちびやる。
電車が大月駅を過ぎると、停車する毎に乗客が少しずつ増えてくる。季節柄、登山者はそれほど多くは無い。そろそろ、あまり開けっ広げ状態で呑んだくれるのもそろそろ止めた方が良さそう。まだ時間が早い(15時過ぎ)ので、ちょこっとぐらいは寄れそうだと、高尾で途中下車することにした。さて、何処へ行こうか。

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あけましておめでとうございます。本年も変わらずお引き立ての程よろしくお願いします。

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さて、長野駅前で蕎麦を手繰ったらもう、後は新幹線で帰るだけだ。「ろくもん」に乗って軽井沢から長野まで、2時間25分かけてやってきたが、帰りは「あさま622号」に乗れば、軽井沢までわずか32分(ここで降りずに、そのまま大宮へ)、大宮までにしても1時間23分。味気ない程速い。
「ろくもん」は金で料理と雰囲気を買うわけだが、新幹線は本当に金で時間を買っていることになるのか。買った時間はいったい何に使っているのだろう。仕事ならいざ知らず、プライベートだったら、グータラしている時間が増えるか、せいぜいブログの更新作業に若干、余裕が出来る程度に過ぎない。
長野で多少の時間があれば、真田の郷、松代城や、界隈の造り酒屋にでも寄ってみたかった。長野市篠ノ井にある西飯田酒造は、「積善」を醸す酒造。「積善」にもいくつか種類があるが、なかでも「花酵母」を使った様々な酒は、この頃少々気になっている。HPを覗くと、シロイバナ、アベリア、なでしこ、ヒマワリなどの「花酵母」を使ったものがある。「花酵母」について調べてみると、これらの酵母は東京農大のとある研究グループが様々な花から酵母を分離するのに成功したらしい。もちろん花そのものではなく、花についている酵母。其々花の特徴を好む(好むといっても、酵母に運動性は無いため、集まってくると云うよりは、偶然、飛んできて、そこでだけしか生きられない、と云った方が正解か)酵母によって、出来上がる日本酒の香りや味が異なると云うのは、当たり前のようでとても不思議なことだ。これまで、天吹酒造のバナナ酵母・大吟醸を呑んだことがあったが、まさにバナナそのものの香りにとても驚いた。バナナの香りはバナナ自体ではなく、バナナにつく酵母が出す香りなのか、と理解した。西飯田酒造訪問は、また次回とすることにしよう。
それはさておき、いちおう、大宮までの時間、カップ酒の1本ぐらいあった方がよろしかろうと、KIOSKで手に取ったのが、チーズちくわと「渓流」という日本酒。須坂市にある遠藤酒造場の酒。やや甘口の本醸造。いわゆる呑み飽きないタイプのお酒。これはこれで、なかなか美味い。今回の鉄道旅ではとりあえず、信州のワインと日本酒を、計4種類堪能したことになる。これぞ旅の醍醐味。

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今年の5月以来のグルメ列車の旅。今回は、軽井沢、長野間を走る「ろくもん」が目当て。それなりに混んでいるようなので、前もっての予約が必要である。終点は長野だが、もちろん、長野へ行くことが目的ではない。この手の列車は、これに乗り、ランチなりをいただくことが目的。
軽井沢駅から篠ノ井駅までの間は、云わずと知れた「しなの鉄道」。第3セクターに移行した頃は、赤字経営が続いていたが、この頃は黒字を維持し続けていて、好調を持続している様子。「真田丸」景気が終わった後が、しなの鉄道と「ろくもん」の真価を問われる時期かも知れない。
「ろくもん」の収益について、勝手に大雑把な試算をすれば、週4日、1往復とすると年間ざっと約3億円の売り上げ。しなの鉄道全体での売り上げが約44億(2016年3月期)とのことなので、売上全体に占める割合はそれほど大きい訳では無いが、利益率はそれなりにありそうなので、しなの鉄道の経営には貢献しているように見える。
「ろくもん」は運行開始から3年目とのことで、小生も漸く乗車。ホームに下りると、すでに「ろくもん」は入線している。3両編成で車両毎に座席、テーブルの配置が異なる。我々は2号車で、座席は何故か、全て浅間山側を向いている。乗客は、ほぼすべて、おばさん集団か、中高年夫婦。
発車時刻に近付くと、法螺貝を鳴らすパフォーマンスを女性乗務員が行う。基本的に、「ろくもん」の乗務員(アテンダント)は全て女性だ。皆さん、しなの鉄道の社員なんでしょうかね。「ろくもん」の運転は週4日。「ろくもん」を運転していない時は、皆さん何をやっているんでしょう。
まだ発車していないうちから、飲み物が振舞われる。我々はワインを所望。ラベルを見ると、ヴィラデスト・プリマヴェーラ。玉村豊男氏がオーナーの、この「しなの鉄道」沿線にあるワイナリーで醸されるワインだ。ワインを呑んでいるとやがて、ゆるやかに発車。駅長さんが手を振ってお見送り。車両の揺れ方は、いすみ鉄道に較べるとかなり小さい。
発車して間もなく、料理がやってくる。先ずはきのこの洋風茶碗蒸しとパン。洋風茶碗蒸しは、いわゆる茶碗蒸しとはだいぶ違うシロモノ。ほんのひと口で無くなってしまうので、味が良く判らない。パンに付いてくるジャムは「沢屋」のものだそうだ。次に出て来るオードブル盛り合わせは、軽井沢の「アトリエ・フロマージュ」の料理。ちなみに食後のコーヒーは「ミカドコーヒー」とのこと。所々で、軽井沢好きには気になるブランドが顔を出す。
そしてメインディッシュのプレート。どれもなかなか美味いが、やっぱりひと口で無くなってしまうので、ゆっくり、ちびちび喰う必要がある。デザートはチーズケーキ。これらをゆっくり、2時間以上かけていただかなくてはならないわけだが、道中、「ろくもん」は途中駅にゆっくり停車し、土産物を買ったり、鎧兜を身に付けた駅員の歓迎を受けたりするので、時間を持て余すことはない。料理のボリュームは、いささか育ち盛りには不満が残るので、「ろくもん」は、まさしく中高年がターゲット。
この「ろくもん」ならではの、時間の進み方があるような気がする。この次に乗る機会があれば、3号車に乗ってみたい。

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「のめこい湯」からの帰路は、丹波15時45分発のバスに乗って、奥多摩駅へ移動。到着は16時39分。その先は、奥多摩駅16時54分発の「ホリデー快速おくたま6号」があるので、丁度具合が良い。
紅葉を目当てにやってくる大抵の登山者も、この時間帯のバスが帰りのタイミング、我々も含め、丹波山温泉前BSから乗った客もそれなりにいたが、親川BSからさらに20人程(この集団とは、サヲウラ峠で一度遭遇。我々とは全く逆コースのようだった)も乗ったので、忽ち満員状態。
16時54分発の「6号」は最終のホリデー快速なので、それに合わせてやってくるバスは、丹波発だけでなく、峰谷発もある。今日は奥多摩湖発の臨時バスも出たようなので、ほぼ3台が連なり奥多摩駅へ相次いで到着。この時間帯には、東日原発のバスもやってくるので、バスから下りて来るハイカーで、奥多摩駅前はかなりの混み具合となる。
おかげで、「ホリデー快速6号」もそれなりに混むかと思ったが、意外に混んでいたのは前の3両程だけで、後の方の車両はガラガラ。ゆったりと座らせてもらうが、所詮、ロングシート、たいして面白くない。あまり人が乗って来ないうちに、酒ボトルとカップを取り出し、ちょっとだけ呑む。今日持ち込んだのは、菊勇(きくいさみ)という酒田の造り酒屋が醸した「爽快三十六人衆・純米吟醸・出羽の里」という酒。
「三十六人衆」とは何か、その造り酒屋のHP( http://www.36nin.jp/explanation.html )に詳しいのでここには記さないが、酒田の町が江戸の昔から商業で栄えたことを顕著に示す謂れだと思う。ちなみに、同じ「菊勇」と書いて「きくゆう」と読ませるのは、神奈川県伊勢原市にある吉川醸造の銘柄。
「三十六人衆」は呑みくちが軽く、スッキリタイプなのですいすい呑める感じだ。この頃は、ジューシーな酒やガツンとくる酒だけでなく、このような「すいすい」系の酒も美味いと、改めて感じる。皆さんのリュックサックからは、つまみも出て来た。ローソンの「うずらの味付けたまご」もトップヴァリューの「さきいか」も、ビールやワインは勿論、焼酎のためでもなく、日本酒のために作られた肴だとつくづく感じる。
やがて、途中の駅からジャージ姿の中学生の集団が乗って来て、酒の匂いを漂わせた我々を胡散臭そうに睨んでいたが、最早こっちは良い気持ちになっているので、ちーとも気にならない。この電車は、リゾート電車なのだ、大目に見てね。

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アユラシに見送られて、18時01分発の「つばさ156号」に乗車。怒涛の3日間が過ぎ去った。最終日を除き天候に恵まれず、ちっとも山に登れなかった(正確には、2日間で合計1時間程度の山歩きで終了した)が、お抱え運転手付きの充実した「観光旅行」となった。 今まで行ったことが無かった場所、店に入ることが出来、良い経験となった。山形の街中をぶらついて、居酒屋に入れたのも良かった。これでとりあえず、山形で足を踏み入れたことが無い都市は、米沢ぐらいになった。次回も大いに期待したい。
「次年子」の蕎麦を喰って以来、ほとんど喰ったり呑んだりしていない割には、それ程腹が空いていないが、せっかくの最後の山形なので、ご当地駅弁を物色するため、新幹線ホームにあるKIOSKを覗く。何種類かある中から、やっぱりこれかなとチョイスしたのは「米沢牛わっぱ飯」(1,300円)。この3日間、牛肉は随分喰った筈だが、つい、また牛肉弁当にしてしまった。この弁当は、米沢にある「松川弁当店」が作っているシロモノ。「松川弁当店」のHPを見ると、様々な牛肉弁当が並んでいて壮観である。
この頃、駅弁は年々高級化していると思う。1,000円オーバーはもはや当たり前だが、何かと和牛、それもA4、A5ランクのブランド肉を売り物にした駅弁が目立つ。個人的には、深川弁当や鯵押し寿司などが、酒に合うし好みなのだが(崎陽軒のシュウマイ弁当もCP的に捨て難い)、この頃の流行りではないようだ。
ここ山形駅のKIOSKも、牛肉弁当が花盛り。一昨日、和尚が買った「牛肉どまんなか」しかり。牛肉以外では、「いも煮弁当」(1,000円)なるシロモノもあった(牛肉も入っている)。いも煮汁でご飯を炊いたと書いてあったが、なかなか大胆。しかし、いも煮をおかずにご飯を食べるのは、ちょっと気が進まない感じだ。
席に落ち着いて、列車が動き出した後「米沢牛わっぱ飯」を開けてみる。メインのそぼろ肉と小間切肉のしぐれ煮が半分ずつ。肉は勿論、ブランド牛の米沢牛。さすが豪勢だ。味付けはすき焼きのたれ風で、小生にはやや甘い感じだが、悪くは無い。キレがいい酒にはぴったりだ。結局、きれいにペロリと美味しくいただいた。
結局、山登りに来たが、観光にどっぷり浸かったおかげで、山のことをすっかり忘れた。山形の山よ、さよなら、ご機嫌宜しゅう、また来るときには是非、笑っておくれ。

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図らずも、山形観光は今日で3日目。当初の予定では3日目だけが観光モードだったはずだが、天候には勝てない。でもそのお蔭で、すでに山形をかなり堪能できたのだが、さらにツアコン・アユラシがプランニングした、山形観光の目玉は、最上川の舟下りである。
最上川と云えば、芭蕉の「五月雨を集て早し最上川」がつとに有名、芭蕉のお陰で全国ブランド(この頃は世界ブランドか)になった。この舟下りも、芭蕉が「奥の細道」を書かなければ有りえなかった訳で、芭蕉さまさまである。ちなみにこの句はもともと「五月雨を集て凉し最上川」だったそうである。盆地特有のムシムシさから、川辺の涼風で解放され、「涼し」と詠んだのだが、その後、実際に舟に乗ってから「早し」に変えたのは、身の危険を感じるほど水量が増えた濁流だったせいらしい。
我々が乗ったこの日は、たしかに昨日、一昨日に多少雨も降ったかも知れないが、川が濁るようなことも無く、「早し」の臨場感は感じることが出来ない。それにしても、最上川は思った以上に水量が豊か、滔々と流れている。これならば現在でも水運に使えそうである。 
10時50分に出航。舟は50人ぐらいは十分乗れそうな大きさで、乗船率は7割程度。年長の船頭と若手の舵取りの2名が乗船。船頭は、ほぼずっと山形弁で喋りっ放し(時々、歌あり)で、操船はいっさいやらない。山形弁は、それだけで観光資源と云えるかも知れない。この頃は、若い女性の船頭もいるそうだ。
今日は快晴、絶好の舟下り日和。周囲は、ちょうど紅葉が良い具合。所々、本流へ流れ落ちる滝がアクセント。何段かに連なった有名な「白糸の滝」は、全貌を見ることが出来ない程、長い。
途中、川に浮かんだ売店に寄り道。船頭は、日本で唯一の船上コンビニと云っていたが、ほぼ桟橋のようである(実際に舟が接岸するので、下船して買ったり立ち食いしたり出来る)。たしか京都の嵐山辺りにあった売店は、舟そのものだった。せっかくなので、船上コンビニに上がって売り物を物色。鮎の塩焼き(500円)もあったので購入。今年は個人的に、鮎の当たり年となった。
再び舟は岸を離れ、ゆったり下り始める。窓から入る穏やかな風に吹かれ、河岸の紅葉をぼんやりと眺めつつ、鮎を齧り、日本酒をちびちびやる。これぞ、桃源郷だ。 

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「紅の蔵」でまた山形の食材と日本酒の知識を向上させたあと、銀山温泉へ移動する。ツアコン・アユラシが宿の送迎バスを予約済なので、大石田駅に13時30分までに着く必要がある。そこで在来線の時刻表見ると、一番都合が良い電車は次の様になっていた。
  ・山形11時30分発⇒大石田12時30分着:普通新庄行
つまり、1時間も前に着いてしまい、その後は山形13時33分発まで無い。一方、山形新幹線は、その間に以下の3本が連続している。
  ・山形11時52分発⇒大石田12時20分着:山形新幹線つばさ131号新庄行
  ・山形12時32分発⇒大石田13時01分着:山形新幹線つばさ177号新庄行
  ・山形12時46分発⇒大石田13時16分着:山形新幹線つばさ133号新庄行
つまり、つばさ133号に乗れば、在来線が大石田に着いた後に徐に出発し、かつ13時30分には余裕を持って到着する。これならば、新幹線(といっても在来線を走るので、通常の特急並みの速度しか出せないが)に乗るしかないではないか。
つばさ号が止まらない駅は、まったく悲惨な状況。これでは、列車で移動する地元の人はますます減るだろうし、それこそ駅の存在価値は、いずれ無くなる運命かも知れない。このダイヤを見ていると、そんなことしか頭に浮かんでこない。
ともあれ、我々は観光客なので、せっせと地元に金を落とすことにしよう。山形駅のホームにある売店で、秀鳳・つや姫の4合瓶と、出羽桜・吟醸酒のカップ酒をゲット。云わずと知れた「出羽桜」は、山形を代表するポピュラーな銘柄だが、このようなカップ酒を買えるチャンスはそうそう無い。今日も徹底的に山形の酒を味わうとしよう。車窓からは山形盆地が延々と広がるが、その奥に見える、薄っすらと雪を纏った山は、(村山)葉山のようだ。山形の山を眺めつつ、山形の酒をじっくりいただいた。

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塩山タクシーのお陰で、良いタイミングで塩山駅17時05分発の「ホリデー快速ビューやまなし号」をキャッチできた。「秋の日は釣瓶落とし」とはよく云ったもので、もうすっかり日暮れ時、まわりの山々も見難くなっているが、いちおう2階席を確保。その後も、停車する度に乗客は増え、立川に着く頃にはほぼ満席状態となった。
席に着いたら、速やかに酒ボトルとコップを取り出す。今日の酒は、秀鳳・純米大吟醸・山田錦47・生原酒27BY。精米歩合47%の大吟醸だが、ごく普通の純米吟醸並みの値段(3,000円/1.8L)で買える。4合瓶だったら1,200円相当する訳だから、テーブルワイン並みの価格。香りも程良く芳醇、旨味と酸味のバランスもいい加減であるなのでCPは申し分ない。この頃、秀鳳を呑む機会が増えて来たように思う。
今日のつまみは、くまちゃん持参の「じゃがポックル」となおちゃん持参の「ふんわり削りいか」。前者はカルビーが販売しているものだが、北海道限定なので、お土産として人気商品になっているとの由。塩味は控えめで、素朴な味わいが受けているようだ。「ふんわり削りいか」は、最初食べたときのインパクトはなかなかだった。いかの乾き物は数多あるが、ここまで薄く削ったシロモノは無かった。これならば多少歯の弱い者でも、問題なく齧れるし、そのまま、お好み焼きの具になりそうである。
毎度のことながら甲斐大和に停車すると、窓の外の登山客を気の毒に思いながらも、自分じゃなくて良かったと、僅かな罪悪感と安堵感との間で揺れるひと時を過ごす。それも、10分近くも停まっているのだから、いたたまれない。
その後は、大月を出れば相模湖まで停まらない。まこと、この電車は郡内の山に登った人には不親切である。逆に云えば、この電車を上手く使うととても効率よく、国中の山から帰ってくることが出来る、という訳だ。今回はその最たる事例と云える。
相模湖駅を出た「ホリデー快速ビューやまなし号」は、その先、高尾、八王子、立川と、さすがにターミナル駅には停まる。今日はこのあと、立川で途中下車することになったので、多摩川鉄橋を渡ったらコップとボトルを片付けるとするか。

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今年は、山から下りて、東武特急で帰ってくる機会が多かった。仙人ヶ岳から始まり、今回の高原山まで都合6回、うち100系のスペーシアはこれで3回目。やっぱり帰りは、酒を舐めつつ優雅に特急に乗るのがいい。鬼怒川温泉から浅草へ帰る場合(キロ数:128.4km)、スペーシアだったら2時間丁度に対して、区間快速電車は2時間48分でその差は48分。この時間と少々のリッチ気分を、特急料金1,340円で獲得する訳だが、2時間48分はちょっと長いので、1,340円は高くないと思う。
ちなみにJR中央線の場合、甲府~新宿間(キロ数:123.8km)をスーパーあずさに乗ると1時間30分。普通列車を乗り継ぐと2時間30分で、その差1時間。特急料金1,660円。こうしてみると、スーパーあずさの価値も高いと云えるが、余り日帰り山行の場合は使う例が少ない。日帰りで甲府まで行くことが少ないせいだろう。もし甲府以西へ日帰りする必要があれば、朝晩、あずさを使うことに躊躇いは無い。
一方、朝、浅草から特急に乗って、山に向かうことは基本的に無い。それは、東武特急の始発時刻が遅いことに他ならない。東武日光へ向かう場合、始発の「けごん1号」は浅草7時30分発で、東武日光到着が9時18分。我々が良く利用する快速(この快速電車はかなり速いので利便性が高い)の場合は、浅草6時20分発で東武日光に8時25分着。
早起きに不都合があれば別だが、自然な成り行きとしては、あえて時間が遅くて高い料金を払う必要はない、ということになる。途中で快速電車を追い越すような特急のダイヤでも無い限り、この流れは変わらないと思う。東武さん、その点、どう考えてますかね。今度、500系がデビューするときのダイヤ改正が見ものか。閑話休題。
鬼怒川温泉駅前でひと息ついた後、我々4人は16時45分発のスペーシア「きぬ134号」に乗り込む。隣りのホームには、スカイツリートレインが止まっていた。外装はやけにチャラチャラしていて気恥ずかしいが、一度は乗ってみたい車両。この列車は下今市17時44分発で、浅草着が19時35分。停車駅も特急きぬとほぼ同じ(特急料金も同じ)。浅草到着時刻がやや遅いが、何れ乗る機会もあるだろうし、その時が楽しみだ。

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今日は三連休最終日の祝日、さすがに浅草へ帰る客もそれなりにいるようで、指定席の確保がなかなか難しい状況。丁度良い時間の、定期運行の特急「きぬ」(100系スペーシア)だと、9人の席がバラバラになるとのことなので、ならば仕方なく臨時(季節運行)の特急「きりふり」の座席をとった。
「仕方なく」というのは、「きりふり」が鬼怒川温泉駅始発ではなく、下今市駅で乗り換える面倒があるためだ。それを除けば、特急料金が100系スペーシアで1,440円なのに対して、きりふり300系では1,030円とお得。もちろん、その分、車体は古びているし(このちゃんが、「便器の下に線路が見えた!!!」と云っていたが本当!?)、シートピッチは狭い(1,100mm対960mm)のだが、これらは然したる問題ではない。むしろ我々の世代には、ノスタルジーを感じさせてくれるという点で、スペーシアには無い、味があるとも云える。しかし東武としては、来春に新型特急電車500系が導入されるとのこと、この300系を見られる機会も、残り僅かかも知れない。
臨時列車だけあって下今市から乗車するときはガラガラだったが、途中駅に停まる度に乗客は増え、春日部を発車する頃にはほぼ満席となった。
席に着いたら、リュックサックの中から、尾瀬~日光沢を旅してきた「フモトヰ・夏純吟」を取り出す。その名の通り夏の暑い頃に呑む、清涼感があるタイプの酒だが、何となく呑むのが勿体なくて、ついこの時期になるまで呑みそびれてしまった。
備え付けの片持ちテーブルをセットし、酒ボトルとカップとつまみを並べれば、宴の再開。終わってみればあっという間の3日間。今年は天候にも紅葉にも恵まれなかったが、味わい深い山旅となった。日光沢温泉は良い宿だが、ここばかりだと他の温泉宿に行く機会が減ってしまうので、また来年も、という訳にはいかないかもしれない。それでも、次回はやはり紅葉の頃を狙って、群馬側の丸沼温泉から湯沢峠越えで、温泉のハシゴでもしようかと、プランを考え始めている。

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