山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

車内・船内・機内

何故かこの頃、レストラン列車が流行りである。昔、長距離特急列車や新幹線には食堂車が付いていたが、いつのまにか無くなってしまった。それなのに別の形で復活したのは何故か。鉄道会社はそれなりに色々分析しているのだろうが、少なくとも昨今、形は変わったものの復活したのは、間違いなくニーズはあると云うことだ。それが多少割高であっても、鉄道好きであればさほど気にならない。
小生も、基本的には鉄道好きなので、車内で呑み喰い出来るのは大歓迎である。土日に走らせる列車は、全てそうして欲しいくらいだ。
今回、5月連休の最終日に乗りに行ったのは、いすみ鉄道の「レストラン・キハ」である。食堂車に改造した気動車の車内で、「伊勢海老特急お箸DEイタリアン」を喰うと云うもの。勿論、だいぶ以前より予約済みである。
集合は大多喜駅。この「レストラン・キハ」は大多喜駅を発車した後、一旦、小湊鉄道と接続している上総中野駅まで向かい、そこで折り返して大多喜駅を通過、外房線と接続している大原駅まで向かう運行となっている。そのくらいでないと、食事時間を確保できないくらい、この線は短いと云うわけ。「特急」と謳っているが、「特に急がない」という意味らしい。
食堂車は、クロスシート席の半分にテーブルを設置したスタイル。食堂車の約1/3が厨房となっているが、実際には調理済みの料理を準備し、皿に盛るぐらいしかしていない。従って火を使わないので、正確には食堂車という定義にはならないようである。シェフ以外に、給仕係の女性が3人乗車。
発車と共に、食事スタート。先ずはシャンパンがグラスへ注がれる。グラスが転倒しないよう、テーブルには工夫がなされている。しかしそれにしても、ローカル線らしく、かなり揺れる。ゆっくり走ってもこの状態。給仕するのもなかなか大変だろう。
料理は前菜から始まり、フルコース。お通し:自家製ピクルスとオリーブ、お造り:房総のお刺身、向付:鮑の柔らか煮・柚子味噌ソース、吸物:地魚と魚介の和風スープ、焼物:大原産伊勢海老の香草焼ワサビクリームソース、
デザート:抹茶のティラミスジェラート添え、コーヒーという内容。飲み物(赤・白ワイン、オレンジジュース、ウーロン茶、炭酸水)は基本フリー(但し、ビールは有料)だった。
途中、再び大多喜駅に戻って、発車する際は、いすみ鉄道社長の見送りもある。
とにかく、あっという間の2時間だった。 

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「出会いの森福祉センター」で、風呂上がりのビールを飲み損なったので、悶々としながら新鹿沼駅までタクシー移動。ビールが呑めるまで世界は灰色である。スペーシアの指定券を購入したら、取るもの取り敢えず売店へ行き、缶ビールとつまみをゲット。ホームに入ったら、直ちに呑みたいところだが、ベンチは無い。ホームで立呑みは少々端ないので、スペーシアがやってくるまで、さらに暫し我慢。
ふと、辺りを見回して気が付いたのだが、この駅からスペーシアに乗り込む客は、ゴルフ客の方が遥かに多い。この近所にはゴルフ場が多いのだろう。試しにググってみると、あるわあるわ、忽ち十数ヶ所も見つかる。バブルと共にゴルフ場もだいぶ減ったはずだが、この界隈のゴルフ場経営者は、意外に健闘しているのかも知れない。
やがてスペーシア「きぬ134号」到着。話題の金色スペーシアだった。これに乗るのは初めて。昨年の、日光東照宮四百年式年大祭を記念して塗装したもの。東照宮の荘厳さをアピールしているらしいが、まあまあかな。少なくとも撮り鉄ではないので、さしてわくわくすることは無い。内装は、これまでと全くそのまま。いつも通りの大型テーブルが我々を待っていた。
席に着いたら、おあずけを喰らっていたビールを漸くいただく。甚だタイミングを逸しているので、絶好のタイミングではないが、とりあえず待ちに待っていた瞬間。これで落ち着ける。周りの景色も天然色に戻る。我々が乗った、新鹿沼17時21分発の「きぬ134号」は、この先、栃木と春日部に停車した後、北千住には18時32分到着。1時間余の列車旅は、長からず短からず。
車窓の外は、田植えが終わったばかりの稲と、収穫間近な麦。栃木は二条大麦の生産が日本一だそうである。二条大麦と云えばビールの原料。と云うことは、今呑んでいるビールは昨年、目の前の畑で穫れたものかもしれないし、今眺めている畑の麦は、やがてビールとなって呑むことになるかも知れない。随分と栃木県の経済に貢献しているようだし、この辺りの畑の世話になっている訳だ。そう思うと、少々栃木に親しみが湧いてきた。

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呑んで喰って十分満足したところで、そろそろ長野へ移動する時間。ところが、長野電鉄は偶々人身事故があったせいで、運転見合わせとのことだった。場合によってはまた、豊野駅へタクシーで戻り、飯山線で長野へ出る必要がある。
とりあえず小布施駅に行ってみると、丁度目の前に長野行電車が到着したところ。駅員は、次の電車がいつ来るのか判らないので、とにかく乗ってくれ、切符は車内で買ってくれ、と我々を急きたてる。小生のリュックサックは、このちゃんが何処かに預けた筈だが、その当人が見当たらない。小生だけ置いてきぼりかと、おろおろしているうちに、リュックサックを2つ担いだこのちゃんが現れ、なんとか電車に駆け込むことができた。
長野駅までは、田園風景の中を30分余りのんびり旅。長野電鉄の長野駅は地下駅となっていて、地下通路でJR長野駅に繋がっている。JR長野駅は観光客でかなりの人出。今日はまだGWの前半でもあるので、帰る人だけでなくやってきた人も多そうだ。
新幹線ホームで列車を待つ間、キオスクで飲み物を物色。課題だった「北光」と「水尾」のうち、「北光」は民宿「岸田屋」で味わうことが出来たので、ここは是非、「水尾」を手に入れねばならない。果たしてカップ酒があったのでさっそく購入。これで目論見通り、味わうことができる。ついでに「善光寺浪漫」という名の地ビールもゲット。
準備が整ったところで、14時発「あさま640号」に乗車。長野から大宮までは1時間ちょっとしかない。長野発でもこの頃はE7系。E2系は少なくなっているようだ。車内設備の充実さからいえばE7系の方が優れているのは明らか。これから乗る機会はどんどん増えるだろう。

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「トロッコわっしー6号」は相老駅に16時53分到着。ここで、「わたらせ渓谷鐡道」に別れを告げ、東武線に乗り換える。相老駅下車も初めて。乗降客は我々以外、殆どいない、やけに殺風景な駅である。わたらせ渓谷鐡道と東武線が接続していることだけが、この駅の存在価値の様に見える。
「わたらせ渓谷鐡道」から東京方面へ帰るには、3つの選択肢がある。即ち、相老駅で東武線に乗り換える以外に、終点の桐生駅まで行き、両毛線に乗って高崎へ出るケースと、同じ両毛線を反対方向の小山まで出るケースである。どちらの場合も、出来れば新幹線に乗りたいところである。そうすると、どういう結果になるか。
・高崎経由の場合: 上野19:06着。料金は水沼駅起点で5,880円。
・小山経由の場合: 上野19:10着。料金は水沼駅起点で5,140円。
・東武線経由の場合: 北千住18:41着。料金は水沼駅起点で2,970円。
ということで、時間的にはほぼ同じ。料金はやはり、東武線経由の場合が圧倒的に安い。従って(自らのプランを自画自賛している訳ではないが)、どうしても大宮で降りて「いづみやに寄りたい!」ということでもない限り、東武線を選択するのが素直な判断と云うことになる。
東武特急には、ちょっと変わった特急料金制度がある。我々が乗る、相老17時4分発の「りょうもう40号」以降は、夜割料金になる。相老から北千住の場合、昼間の特急料金は1,030円だが、夜割では820円と、210円割引になる。日光・鬼怒川線の「きぬ」の場合は、下今市発車時刻が18時53分以降が夜割対象と、やや遅めの時間設定。これはやはり、利用者数の違いによるものだろう。もっと云えば、「きぬ」の場合は、平日よりも土日の方が特急料金が割高となる(東武日光~北千住間で100円の違いだが)。観光客の足元をしっかり見て、取れるところは取ろうという感じである。
ということで、我々はお得な「りょうもう40号」に乗車、北千住到着の18時41分まで、黄昏時の風景を眺めつつ、またちびちびとやった。

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時間まで「水沼駅温泉センター」でのんびりして、さてとホームに出れば丁度、「トロッコわっしー6号」がやってきた。2012年に導入した、新型車両だそうである。製造は新潟トランシス。車両の塗装色は、紅葉をイメージしたもの。いかに行楽客が秋に多いか、判る気がする。ちなみに「わっしー」とはわたらせ渓谷鐡道のイメージキャラクターで、郵便ボックスのような姿をしている。モチーフは、真正面から見た車両のようである。
車内で乗車券を購入する。今どき珍しい、短冊の様な券で、「車内補助券」と書いてある。行先や料金を示すため、鋏でパンチ穴を開けるスタイル。これだけでノスタルジーを感じてしまう。
16時25分に水沼駅発車。ここから次の停車駅、大間々駅まで9.6kmを16分かけて走る。同じ区間を機関車牽引の「トロッコわたらせ渓谷号」だと、24分かかる。丁度1.5倍。すなわち、「トロッコわっしー号」は1.5倍のスピードで走っていることになる。
それは実際、乗ってみて体感した。身体で受ける風圧が、「トロッコわたらせ渓谷号」とだいぶ違う。たしかに、ママチャリと原付バイクぐらいの違いは有りそうだ。風は強いが、ウィンドヤッケを着れば問題ない。気持ち良さは変わらない。再び、酒ボトルを取り出してちびちびやる。車内には売店があり、酒やビールも売っているようである(但し、売り子は見当たらなかった)。この「トロッコわっしー号」にも、窓がある普通の車両が付いているが、よほど風が冷たい場合でなければ、流石にそちらに座る気にはならない。
今回乗って初めて知ったことだが、「わたらせ渓谷鐡道」という言葉から、黒部峡谷のような深い谷を縫って走るのかと勝手にイメージしていたが、実際はそうではなかった。渡良瀬川は意外にゆったりと、所々に河岸段丘を形成させながら流れていた。
途中、通過する上神梅駅という駅は、大正元年建築で、国の登録有形文化財に指定されているとのこと。周囲が花壇で飾られていて、ちょっとメルヘンチック。この駅の通過では、「トロッコわっしー号」もゆっくりと走って、客の目を楽しませる。ところでこの「トロッコわっしー6号」も、「」乗車率はせいぜい20%ぐらいだろうか。まだシーズン前だからかも知れない。何はともあれ、我々には良いタイミング、贅沢な時間だった。

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「列車のレストラン・清流」でまったりした後は、日帰り温泉がある水沼駅までトロッコ列車で移動。予め、なおちゃんに乗車整理券を買っておいて貰っていたのだが、当日買っても全く問題ない程、車内は空いていた。こんな良い季節なのに、何故客が集まらないのだろう。
それはともかく、我々にとっては願ったり叶ったりである。トロッコというと貨車をイメージするが、わたらせ渓谷鐡道のトロッコは客車を改造したもの。かつて昭和40年代に量産され、旧国鉄やJRで使われていた、急行用12系客車がベースの様だ。窓も窓枠も思い切って取っ払った状態となっている。
牽引する機関車はDE10形。これも昭和40年代から50年代にかけて量産された、ローカル線ではおなじみのディーゼル機関車。それまでの主役だったC56形やC11形、C12形等の支線用蒸気機関車の代替として導入されたシロモノであり、SLファンからは仇のように思われた、云わば憎まれ役だった。時は巡り、今はトロッコ列車を牽引する役を担い、今の子供たちの人気の的になっている(?)わけで、我々には何やら感慨深い。
わたらせ渓谷鐡道では、この客車タイプのトロッコ列車以外に、ディーゼルーカーを改造したトロッコ列車(こちらは、水沼駅から乗車する予定)がある。前者は1日1往復(基本的には土日だけの臨時列車)、後者は2往復運転している。
神戸駅14時46分発。水沼駅まで距離は10km弱しかなく、途中駅は全て通過するのにもかかわらず、約30分かかる。まるでママチャリ並み。トロッコ列車が、いかにゆったりと走るのかが判るだろう。そのおかげで、僅かな風の音と、線路の繋ぎ目の音しか聞こえない。渓谷のせせらぎの音や、鳥の鳴き声も聞こえてきそうだ。寒からず暑からず、トロッコ列車に乗るにはちょうど良い季節だ。
客車には、座席はとても簡易だが、どうぞここで呑んで喰って下さい、と云わんばかりに大きなテーブルがあるので、ありがたく酒とコップを取り出し、つまみを齧りながらちびちびやる。風が心地良い。それにしても、この開放感はどうだ。呑み鉄だったら涙が出る程だ。トロッコ列車が、こんなに良いとは知らなかった。いままで勿体ないことをした。これから、この遅れを取り戻さなくてはなるまい。

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足利市駅からは17時06分発「特急りょうもう38号」に乗車。乗車直前に座席指定を買ったのだが、それでもかなり空いている。しかし、何故か端から席を埋めていくスタイルに東武は拘るので、我々の車両の隣はガラガラである。まったく、いつも思うことながら、東武はこのスタイルを改めるつもりはないのだろうか。
ここから北千住までは1時間強。酒を呑みながら景色を眺めたり少々しゃべったりすれば、北千住も遠くはない。途中の停車駅は館林、羽生、加須、久喜、そして東武動物公園と、特急の割には結構止まる。元々、「りょうもう」は急行列車だったので、その名残なのだろう。館林以北は単線区間なので、止まらない駅でもゆっくりしていく。一方、北越谷を過ぎると複々線になるので、運行もスムーズ。
200系のシートピッチは985 mmと、100系スペーシア程ではないにしろ、まずまずの広さ。東武はこういうところに結構、熱心だ。そして、200系の特徴は何といっても、壁部に大型の折り畳み式テーブルが設置されていることである。
多くの場合、4人で向かい合わせに座るため、シートを回転させると、シートの背面に設置されているテーブルは使えなくなる。4人で賑やかにやる時こそテーブルが必要なのに、大いなる矛盾。小田急ロマンスカーMSE60000形のような、肘掛収納式テーブルだったらまだしも、多くの場合は窓枠にボトルやカップを並べるしかない。基本的に鉄道会社は、シートを回転させて呑んだり食ったりすることに、反対しているとしか思えない。
その点、この東武200系の大型テーブルはとても優れものである。行楽用列車の本分をちゃんとわきまえている。東武はえらい。その他の特急も、ちゃんとしてほしい。閑話休題。
さて、シートを回転させ、テーブルを引き上げて準備万端。ザックから取り出したのは「南方・純米吟醸・無濾過生原酒」。かの南方熊楠の実家、その名も「世界一統」という造り酒屋が醸す酒。旨みがあってフルーティな感じ。かなりイケてる。これさえあれば、北千住なんてすぐだ。 

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「石和温泉」でまったり寛いだ後、そろそろ列車の時間なので石和温泉駅へ向かう。「石和温泉」の直ぐ脇にある石和八幡宮の桜も丁度見頃。訊けば、明日が例大祭だそうだ。ここから駅まで、酔っ払っていると遠く感じるが、ほろ酔いならば丁度良い距離である。今日は、芦川北稜ではアブラチャンやダンコウバイぐらいしか色めが無かったが、山から下りた麓には、桃や李の花が咲いていた。駅の背戸の大蔵経寺山も、ちらほらヤマザクラのピンクの彩りを装っていて春を感じる。
16時54分発「ホリデー快速ビューやまなし号」に乗車。石和温泉駅から上り電車に乗る際は、時間的にこの「ホリデー快速ビューやまなし号」が丁度便利である。これまで主に東海道線で使われていた215系車両。所属は、依然として国府津電車区のままで、平日は「湘南ライナー」などで運用され、休日はジョイフルトレイン「ホリデー快速ビューやまなし号」として「出稼ぎ」に中央本線にやってくる。
いっそのこと、もう「湘南ライナー」などに使うことは止めにして、是非、ジョイフルトレインに専念して1日2往復ぐらいしていただきたい。ついでに、「ホリデー快速おくたま号」として青梅線にも走らせて欲しい。 
この「ホリデー快速ビューやまなし号」の始発が小淵沢駅のせいか、石和温泉駅では既に、2階部分のクロスシートは結構、埋まっている。そこで我々は1階へ。網棚の高さがかなり制限されているので、中身が詰まったリュックサックを載せるのはかなり厳しい。その代わり、座席が片持ちになっているので、座席の下にリュックサックを置くことが出来る。
腰を落ち着けたら、車窓からの眺めを肴にちびちびやる。1階席なので、やや目線が低いが、花や山を眺めるのには悪くない。途中、勝沼ぶどう郷駅前の桜が丁度見頃だった。この駅は、桜と、甲府盆地越しの南アルプスの眺めが最高。春の中央線の車窓は見どころが沢山である。

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「夢庵」から佐久平駅に戻り、新幹線の乗車時刻まで暫し売店で土産物を物色。ちなみに、この売店がある建物(駅ビル)は「プラザ佐久」という名前。一方、さっき健康ランドで汗を流した処は「佐久平プラザ21」と云って、紛らわしいが全く別物。佐久平は「プラザ」好きなのか。結局、「井筒長特別純米」の四合瓶をゲットすることにした。実は今回の山旅で、列車やタクシーの車窓からの眺めの中に、其処彼処にこの銘柄の看板があって気になっていた。そろそろ時間なので新幹線ホームへ移動。
佐久平駅は、普通の駅とはちょっと変わったところがある。その一つが、在来線の小海線が、新幹線の上を走っていること。もちろん、新幹線が通るまでは、小海線は地べたを走っていた筈なので、新幹線開業に合わせて、わざわざ嵩上げした訳だ。それは新幹線側の事情によりそうなったのだろう。
そのせいかどうかは判らないが、新幹線の駅には追い越し線がない。従って「あさま」や「はくたか」が、「かがやき」に抜かれることは無い。小海線も、単線のままに片側プラットホームがあるだけの極めてシンプルな駅。ホームにベンチを置くほどのスペース(幅)が無いため、手前の連絡通路が待合室を兼ねている。しかも、新幹線ホームから小海線ホームへ乗り換える際には、新幹線側の改札口からいったん外に出てしまう。さらに、小海線側には駅員はおらず、改札口も無い。ずいぶん、大らかというか、大人の扱い。そういえば、デンマークの電車も、券売機は有るものの改札口は無いし、検札にも来ない。大人だね~と感心した覚えがある。但し、無賃乗車が発覚したら、正規料金の何倍も罰金を取られることになるそうな。
佐久平13時46分発「あさま618号」に乗車。この時間帯は概ね1時間に1本の停車である。発車してすぐ、浅間山が左手に見える。茂来山の上からは、ガスが掛かっていて山頂付近は見えていなかったが、いまはスッキリした姿。この辺りの車窓から浅間山が見えないとどうも落ち着かない。
ここから大宮まではほぼ1時間、「井筒長」をちびちび呑んでいるうちにすぐ着いてしまう。さて、今日は何処で仕上げるか。

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キハ110系は通常、小海線では、ほのかに緑がかった白とダークライムグリーンのツートンカラーだが、羽黒下駅へやってきたキハ110系はいわゆる柿色だった。珍しいなと、あとで調べてみると、小海線開業80周年記念事業の一環として、キハ110形キハ110-121を柿色(通称、首都圏色、あるいはタラコ色)に塗装変更したようだ。鉄ちゃんにとっては、旧国鉄時代を彷彿させるためウケがいいようである。小生は別段、心躍ることは無い。
車内はそこそこ客がいて、まるごと空いているボックス席は見当たらないので、ボックス席にお一人だけ先客がいたところへお邪魔する。我々よりはひと回りぐらい上の方の様子。流石に目の前で、いきなり酒盛りを始めるのも気が引けるので、コップをリュックサックの中へ仕舞ってすましていると、そのうち我々に、何処の山に行って来たのか問うようになり、話が段々、自らのひとり旅について伺うようになる。富士宮在住とのこと。曰く、いつも青春18キップで周遊しているのだが、昨今、第三セクターの路線が増えてきたため余計に金が掛かるし面倒だ、と。
この御仁、昔からの乗り鉄のようである。青春18きっぷは当然、JR区間でないと役に立たない。昨今、北陸新幹線が延伸したせいで、並行する在来線(信越本線)が「しなの鉄道」や「えちごトキめき鉄道」などと云う第三セクターの運営になってしまった。そこを経由しようとすれば、その区間、別料金を払わなくてはならない。それが困りものだと仰る。我々も、けしからぬ話ですね、と相槌を打つ。
話はやがて上越線に移り、上越新幹線が出来ても、上越線が第三セクターにならなかったのは、上越新幹線が旧国鉄時代に出来たせいらしい。だが、そのおかげかこの頃は1日4往復しか走らない超ローカル線になって乗り継ぎが難しいと零す。
それでも、鉄道旅は楽しい、旅の友はカップ酒、もう既に飲み干してしまった、と仰る。なんだ~、それを早く云って欲しかったな~、なんて言葉はおくびにも出さず、いそいそとリュックサックから、山の残り酒が入ったボトルとコップを取り出し、更に話が弾んだことは、云うまでも無い。

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名古屋駅17時22分発「のぞみ176号」のN700系に乗車。常々、E5系に次いで不細工だと感じている車両。いくら空力特性に優れているからといって、あのカモノハシ顔(カモノハシが嫌い、と云っている訳ではない)は如何なものか。300km/hで走る(泳ぐ)カモノハシは、あまりカッコいいとは云えない。E5系だってダックスフンド顔では、どうにも速さとは結びつかない。新幹線が海外で売れない原因の一つではないかと、個人的には密かに感じている。少なくとも新幹線車両では、500系が一番カッコ良かった。E7系も、まともだと思う。
多少、日が長くなったとは云え、名古屋を出れば間もなく外は暗くなる。そうなったら、旅の楽しみは車内での呑み喰い。今日は普通の月曜日なので、仕事帰りが多いせいか、周りは静か。酔っ払いがいないどころか、話し声も疎ら。出張の帰りに、キオスクでビールやらカップ酒やら買い込んで、車内で他人の迷惑顧みず、仕事の憂さを晴らすなんて輩は昨今流行らないようである。
以前、仕事で同僚と東京~岡山間を「ひかり」で往復すると云うパターンが多かったが、4時間飲み続けていると流石にかなり酔っ払う。東京駅(又は岡山駅)に着いても、またそれから何処かの店でも入ろうか、などと云う気はあまり起きなかった(偶には起きた)。時々、どちらから乗っても名古屋辺りで買い込んだ酒が無くなる場合があり、そうすると僅かな停車時間の間に、ホームのキオスクへ走り、酒を抱えて、ドアが閉まるぎりぎりに飛び乗るなんてこともあった。名古屋駅にはそんな思い出がある。
今回、余裕を持って名古屋駅で仕入れた弁当は、 味噌カツとひつまぶしを両方味わえると云う、贅沢弁当の「味噌カツうなぎ重」。カミさんは名古屋コーチンのとりめし。昨今、駅弁は特徴がないと売れないのか、ご当地料理に特化したものが目に付く。幕の内弁当なんて、絶滅したのではないかと感じる昨今である。

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本降りの雨。高山駅に戻り、キオスクで缶ビールとカップ地酒(蓬莱小町桜)と、そのついでに「じゃがですよ!飛騨牛」を仕入れたら、14時39分発の「ワイドビューひだ14号」を待つ。仮設の待合室には、国内外からの観光客が溢れている。この列車は富山からやってくる3両編成に、高山で3両増結するため、プラットホームにはその連結風景を写真or動画に撮ろうという輩が群がっている。ipadを構えている外国人もいたりして、これはこれで一つの観光資源、エンターテイメントと云えるのかも知れない。
連結パフォーマンスも終了し、どやどやと乗車。落ち着いたら徐に缶ビールを開け、雨に煙る景色を眺めながらちびちびやる。「じゃがですよ!飛騨牛」はビールと良く合う。その後、カップ酒に移行。蓬莱は、純米吟醸を白川郷で呑んだが、カップ酒の小町桜は本醸造。いわゆる呑み飽きない酒。
たった1泊だったが結構、白川郷と高山の街を堪能した。観光客を惹きつける魅力は大いに感じた。惜しむらくは、夜の高山で居酒屋には1軒しか入れなかったことか。日曜日の晩は、観光地と云えどもやや寂しげで残念。
今度来るときには、出来れば日曜日ではない1泊朝食付きの片泊まり宿にして、居酒屋を2、3軒はしごしてみたい。 
今回の旅でやや気になったことだが、白川郷で入った店は少々観光客ずれしたというか、客あしらいが通り一遍で、そっけない印象。その点、高山で入ったどの店も、扱いはとても丁寧と感じた。歴史の問題だろうか。偶々かも知れないが、第一印象はとても大事。海外からやってくる大方の観光客は、リピーターにはなり難いかも知れないが、様々なSNSサイトに口コミ情報を書き込むので、店の評判を下げるのは簡単だ。白川郷の店も、早いとこ従業員の教育に力を入れた方が宜しかろう。

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カミさんが合掌造りを見たいというので白川郷に行くことになった。小生も初めて。白川郷だけを考えれば、北陸新幹線で行く手もあるが、高山で1泊しバス往復するとなると、やはり東海道新幹線ということになるようだ。東海道新幹線も、この頃はせいぜい三島くらいまでしか乗ることが無い。名古屋駅で降りるなんて、ここ20年くらい無かった。
今回、高山本線に乗るのも初めて。岐阜駅でスイッチバックすることも知らなかったので、名古屋駅で座席の向きが逆のまま発車して少々驚く。それにしても名古屋から高山までは約2時間。東京から足掛け4時間かかる。高山はかなり遠い処だ。名古屋までの「のぞみ」はほぼ爆睡状態で、ビール1缶呑むのが精一杯。安上がりに済んだ。
「ワイドビューひだ」車内はほぼ満席。海外からの旅行客もそれなりに乗っているようである。このJR東海キハ85系に乗るのだって初めて。シートピッチは1,000mmと、JR系にしてはかなり意欲的である。座席スペースが通路より200mmほど高くなっていてかつ、窓も天井付近まで高くなっているのは、窓からの眺めに配慮したものだろう。
東京駅で買って、ぬるくなったハイボール(リザーブ&ウォーター)を開ける。岐阜駅から前向きに進むようになる。ここから先は全線単線区間。岐阜から高山まで136.4kmもある割に、「ワイドビューひだ」がほぼ2時間で結んでいるのは、まあ頑張って走っている感じはある。その分、緩行列車にしわ寄せがいっているのかも知れない。
途中、なかなかの渓谷美のところがあるな、とか、ちっとも雪があらわれないな、とか思いながらもいつの間にかまた熟睡。気が付けばまもなく高山、結局、ハイボール1缶で着いてしまった。毎度こんなに、安上がりにはいけばいいのだが。
それにしても、辺鄙な山の中に忽然と高山の街が現れた。こんな場所に街が発達した歴史に、少々興味が湧いてきた。

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富士見駅からの帰りは、既に座席指定券を購入済みのあずさ。「ゆ~とろん」からタクシーで駅に着いたのがやや早かったので、車内用の飲み物(≒酒)を買おうと思うのだが、駅前にはコンビニも酒屋も無い。観光案内所に訊いてみれば、5分ほどの距離に酒屋があるとのこと。
さっそくのんちゃん、和尚と共に行ってみるが、なかなか見つからない。諦めかけてた頃、漸く「福寿屋」の看板を発見。入ってみると、焼酎や日本酒等、結構品揃えが多い。旅先で、地元の酒屋に行ってみるのは楽しみの一つ。あまり出回っていない、少量生産の地酒を見つけることができれば嬉しい。
隣の長野県茅野市には「ダイヤ菊」、手前の山梨県北杜市には「谷桜」があるのは知っていたが、残念ながら富士見町には造り酒屋は無いようだ。やや残念。代わりに、目に付いた「長者盛吟醸生原酒」をゲット。新潟県小千谷市の酒だった。
駅に戻ってもまだ電車の時間まで少々あるので、静かな駅前でぼーっとする。スキー場へ行く客がやってきて、シャトルバスで移動する僅かな時間だけ人の往来があるが、それ以外は全く静か。駅の待合室で、列車を待っている人たちがじっとしているだけだ。駅前には食堂が2軒(中村屋食堂と多い市食堂)あるのだが、残念ながらどちらも中休み中。個人的には駅の待合室でじっとしているよりも、駅前食堂でビールを呑む方がずっと嬉しい。そう思う客は少ないのですかね。
やがて15時59分発の「特急あずさ24号」がやってくる。ぞろぞろと乗車。立川駅到着時刻は17時40分。1時間41分の移動居酒屋(中休みの人もいる)。我々は、進行方向右側のシートに2人ずつ5列の指定席。真ん中に座っていると、つまみ類が頭上を行ったり来たりする。
この「あずさ」は、甲府を出ると八王子まで止まらないせいで、随分速く感じる。それでも塩山辺りを通過すると、我々の馴染みの山域に入るので、窓の外に目をやれば、あの山はこの頃ご無沙汰だ、とか、今度あの山に登るときには、あの尾根から登ろうなどと、思いは尽きない。

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「葭之池温泉」を出て、ぶらぶら葭池温泉前駅まで歩く。道中、ド迫力の富士山が見える場所なのだが、今日は雨はすっかり上がったとは云え、流石にまだ全くガスの中。でも、正面には杓子山や倉見山は見えている。気温はだいぶ上がってきたようでもう、フリースやダウンジャケットは不要。
まもなく、駅に到着。片側だけのシンプルなホームで、ちょこんと小さい待合室がある、これ以上簡略化できないほどの駅だが、それなりの味わいがある。
やがてやってきた10時50分発の電車は、中央線直通の211系だった。211系を見ると、今日はどっちだ?と身構える気分だが、幸いにもセミクロスシートの0番台車両だった。そうと決まれば、やっぱり呑み残した酒を取り出さねばなるまい。つまみだってまだある。もう葭之池温泉でビールを呑んじゃっているので、午前中に日本酒を呑むのだってへっちゃらである。
それにしても、春一番を山の中で迎えたのは貴重な経験かも知れない。昨日は登山道にたっぷり残っていた雪は、嵐の後の翌朝には劇的に変化していた。ところによってはすっかり表面の雪が洗い流され、だいぶ古そうな凍結面が現れていたり、雨をたっぷり吸い込んだ雪がシャーベットかマックシェーク状のところもあった。つぼ足で歩く場合には、どちらも難儀するが、もっと厄介なのは、前者の氷と後者のスムージーで、パッと見、見分けがつき難いところ。こんな道は初めて。おかげて見誤ったせいで、見事にすってんころりん、 ただちにアイゼン(チェーンスパイク)をつけることにした。
電車はのんびり各駅停車なので、山をゆっくり眺められる。昨日は多少付いていたように見えた三ツ峠山の雪も、下から見上げる限り、すっかり消えてしまった。他の山々もまったく雪が見えない。もうこのまま春になってしまうのだろうか。

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花咲山に登った帰り路、大月駅から乗った15時47分発高尾行普通電車は、211系0番台の車両、すなわちセミクロスシートだった。この頃は「やった、ついている!」と思わなくてはならぬご時世である。
ところがこの時間、この季節にして結構、それなりに乗客がいて、さすがに7人が纏まって座ることができない状況。主な乗客は、学生か仕事で移動中の方々。我々の様に、頭から爪先までオフの格好で、かつ頭の中もオフの人々は意外に少ないようだ。
それでも、ボックスに1人か2人のところばかりなので、その一角に割込ませていただく。しかし我々が、そのまま大人しくしている筈もなく、世間を憚らず酒とつまみまで取り出していい調子になっていると、いつのまにか2つのボックスは我々7人だけの世界になっていた。そんなに迷惑をかけた記憶がないが、こんな季節の、しかもこんな天気の日に山から下りてきた中高年集団は、世間的にはちょっとどうかしている奴等と思われても仕方がない。我々が発散する酒の臭いと騒々しさで、あまり傍に居たくないのは理解できる。それは立場が逆だったりすれば理の当然。しかし、それがもし、このちゃんだったら、きっと話に加わって来るだろうし、酒の味見をさせて欲しい、と云い出しそうだ、というのが(ご本人も含め)皆の一致した意見だった。
かくの如く、他愛もない話をしているうちに電車はもうすぐ高尾。今日の打ち上げ場所は、すでに「弁慶」と決めてある。そろそろ車内宴会はお開きとしよう。

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小烏山から東御殿に登り、「花かげの湯」で温まった後、塩山駅から高尾行に乗車。現在、普通電車の主流は211系となっているが、この211系にはセミクロスシート車両(0番台、6編成)とロングシート車両(2000番台、8編成)の場合がある。今朝の下り電車もそうだったが、塩山から乗った電車もロングシート。この頃何故か、ロングシートに当たることが多い。
全てロングシート車両しかないのであれば、むしろ諦めもつくが、そうではないので多少期待してしまう。他の乗客を気にして酒が呑めないのもそうだが、車窓からの眺めもロングシートではいただけない。正直云って、ロングシートとセミクロスシートとでは、電車旅の印象は丸っきり異なる。できれば週末には通勤電車には乗りたくない。ましてや、良い気分になった山の帰り。そこんとこ、判ってくれませんかね、JR東日本。
ところで、トイレが付いている末端車両では、トイレの向かい側だけ、クロスシートが半分付いている。ロングシートのままだと、トイレから出てくる客とロングシートに座っている客とが眼を合わす恐れがあるため、それを避けるための配慮だと思われるが、半分だけにするのは、出来る限りロングシートにしたいと云うJRの執念を感じる。そこまで頑張ることもないのに。
こちらも少々執念を出して、その片側クロスシートがある部分に座った(我々は5人なので、3人はロングシート)。さいわい、今回乗った塩山駅15時59分発の中央線普通電車は、ガラガラだったので左程、他人の目を憚る雰囲気でもなかった。ともあれ、酒ボトルとコップとつまみを取り出して宴開始。黄昏時の景色も肴に、なんとか楽しめた。

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当初の計画で「ホリデー快速富士山2号」に乗って立川まで移動し、その後、「梅の湯」か「高砂湯」あたりに入るつもりだったが、やはりなるべく早く温まりたい(汗を流したい)というのが素直な成り行きなので、1本後の直通電車である「快速山梨富士4号」まで、河口湖で風呂に入り、ちょっと小腹を満たすことにした次第。駅前の「河口湖ステーション・イン」と「平井売店」でさっぱり&満足した後、頃合い良し、河口湖駅に向かう。丁度、日没後のシルエット富士が目の前に見えている。
改札口には、外国人の群れが行列を作っていた。皆、「快速山梨富士4号」に乗るようである。「快速山梨富士4号」は自由席と座席指定席があるが、この感じでは、座席指定(乗車券プラス520円)に乗った方が無難だろう。早速、指定券を買おうとすると、券は窓口のみの販売で、しかも外国人の集団相手に窓口のおねえちゃん女性駅員が四苦八苦していてなかなか捗らない様子。観光地はどこも、海外旅行客の対応に大わらわ状態、さしずめ平成の黒船来襲というところか。
「快速山梨富士4号」は、JRのE257系500番台の車両だった。通常、中央線で「特急かいじ」として走っているE257系は0番台。500番台は、房総半島と東京を往復する「特急わかしお」や「特急さざなみ」に使われている車両である。白、ブルー、イエローのトリコロールが特徴、会社帰りに東京の酒場へ「出張」する際には、時々使わせてもらっていた。昨年のダイヤ改正で、「さざなみ」の運転本数が減ったのを知っていたのだが、まさかこんなところで「出稼ぎ」しているとは思わなかった。
席に落ち着いたら、夜の帳が下りた窓の外を眺めつつ、山の残り酒をちびりちびりやる。シートピッチは960mm。189系と較べて50mmも広く快適。JRで現役の特急車両に、快速料金(自由席は乗車券のみ)で乗れるのは、とてもお得感がある。これも世界遺産効果、外国人観光客に配慮したサービスだろうか。今後も暫定的な運用ではなく、いつでもこのE257系が利用できるようにしてもらえると有難い。

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「御殿場高原ビール」のビアホールで、ビールと料理を堪能したあと、そろそろ「あさぎり」に乗るため御殿場駅に向かおうかとタクシーを呼ぶと、1時間ぐらいかかるとのこと。えー、それじゃあぜんぜん間に合わない。どうゆうことだろうか。
ならばと別のタクシー会社を呼んでも、時間通り御殿場駅に着けるか、約束できないとのこと。うーむ、想定外の展開だが、とにかく御殿場までタクシーで行くしかない。しばし、じりじりとタクシーの到着を待つ。もうだいぶ良い調子になっている方々は、別に間に合わなくってもへっちゃらよ、とばかり「時之栖」の園内に広がるイルミネーションを楽しんでいる。
その方々よりもだいぶ悲観論者で酔いも足りない小生としては、気が気ではない。タクシーが読み通りに運行できない理由は、ここ、「時之栖」に集まる車の群れにあるようだ。道路が狭いのか、駐車場の出入り口がボトルネックとなっているのかは定かではないが、今のところ、ここから出ていく車よりも、やって来る車の方がはるかに上回っているようだ。ここがこの界隈の渋滞を引き起こすほど、人気スポットになっているとは知らなかった。
タクシー車内でも多少気を揉んだが、それほどの渋滞には巻き込まれずなんとか無事、「あさぎり」発車数分前に御殿場駅に到着。かたや、「あさぎり」号は全車指定席なんて不要では、と思うほどガラガラ。ちょっと酒が覚めてしまったので、この寛いだ空間でゆっくり呑み直したことは云うまでもない。

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奥日光散策のあと、東武日光駅前で蕎麦を手繰ったら、東武特急に乗って帰京となる。スマホで上り特急列車の予約をすると、時間の都合が良い電車が偶々「きりふり292号」(東武日光14時03分発)だった。これはいわゆる10月、11月の行楽シーズン限定の臨時列車、しかも珍しい車両に乗ることになった。かつて急行「りょうもう」に使われていた1800系を改造したものらしい。
「きりふり号」の北千住までの特急券は1,030円だが、一方スペーシアの場合は1,340円。何故300円ほど安いかと云えば、座席の差。「きりふり号」の300系は、シートピッチが960mm(100系スペーシアの場合は1,100mm)、リクライニング無しというスタイルなので、スペーシアと特急料金が違うのは、ある意味当然と云える。
でも向かい合わせの席が確保できて、他人の目を憚ることなく酒が呑めれば、シートピッチが少々狭かろうが、リクライニング無しだろうが、さしたる問題ではない。それにこの頃、殆どの特急列車が鬼怒川温泉駅始発のため、いちいち下今市駅で乗り換えるのが些か(酒が入っているとなおのこと)鬱陶しいが、この「きりふり号」は東武日光駅始発なので、益々有難い。
山旅を共にしてきた残りの日本酒や、新たに東武日光駅で仕入れた地酒を舐めながら、車窓から外を眺めていると、浅草方面に進むにつれて、山が次第に遠ざかり、そして見えなくなり、辺りは民家ばかりとなる。民家ばかり眺めているのは、たいして面白くない。唯一の変化は、川を渡るとき。渡良瀬川や利根川を渡ると、高い堤防の上に出るため、再び遠くの山が見え、関東平野の真っただ中に居るのを感じる。今度、日光に行くのは花の咲く頃か。
荒川を渡ったら、北千住到着(15時52分)。さて何処へ行こうか。 

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