山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

車内、船内、機内

高崎駅前「田舎料理しおん」で鱈腹喰って鱈腹吞んだせいで、もう在来線(湘南新宿ライン又は上野東京ライン)で帰ろうなんて気はさらさら無くなり、3人揃って新幹線に乗車。
でもその前にお約束通り、月夜野ビールのPETボトルを購入。ちょっとだけ迷ってD51498の黒ビールにした。毎度思うけど、何故他のビール会社もPETボトルを出さないのか、不思議だ。ビールがデリケートな呑みモノで、PETボトルでの賞味期限が短いのは理解している。
けれども、どうせビールなんて買ったら直ぐ呑むモノだから、それがボトルネックになるとは思えない。少なくともKIOSKで売るのであれば、当日だけもてばいい。キャップ付きのメリットをどう生かすかが見えないせいだろうか。小生的には、せいぜい10分くらいで呑み干すのであれば缶でOK。
それ以上だと、ガスが抜けるのが気になるので、都度、キャップが出来るPETボトルが優れていると思う。ちなみ今回、高崎から乗った「あさま628号」は18時01分発で、大宮には18時27分着ということで、まあ缶でもそれ程問題無いが、PETボトルだとより安心、というぐらい。
考えるに、上毛高原駅か軽井沢駅、安中榛名駅あたりから大宮駅までくらいが丁度良い感じだろうか。今回のように妙義山狙いであれば一見、安中榛名駅は使い勝手が良さそうな気がするが、今ここへ行くとドツボに嵌る。なにせ、駅前には何もない(アルコールを出さないカフェは一軒ある)。駅の中には峠の釜めし「おぎのや」があるだけ。コンビニもKIOSKも無い。ここはある意味、秘境駅。誰が利用するのだろうかと調べてみると、駅前にはJR東日本の「びゅうヴェルジェ安中榛名」という分譲地が広がっている。東京まで新幹線通勤をする人は、帰りに「おぎのや」で釜めし肴に一杯やるのだろうか。
我々としては、せめて駅前日帰り温泉と大衆食堂兼居酒屋とKIOSKぐらいがないと、山行計画に組み込む気にならない。そしてそのKIOSKにPETボトルビールが売っていれば、利用しても良いだろう。果たして安中榛名駅にそんな日は来るのか。

72 もう在来線では帰れません。
73 やっぱりこれを買った。

「和風らぁめん いかり」で思わぬ中華料理を堪能したら、野岩鉄道に乗って帰るため川治湯元駅へ移動する。店を出ると直ぐに急な上り坂、アルコールが入った身には結構堪える。
川治湯元駅は橋上駅で、単式ホーム1面1線のシンプルな無人駅。駅入口との高低差が大きく、とても階段で登る気にはならない。有難くエレベータでホームに上る。橋上駅だけあって眺めは良い。目の前にさっき登った南平山が見えている。
改めて見ても全山が広葉樹林に覆われていて、植林の痕跡すらない。紅葉シーズンであれば、あえて南平山に登らなくてもこのホームにいるだけで十分、紅葉狩り気分に浸れる。ここのホームにテーブルと椅子を並べて、出来たらクラフトビールとつまみも出すような「季節限定・紅葉鑑賞カフェ」でも開いたら、大井川鉄道井川線奥大井湖上駅(⇒例えばこちら)には負けるかも知れないが、かなりバズること間違いなしだと思うが、どうだろう。
やってきた列車は、「快速AIZUマウントエクスプレス」だった。これで東武特急に乗り換える下今市駅まで、約50分の列車旅となる。東武線と接続する新藤原駅まではトンネルの連続、眺め的にはやや残念だが、その一方、それだけのトンネル工事をやって、よくぞ会津まで線路を通したと、改めて感心する。野岩鉄道も会津鉄道も、コロナ禍で経営が苦しいと思うが、是非、沿線の環境資源を生かして頑張って欲しい。
やがて鬼怒川温泉街。鬼怒川温泉駅周辺はそれなりに営業しているホテルや旅館は多いものの、その手前に鬼怒川公園駅周辺は、いまだに廃墟ホテルが目立つ。これを何とかしようと地元は頭を悩ましていると思うが、いっそのことこれを資源と見做し「廃墟ホテル鑑賞ツアー」でもやってみたらどうだろうか。世の中にはそれなりにマニアはいると思うのだが(小生は違います)。

129 川治湯元駅は橋上駅。

130 AIZUカウントエクスプレスで下今市へ。
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新花巻16時19分発はやぶさ110号に乗車。大宮まで2時間強かかるので、日本酒を調達することにした。選んだのは岩手の銘酒「南部美人」。ちびちびとやりながら、今回の山旅をリフレイン。これにて今シーズンの岩手の山旅第2弾は終了。
この3日間、岩手県内(といっても県南部だけだけど)を巡りに巡った。山径(イワカガミ平から栗駒山を経て須川温泉までと、赤坂峠からの五葉山往復)を除けば、延べ移動距離は約1,300km、東京からの新幹線往復を除いた県内移動だけでも400km近くに及ぶ。こんなに動き回ることは滅多に無い。
栗駒山も五葉山も県南部なので、併せて登るのは簡単かなと思っていたが、意外と移動時間が長かった。大船渡線、三陸鉄道、釜石線と、ローカル線を3つも乗り継いだせいだ。このような移動パターンは、恐らくは車を利用した方が早くて快適なのかも知れないが、ローカル線の列車旅も捨てがたい。特に今回は、少なくとも三陸鉄道は外せなかった。結果、期待以上の味わいがあった。次回はもっと北へ、出来れば八戸辺りまで乗ってみたい。
それはそれとして、まだ登ってみたい山は岩手県内にも沢山残っている。次回来るとすればやはり早池峰山あたりになるか。勿論、岩手県以外にも沢山あるので何かと気忙しい。時間が足りない。まだ青森県の山には登ったことが無いので、恐らくはそっちが先。先ず狙うのは八甲田山か、それとも白神岳か。お手軽に登れる岩木山も候補の一つ。
何れにしても東北は、新幹線以外は基本、ローカル線ばかりなので何よりも移動が重要。次回はもうちょっと効率的な移動経路を捻り出してみたい。

195 さらに新花巻駅で「はやぶさ」に乗り換えてツアー終了。
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三陸鉄道の旅は釜石駅まで、1時間足らずで終了。ほろ酔い気分だったせいもあるけど、あっと云う間だった。観光列車らしく、途中の「恋し浜駅」で暫く停車。調べてみると、かつては「小石浜駅」という名の駅だったのが、目の前の湾で採れるホタテ貝のブランド名「恋し浜」に合わせて2009年に改名し、何故か「恋愛のパワースポット」として一躍有名になったらしい。
ホタテ貝のブランドに「恋し浜」と名付けるのも、それに合わせて駅名を「恋し浜」とするのも、そしてそれを観光資源にするのも一向に構わないが、だからといってついでに「パワースポット」にしてしまうのは些か無理が無いか?と思ってしまうのは下種の考えか(そもそも自然崇拝に関係ない「パワースポット」なんて胡散臭いが)。って、どうでもいいけど。
釜石駅には13時51分に到着。ここからJR釜石線に乗り換える。丁度やってくるのは14時20分発の「快速はまゆり6号」盛岡行だ。といってもそれ専用の車両がある訳ではなく、各駅停車にも使われているキハ110系である。このあたりが、JR釜石線(というか盛岡車両センター)はちょっと地味なところ。一ノ関運輸区の「POKÉMON with YOUトレイン」の如く、何か特色を出した列車を走らせないものか(例えば、「座敷わらし号」とか名前が付いたラッピング車両を走らせて、車内販売でズモナビールを売るとか、けいらんを売るとか)。
釜石駅から新花巻駅まで1時間半強の行程。途中、遠野でちょっと広いところに出るが、あとはひたすら山の中をうねって走るだけ。緑が豊富とはいえ、車窓からの眺めが単調でやや退屈なので、酒でも呑みながらでないと間がもたない。やはり釜石線にはジョイフルトレインが必要だと思う。JR盛岡車両センターさん、ぜひ前向きに検討下さい。

194 釜石駅でJR釜石線に乗り換え。

明けて3日目は、五葉山(標高1,340.4m)登山。今回は是非、何れかの頂から三陸海岸を見てみたいと思い、探した挙句に見つけたのが五葉山だった。最寄りの登山口(赤坂峠、標高712m)から4時間ぐらいで往復できるからお手軽だ。この界隈では誰でも知っている(タクシー運転手もちゃんと知っていた)名山らしい。5月から7月にかけて様々なツツジ類や、ハクサンシャクナゲが咲くことで有名とのことだが、今回は紅葉を目当てにしてみた。
結果、天気はいまいちだったし、紅葉は終わったのか未だなのか良く分からなかった(つまり紅葉していなかった)が、それでもリアス式海岸を見下ろすことが出来て大満足。さらに(実は小生が財布をホテルに忘れてきたため、それを回収するためホテルを往復してくるうちに)女子連が、三陸鉄道の盛駅近くのスーパーから、クラフトビールとつまみを仕入れてくれていて、大感謝。まこと、禍福は糾える縄の如し。
盛駅から13時発三陸鉄道南リアス線に乗車。三陸鉄道は、リアス式海岸の根元部分を北上するため、一瞬、海が見えた後は暫しトンネルの中。それを何度も繰り返す。車両は26-700形のセミクロスシート式。クロスシート座席にはなんと固定式の大きなテーブルが付いている。
我々のような観光客にとっては、これは何ともうれしい。そもそも、こんな大きなテーブルを見ることはなかなか無い。東武特急車両でも、折り畳み式でもっと小さい。特急車両でも、座席を向かい合わせにはし難い昨今、はじめからこうなっていれば、自粛警察でも文句は云えない。
早速、ありがたく買い込んだ吞みモノや喰いモノをズラリと並べた。美しい眺め。仕入れてくれたビールはやっぱりというか、もう岩手では定番となったベアレンビール。つまみは、昨日までの残りの乾き物に加え、総菜のコロッケや鶏唐揚げ。贅沢な列車旅となった。

129 赤坂峠から出発。7時42分
130 穏やかな登り。
131 晴れているが天気は下り坂。
132 背に日差しを受けながら。
134 眺めがよいところに出た。
137 登りらしい登りは無かったが、一応200m登った。
138 これから辿る尾根も緩やか。
139 白樺林は葉が落ちている。
140 畳石は4合目。
142 5合目でひと休み。8時35分
143 標高は約1,000m。
144 これからずっと笹。
145 6合目通過。8時53分
146 明るいミズナラ林。
147 7合目通過。9時2分
148 この辺りはもう晩秋。
149 また海が見えた。
150 あの港は大船渡か?
151 8合目通過。9時14分
152 僅かに紅葉。
153 9合目通過。9時27分
154 ここも見通しがきく。
155 海が大きい。
156 見えているのは唐丹湾かな。
157 小屋が見えた。
158 きれいな小屋だ。
159 日枝神社辺り。
161 山頂はいったい何処?
162 広大な日本庭園の中を巡る感じ。
163 五葉山に到着。9時45分
164 雲が低くて眺望なし。
165 さらに先へ。
166 ここが最高点。
167 この日の出岩の上には登れず。
168 三角点に戻って証拠写真。
170 ここから参拝。
171 雨交じりの風が吹いてきたのでレインウェアを着た。
172 石楠花荘はキレイだし水も潤沢。一度泊まってみたい。
174 あとはドンドン下るだけ。
175 もう7合目。
176 五葉山は総じて木々が美しい。
177 あっという間に畳石。
178 海はこれでおしまい。
179 赤坂峠に到着。
180 盛駅から釜石駅まで三陸鉄道に乗車。
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181 各座席には巨大テーブルが常設されている。
182 旅の友はベアレンビール。
183 おつかれ様でした。
184 近所のスーパーで仕入れてきてくれた。

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185 恋し浜に停車。
186 単線の駅なのに数分停車する。
187 意味も分からずに「幸せの鐘」を鳴らす。
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188 目の前の海が小石浜。
189 すぐ下にあるのが「恋し浜ホタテデッキ」らしい。
190 それにしても、なぜここが観光名所なのですかね?
191 何故か、絵馬の如くホタテ貝殻がたくさん。
192 ともあれすっかり観光モード。
193 唐丹湾。

猊鼻渓を堪能しランチしたあとは、大船渡までの移動するため、猊鼻渓駅14時47分発のディーゼルカーに乗車する。でもその前に、駅前にあったファミリーマートに立ち寄り、ご当地缶ビールが無いか、物色。するとクラフトビールではないが、東北限定販売のアサヒビール「花鳥風月」を発見、さっそくゲット(現時点ではもう全国発売中)。
猊鼻渓駅は単式ホーム1面1線の、極めてシンプルな無人駅。それでもホームにはちゃんと待合室がある。場所柄、通勤通学というよりも観光目的で利用する場合が多いのだろうと推測するものの、今日もそうだが、観光客のほぼ全てはマイカーでやって来るとみえ、我々以外の乗客はほんの数人。ローカル鉄道の置かれた状況は依然厳しい。
やってきたキハ100系ディーゼルカーは2両編成。セミクロスシート形式の車内。実は大船渡線に乗るのは生れて初めてなので、気分は上々。終点の気仙沼まではほぼ山の中だ。乗ったら早速、「花鳥風月」をプシュッとやり、グビッとやる。アサヒビールにしてはかなりマイルドな感じ。もうドライ路線の限界を感じているのかな。
途中の千厩駅での交換列車は、ポケモンがラッピングされたディーゼルカーだった。いわゆるこれが「POKÉMON with YOUトレイン」という観光列車。3両編成のうちの1両はまるごと、子供の遊技場となっているらしい。子供にとって楽しいのは勿論だろうが、連れて来たママ友同士達も他人を憚る必要が無い、JRが認める、絶好のトーク場所になっていると思われる。
気仙沼駅には15時41分に到着。ここはまだ、海からだいぶ遠いのだと知る。何となくちょっぴり残念だった。

105 猊鼻渓駅。
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106 シンプルな駅。
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107 これで大船渡まで移動。
108 コンビニでゲット。
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109 千厩駅でポケモントレインと交換。
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110 気仙沼駅に到着。

近鉄京都に15時26分到着、直ぐに新幹線に乗り換える。もう土産物は奈良で仕入れ済みだが、念のため「生八つ橋」も買った。そのついでに缶ビールを物色。京都麦酒というクラフトビールがあった。ペールエールをチョイス。よく見ればこれは伏見の黄桜酒造が造ったビールだった。呑んでみると口当たりは軽い。さすがは黄桜、万人受けするタイプを良くご存じとみえる。
15時39分発の「のぞみ112号」に乗車。京都を出ると直ぐに東山トンネルへ入り、次に地上に出れば山科。さらに音羽山トンネルを抜けると「瀬田の唐橋」が一瞬見えるはずだが、うっかり今日も見過ごした。酒で呆けた頭では無理か。これで京都とはお別れ。2泊3日の大峯遠征第2弾もこれにて終了した気分。
思い起こせば一昨日、東京を6時15分発の「のぞみ」に乗っても、行者還トンネル西口の駐車場に着いたのはもう昼。大峯は遠い。5時間半もあれば国内の大抵の場所に行けそうだが、山の中となると話は別なのだ。それにしても奈良県は意外に広いというか、全体の南側3分の2ぐらいは人がほぼ住んでいない山ばかりだ。
調べてみると、行者還避難小屋がある上北山村は人口密度が1.5人/km2と、全国でも1、2位を争うくらい人が希薄な領域(ちなみに日本一は檜枝岐村らしい)。今でもこんな状態だから、役行者が活躍した奈良時代にはもっと少なかったのだろう。まさしく魑魅魍魎が潜む世界だったに違いない。逆にそのことこそが修験道を生じさせ、それが現代まで脈々と受け継がれているとも云えるだろう。
来年は奥駈道の一番北の端、五番関から吉野までトレースしてみようかと思う。ついでに吉野の桜もまた見てみたい。その後、関西に来るのは、大台ヶ原か、六甲山か、熊野古道か、それとも高野参詣道か。これからじっくり計画を立ててみたい。

227 京都駅でも京都麦酒を仕入れた。

橿原神宮前駅に14時12分到着。ここで14時30分発の京都行特急へ乗り換える。近鉄大阪線ホームから橿原線ホームへの連絡通路上にはいくつかの店がある。2日前の往路には、ここの「梅守本店」でわさび葉寿司を買った(実は前回も買った)。仄かに辛みを感じる程度で、それほどわさび葉らしくない。他でなかなか見掛けないので、この店の専売特許なのかも知れない。
乗り換えの途中、菊丸がその隣の「柿の葉寿司のゐざさ 中谷本舗」で柿の葉寿司を買ったので、釣られて小生も買った。奈良の土産物と云えば奈良漬けがポピュラーだが、カミさんも小生も余り好きではない。而して柿の葉寿司を買う方が断然多い。
そのついでに、缶ビールを入手するため隣のファミリーマートに入るが、クラフトビールは見当たらず。京都までほぼ1時間掛かるので、缶ビール1本では足りなくなる恐れがある。
席に着いたら間も無く発車。車内はやはりガラガラである。リュックサックから、昨日泊まった「花屋徳兵衛」のおにぎり弁当の残りと、晩酌の残り(「猩々」という奈良の地酒)を取り出し、テーブルに並べた。菊丸が持ってきてくれたつまみの残りもあるので、随分豪華になった。
車窓から生駒山とか、垂仁天皇古墳や薬師寺の塔を眺めながらチビチビやる。奈良ならではの眺め。そのうち西大寺駅に到着。そういえば暫く奈良駅界隈に来たことが無い。山が多い奈良県であってもこの辺りまで来ると、大した山が無い。せいぜい標高は400~500mぐらいなので、わざわざ首都圏から登りに来るのは酔狂が過ぎる。一方、吉野以南であれば、山は飽きるほどある。またその辺りの山に登りに来るか、それとも熊野古道辺りでも辿るのも悪くない。そんなことを考えているうちに、もう京都だ。

225 橿原神宮から22000系へ乗り換えて京都へ。
226 ビールを仕入れて残りのつまみや弁当を喰う。

「豆富茶屋 林」の豆富ハンバーグ定食は「これでも豆腐?」と疑う程、普通にハンバーグで、堪能した。お腹が一杯になったので動くのが億劫。これでまだ上り坂が続くのであれば憂鬱になりそうだが、もう後は下るだけなので良かった。
偶々、蔵王堂が修理中だったのは残念だったが、吉野の雰囲気は十分楽しめた。折角なので、土産に本場物の吉野葛を買って行こうと思い、古そうな製造直売店で手に入れてみた。よく見れば、この界隈はそんな店ばかりである。
吉野山駅からは下りのロープウェイに乗車。やっぱり乗客は我々だけ。定員は28名だけど(そもそもそんなに乗れるのかな、という程小さい)、このご時世だから貸切状態がうれしい。でも麓の千本口駅まで乗車時間は僅か3分。空中遊歩はあっという間に終了。
吉野駅も閑散としていた。次の特急まで少々時間があるので(京都までの指定席券はチケットレスで購入済み)、冷やかし半分で土産物屋を物色。吉野らしい売り物は、やはり吉野葛か柿の葉寿司、あとは日本酒か「陀羅尼助」(だらにすけ)か。そういえば、洞川温泉街には「陀羅尼助」の製造販売元がズラリと並んでいた。「陀羅尼助」に複数の製造元があると初めて知った。「陀羅尼助」は役行者が製法を編み出したとのこと。吉野では、金太郎飴の如く役行者が出てくる。
特急の発車時刻が近づいたので、再度、土産物屋に入り、先ほどから気になっていた「熊野古道麦酒」なるクラフトビールをゲット。改札を潜って近鉄12410系大阪阿部野橋行特急に乗車。わずか2両編成なのは、シーズンオフで平日だからかな。他に乗った客はもう2、3人ぐらいなので、2両でも多い。
走り始めたところでプシュッとやり、コップに注いで味わう。かなり吞みやすいタイプだった。ラベルを見ると、製造元は吉野でも熊野でもなく、三重県伊勢市にある会社だった。

219 蔵王堂は大修理中。
220 仁王門も通れない。
221 下りもロープウェイ。
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222 やっぱり貸し切り状態。
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223 近鉄特急12410系と5800系。
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224 熊野古道麦酒、なかなかイケます。
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盛岡駅16時50分発の「はやぶさ34号」に乗車。この先、大宮まで1時間50分、「はやぶさ」だと途中、仙台しか停まらないので実に速い。この世を距離ではなく時間で考えてみれば、盛岡からは大宮よりも八幡平の方がずっと遠いことになる。それだけの金が掛かるとはいえ、新幹線はやっぱり大したものだ。
それでも何もせずに1時間50分は長い。多忙な現代人であれば、偶にはボーっとする時間も必要かも知れないが、我々の場合はうっかりすると惚けてしまったのかと間違えられかねないので、注意が必要だ。車内でのおしゃべりは、昨今の世情にはそぐわない。おしゃべりが天下御免と考えていた諸氏にとって、車内の2時間弱は居心地が悪かろう。あとは寝るか、となる。
一方、車窓からの眺めが好きな者にとっては、東北新幹線から見える吾妻連峰や安達太良山、那須連峰、男鹿、塩原連峰が、夕闇に浮かぶシルエットは楽しみだ。
さっき「ぴょんぴょん舎」で焼肉を喰ったので腹はもう一杯だが、山の眺めを肴にちょっとだけでも呑みモノが欲しいと、KIOSKを物色してベアレンビールのレギュラー缶を見つけた。買ったのはピルスナー。この缶を呑むのは初めてかも知れない。呑んでみると、真っ当な味と喉越しだ。
以前、スマホニュースか何かで知ったが、ベアレンビールはクラフトビールの中では売り上げ高が3位だったらしい(ちなみに1位はエチゴビールで、2位は常陸野ネストビール)。わざわざ工場まで見学した我々としては、ベアレンの発展は他人事ではない感じで、誇らしく思ったりもする。
まだまだクラフトビールの伸びしろは大きいと思う。イギリスのパブの如く、地域毎、店毎に違うビールが呑める世界が来て欲しい。政府も、最低生産量の規制なんて、早いとこ撤廃すべきだ。大量生産ビール会社にシッポを振るのはもう止めないと。

180 締めもベアレンビール。

上諏訪駅17時46分発の「特急あずさ50号」千葉行に乗車すれば、立川駅まで丁度2時間の列車旅。もう直ぐ日没なので車窓の山旅はそう長くは続かないが、それでも甲斐駒ヶ岳を始めとする南アルプス、八ヶ岳、茅ヶ岳、奥秩父の山々はそれなりに楽しめる。
奥秩父にあって特異的な山容の瑞牆山は、中央線の車窓から望める場所が限られていてなかなか見るチャンスは無いが、今日は残照に浮かび上がった姿を一瞬、見ることが出来た。「あれが瑞牆山だ」と云う間にもう見えなくなってしまったので、小生だけの楽しみに終わった。瑞牆山は、うかうか雑談をしていた者にはなかなか姿を見せない、シャイな山なのだ。
薄暮に包まれた沿線の山を眺めつつ、また「諏訪浪漫」をチビチビ舐める。ともかくも今回は、無理やり長野県までやって来たがその甲斐はあった。念には念を入れて持ってきた缶ビールも、まあまあの呑み頃だった。それにしても冷凍缶ビールの呑み頃は難しい。
思うに、その日の予想最高気温が何度だったら、冷凍した缶ビールが、保冷材の種類別に何時間後が呑み頃になる、とかのデータが巷に無いものか。少なくてもこれが、個人的には今一番の関心事になっている。この手の問題は、機械系の工学部に身を委ねた者であれば、計算方法そのものはそれ程難しくはないが、unkown factorがいっぱいあるので実験した方が遥かに手っ取り早い。
広い世の中(といってもイスラム系やヒンズー系は缶ビールの呑み頃に執着しないだろうから、キリスト系か仏教系の民に限定されるだろうが)、そんな実験をした奴の一人や二人、いても可笑しくない。誰かそんなデータをネットで見たことがあれば是非、教えて頂きたい。でももしデータが存在せず、かつ今後、「まん延防止等重点措置」が延々と出続けるようであれば、自らそのデータを取ることに吝かではない。

86 これで帰る。

18時55分発「はくたか527号」に乗車。乗ってしまえば大宮まで僅か40分、特に喉が渇いてなければ、缶ビールが一本有れば事足りる距離である。パカッと開けて口をつけると、忽ちもうトンネルの中だ。
今回は日帰りで、だけど今は夏なので、なるべく高くて涼しくて、出来たら登ったことがない山はないかと探した結果、見つけたのが剣ヶ峰だった。結果的には天候がいまいちで、JR運賃だけで10,000円以上掛かって勿体ない気もするが、それを打ち消して余る、期待以上に良い山だったと思う。浅間山のカルデラの一部でありながら、孤高の頂きである雰囲気が良い(今回は浅間山の本峰や前掛山がガスに包まれていて見えなかったので、そう感じただけかも知れないが)。
深田百名山たる浅間山(前掛山)に登る輩は多いだろうが、その目の前にある剣ヶ峰に関心を持つことは少ないようだ。確かに天狗の露地からの登りはかなり急だし、ヒサシゴーロ尾根も火山礫がゴロゴロで歩き難い。
でもそれがなくなると、魅力も減ってしまうような気もする。多少は神経と筋力を使わないと、家の近所を散歩するのと大差が無くなってつまらないし、それよりも何よりも安直安易な山登りで、脳味噌と筋肉が退化する方が怖くはないか。
ともあれ人がウジャウジャいて皆の後ろをくっついて歩くだけの人気の一般道よりも、人が少なくて程よい難易度のバリエーションの方が、何かにつけて好循環を生むと信じているので、これからも剣ヶ峰のような山を探していくつもりだ。でももう一度、好天気を狙って剣ヶ峰に再トライするのも悪くないか。勿論、その時は天狗温泉に泊まることも忘れずに。
ン万円も出してホスピタリティが良いのは当たり前。我々は1万円ぐらいでも(今回の天狗温泉は入浴とビールとつまみの2,000円ぐらいで)いい気分にさせてくれる宿を探求していく所存である。

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充実した中央分水嶺&ぐんま県境稜線トレイル・ツアーも「鯉西つけば小屋」で大団円。初日、2日目とベストコンディションではなかったが(2日目は小根子岳から下界まで、雷雲に追いかけられて気が気ではなかったが)終わり良ければ総て良し、最近の夏山にしてはまずまず良かった方だと云えるだろう。
思い起こせば、昨年夏の岩手山は大雨で敗退したし、一昨年の八ヶ岳・ツルネ東稜も雨に降られながら何とか這い蹲って登った。3年前、4年前は海外出張で夏山には行けず、それ以前だと5年前の双六岳&笠ヶ岳まで遡る。確かにその時はいい天気だったが結局、天気が安定していると云われる夏山であっても、山行を通じて良い天気ということはそうあることではない。今回は上出来の部類に入るだろう。
今シーズンは北アルプスも南アルプスも見送ったが、それはやはりコロナ禍の小屋泊まりに一抹の不安を感じたからだが、それでも色々伝わって来る情報に寄れば、ちゃんと対応できている小屋も増えてきたようなので、来シーズンには山行計画に組み入れても良さそうな気がしてきた。
それでも人気が高い処(≒若者が多い処)は出来るだけ敬遠したい気もあり、北アであれば槍・穂や剱・立山、南アだったら北岳、北沢峠界隈は行き難い気分。そんなことを考えながら、暇さえあれば地図を眺める日々だ。
「つけば小屋」から上田駅までは歩いても十分行ける範囲だが、兎に角暑いしもうすっかり酒が入っているので、やっぱりタクシーで移動。申し訳ないと思いつつワンメーター分の料金を支払って降りる。みどりの窓口で新幹線チケットをゲットしたら、駅前のタリーズコーヒーでちょっと時間調整。改札口に入る前にキオスクで角ハイボールを買って「あさま620号」に乗り込んだ。ホームの窓から、さっき登った太郎山がまたチラリと見えた。太郎山は上田の裏山、八王子だったら高尾山のような山なのだ。

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身延駅11時50分発の下り甲府行の電車に乗る。現在、身延線を走る普通電車は全て313系。この313系はJR東海で最もポピュラーな、つまりネコも跨いで通るようなありふれた車両である。でも関東に住む者としては、最も近い御殿場線でも年に1度か2度ぐらいしか利用しないので、313系は結構新鮮である。
身延駅から市川大門駅までは、所要時間40分程の鉄道旅。さっき、身延で買ったビールを呑み干さないうちに電車がやって来たので、ビールの残りを呑みつつ車窓景色を眺める。
本来、この区間では西に南アルプス、東には富士山が鎮座しているところを縫って走るのに、少なくとも市川大門駅までの間では何方の高嶺も拝むことが出来ないし、もっと手前にある筈の毛無山とか富士見山も視認できない。せいぜい、さっきまで山頂に居た、身延山を拝めるぐらいだ。そのくらい、身延線は谷の中をうねっている。しかしそれだけ、ずっと富士川に沿って走っていると思いがちだが、意外とそうでもない。
波高島(はだかじま)駅から先は、支流の常葉川に沿って狭い谷を進むようになり、甲斐岩間駅で一旦、富士川沿いの広々とした谷に出た後、鰍沢口駅までは再び、ひとつ山を隔てた山の中を進む。終始富士川沿いを通れないのは、富士川が「暴れ川」だったせいもあるだろう。
而して、車窓からは目ぼしい山を望むことは殆どできない、詰まらない鉄道旅だと知る。ということで、ビールの肴になるような眺めは余り期待できない。段々飽きてきたので、タブレットを取り出して、読書をしながらビールを呑むことにした。
やがて鰍沢口駅までやってくると、目の前に甲府盆地が広がり急に視界が開ける。西には櫛形山などの南アルプス前衛の山、その奥に南アルプスのジャイアント、白根三山。北には八ヶ岳や奥秩父の連山、東には御坂山塊の山々。そしてその上からにゅっと富士山が覗いている。山梨県にあっては、この甲府盆地はとても貴重な存在だと思う。

131 各駅停車に乗って市川大門駅へ。
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「いろは本舗」からタクシーに乗れば、新桐生駅まではほんの10分ほど。東武のローカル駅にしては駅舎は結構、立派である。
待つこと暫くして「りょうもう」がやって来て乗車。「りょうもう」といえば200系だが、今回は500系。いわゆる「リバティ」形だ。500系の「りょうもう」に乗るのは初めてである。車内には殆ど客はおらずガランとしているが、何故か小生の席に男性乗客。
恐る恐る訊ねると、ちゃんと「りょうもう44号」の切符をお持ちだ。・・・ってことはと、我が身の切符(チケットレスだからスマホ画面)を見ると、なんと1時間後の「りょうもう48号」だ。情けないことに、そこで漸く気が付いた。1時間早く来てしまったことに。
逆に、もし其の席に誰も居らず、皆、そのまま北千住まで行けたとしたら、1時間早い特急を乗ったことに今でも気が付いていないだろうと思う。実はそんなこと、色々なところでやらかしてないだろうか? わからなきゃそれでオッケーよ、ケ・セラ・セラだわ、とおっしゃる楽観的な方々も多いかも知れない。其処にちゃんと切符を持った客が居たのは、むしろアンラッキーだ、かえって迷惑だ、ぐらいに思う方もいるだろう。ま、小生はその辺りはどっちでもいい、何方かと云えば、「いろは本舗」でもうちょっと呑み喰い出来なかった方を悔やんでいる。
ともあれ、ということで指定席特急券(1,250円)は買い直しとなった。車内はガラガラなので座る場所が無い、ということにはならなかったのも不幸中の幸い。何かと思い込みや鵜吞みにすることが多くなった昨今、自戒の念も込めて恥を晒した次第です。

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長岡駅で列車待ちでぶらぶらしていた時のこと、何の気なしに貼紙を見ると「普通列車グリーン車のすすめ」とある。曰く「ゆったり快適な座席で、密避け移動を実現」、「SuicaなどのICカードなら車内改札なしの非接触利用も可能」、「ジパング俱楽部・大人の休日俱楽部割引も適用可能」、「長岡駅みどりの窓口でも事前購入していただけます」、云々。
文言自体は至極真っ当で特に突っ込むところは無いが、ここは長岡駅。一方、普通列車グリーン車が走っているのは、一番近いところでも上越国境を越えた先の新前橋駅以南だ。ここで宣伝するのは何故?どんな客を相手にしているのか?と疑問が湧いてくる。まさか長岡駅から都心へ移動する際に、上越線(在来線)で山を越えて、新前橋駅で乗り換えて湘南新宿ラインか上野東京ラインを利用する客なんて、いるのだろうか?
ちょっと調べてみると、例えば長岡駅を6時33分発の電車に乗ると、水上駅、高崎駅で乗り換え、新宿駅には11時59分着。5時間26分掛けて移動するのも大変だけど、そのうち「普通列車グリーン車」に乗れるのは高崎・新宿間の1時間45分。乗り鉄だったら有り得るが一般客に勧める話ではない。
やはりまともな客相手だったら、例えば長岡駅6時32分発「とき300号」に乗り、大宮駅で湘南新宿ラインに乗り換える。その大宮・新宿間の35分間を普通車じゃなくてグリーン車に乗って下さい、という金を毟れるところはとことん毟ろうというJR東日本の戦術かも知れない。閑話休題。
我々は長岡駅からE4系「MAXとき」に乗車。とっくに廃車になっていてもおかしくなかったE4系だが、ここにきてJR東日本は「Thank you! Max!」キャンペーンを展開中。でも、いつがラストランなのかは周知されていない。これもいまのうちに挙ってE4系に乗ろうとする乗客から出来るだけ金を毟り取ろうとする、JR東日本の戦術のような気がする。

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213 ポケットに冬菜のお土産。
214 間もなくラストランの「MAXとき」。
215 Thank you!Max!
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「ダイニングカフェ 湯波こまち」で、鱈腹呑んで喰っていい気持ちになった後、そろそろ帰りの電車の時間になったので東武日光駅へ戻る。駅構内にはそれなりに利用客がいる。登山姿は少ない。ビジネス客らしき風体はもっと少ない。こんな時間だから帰る客の方が多いはず。この時節でも、やはり日光にはそれなりに観光客が来ているのだと知る。
少々時間があるので駅構内をぶらぶら。ふと、そういえば2階にレストランがあったはず、と思い出した。階段の上を見ると、今はコインロッカースペースとムスリムの祈祷所(Pray Room)になっていた。インバウンド需要に対応したのだろうが、たぶん今は何方も殆ど使われていないのだろう。金谷ホテルでも、ハラル料理に対応している(つまり、お祈り済みの食材を仕入れ、包丁も俎板も専用のものを用意している)と聞いたことがある。
駅の売店に並んでいる商品を眺めているうちに、カミさんの土産は買ったものの自分向けのものは買っていないと気が付き、ちょっと迷ってから「清開」の四合瓶をゲットした。実はカミさん向け土産は、「きりふり温泉ほの香」へ向かう途中、タクシー運転手にお願いして「日昇堂」に寄ってもらい、(右党ではない小生でも美味いと思う)チョコレートを買っていた。
東武日光駅18時6分発の「特急リバティけごん48号」に乗車。別に騒ぎたい訳でもないが、シートを回せないのは、致し方ないとはいえバケーション感というか、オフ感がややそがれる。勿論、周りの目も気になるのでそこは我慢。そういえば、「特急スペーシア」にはコンパートメント(個室)があったっけ、と思い出した。あそこだったら人目を憚る必要もない。空調だってそれなりに効いているだろうし。
次回、日光または鬼怒川方面から帰る際は、コンパートメント(特急料金以外に1室3,770円が別途かかるが)でも確保してみるか。

94 帰りはスペーシア。
95 つまみにはこれが出た。

弥彦の「冥加屋」で風呂に入ってまたビールを呑んでいい気分になった後、そろそろ帰る頃合いになってきたので弥彦駅まで戻り、弥彦線に乗って吉田駅経由で燕三条駅まで移動する。この駅から上越新幹線に乗るのは初めてだ。
とりあえず次の新幹線の切符を買うと、40分ほどの待ち時間。これだけあれば、駅構内の何処かの店に入ってビールを一杯呑むには丁度いいのだが、残念ながらこの燕三条駅にそのような都合のいい店は無い。あるのは、NewDaysと土産物屋だけ。商売っ気が無いのか、そもそも需要が無いのか判らない。
仕方がないので、時間潰しに土産物屋に入ってみると、そこは土産物も売っている地元物産センターだった。他に店が無いせいか、やけに広々としているのに、客は疎ら。土産物店というよりも博物館か美術館に近い。売っているものは燕特産の刃物や洋食器類。
ぶらぶらと眺めているうちに、チタン製タンブラーに目が留まる。その輝きに魅了されてしまい思わず買いそうになったが、値段を見るとひとつで11,000円もする。購買意欲が忽ち萎んだ。もし小生がギャンブラーで、直前にパチンコとか馬券で小金を稼いでいたら、きっと買っていたかも知れない、と思った。結局、冷やかしで入っただけでおしまい。
NewDaysでエチゴビールを手に入れ、新幹線に乗り込む。乘ってみると、我々5人が3人掛けの席3つに夫々、2人、1人、2人という割り振り。2人掛けの席が全て一杯だったせいもあるのだろう。車内はたいへん静か、女子連がごく普通の音量でしゃべっていただけで、「煩い」と他の客から注意された。
小生はエチゴビールを静かに開け、車窓から見える守門岳や越後三山などの残雪の山を眺めながらちびちびやった。

173 弥彦駅に戻ってきた。
174 燕三条駅からも弥彦山が見える。
175 あれは何?と菊丸。守門岳でした。
176 新潟に来ればエチゴビール。
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177 浦佐駅付近では八海山も見えた。

「石和温泉」で呑み喰いしているうちに、そろそろ帰りの「特急あずさ」の時間となった(予め、石和温泉駅で指定席券を購入済み)。ここから駅までシラフでも10分以上掛かるし、ましてやそれなりにきこしめしているので少々余裕も必要。
駅前通りに出たら、正面に駅が見えその奥に今日下りてきた大蔵経寺山が見える。この山は石和に居ると必ず目に入る山だ。逆も真なり、この山の展望台からは、石和の街がそれこそ手に取るように見える。だいぶ以前からそれこそ何回も見上げていた大蔵経寺山だが、見下ろしたのは今回が初めて。やはりこの山の上に立つのはこの季節が良さそうだ。
歩いている最中には(勿論、大蔵経寺山の展望台からも)ちっとも見えなかった富士山だが、今振り返ると御坂山塊の上に真っ白な頂が覗かせていた。漸く天気が回復してきたようだ。
石和温泉駅に着いたのは「特急あずさ44号」の発車時間数分前、残念ながらここのエキナカにあるワイン立ち飲みコーナーに寄ることが出来なかった(もしかしてこのコロナ禍だからやっていないか?)。
今回は実は、グリーン車。余っていたポイントで引換券に変えておいたのが、期限切れギリギリで使うことが出来たのだった。あずさでは一車両の半分ぐらいしかないグリーン席で、往々にして満席のことがあるが、ご時世か、余裕で空いていた。
席に着いたらコップと酒を持ち出すよりも早く発車し、どんどん加速する。窓の外は丁度見頃の桃の花が見られるのに、のんびり眺めている状態じゃないし、カメラにも納めにくい。忽ち、塩山駅を過ぎ、勝沼ぶどう郷駅を過ぎてトンネルの中に飛び込んでしまった。こういう季節には、特急だってもっとのんびり走るぐらいの器量が有っても良さそうなものだ。

75 石和温泉駅の背景が大蔵経寺山。
76 石和温泉駅からの眺め。いつの間にか晴れた。
77 富士山も見えた。
78 今日はグリーン車で帰る。
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79 もうちょっとゆっくり走ってくれ。

今回の山行は、久しぶりのスノーシューを使えただけでなく、鹿沢温泉「紅葉館」がすっかり様変わりしていたのを確認出来たのは収穫だった。次回はレンゲツツジの頃が良いかも知れないが、「紅葉館」をベースにして角間峠経由で湯の丸山や、桟敷山にも村上山にもスノーシューで登れそうなので、まだまだ雪山を楽しむチャンスもありそうだ。
とにかく湯が良い「紅葉館」(建物は旧館から新館へ道を挟んで移っていたが、湯屋は全くそのままだった。ってことは、前回は部屋から湯屋へ行くのに、浴衣で道路を横断したってことになる?が全然記憶にない)と、これから長い付き合いができるかも知れない。いっそ西堀栄三郎たちのように、ここを定宿にしてみるか。
今シーズンはドカ雪で始まった印象が強いが(特に新潟県の上越や中越辺り)、結局この浅間山連峰界隈にはそれ程積もらず(そもそも豪雪地帯ではない)、雪解けも昨年並みかそれ以上に早かったようだ。毎度のことながら、雪が適当に締まった時期(雪がふかふか過ぎてはスノーシューも大して役立たないし、カチカチだったらアイゼンじゃないとお呼びじゃない)を予想するのは、アカヤシオの開花時期を予想するのと同様に難儀で、ましてやそれを4、5か月前から予想して山行計画を立てるのだから相当チャレンジング、もはや博打のようなものだ。その割には今回はまあ合格点のようなもの、特に誰か褒めてくれるようなものでも無いので、独り悦に入る。
「佐久の草笛」で少々慌ただしく蕎麦を手繰った後は、佐久平駅へ戻り、上りの北陸新幹線E7系に乗車。乗車率はそこそこ高い。この2日間、我々は殆ど人に会わなかった印象だったが、これだけの乗客はいったい何処へ行っていたのだろうか。

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