カミさんが成田山に用事があると云うので、ついていくことにした。ねらいは昼飯時に門前町でうなぎを喰うこと。かねてより、老舗うなぎ屋が軒を連ねている話を聞いていて、気になっていた。前回のうなぎからまだ1ヶ月くらいしか経っていないが、このチャンスを逃すと、成田山でうなぎを喰うのが、だいぶ先になりそうだったので決断した次第。
実は、成田山新勝寺も含め(成田空港は除き)、成田は初めての訪問である。ちなみに川崎大師だって行ったことはないが、こちらは門前町の名物が「くずもち」と云うことなので、少なくとも積極的に参詣することは未来永劫ない(「くずもち」に恨みがある訳ではない)。
スカイアクセス線ができたおかげで、成田は意外に近い。でも「アクセス特急」の運行本数が少ないので(できれば「スカイライナー」も東松戸駅に止めてくだされ~)、時間を見計らう必要がある。10時半過ぎに成田駅に着くように行ってみる。さすが、参道は趣がある。葛飾柴又だって悪くは無いが、こちら成田山の方が時代を感じるし、スケールも大きい。途中にあった「米屋」でカミさんがひと口羊羹をゲット。店内は大型バスでやってきたツアー客で大層賑わっている。
参道を更に進めば、目当てだった、有名なうなぎ処の「川豊」とか「駿河屋」は凄まじい人だかり。「川豊」の店先では、整理券がどうのこうのなんて云っている。マジですか。基本的に待ってまで喰いたいとは思わない質なので、押しあい圧し合いの仲間になりたくない。大した違いはなかろうと、すぐ近くにある、創業300年余という「近江屋」が、女将さんが呼び込みをやっているくらい空いていたので、こちらに入ってみた。この建物もだいぶ古そうだが、いつ頃のものかは訊きそびれた。
うな重と、日本酒(冷酒)と鯉のあらいを頼んでみた。残念ながら、ここには白焼きはなかった。酒は成田の地酒、「長命泉」である。昔ながらのすっきり辛口タイプ。酒をひとくちふたくち呑むうちに、鯉のあらいよりも早く、うな重が出てきた。ということは、受注生産ではなく見込み生産方式ということなのだろう。とにかく、酒はさておいて、うな重にとりかかる。タレは辛からず甘からずといったところ、つまり江戸前よりもやや甘めか。べたべたせず、さらりとしていて比較的薄味である。うなぎそのものはふっくらいい加減に焼かれているが、少々さっぱり感が残る。ということは、脂のノリがもうひとつと云うことかも知れぬ。でもうなぎはうなぎ、有難くゆっくり頬張る。
やがて鯉のあらいが出てきたので、うな重は一旦休憩し、酢味噌に付けて喰う。臭みは全くなく、小骨もないのでとても食べ易い。これを肴にちびちび呑む。その後、徐にうな重を平らげた。
至福の時を過ごして近江屋を出た後、これまた直ぐ傍の「川村佐平治商店」で筍の「鉄砲漬け」を購入。筍の漬物は珍しい(柔らかくて美味かった)。その後、造り酒屋「鍋屋源五右衛門」で不動・山廃純米(720ml)を購入。カミさんと別れた後、境内をぷらぷら。毎年初詣に300万人以上がやってくるという新勝寺の境内はさすがに広い。成田山新勝寺は真言宗智山派の大本山とのこと。調べてみると、総本山は京都東山の智積院だが、大本山は新勝寺の他に川崎大師平間寺と高尾山薬王院有喜寺だという。なんだ、みんな同じ仲間でした(ちなみに別格本山というのに、高幡不動金剛寺も入っていた)。真言宗智山派は関東で商売上手繁栄しているなー。
これも初めて知ったことだが、成田山公園にいると、成田空港の方角から飛行機のエンジン音が結構良く聞こえてくる。滑走路を走り始める時の、エンジン音の高まりまで判別できるほどで、思った以上に煩い。参道を戻って、蔵元直売店「長命泉」で長命泉・備前雄町(720ml)を購入。だいぶリュックサックが重くなってきた。途中、良さげな蕎麦屋があったのだが、さすがにまだ喰えそうにない。今後の課題としよう。

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近江屋のHP: こちら