山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

日本料理

暫くぶりに秩父御岳山に登った。タクシーで強石まで入り、そこから杉ノ峠経由で秩父御岳山に上がり、贄川に下ることにした。前日あたりに雪が降ったらしく、山はほぼ降雪直後の状態。計画では猪鼻神社から登るつもりだったが、この雪なので比較的穏やかな強石ルートを往路とするのが無難だろうと判断した次第だ。
強石集落から先にトレースは無いが、せいぜい足首程度の積雪なので、気持ちが良いラッセルとなる。陽が差すにつれて、立木の上から雪がバサバサと落ちて来て、時々首筋に入り込んでヒヤッとする。途中、両側が切れた細尾根を進むところがあり、ちょっと面白い。山頂には御嶽普寛神社の奥宮がある。この秩父御岳山も木曽の御岳山も開山した普寛行者の故郷は落合ということで、まさしく秩父御岳山の南側の麓にその集落はある。道の駅のすぐそば。その落合には、御嶽普寛神社の本宮がある。(山の記録はこちら)
贄川の集落まで下って来ると、なにやら変わったモノが並んでいる。よく見ると案山子だ。しかもなかなか上手に出来ていて、かなり人間くさい。調べてみると、ここは「案山子の里」として有名になっているらしい。
三峰口駅まで戻ると、電車の時間まで30分ぐらいある。だったらちょっと寄っていこうと駅前の蕎麦屋「福島屋」に入ってみた。昔乍らの商家風な佇まいが良い感じ。ここの存在は随分以前から知っていたが、なかなかタイミングが合わず、今回が初入店である。
取り急ぎビール(瓶ビールしか置いていない。ノンアルコールビールも置いていないし、烏龍茶も無い)を頼み、グビッと呷る。途端に、強張った身体が蕩ける、至福の瞬間。ビールのつまみになるものは天ぷらぐらいしかないが、時間が無いのでそれはまたの機会にした。ここは頑なに昔からのスタイルを守っているようでそれはそれで好ましいが、できれば是非、呑み助のために素早く出せるつまみをメニューに加えてくれると(それと、ビールを呑みたいが呑めない元呑み助のためにノンアルコールビールも置いてくれると)、とても有り難い。勿論、次回は蕎麦も手繰らねば。

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久々、千葉在住者を含めた4人での呑み会があり、その千葉輩が(他に横浜と鎌倉に家がある方々いるにも拘わらず)船橋で呑みたいと我儘を云い出した。西船橋だったら通り道なので全く問題は無いが、船橋となると総武線に乗り換えなくてはならない。
たったひと駅ながら、船橋駅界隈には滅多に行く機会は無いし、わざわざ行ってみるべき魅力が特にある訳でも無い(知らないだけとも云えるが)。でも、まあ偶にはいいかっ、と百歩譲ってしぶしぶ同意。連れていかれた店は、あれっ、たしか以前にも入ったようだぞ・・・と感じた「しゃり膳・宴」という店だった。
ここは「寿司も出す居酒屋」と云うよりも、「居酒屋メニューがある寿司屋」という感じ。というのも、従業員達のいでたちは皆、小判帽を被り白衣を纏った寿司職人そのものだし、フロア係も、その辺から拾って来たバイトの兄ちゃんということは無く、修行中の板前見習いらしい雰囲気を漂わせている。
入ると、目の前はもう客で一杯な状態で、二階へ通される。こちらは半分ほど埋まったぐらいだったが、その後、大勢の宴会が始まり、それでやっぱり満杯。なかなか人気店なのだ。
生ビール(580円税別、以下同様)で乾杯したら、料理の注文は千葉在住者にお任せ。頼んだのは、やきとり・もも肉(120円/本)、ほっけ焼き(600円)、刺身六点盛り(2,280円)、つぶ貝ときのこ炒め(???)、野菜のかき揚げ(???)、塩もつ煮込み(550円)など。結局、出てくる料理は居酒屋料理ばっかりだったので、最後には其々お好みのにぎりを頼むことにした。小生は、芽ねぎ(100円)とたらこ(100円)と穴子(150円)にしてみた。芽ねぎもたらこも滅多に頼むことはないが(穴子はだいたいいつも喰う)、何故か食べてみたいとの思いが浮かんだ。期待通りに、どれも美味かった。

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日曜日、カミさんと久しぶりに北千住へ行ってみることにした。いくつか入ってみたい店の候補はあったが、今回は居酒屋ではなく(カミさんはモツ焼きの店などは完全拒否)、ちょっと気取って小料理屋に入ってみようと思い立った。場所は、東口を出て線路沿いに南下。もう店なんか見当たらずやけに寂しい処だが、目当ての「下町割烹・とめだて」はひっそりとそんな町角にある。
扉を開けると先客はゼロ。カウンターの中にはご主人。意外にお若い。着物を纏った若い女性店員(若女将か?)に迎えられ、テーブルでもカウンターでもどうぞと云われたので、テーブル席に着く。初めての、しかもちょっと凛とした店だと、カウンター席は何となく気後れするものだ。
先ずはビールを呑みながらメニューを眺める。おまかせだと3,500円とまずまずリーズナブルだが、食べ切る自信が無い(含、デザート)ので、単品で注文することにした。先ずはお通し(700円)が出て来る。あんきも、春菊、ごぼうが載っている。どのような味付けをしているのか判らないが其々美味い。いい仕事している感じ。お通しからして、通い慣れた居酒屋とはやっぱり違う。料理は刺身盛り合わせ、お椀物、茶碗蒸し、鶏のくわ焼きと、結局コース料理と似たものを注文。どれも味付けが上品で、真っ当な日本料理という印象。最後に頼んだ西京チーズも美味だが、やっぱり浅漬けで上品。
ビールの後はワインにしてみようと、まるきワイナリー 甲州 G.I.山梨 2015(4,000円)を頼んでみた。かなりすっきりドライな甲州だ。日本料理に合うと思う。そのあと、調子に乗って日本酒も、千代むすび・完熟純米(値段失念)と花の香・純米大吟醸(値段失念)を呑んだ。千代むすびの方はいわゆる古酒で、芳醇で良い香りだった。
結局、料理だけだとひとり3,000円程だったが、酒の方が高くついた。次に来るときはもうちょっと料理の方に注力したい。

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高尾山山頂直下にある「やまびこ茶屋」で温まった後、まだ10時過ぎ。高尾山薬王院めがけてふらりふらりと下る。この時間になっても、登山客はごくわずか。昨今、三が日はどの程度の人がやってくるのかは判らないが、それなりには来るだろう。しかし、松が取れて、しかも三連休後の平日ともなるとすっかり静かだ。このような時にこそ、高尾山に登るべきだろう。
薬王院まで来ると参拝客はそれなりにて、護摩法要の申込客もかなり多く、受付所には行列が出来ている。いつもは2月ばかりだったので判らなかったのだが、まだ1月の上旬、初詣客はそれなりにいるということだ。
本堂に入ってみると、果たしてかなり賑わっている。並んでいる護摩札の数も、この頃見たことが無い程多い。2月だったら広い堂内に数人ぐらいしかおらず、僧侶や山伏の方が多くて申し訳ない気分になることもあるが、今日は全然違う。ご利益が変わらないのだとしても、2月の方が何だか有難味がある気がしてしまう。
法要は20分もあれば終わってしまう(昔と較べると段々短くなってきているような気がするが、気のせいか)。あとは参道を下り、(少々酒も入っていると、歩いて下るのは鬱陶しいので)ケーブルカーに乗って高尾山口へ下る。
さてもう昼時。今日は久しぶりに、柿の木が屋根を突き破っている「高橋家」に入ってみる。改築する前の「高橋家」には何度か入っているが、改築後は一度ぐらいしか入っていないかも知れない。店内の落ち着いたダークブラウン調は昔から変わっていない。4人掛けのテーブル席が空いていた。
先ずはビール(エビスビール中瓶650円)で喉を潤し、その後は日本酒。ここは八王子の地酒にしようと、「桑の都」(一合グラス650円)を注文。つまみは、板わさ(650円)、焼き味噌(450円)、天ぷら盛り合わせ(1,350円)にした。焼き味噌には刻みネギが入っていて、日本酒と良く合う。
締めはせいろ(650円)。久しぶりに手繰ったが、なかなか美味かった。やはり高尾山門前の中ではイケる店だと思う。またそのうちに寄ることになるだろう。

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昨年は12月半ばまで、テキサスで肉食的生活を送っていた反動かも知れないが、年末年始は蕎麦屋ばかり入った。蕎麦三昧だった(蕎麦屋に入っても、蕎麦を喰わないことも含め)にも拘らず、翌日曜日にカミさんと近所の蕎麦屋へ行った。「たく庵」という店で、三郷駅からも近い。ここも普段使いの店で、顔を覚えて貰っている数少ない店の一つなのだが、近頃は少々ご無沙汰していた。
ここの店主はいくつかの趣味をお持ちだが(ボーリングは、先日パーフェクトを出したというから大した腕前)、山登り(基本的に単独行)も趣味にしていて、小生たちがお邪魔するといつも山の話になる。今は「日本百高山」制覇を目指しているとのこと、先日はここに登りましたと、アルバムを披露してくれる。写真だけでなく、紀行文やコメントも手書きされていて、前時代的だがなかなか味わいがある。
「日本百高山」はもう半分以上登ったようだが、たぶん、難関は鋸岳だろう。「日本二百名山」と「山梨百名山」にも入っているが、こちらは人為的に選定したので罪作りだなと思って見ていたが、「日本百高山」は機械的に富士山から順に百座選んでいるので、誰も呪うことは出来ない。第2高点は登らなくて良いんであれば、横岳峠から往復したら如何でしょうかとアドバイスする(もし小生も登るつもりになれば、そうしたいところ。角兵衛沢なんてクレイジー過ぎる)。
ビールと共に、湯葉刺し、カツとじ、とり唐、そば味噌、出汁巻き玉子を注文。ここのカツとじ(つまりカツ丼の頭)はビールにぴったり、日本酒だってイケる。この店で日本酒とくれば、「神亀ひこ孫・純米」しか呑まない。「神亀」は埼玉・蓮田の酒。昔ながらの日本酒らしい日本酒で、飽きが来ない。もうこの店で、20年以上呑み続けているのだから、間違いない。蕎麦はいつもどおりにせいろ。この頃は、大盛り一人前を二人でシェアすることが多い。

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戸隠からの帰り、長野駅に到着したら先ず復路新幹線の座席を確保するため、みどりの窓口へ。毎度のことながら、復路の乗車券を持っている人、持っていない人、支払は自分のクレジットカードでしたい人、現金で払いたい、大人の休日クラブの割引が利く人等々、条件がまちまちなのだが、だけどもまとめて購入したい(可能な限りまとまった席にしたい)という最大限の我儘を云うので、いつも窓口係員の器量と力量が問われることになる。今回は、かなり丁寧でスキルが高そうな人だったが、それでもたっぷり15分以上は掛かっただろう(実際、発券を間違えたりしていた)。結局、席はばらばら、やはり三連休の影響だろうか。
それでもまだ小1時間余裕があるので、ちょっと軽くやっていきたい。ならば駅に最寄りで、間違いなく空いている店があるので行こうと、「大久保西の茶屋 長野駅前店」へみんなを連れていく。ここは、ほぼ一年ぶりだ(前回のレポはこちら)。行ってみると、先客はふた組のみ。案の定、今日も空いていて(褒め言葉にならないが、褒めているつもり)、囲炉裏が切ってある小上がりのテーブルに着く。
時間が無いので一斉に頼もうと、前回同様、馬刺し(900円)と信州サーモン造り(950円)を頼み、それに加え野沢菜天ぷら(500円)、揚げそば(500円)、揚げ出し豆腐(550円)、そば団子(420円)も注文。どれもこれもヘルシーな喰い物である。特に、そば団子は素朴だ。そして今回、戸隠にやって来て、既に戸隠蕎麦は二度手繰っているが、締めもやっぱり蕎麦ということで、徹頭徹尾、戸隠蕎麦を堪能した次第である。

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2018年明け最初の登山は、長野まで足を延ばして飯縄山に登ることにした。新幹線と路線バスを乗り継いで、10時過ぎには宿の送迎車に乗って戸隠スキー場へ。「有るモノは使う」主義である我々は、リフトを2つ乗り継いで瑪瑙山まで労せずに到着。
早速スノーシューを履いてスタートしたが、歩き始めて数歩のうちに、小生のマイ・スノーシューのベルトが切断。このMSRライトニング・アッセントは11年前に購入したもの。まあ、プラスチックとしては妥当な寿命なのだろう。しかしこうなるともう、にっちもさっちもいかない。
この先、トレースはあるものの雪はたっぷり深く、つぼ足では忽ち腿まで潜る。途方に暮れていると、スノーシューやらワカンを履いた男女数人のパーティーが現れ、瑪瑙山と飯縄山との鞍部まで行って引き返して来たとのこと。ってことはその先は当然、トレース無し。それでもう諦めが付いた、明日、出直そう。スキー場のゲレンデをへこへこ歩いて下る。そのうちに、もう片足のスノーシューのベルトも切れた。ゲレンデが多少圧雪されているとは云え、両足つぼ足では結構大変だ。大穴をあけながら何とか麓のロッジまで下ることができた。
気が付けばもう昼を過ぎている。折角、戸隠に来たのでやっぱり蕎麦を手繰らない訳にはいかない。試しに有名な「うずら家」を覗いてみると、それなりに客が入っている。しかし店員曰く、なんとかしますと。案内してくれた店員に限らず、皆、接客がとても丁寧である。
我々は、2階の小上がりの一番奥に通される。腰を落ち着けたら先ずはビール(大瓶780円)で憂さ晴らし。ここの日本酒はすべて信州産。天墜(信濃錦の特別純米)やら佐久の花などをいただく。つまみは、山の幸の盛り合わせ(850円)、岩魚の焼き枯らし(700円)、きのこいろいろ天ぷら盛り合わせ(950円)を注文した。
山の幸の盛り合わせはどれも美味かったが、女子連には、鞍掛豆のひたし豆が大層人気だった。小生にとっても甘くない煮豆は望むところだ。個人的には、岩魚の焼き枯らしが気に入った。今まで、「焼き枯らし」なんて調理法に出会ったことがあっただろうか。身がとても柔らかいので、焼いたようには感じられない。
締めの蕎麦は極細ながら、しこしこ、つるつるで絶品。ここ「うずら家」は、接客佳し、酒佳し、つまみ佳し、蕎麦佳しの、四拍子揃った名店であると、良く判った。

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「しんばし」で日本酒を呑み、蕎麦を手繰ってすっかり満足した後は、駅に戻って「CoCoLo湯沢」で土産物を物色。カミさんは熱心に買い込んでいるが、小生は腹が一杯のせいかもう食指は動かず、買い物も特に見当たらない。
ひと通りカミさんの買い物が終了した後、「ぽんしゅ館」の前を横切るものの、これから試飲する気にもならない。しかし、「CoCoLo湯沢」内の暖房ががんがんに利いていたせいか(コートなんて着ていられない)、かなりのどが渇いた。まだ新幹線の時間まで間があるので、何処かに入ろうかということになった。
再び駅の外へ出ると、目の前に「味らく茶や」という名前の店があった。どうも蕎麦屋のようだが、呑みものだけで何とかならなりそうだと入ってみた。店内は、ほぼ満席状態だったが、入り口近くの8人掛けの囲炉裏が切ってある大テーブルには、昼呑みしているオヤジ二人だけだったので、こちらは対角線に着席。
フロア係の店員は、そこはかとなくやさぐれ感が漂う中高年男性。客の注文が厨房と上手く伝わっていなかったのが、大声で厨房の相手を詰っている。店の雰囲気は、店員の言動や立ち居振る舞いでかなり印象が変わる。客はスマホ等を相手に、なるべく見て見ぬふり。
ビールを呑もうかと思っていたが、何となく気が変わり日本酒。純米にごり酒で「冬将軍」という、冬季限定の酒が置いてあったのでそれを注文(800円)。小千谷にある新潟銘醸の酒。この酒蔵の代表的な銘柄は「長者盛」だ。ご飯茶碗の様な、巨大ぐい呑みに注がれて出て来た。口当たりはまろやかで、喉ごしはさっぱり。すいすい呑める、危ない酒だ。これを山菜を肴にちびちびやった。カミさんは紫蘇ジュース(400円)を呑んだ。

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越後湯沢に着いたら時計は11時、ちょっと早いが昼食としよう。駅前にある「むらんごっつぉ」という名のレストランに入ろうとしたら、11時30分開店とのこと。待つ手もありそうだが、とりあえず他を当たろうと歩き出す。線路に沿って北へ向かうと、まだ開いていない店が多い。そのうち蕎麦屋の「しんばし」まで来ると、暖簾が掛かっているので入ってみることにした。
たった9ヶ月ぶりの訪問だが(前回はこちら)、店の中に入ってびっくり。外観は以前との違いを感じなかったが、店内はまったく違う造りに改装されていた。昔の蕎麦屋の雰囲気が残っていた以前の内装と較べて、新しい店はいわゆる和モダン。どちらがいいかは一概には云えないけど、若者受けするのは和モダンの方なのだろう。
改装されて一層客が増えた訳でもないだろうが、店内は既に満席で、待合スペースにも人が一杯。順番待ちのため名前を書くようになっていて、我々は4組目。何とかなるだろうと、待つことにする。その間にも、順番待ちをせずに入っていく客が何組かある。皆さん、予約組なのだろう。少々迂闊だった。
待つこと30分余り、ようやく席を案内される。お二人だったらこちらにどうぞ、とカウンター席。以前、小上がりがあったあたり。目の前では蕎麦を茹でている男性(大旦那か?)と、忙しそうに天ぷらを揚げている女性(大女将か?)。道路側では、硝子窓の中に黙々と蕎麦を打つ男性(若旦那か?)。注文取りは、若いあんちゃん。他にも若い女性店員が数人。全部で10人ぐらい店員がいそうだ。
先ずは瓶ビールを注文。メニューを見ると、料理は以前と同じようである。鮎の一夜干し(950円)、魚沼美雪ます風干し(950円)、味玉(500円)を注文してみた。変わらぬ美味さ。酒は、やっぱり鶴齢しぼりたて純米(750円)をいただく。締めは、へぎそばのせいろ(800円)。蕎麦は以前と同じく香りがあってコシもしっかり。安心した。

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あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

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アメリカ出張が延びたせいで遅れていた、4半期毎の定期検診をようやく受けた後、夕餉は浅草へ。何せお手軽だし、様々な和食店が軒を連ねているので、アメリカ料理に飽きたら、先ず浅草へ来るのがいちばん真っ当という気がする。色々喰いたいものはあるが、今回は鰻を喰おうということになった。図らずも、前回の定期検診後に引き続き、鰻屋だ。
そこで、浅草の鰻屋でまだ入ったことが無い「色川」へ行こうとしたら、ここは昼だけ(14時閉店)の店で入れず。近くにある「初小川」は、予約を入れないと到底入れない(予約無しで「入れますか?」と店のひとに訊くと、あんたナニ云ってんの?という顔をされる)ので、確かめるまでも無い。さて、どうするか。
この近くとなると、「川松別館」があるはず。以前、雷門通りにある「川松本店」には入ったことがある。行ってみると、鰻屋と云うよりは料亭風な入口に、客待ち顔の仲居さんが立っているので、予約してませんが、と恐る恐る訊ねると、どうぞ入れますよ、との返事。そうこなくちゃ。
通されたところは、小上がりの様なテーブル席が6つある。先客はひと組だけだったが、そのうちどこも埋まった。ひと組は中国系親子連れだ(子供は小上がりを理解出来ず、靴のままだ)。他にも(例えば2階にも)部屋があるのかも知れない。メニューを開くと、コース料理は別にして、基本、鰻だけだが、鳥唐揚げとか天ぷらとかもある。締めは何にするかは後で考えるとして、とりあえずビール(中瓶800円)と胡麻豆腐(540円)、う巻き(1,500円)、柳川(1,620円)を注文。その後で日本酒(菊正宗750円)も頼んだ。
ビールと共に、葉唐辛子の佃煮が出て来た。これは付き出しなのか、ビールのおまけなのか判らない。胡麻豆腐はごく普通の感じだったが、とにかく、しんみり美味い。柳川は、鰻を使っているのかと思いきや、スタンダードに泥鰌だった。さてそろそろ締めは何にしようか、勿論うな重は魅力的だが、ここは少々炭水化物はセーブして、蒲焼にしてみた。身はほっこり、タレも甘からず辛からず、いい塩梅だ。アメリカでも鰻を喰えないことはなかった(当然だが中国産だ)が、やっぱり鰻は日本の鰻屋で喰うのに限る。日本に帰ってきたことを実感した。

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しばらく日本に帰っていない者の頭の中には、常に日本食のことが渦巻いている。偶にヒューストンへ食材の買出しへ行こうとなった場合には、ついでに日本食レストランに行こうという話に、自然となってしまう。田舎町のベイタウンとは違い、大都市のヒューストンには、それなりに日本食レストランもあるようである。
今回は、ヒューストンの西側。ベイタウンからすると、中心街の反対側になりやや遠いが、気の利いた店はだいたいそちらのほうに多い。住宅街にもゆったりしっとりした佇まいの家が並んでいる。ダウンタウン辺りとは明らかに雰囲気が違う。そういう場所には稼ぎのいい人々が集まるようになり、それを目当てに洒落た店が集まるようになるという好循環を生む。結局、世の中は平均化・平準化することなく、どちらかに振れ、それが増幅するようになっている、とつくづく感じる。
今回、寄ってみた日本料理店は、「Sushi Jin」という名前の寿司屋。ハイソな客目当ての類なのかは不明だが、少なくともヒューストン在住の日本人には有名らしい。店に入ると、かなり広いが、先客は殆どいない。奥に庇が付いた寿司カウンターが設えてある。海外の日本料理店では有りがちなスタイル。そこへ座るのは恥ずかしいため、テーブル席にする。注文取りにやってきた若者は、韓国系アメリカ人のようで、物腰がずいぶんと丁寧だし、細かいところにも気配りする感じ。そのような客を相手にしているように見受けられる。一般的なアメリカ料理の店とは違う。
前菜には、枝豆と鶏唐揚げと餃子を注文。ビールはサッポロを呑むことにした。枝豆は冷凍物だろうが、なかなか新鮮。鶏唐揚げもちゃんとしている。これはなかなかの店かも知れない。最後に握り寿司を頼んでみた。カリフォルニアロールが、サイドとして付いて来るのはご愛嬌。寿司ネタのバリエーションが乏しいのも仕方が無い。でも、握り具合や寿司酢の利かせ方は日本で喰うものとさして違いは無い。これならば日本人だけで無く、現地ヒューストン人にもウケる筈だ。

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そろそろまた、ベイタウンへ戻る日が逼っているので、必要なものを買出しにカミさんと出かけることにした。例えば漬物類や調味料など。テキサスにある我がアパートで料理する際、近所のスーパーからは手に入らない日本食材を買うのだ。
それ以外に必要なものに、ラップ(いわゆるサランラップやクレラップ)がある。テキサスにももちろん類似品はあるが、少々厚くて強情、しかも付随ののこぎりカッターの切れ味が悪いため、切るのに多大な労力が必要。アメリカ人の腕力に応じた製品になっているようで、虚弱な日本人には向いていない。
もうひとつ、日本で手に入れたかったものは、揚げ物用の調理器具。揚げ物用の中華鍋は既に同居人が仕入れており、足りないのは油の容器に油切り、すくい網、それとステンレスバットぐらいあればなんとかなる。揚げ物をするにはなかなか物要りだ。これらの調理用具のうち、ベイタウンのスーパーにあるのはステンレスバットぐらい(ただし、巨大なので持て余しそう)だ。いったい、アメリカは揚げ物大国だと思っていたが、このような小物は見当たらない。どのような器具を使って揚げるのだろうか。
買い物がてら、昼飯を外食。出来れば和食、お手軽となると、やはり蕎麦屋にするか。特段、行きつけではないが、偶に買い物の途中に寄ることがある「青山」に入ってみた。11時の開店直後は、さすがに先客はいない。長テーブル以外に、仕切られた4人掛けテーブル席が並んでいる。
蕎麦の注文の前に、(カミさんには申し訳なく)生ビールを注文。つまみは鶏唐揚げとなめこおろし。ここの唐揚げは、他の店とはだいぶ見掛けが違う。ほとんど、天ぷらのようである。塩味は控えめで上品に仕上がっている。締めのもりは、つるつる喉越しがいい。これで暫く蕎麦とはオサラバしても何とかなりそうだ。

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宏池荘でさっぱりした後、塩山駅へ向かいながら何処かに入ろうと店を物色しているうちに、結局、駅まで着いてしまった。駅の直ぐ手前に「塩山館食堂」なる中華料理屋があったので、それじゃあビールと餃子を楽しもうかと思って覗いてみたら、驚きの満席状態。かなりの人気店とお見受けした。また懲りずに覗いてみよう。
駅前まで来たら、食堂「菊よし」は、なんと外に順番待ちの列が出来ていた。これはもしかすると「かつぬまぶどうまつり」の影響か? それならばと、駅前からちょっと離れた蕎麦屋「七福」を覗いてみれば、あれあれ拍子抜けの先客ゼロ。店の方が手持ち無沙汰の様子。
何故こんなに差があるのか。個人的には「七福」の方が「菊よし」よりも美味いと思う。「七福」は、駅の階段下からは直接見ることが出来ないせいで、やや不遇をかこっているのかも知れないが、我々にとっては好都合。ここも2年ぶりの入店だ。
さっそく着席したら生ビールを注文する。ここはハートランドビールを置いている稀有な店。それだけでもこの店の価値は高い。出てきたジョッキグラスには霜が着いた状態で、キンキンに冷えている。今日のような陽気の中を歩いてきた我々にとっては、このサービスがなんとも嬉しい。
我々の後から、ようやく他のお客が入店。厨房とフロアの両方を一人でこなす女性店員が、漸く忙しくなってきたようだ。我々は、このあとに「かつぬまぶどうまつり」が控えているので、ほどほどにしなくてはならないが、それでも1杯では少々足りず、二人ともお代わりを注文。つまみは、馬刺しに、キノコおろしにした。どちらも美味。ここでも日本の味を再発見した。

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帰国してそろそろ一週間。目論見通りに、ここぞとばかりに和食を喰い捲くってきたが、寿司は喰った、串焼きも喰った、鮎も喰ったと指折り数えていくうちにハタと、そう云えばまだ蕎麦を手繰っていない、と気が付く。このままテキサスへ帰る訳にはいかない。
新蕎麦にはやや早いかも知れないが、出来ればそれもなんとか喰ってみたいとの思いが強くなり、早速、次の日曜日に行ってみようと、手頃な店を検索開始。そのうちに、以前から気になっていた浅草の「丹想庵 健次郎」を思い出すが、この店は日曜日が休業だ。むぅ、残念・・・、と思ったが、ふと、ならば今度の金曜日に会社を休んで行けばイイじゃん、と妙案を思いつき、早速休暇届を出すと共にカミさんに都合を打診、すると返信でもう「予約入れた」と返事。
当日の金曜日は本降りの雨。仕事だと出掛けるのは憂鬱だが、蕎麦屋が目的となると、ものともせずに浅草へ。黄昏時の雨の浅草は、外国人観光客も見当たらず、JRAの場外馬券売り場も閉まっているので、おやっと思うほど閑散としている。浅草寺の北側、言問通りを隔てた浅草3丁目は飲食店が点在しているものの、普段でも外国人観光客は殆ど見かけない地区で、浅草寺界隈の喧騒とは別世界。今宵も何時もに増して静か。「丹想庵 健次郎」はそんな路地にひっそりとある。
17時30分の開店時刻に合わせて行ってみると、我々が本日の入店第1号。浅草の蕎麦屋らしく落ち着いた内装。カウンター席と小上がりがあるが、思いの外、若い店主がどこでもいいと仰るので、一番奥の小上がりへ。ガラス戸の外は箱庭が設えている。
店内を見渡すと、「新蕎麦」との貼紙。来た甲斐があった。ともあれ、先ずはビール(サッポロ赤星650円税込、以下同様)で喉を潤しながら、メニューを眺める。肴も酒も色々あってうれしい。それでは、日本酒へ移ろう。口火は会津の酒、野恩・生酛仕込特別純米無濾過原酒(1,200円)をいただく。骨太な酒だ。
やがて蕎麦焼味噌(550円)と銀だらの西京焼(950円)が登場。焼味噌は、味噌の塩気がかなり上品で、酒の肴にはもってこい。こんな美味い焼味噌は、秩父のこいけ以来だと思う。銀だらもぷりぷりで、我が身が蕩けそうである。客はその後三々五々やってきて、いつの間にか満席。
その後、太刀魚の炙り(値段失念<(_ _)>)、めごち天ぷら、ねぎぬたをもらうがどれも申し分ない。ねぎぬたは、箸休めに丁度良い。そして仕上げは二種もり(1,500円)にしてみた。二八蕎麦と田舎蕎麦。喉越しの違いはあれど、どちらも香り高い。久々の新蕎麦を堪能し、この店の雰囲気にも堪能した。また、季節を変えて来てみたい。

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2週間余の日本滞在中に、いつもの肉好きメンバーによる呑み会を開くこととなった。いつも通りであれば、また八重洲の焼肉屋「昌月苑」でも行こうという話しになるのだが、さすがにテキサスで肉ばかり喰って来たであろう小生を慮って、今回は魚介系の店にしていただくことになった。そうとなれば、せっかくなので寿司屋がいいだろうと、秋葉原にある「銀蔵」という店を選んで貰った。
「銀蔵」は、「洋風居酒屋だん家」や「鍛治屋文蔵」等を展開する外食企業がやっている寿司屋チェーン。首都圏に30店舗以上もあるようだが、これまで入ったことは無かった。「だん家」や「鍛治屋文蔵」はそれなりに小洒落ているので、こちらも期待が持てそうな雰囲気。
「銀蔵本店」は、神田駅寄りの新幹線高架下にあった。秋葉原には時々出没するものの、この辺りを徘徊することは殆ど無い。小生を除く3人は予約時刻よりも早く到着していて、既に怪気炎を上げている。出遅れたものの、やっぱり先ずは生ビールからスタートして追い駆ける。
テーブルには、寿司屋らしからぬ揚げ物が並んでいる。訊けば、鶏唐揚げに、イカメンチだそうな。やっぱりこってり系がお好き。一方、小生は今日はさっぱり系を踏襲しよう。刺身を暫し突いたあと、厚揚げの味噌田楽を注文。こういうのが喰いたかったのだ。
テキサスでは少々硬いながらも豆腐は手に入るが、厚揚げはまず見ることは無い。もしどうしても喰いたければ、自分で揚げるしかない(今度やってみるか?)。炙りたての厚揚げに味噌(または醤油)とねぎを塗して喰うという、日本ではごく当たり前の一品は、テキサスでは極めて入手し難い逸品となる。日本食が恋しくなると、喰えないという現実に諦め切れず、苛立ってきてしまうのだ。それにしてもここは、寿司屋というよりは寿司も扱う居酒屋的な品揃えである。
締めはやはり、にぎり。カニとイカとホタテと中トロとウニと小肌を注文。やっぱり日本はいいな。

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今回の一時帰国は、ヴィザ取得の関係もあって2週間強の滞在。山には2回行ける。しかも1回はぎりぎり9月。9月30日まではまだ鮎の季節。そこで、なんとかして鮎を喰いにいくためのプランを立てることにした。1回だけだと予想外のトラブルに遭って夢破れる可能性があるため、念には念を入れて2つのプランを立てた。ひとつは既に報告したように都内の料理店「山幸」。もうひとつが今回の狙いの店だ。
願わくば、群馬や栃木の山に行って、その帰りに簗に寄ることが理想的だが、流石にちょっと慌しい。代替案として、都心に近いところであれば、多摩川の支流の秋川や、相模川の上流である桂川沿いに、鮎を喰わせてくれる店があるのは知っている。しかし、その場合には超低山ばかりで手頃の山が見当たらない。帯に短し、襷に長し・・・。そう考えているうちに、多摩川の支流、大丹波川沿いにも確か、そんな店があった筈と、思い至り、ググって見れば、記憶の通り「ちわき」が見つかった。これまで入ったことは無かったが、せっかくだから行ってみるか、となった。
山から「ちわき」へ下りて来るには、川苔山か、棒ノ折山のどちらからかしかない。どちらも人ごみを覚悟しなくてはならない超人気の山で、登るだけが目的ならばまったく食指は動かないが、その先にニンジンがぶら下がっているとしたら、背に腹は変えられず、この際、目を瞑って耳を塞いで登るしかない。
山としては棒ノ折山の方がお手軽。百軒茶屋から往復ではあまりに能がないので、往路はさわらびの湯を基点とし白谷沢から登ることにした。実際、棒ノ折山そのものはともかくとして、白谷沢は変化があって面白かった。それにしても後から後から登山客はやってくる、こんなに人気のルートだったか、と驚いた。
山頂に着いたら脇目も振らずに下山。百軒茶屋までは1時間強。あとは「ちわき」まで車道を辿るだけ。そして程なく「ちわき」到着。店は思っていた以上になかなか大きな建物だし、止まっている車の数も半端ではない。シーズンの土日では予約なしに入るのは難しそうだ。
我々は2階へ通される。窓からの大丹波川の流れが涼しげだ。残念ながらここで扱われる鮎は天然ではないが、それでも辺りの雰囲気が醸す味付けがあれば、問題は無し。生ビールで喉を潤した後、塩焼き(720円)や稚鮎の田楽(670円)、そしてメインディッシュの鮎飯(だんご汁付1,620円)も美味かった。そして、意外と云っては失礼ながら、脇役だった「きのこのバター焼」(670円)や「きのこの七輪焼」(560円)が望外に美味かった。今度は、真名井北陵を下って来るのも良いかも知れない。

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木曜日は適当に効率よく仕事を切り上げて、定時前に逃げるように早退(とは云っても、ちゃんと午後半日年休を取得済)。門前仲町でカミさんと待ち合わせ。今宵の目当ては鮎、である。幸いにも鮎のシーズンが終わる今月末に何とか間に合って帰国することができたが、残念ながら寄居の京亭や何処ぞの簗まで足を延ばすまでの暇がない。そこで都内で鮎料理に舌鼓を打とうと、門前仲町の「山幸」にやってきた次第。他にも鮎をウリにする店はいくつかあるが、ここが最もリーズナブルでかつ交通の利便性も申し分ない。
生憎の本降りの雨だったが、門前仲町は雨でも似合う。17時開店よりも少々早めに到着。それでも既に暖簾は出ていたので早速入店。入って直ぐ左に囲炉裏が切ってあって、椅子が並んでいる。その奥がカウンター席、さらに奥がテーブル席で、詰めれば6人ぐらい座れそうだが、我々二人でそこへ通される。二階には座敷もあるらしい。先客は居なかったが、あとから独り客がカウンター、3人グループが囲炉裏席にやってきただけ。実に静かである。
既に5,400円(税込)の鮎尽しコース料理を予約済み。呑みものは先ず生ビールからだが、そのあと直ぐ日本酒へ移る。ここは日本酒の種類が豊富。折角なので、上越の「鮎正宗」にする。この酒は、基本的に鮎料理店以外でお目にかかることはない。
先付けは甘露煮とうるか。甘露煮は頭まで柔らかい。このうるかは白子がベース。確か、高山の京やでも食べた。これさえあれば、何杯でも酒が進む。次はお作り。美味いのは間違いないが、刺身は鮎らしさが余り感じられずにやや物足りない。その点、やっぱり塩焼きは苦味が利いたワタも一緒に喰えるので、鮎を存分に味わえる。お作りで残った骨は、素揚にしてくれた。心遣いが嬉しいし、香ばしさも格別。天ぷらもほっこり美味い。そして最後は鮎飯とつみれ汁。多少お腹が一杯であっても鮎飯を喰わない選択肢は無い。
この店の鮎尽くしには大満足。何故これほど空いているのか理解できないが、恐らく雨のせいだろう。是非また来たい。

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「寿一郎」を出た後、やや物足りない気がしたので、そのまま駅へ向かわずにちょっとはしご。今日は日曜日、閉まっている店もちらほらある。風情ある銭湯「梅の湯」の前を通り過ぎ、今日は定休日の「プエドバル」の先に、「かほりや」が開いているのを発見。路から店内は丸見えで、カウンター席も空いているのが確認できたので、そのまま入ってみることにした。昨年の5月以来だ。
一見、お洒落なオープンカフェという感じの店だが、料理は和食が中心だし、日本酒もいくつか置いてあるので、完全に和テイスト。そのアンバランスさもウリかも知れない。奥に長い店内だが、少々低いカウンターがL字形に設えてある。向かって左側はテーブル席。階段があるので、二階にも席があるのかも知れない。
この店では居心地の良さから、カウンター席から埋まる。従って大人数で呑むには合わない。先客はカウンターに三組だけ。若い男女カップル以外は、若い女性ひとりと若い男性ひとり。ここは、昼間は定食屋らしいが、夜も居酒屋というよりは和食カフェといった雰囲気なので、女性一人でも入り易い雰囲気だと思う。逆にオシャレ過ぎてオヤジ一人ではかなり敷居が高い。たぶん、小生には無理。
自家製ローストビーフ(980円)とさんまの醤油漬(600円)を注文。さっきの「寿一郎」でも呑んだが、やっぱり日本酒に飢えているので、「秀よし」という秋田の酒をいただく(780円)。そうこうしているうちに客がちらほらと増えて来る。やはり女子が主の店。路に面した硝子引戸は完全に開け放たれているが、暑くも無く寒くも無く丁度良い。オープンエアの店は、今が一番良い時期。ここで何も考えずに、カウンター席でひとり酒を呑める女性が羨ましい。

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テキサスからの帰国した土曜日、成田到着は15時過ぎ。カミさんは仕事なので、家に帰るのは小生の方が早い。とりあえず、我が家の猫(ハル)は何処へ行ったのかと探し回ると、案の定、机の裏に隠れていて、見つけると「シャー」と牙を見せる。2か月もするとご主人のことをすっかり忘れてしまう、困ったハルである。
カミさんが帰って来て、待ちに待った日本の夕餉。やっぱり日本に帰ったら喰いたくなるのは先ず寿司かな、と感じたのでまた近所の「喜悦家」へ。
テキサス・ベイタウンでも、なんちゃって寿司だったら喰えないこともないが、日本の寿司屋で喰う寿司との違いが余りにも大きく、喰っているうちに段々情けなくなってくるので、喰う気力も失せてくるのが困りもの。やっぱり寿司は日本で、ステーキはアメリカで喰うべきだ。無理してテキサスで寿司なんざ、まったく乙じゃない。
いつものようにカウンターに座り、まずは生ビールを刺身で一杯。コハダはやや時季外れかも知れないが、やっぱりこれを喰わないと。そしていつものように焼き物ももらう。今日はシタビラメ。こういうシンプルな塩焼きは、アメリカでは絶対お目にかかれない。もちろん、日本酒にしよう。雪の茅舎をいただく。
仕上げに、にぎり上をひとつだけ注文。お好みで、コハダも握ってもらう。これで絞め。久しぶりに寿司を堪能した。やっぱり和食は日本で喰うのに限る。

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今日は出勤日だったが、明日は移動日。また暫し、牛肉とジャガイモの国に行かねばならぬ。ならば、しつこくもう一軒いっちゃいますか、と会社の帰りにカミさんと待ち合わせて近所の寿司屋「喜悦家」に行くことにした。前回来たときは未だ春だった(前回はこちら)。いつものように生ビールの後、冷酒。つまみで刺身を2、3品と焼き物と巻物、握りを注文。
ここも普段使いの店だが、寿司屋なのでそう頻繁には来られない。カミさんは寿司が一番好きだと断言する。小生もその意見に概ね賛成するが、世の中、美味いモノはいろいろあるので、言い切るには少々踏ん切りが付かない。いろいろ目移りしてしまう。
日本に居ないと、日本の喰い物の美味さが判らないというか、忘れているというか、とにかく灯台もと暗しとは良く云ったもので、大方の日本人はそのような状況にあると思う。例えば寿司も毎週喰っているとその美味さに慣れてしまい、仕舞いには飽きてしまうことだってあるかも知れない。幸か不幸か、現実はそんなことにはならない(金持ちには、そういう可哀相な人が居るかも知れない)。それがもっと長いスパンになっても、その気になればいつでも喰える状況にあると、それなりに有り難味が薄れてしまう。ところが、海外に出かけるとその有り難味を、身に沁みて感じる。
さしあたり今回は、寿司屋1軒、うなぎ屋1軒、居酒屋3軒に行くことが出来た。上出来ではあるがこれで十分だ、とは云いたくない。出来たら何処ぞの梁に行って鮎尽しを喰ってみたかったし、流石にそれは無理にしても、門前仲町の「山幸」で鮎を喰いながら一杯やりたかった。残念ながら蕎麦屋にも行けなかった。
それとやっぱり、山に1回だけでは不完全燃焼間違いなし。温泉に浸かってビールを呑むは何度やっても堪えられない。・・・等々、海外へ出掛ける限り、このような恨み節が出るのはやむを得ない。しかし、これがまた帰国時の渇望となって出来(しゅったい)するのはまた愉しからず哉。

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