山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

身延線沿線

久しぶりに安倍奥の山に登ってみようかと考えた。前回となると、途端に学生時代まで遡ってしまう筈。確か、大学2年生の頃に山伏(やんぶし)に登ったのが最後だろう。今回登る十枚山は、それよりほんの少し前だったと思う。
その時は、有東木までバスに乗り、其処から歩き出して十枚山に登った後、六郎木のバス停まで下ったように記憶している。勿論、帰りに温泉に浸かるようなことはせず、下宿まで真っ直ぐ帰った。今回は有東木BSよりもさらに上、正木峠までタクシーで上ることにして、帰路は山梨県側の登山口へ下って麓の温泉に投宿する予定。学生とは金の掛け方が随分違う(山行記録はこちら)。
今日は初夏の陽気。しかも空気はカラリとしていて、眺めも良い。そのせいか、見晴らしが良いところに出ると、空が大きい。南に目を向ければ、駿河湾だって見えている。この風景は確かに安倍奥の山ならではだと思う。
陽気が良いのでヒルが心配だったが、偶々十枚山山頂で一緒だったベテランガイド曰く、余りこの辺りで見ることは無く、居る場所も限られているとのこと(十枚峠の西側には居るらしい)。山梨側へ下る途中で、のりちゃんが目敏くヒルを見つけたが、結果的には誰も吸い付かれることなく無事下山。
送迎タクシーで乗り付けた「十枚荘温泉」は、学生の頃から気になっていた宿だった。入ってみると、予想以上に鄙びていた。ご主人は2代目だという。この宿のウリはご主人が仕留めた猪の鍋。新鮮なせいか、全く癖がない。これで1泊2食付で10,000円とはお値打ちだと思う。更にGOTO割が加わって、結局5,000円ぐらいになってしまった。何だか申し訳ないくらいだ。

001 【第1日目】正木峠登山口。
003 鈴を鳴らしながら。
004 笹が生い茂っている。
010 地蔵峠に到着。10時8分
013 これから尾根歩き。
014 大した登りは無い。
015 明るくなった。大井川流域の山々。
016 海が見えている。
017 空が広い。
021 あれが青笹山か。
022 笹の背がもうちょっと低ければ・・・
029 岩岳のシロヤシオその4。
032 岩岳のシロヤシオその7。
035 岩岳のシロヤシオその10。
037 やけに色鮮やかなミツバツツジ。
038 基本、笹原だけど木も多い。
039 富士山がチラリ。
040 下十枚山がミツバツツジで彩られている。
042 下十枚山の登り。
045 ミツバツツジがそこかしこ。
046 山頂は眺望なし。12時6分
050 聖岳や赤石岳も見えている。
053 あれが十枚山。
056 十枚山まで140m登り返す。
060 南に篠井山。さらに奥は愛鷹山。
061 一番目立つのは下十枚山。
062 右端は大無限山。
063 安倍川が駿河湾に注ぐまで見えている。
065 はい、記念撮影。
067 明るい尾根。
069 こちらはちょっと径が荒れ気味。
070 硯石、という大きな標識。
075 汗を流すまで待てずに一杯。
076 舟形の男湯。
077 湯上りにもこれ。
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079 全員揃ったところで。
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078 お疲れ様でした。
080 食事処は離れ。
081 囲炉裏を囲んで夕食。
082 メインは猪鍋。
083 今シーズン初鮎。
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084 いただきます。
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085 【第2日目】朝食は6時30分からにしてくれた。
086 朝食も囲炉裏部屋。
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087 この時間の朝食は我々だけ。
088 お世話になりました。
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今回はひろちゃんのリクエストに応えて、櫛形山に登ることにした。個人的にももう30年ぶりぐらいになる。その時もアヤメを狙いにいったのだが、大して咲いていなかった割にはアヤメ平にはハイカーがうじゃうじゃいて、しかも一日中雨。あまり楽しかった記憶は無い。その後、唐松岳を経て、道形が薄いルートを辿って桃の木温泉へ下り、一泊して帰った。
その時の往路は平林の登山口。最もポピュラーなルートだったが、山頂までたっぷり3時間掛かるので、アプローチも含め都心から日帰りはなかなか大変な山だった。30年ぶりに色々調べてみると今は林道の終点、池ノ茶屋まで車で上れ、そこを起点にすれば山頂まで1時間も掛からない。これだけで隔世の感がある。
実際登ってみてもう一つ驚いたことは、かつて櫛形山の山頂と云えば標高2,051.7mの奥仙重だったが、今はその北側にあるピーク(地形図を見れば、確かにこちらの方が高そうだ)に山梨百名山の標識が立っていた。時間が経つと、山頂が変わってしまうとは思わなかった(山行記録はこちら)。
登山口から数えて4重目の鹿柵で囲まれた裸山直下には、アヤメを初めとした高山植物が咲いていてヤレヤレ良かったと胸をなでおろす。一方、アヤメ平にはアヤメは見当たらなかったが、30年前の雰囲気はそのままだったように感じた。
今回は北尾根登山道を下り、伊奈ヶ湖レストハウスに降り立った。ここにはキャンプ場があるので、家族連れのマイカーがやって来ていて、標高900mぐらいあるけれどもう下界と同じ雰囲気。レストハウスは営業中だったが、客は誰もいなかった。生ビールは無かったので瓶ビールを注文し、早速グビッとやった。結構汗をかいていたので、堪らなく美味かった。

03 ということでここからスタート。
07 ここまで30分余。車がいっぱい。
10 バイケイソウが目立つ。
11 2つ目の鹿柵を潜る。
12 この辺りはワラビばかり。
14 またバイケイソウの群落地を抜ければ・・・
15 3つ目の扉。そんな厳重にする必要があるのか。
17 気持ち良く高度を稼げる。
20 ダケカンバの巨木。
24 とにかく至る所にサルオガセ
26 またまた巨大ダケカンバ。
27 広い尾根を漫歩。
33 証拠写真。
37 ということで再び証拠写真。
42 裸山へ向かう。
49 アヤメ。
50 アヤメに群がる。
51 アヤメとタカネグンナイフウロ。
52 ミヤマキンポウゲ。
55 この先も緩い径。
59 ベンチの下にマイヅルソウ。
61 この扉を潜ると・・・
64 で調べてみればミズキでした。
65 こちらはクサタチバナ。
67 右下がり斜面がずっと続く。
70 標高は1,500m付近。
72 コアジサイ。
75 梅雨時のこの景色は上出来でしょ。
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79 レストハウス伊奈ヶ湖に到着。
80 なにはともあれ、・・・
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81 お疲れ様でした。
82 キッシュはちょっと個性的。


市川大門駅に12時33分到着。既にその時間に合わせ、いつもの富士観光タクシーを呼んである。運転手も同じ兄ちゃん。気持ち良く山道を飛ばし、あっという間に「みたまの湯」に着く。相変わらず駐車場はほぼ満杯状態。何となく風呂場の混み具合が想像されて気持ちが悪い。
受付で手のアルコール消毒と検温。そして何処から来たのかを問われ、更に責任者の電話連絡先を書き残すよう求められる。780円を支払って男湯を覗いてみると、カランは半分ぐらい空いているしそれ程の混み具合でもない。やはり目当ては農産物直売所だろうか。
露天風呂も程良い間隔が保たれている。今日の眺めは期待通り。男湯からは、南アルプスは女湯との仕切りに遮られて見難いが、八ヶ岳や奥秩父の壮大な山並みが良く見える。ここは昼間の眺めもさることながら、夜景がいいようである。
日帰り温泉で、「夜景100選」と「日本夜景遺産」に選定されたのは全国でもここだけらしい。特に、日没15分前がオススメとのこと。今日の日没は18時55分。我々は甲府在住ではないので、そんな時間まで入っていられないのが残念、いつか、この界隈に泊まりに来る機会を作ってからチャレンジしてみたい。
さっぱりした後、食事処「みはらし亭」へ行くと、こちらには結構、客が入っている。ちょっと遅い昼食時間というところか。家族連れが多く、我々のようなリュックサックを背負った客は皆無だ。何とか5人が収まるテーブルを確保し、女子連の到着を待ちながら富士山ビールをグビッとやる。
つまみには、今が旬のとうもろこし、この辺りは「甘々娘(かんかんむすめ)」という品種が有名なようで、いくつかそれを使った料理が並んでいる。ここ「みたまの湯」は、露天風呂の眺めと「みはらし亭」の旬の料理が魅力。また、ここへ下りてくる山行プランを是非、捻り出したい。

132 奇天烈な駅舎。
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133 湯上りは富士山ビール。
134 今が旬の甘々娘(とうもろこし)入りのクリームコロッケ。
135 地野菜のシーザースサラダ。
136 全員が揃ったところで。
137 日本酒に移行。
138 もうひとつサラダ。
139 地野菜たっぷりのピザ。
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身延駅11時50分発の下り甲府行の電車に乗る。現在、身延線を走る普通電車は全て313系。この313系はJR東海で最もポピュラーな、つまりネコも跨いで通るようなありふれた車両である。でも関東に住む者としては、最も近い御殿場線でも年に1度か2度ぐらいしか利用しないので、313系は結構新鮮である。
身延駅から市川大門駅までは、所要時間40分程の鉄道旅。さっき、身延で買ったビールを呑み干さないうちに電車がやって来たので、ビールの残りを呑みつつ車窓景色を眺める。
本来、この区間では西に南アルプス、東には富士山が鎮座しているところを縫って走るのに、少なくとも市川大門駅までの間では何方の高嶺も拝むことが出来ないし、もっと手前にある筈の毛無山とか富士見山も視認できない。せいぜい、さっきまで山頂に居た、身延山を拝めるぐらいだ。そのくらい、身延線は谷の中をうねっている。しかしそれだけ、ずっと富士川に沿って走っていると思いがちだが、意外とそうでもない。
波高島(はだかじま)駅から先は、支流の常葉川に沿って狭い谷を進むようになり、甲斐岩間駅で一旦、富士川沿いの広々とした谷に出た後、鰍沢口駅までは再び、ひとつ山を隔てた山の中を進む。終始富士川沿いを通れないのは、富士川が「暴れ川」だったせいもあるだろう。
而して、車窓からは目ぼしい山を望むことは殆どできない、詰まらない鉄道旅だと知る。ということで、ビールの肴になるような眺めは余り期待できない。段々飽きてきたので、タブレットを取り出して、読書をしながらビールを呑むことにした。
やがて鰍沢口駅までやってくると、目の前に甲府盆地が広がり急に視界が開ける。西には櫛形山などの南アルプス前衛の山、その奥に南アルプスのジャイアント、白根三山。北には八ヶ岳や奥秩父の連山、東には御坂山塊の山々。そしてその上からにゅっと富士山が覗いている。山梨県にあっては、この甲府盆地はとても貴重な存在だと思う。

131 各駅停車に乗って市川大門駅へ。
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富士川の眺めを肴にビールを吞んだ後、身延山ロープウェイに乗って山麓駅(久遠寺駅)まで下る。このロープウェイ、HPによれば全長1,665mで高低差は関東一(って、ここは山梨県だけど(笑))の763mという。確かに乗り甲斐があるので、片道料金860円はリーズナブルな感じがする。ちなみに日本一の高低差は、中央アルプスの駒ヶ岳ロープウェイで950m。たしかにここは、たとえ素面でも歩きたくないところだ。
山麓駅で降りても、久遠寺の入口、三門まではまだ結構な下りが待っている。久遠寺の境内を抜けると三つの選択肢、即ち「菩提梯」と称される石段と、女坂、男坂。287段の菩提梯を降りる気はしない(一段一段が大きいので膝を悪くしそうだ)ので、女坂を下ることにした(先月は菩提梯を登って男坂を下った)。
巨大な三門を潜ると門前町。蝋燭屋とか数珠、仏壇等を売る店があるところはさすが、お寺の門前町だ。小生はその類いよりも、飲食店の方にどうしても目が行く。COVID-19のせいか、それとも陽気が良くなったせいか、先月に較べると開いている店が増えたような気がする。
身延山BSから身延駅行のバスに乗車。30~40分おきに出ているのは、それなりに利用客が多いということだろう。この本数の多さは、山から下りて乗るバスの中ではかなり珍しい。所要時間は12分で運賃は300円。途中、身延山総門(間口6.4m、高さ9.4m)をバスが抜けていく。
身延駅には11時27分に到着。ここでJRに乗り換えるが次の電車は11時50分。あまり時間が無いので、前回入った「カフェレストラン ファミーユ」に寄るのは残念ながら無理。ということで、その「ファミーユ」で缶ビールを購入し(この店では店頭で酒類の販売もやっているノダ!)、誰もいない駅のホームでプシュッとやった。こればっかりは、このご時世でなくとも田舎の駅じゃないと無理だ。

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昨日は山から下りてきた時間が遅かったせいで、風呂に入って食事を摂ったらすぐに就寝となった。この頃、山の宿で9時過ぎまで起きていることはまず無い。明けて今日は身延山に登るだけなので、そんなに早起きする必要も無いけれど、結局自然に早く起きてしまうので(遅くまで寝られないので)、6時には朝食を摂って6時40分に出発となった(山行記録はこちら)。
登る途中にある赤沢集落は、身延山と七面山との間を繋ぐ参道の宿場町として中世のことから栄え、最盛期には13の宿があったそうだ。今回、唯一残る宿「江戸屋」に泊まってみたかったが、叶わなかった(その代わりに宿を求めたのが「ひのや」だった)。蕎麦屋もあるのでいつの日にか、また赤沢へ来てみたい。
その先もひたすら林道が続く。折角の良い天気なのに、殆ど眺めの無い単調な道なので結構退屈。行き交う人もほぼゼロ。静かな山歩きをする上では申し分ない。途中、十萬部寺と感井坊との間で、斜面の崩壊を補修したばかりのところがあった。「ひのや」の女将が心配していたところはここだったと思われる。利用者がいない道を速やかに補修するのは、やはりその前後に坊があるせいだろう。
身延山にはつい先月にも登っているが(その山行記録はこちら)、その時はガスに包まれて視界ゼロだったが、今日はピーカンの天気。思親閣の裏、北展望台からはズラリと南アルプスの峰々が眺められた。特に印象的なのは笊ヶ岳の鋭鋒だ。
一方、南展望台からは富士川がうねりながら流れる様が眺められる。雲が沸き上がってきているため、富士山は望めなかった。身延山ロープウェイ奥之院駅で缶ビールが売っていた為、早速仕入れて、展望台と同じような眺めが得られるテラスで景色を肴にグビッとやった。

079 【第2日目】6時から朝食を出してくれた。
080 今日は身延山登山。6時40分。
083 果たしてやっているのだろうか。
089 向こうに雪山が見える。
091 石畳。
093 舗装道路を登る。
094 笊ヶ岳が見えるところで小休止。
097 標高900m付近はなだらか。
098 間も無く十萬部寺。
099 十萬部寺。8時47分。
100 十萬部寺から感井坊はほぼ水平移動。
101 これから先も舗装道路。
105 今日は未だ山中で誰に会っていない。
109 七面山が良く見えるところに出た。
111 身延山奥之院に到着。
113 仁王門。
114 思親閣をスルーして・・・
115 北展望台へ行ってみた。
116 どっかーんといい眺め。
118 塩見岳や白根三山も。
119 鳳凰三山も八ヶ岳も見えている。
120 ご褒美な眺め。
122 こちらは南展望台。
123 富士川の流れ。右手は安倍奥の山々。
126 ロープウェイの奥之院駅でビールをゲット。
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実家が日蓮宗寺院の檀家であったことから、物心ついた頃から身延山久遠寺や七面山の名前を聞いていたが、登山の対象と考えるようになったのはそれ程昔ではない。ちょっと調べた範囲では、七面山に登るには山頂付近にある宿坊に泊まらなくてはならず、泊まるには朝晩の勤行に参加しなくてはならない、就寝は数人分が横になれる長大な敷布団と掛布団に入らなくてはならない(←これは昨今のコロナ禍では廃れたようだ)等を知り、何となく気が重くて後回しにしてきたのだった。
それが最近、アニ~が日帰りで登ってきたというのを聞き、だったら宿坊に泊まらずに済む筈と今回、山行をプランニングしてみた次第。麓の早川町角瀬にある「ひのや旅館」に部屋を取り、余計な荷物を宿に置いてから表参道を登ることにした。もちろん、スタート前にヒル除けのスプレーは忘れずにやる。
山頂まで標高差約1,500m、コースタイムで登り4時間45分、下りは裏参道(北参道)を辿れば3時間30分、往復で合計8時間強と、日帰りの山としてはかなり手強い。しかし実際に登ってみると(山行記録はこちら)、表参道は巧みに九十九折に設えており登り易いし、途中、茶屋が3軒あって休むにも丁度良い。
思ったよりも早く敬慎院に着いた。裏参道は往来する人が極端に少ないせいか、砂利混じりの径でやや歩き難いが、我慢して歩けばいつの間にか登山口の神通坊。結局、休みを入れて8時間弱で歩き通すことが出来た。
丁度18時に「ひのや」に到着。早速スパッツを外し靴紐を緩める。ヤレヤレ、ヤマビルにもやられずに済んだようだ。ふと、脇で菊丸がスパッツを外すところを見ていたら、まさにヤマビルがポロリと出てきたではないか! ところが「これは尺取り虫だから違うでしょ~」と菊丸、暢気に云う。確かに動きは尺取り虫的だが、知らぬが仏。寸でのところで餌食にならずに済んだようだ。傍でそれを見ていた宿の女将さん、直ぐに塩を取りに行った。ともあれ、5人の足元から出てきたのはこの1匹だけだった。めでたし、めでたし。

005 焦らずにゆっくり行きましょう。
007 歩き易い径。
010 十三丁目の肝心坊でひと休み。11時3分。
011 水道のホースが道に沿って引かれている。
013 中適坊は二十三丁目。
020 こちらは毛無山。
021 甲府盆地の向こうは微かに奥秩父連峰。
022 三十六丁目の晴雲坊にはクリンソウが咲いていた。
023 径に沿ってドコモのケーブル。
027 和光門は四十六丁目。
028 この緩やかな直線参道を登ると・・・
031 広場からは富士山が目の前。
033 雪は殆ど無い。
034 随身門。
035 随身門の下には敬慎院。
036 随身門から見る富士山。
039 これからが山道。
040 ナナイタガレ。
042 ナナイタガレに沿って径が付いている。
043 振り返れば富士山。14時12分。
047 ずいぶん、人馴れしている。
048 シラビソばかり。
050 バンザイ。
053 さらに右には富士市街と田子の浦が微かに見えている。
054 落葉松林を下る。15時11分。
059 両脇にミツバツツジ。
060 敬慎院。
064 シカと一の池。
065 この上に七面大明神が現れたという影嚮石。
066 ここからも富士山が良く見える。
070 あとは下るだけ。16時10分。
075 登山口に到着。
077 直ぐ風呂に入って直ぐ夕食。
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078 お疲れ様でした。
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身延駅15時9分発の特急ワイドビューふじかわ7号に乗車。この昼間の時間帯には各駅停車と特急が交互に走っている。なので、特急が停まらない駅では2時間に1本の割合で走る各駅停車に乗るしかない。特急が無いと、身延線はいきなりローカル線で使い勝手が悪くなる。
而して、ほぼ必然的に特急が停まらない駅は利用したくなくなる。「みたまの湯」は甲斐上野駅が最寄りなのだが、市川大門駅で下車し、タクシーを利用することに。今日は雨降なので露天風呂からの眺めは望むべくも無いが、それでも気持ちは悪くない筈。
午後4時。こんな時間のこんな天気でも前回同様、駐車場にはかなりの車が停まっている。アルコール消毒をして検温をしてから、フロントで入浴料780円を支払う。風呂上りはここね、と食事処を確認してから男湯へ。
脱衣所にそれほど客はいないが、きっと皆、風呂場で長湯をしているに違いないと風呂場へ向かう。洗い場にも半分程度、内湯にも大していない。やっぱり露天風呂か~、と思って外へ出てみれば、雨が降っていて屋根が無い露天風呂で、それこそ濡れながら湯船に浸かっている客は数人だけ。どうも車の台数に見合う程の人がいないような気がする。
ともあれ、サッパリしたら食事処へ。もしかしてこちらに集まっているのかと思いきや、さにあらず。ということは農産物直売所目当てか、と思いつつ、生ビール(638円)で喉を潤す。ここのつまみは、なかなか美味い。先ず甲斐茜鱒(935円)を頼む。後は鳥もつ煮(638円)などで舌鼓を打つ。
タクシーが到着する頃、外に出てみれば農産物直売所はもう閉まっていたし、そのせいか車の台数も心なしか少ない気がした。

55 「みたまの湯」で湯上り生ビール。
56 お疲れ様でした。
57 甲斐茜鱒。
58 山梨の定番、鳥もつ煮。
59 みたま菜唐揚げ。
60 鶏唐揚げ。

この週末は、右左口(うばぐち)峠から「みたまの湯」まで、芦川北稜の西半分を歩こうと思っていたけれど、数日前から天気が思わしくないのが明らかとなり、そんなコンディションでバリエーションを歩くのもいまいち気が進まず、ならば同じく甲府を起点にして雨に関係なく登れる山は無いか、歩き易いルートは無いかと探した結果が身延山だった。
身延山は来月の山行計画にも入っていたが、アプローチが異なるので(今回は東参道、来月は裏参道から)、別の姿が見られるだろうと踏んで出かけてみた(山行記録はこちら)。実は実家が日蓮宗なのに、個人的に身延山に登るのは初めてだし、久遠寺に行くのも初めて。どんな寺なのかは勿論興味があった。
印象に残ったのは先ず、久遠寺の三門。日本三大三門のひとつだそうで、流石に立派だ(残りは東福寺と南禅寺。ということは、これで三つとも見たことになる)。次が287段の石段「菩提梯」。なにせ一段一段の段差が大きくて、しかも傾斜がきつい。287段は息が切れた。そして、何故か偶々、「小松美羽のライブペインティング」が本堂に並んだ坊さん達の読経と共に行われていて、魔訶不思議な世界だった。
あとは何気に斜度のきついコンクリート径を登り(歩き易いけどきつい)、時々現れる僧坊を眺めつつ誰とも遭わずに雨の中、山頂まで到着したら、眺めは無いので早々にロープウェイで下り、女坂を下れば発車直前だったバスに乗車、身延駅に戻った。
時刻表を見ると次の下り電車まで1時間あるので駅前の店を物色すると、「ファミーユ」という洋食店が開いていたので入る。若者4人の先客がいたので、一番奥のテーブルに着席。そこからは富士川を見下ろすことが出来るリバーサイド。ビールを吞みながら眺めていると、ツバメが飛び交っていて、もうそんな季節かと気が付いた。

03 立派な久遠寺三門。
05 287段の石段「菩提梯」。
07 一段一段が高いのでキツイ。
08 登るにつれ、読経が聞こえてきた。
12 カメラマンがいっぱい。
13 本堂に坊さんがズラリと並んで読経中。
19 まったくの車道。10時29分
21 ちょうど見頃。
22 地味にキツイ登り。
26 15丁、丈六堂。
28 雨が落ちてきた。
29 大光坊。
35 東照宮祠。
37 手入れが利いた杉林。
39 ガスの中から建物が現れた。
41 日蓮が植えた杉木が4本あるとのこと。
43 御父杉。
44 仁王門。
45 祖師堂に到着。12時45分
51 身延駅前にリバーサイドカフェ。
54 生ハム、美味。
52 眼下に富士川。
53 ツバメが飛び交っていた。


「レストラン鳥居平」で優雅にランチを喰った後、夕食のおさんどんの必要が無い(≒おさんどんをせずに済ませたい)方が2名いたので、ならば食後の温泉にでも浸かりに行こうかということになった。最寄りは「天空の湯」だが、折角の機会なので別のところへ行ってみるとするか。
そこで、ちと遠いけど噂に聞いた「みたまの湯」(入浴料770円)に行くことにした。勝沼ぶどう郷駅前に戻り、タクシーに乗り込んで運転手に行先を告げると、近くに色々あるのにわざわざなんでそんな遠いところへ行くのかと首を傾げられた。車は延々と笛吹川に沿って走り、釜無川との合流点に近い市川三郷町までやってきた。
甲府盆地には、絶景露天風呂がウリの日帰り温泉はいくつかあるが、ここ「みたまの湯」もその一つ。実際に入ってみると、露天風呂からの山の眺めは「天空の湯」といい勝負で、開放感は「ほったらかし温泉」と良い勝負。ここの優れた特徴は、露天風呂からの展望が北向きなので、太陽が目に入らず順光の景色が望める点。甲府盆地越しに、やや遠いが八ヶ岳が目の前に見られるのは、ここが唯一無二の展望風呂と云っていいだろう。
とにかく開放感があって絶景を拝めるので、殆どの客は露天風呂に浸かったまま動こうとしない。カピバラの集団を連想する。小生だけが後からやって来て、そそくさと先に上がった。
さっぱりしたら、やっぱり食事処で生ビール(626円税込、以下同様)だ。つまみには馬刺し赤身(918円)をもらった。皆が揃ったところでもう一度乾杯。つまみの追加を注文するためにメニューを確認すると、聞き慣れない料理が並んでいる。大塚にんじんしりしり(561円)とはなんだろう。
店員の説明では、「大塚にんじん」とは地元の長いにんじんだと。「しりしり」とは沖縄弁で千切りの意味らしい。なんで市川三郷町で沖縄弁なのか判らないが、とりあえず注文してみた。にんじんのきんぴら+煎り玉子といった見栄えで、特段のインパクトは無いが、やさしい味。
もうひとつ、のっぷい揚げ(561円)も注文。「のっぷい」とはこの辺りの肥沃な土壌をさすらしいが、出て来たのはごぼうとにんじんのかき揚げだ。天つゆは無く、醤油で喰うのがこちらの流儀。これも素朴な味。ともかくつまみが増えたので、生ビールだけでは物足りない。地酒の春鶯囀(しゅんのうてん)・生冷酒(950円)もいただいた。ついつい「みたまの湯」に長居することとなったが、居心地が良いので仕方がない。もうちょっと近くにあれば、と感じる湯だ。

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2016年最初の山は、天子ヶ岳・長者ヶ岳と毛無山(山の記録はこちら)。公共交通機関によるアプローチでは、なかなか遠い位置にあるので、日帰りは困難。麓の宿で一泊するしかないのだが、この辺りの宿もだいぶ限られている。立地条件が良い宿は唯一「休暇村富士」なのだが、かなり人気が高い宿で、数か月先まで予約が一杯になっている。そのため、暫く先の計画にするしかないかと考えているうち、偶々予約状況を確認してみると、コテージがひとつ、空いているのに気が付いた。以前見たときには一杯だったので、きっとキャンセルがでたのだろう。さっそく予約を入れた。ちなみに、HP上の案内ではコテージは5人まで、となっているが、予約申し込みフォームでは6人まで入れるようになっていたので、MAX6人で予約を入れた次第。
長者ヶ岳から下りてくると、田貫湖畔の何も無いところに「休暇村富士」は、やけに立派な建物のように感じる。田貫湖越しに富士が見える、抜群のシチュエーション。裏山が丁度、天子ヶ岳と長者ヶ岳なのだが、誰もそんな山なんて見向きもしない。フロントでチェックインしたら、コテージへ。歩くと、5分では着かないくらい離れている。
1階は、ベッドが2つあるベッドルームとリビング・ダイニング、キッチン、ユニットバス、手洗い。階段を上がると畳敷きの屋根裏部屋(いまふうに云えばグルニエ)に4人が寝られるようになっている。屋根裏は詰め込めばもっと寝られそうである。1階の富士山側にはウッドデッキがあり、陽気が良ければ外で一杯やるには良さそう。
食堂と温泉は本館にあるので、コテージで軽く一杯やったあとに、しっかり着込んで移動。富士山が目の前に見える(はずだが、もうとっぷり陽が暮れていて見えない)温泉でさっぱりした後、夕食はビュッフェ形式。和洋中、色々あって品揃えは豊富。どこかの格安ホテルチェーンよりは、はるかにゴージャスである。
惜しむらくは、朝食が7時からとなっていて、我々のニーズ(6時半出発)には合わず喰い損ねた。それでも、これで9,150円はじゅうぶんお得だと思う。いつか、長者ヶ岳と毛無山の間を登りに来ることがあったら、また是非、この宿に泊まりたい。じゃなくて、この宿に泊まるため、長者ヶ岳と毛無山の間をチャレンジしてみたい、と云う方が相応しい。

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休暇村富士のHPはこちら 

思親山からJR寄畑駅へ下るつもりが、二万五千分の一地形図に記載の破線は、実際にはまったく廃道となっていて想定外のバリエーション、道無き斜面を適当に下り、なんとかバスが通る舗装道に出ることができた。あとは、この2日間ですっかり馴染みとなった南部タクシーを呼んで「なんぶの湯」(大人800円)に直行。JR身延線内船駅からほんの2、3分の便利なところにある。東を振り仰ぐと、さっきまでいた思親山の山頂が良く見える。
駐車場には多くの車が止まっているので混雑が予想されたが、豈図らんや、大きな風呂場は湯船も洗い場も全くスカスカで、ゆったり、まったりできた(でもカラスの行水であることは変わらない)。湯は、「やまと天目山温泉」や「天空の湯」のようにアルカリ性が強い。
湯上りに、休憩室(大広間)へ行ってみると、殆どのテーブルが埋まるほど、多くの人が屯している。ざっと100人ぐらいは居るだろうか。半分ぐらいは、浜に上がったトドのように転がっている。起きているのは、きんさん、ぎんさんみたいなおばあちゃん達で、四方山話で盛り上がっている。地元のお年寄りの社交場がここらしい。風呂に入ることもさることながら、ここで日がな一日過ごす人も多いようだ。余所者がふらりとやってきて、ひとり生ビール(500円)を飲んでいるのはちょっと場違いに見えるようで、なんとなく落ち着かない。焼き餃子(350円)を注文する。
やがて皆もやってきて、無事下山を祝して乾杯。焼き餃子以外に、牛すじ煮込み(550円)、とりモツ煮込み(550円)、フライドポテト(300円)、枝豆(300円)なども注文し、皆でつつく。メニューには他にもピリ辛大根煮物、うな胆、おつまみメンマ、厚揚げ、イカげそフライなどもあり、居酒屋顔負けである。面白いのは、鯨大和煮、サバの味噌煮、いわしなどの缶詰もそのまま売っているところ。さながら酒屋の角打ちメニューのようで、センベロ呑べえには嬉しい。もちろん、酒や肴だけでなく、麺類や定食ものも豊富。まこと、日帰り温泉のおまけにしておくのは惜しい程の食事処である。

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なんぶの湯のHP: こちら 

第1日目の篠井山と第2日目の思親山をはしごするため、南部町にある佐野川温泉に泊まった。温泉の名前は学生の頃から知っていたのだが、泊まったのは今回初めてである。個人的にはひそかに期待していた。富士川の支流である佐野川を少々溯った川畔にある、ひっそりと少々鄙びた感じの宿であるが、部屋に入ってみると意外に内装は新しい。
風呂は玄関のすぐ左手にあって、正面に喫茶スペースがある。日帰り温泉(650円)としても十分な機能を持っていると云える。部屋に通じる廊下に、ずらりとタオルを掛けて置けるようになっているのは、なにやら湯治場の雰囲気を感じさせる。湯は、微かな硫化水素臭がして、とても柔らか、湯温も丁度良くしてくれている(源泉は31℃と、ちょっと冷たい)。今日の宿泊客は、我々以外に4組、全員合わせても20人ぐらいか。夕食の前に、部屋で酒と肴と共に今日の余韻を暫し楽しむ。
夕食は部屋まで持ってきてくれる。鍋も、焼きものも、揚げものもなかなか豪華で申し分ない。ご飯を食べたかったとしても、辿りつくのは容易ではない程の量である。朝食は小さな食堂に集まって頂くのだけれど、こちらも様々なご飯のお供があって食べ応え十分。これで1泊2食で9,500円(税別)とは、お値打ちである。周りに何もなく長逗留するにはちょっと寂しいところだが、山旅の中継地としては申し分ないと云える。このまったく飾らない素朴宿がこのまま続いてくれることを願いたい。

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_DSC5014食事の前のおつまみ

_DSC5015豪華な夕食

_DSC5016朝食もボリュームたっぷり

_DSC5017立派な卓球部屋

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佐野川温泉のFB: こちら 
佐野川温泉のHP: こちら

篠井山を登った後、奥山温泉に立ち寄る。その名の通り、富士川の本流から随分、谷を分け入ったどん詰まりの山奥にある。このあたり住所は山梨県だが、タクシーの運転手も云っていたように、文化圏は完全に静岡県のようだ。駐車場には結構、車が止まっていたようにみえたが、風呂場は思いの外閑散としていて利用者にとってはのびのびゆったり。休憩室も同様で、風呂だけの利用では500円、休憩室も使うと800円との料金体系にもかかわらず、500円払っただけでも、空いているので休憩室を使っても良いですよ、と大らかな扱い。東京近郊の日帰り温泉とはやや様相が異なる。
建物は檜をふんだんに使ったりっぱな造りで気持ちが良い。風呂場も天井が高く開放感たっぷり。湯はアルカリ性が結構強いが、温めで肌触りは柔らかな感じ。休憩室では、多少、食事もできるようであるが、我々はこれから佐野川温泉に向かう都合上、ビールだけにした。それでも、篠井山に登らない限り、絶対来ることがないであろう温泉に入ることができたのは貴重だった。

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