山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

山小屋

弓折岳直下、標高約2,280mのところに鏡平山荘がある。名前の如く、この一帯は平らな地形で、大小の池(鏡池など)や池塘が点在し、その周囲をダケカンバやナナカマドの木々が茂っていて、箱庭という表現が相応しい。下界は見えないので、ここの標高を実感するのは周りの風景のみ。東側には、槍・穂高連峰が壁のように聳えている。こんなところにある山小屋だったら、誰でも泊まりたくなるはず。
双六岳へ登る途中に、ここ鏡平山荘で飲んだのはネクターだったが、双六岳からの帰りに呑むのは勿論生ビール(900円税込)。同じ山小屋グループの双六小屋では生ビールが1,000円、麓のわさび平小屋では800円だったことからも、ここが中間点であることを実感させてくれる。高山植物と、池塘に囲まれたテラスでのビールは格別である。
ビールを呑んでいるうちに次第に冷えてきたので、小屋内へ移動。我々が泊まった部屋は、図らずも個室だった。人数が纏まっていたことと、事前予約のおかげだろう。部屋には「焼岳」と云う名前がついていた。荷物の整理や濡れたものを干すのに一頻り。ここの乾燥室も、わさび平小屋に負けず劣らず強烈。忽ち乾く。
個室の壁には小さな張り紙で、部屋内での飲食禁止、と書かれていたが、個室だし、綺麗に使えば問題なかろうと、荷物整理が一段落したら、部屋呑み。下界から持参したアルコールは、全てわさび平小屋で飲み干してしまったので、缶ビールとカップ酒を現地調達。鏡平山荘で売っているカップ酒は、その名も「双六」(しかし、ラベルの山はどう見ても槍だ)。高山市街にある、二木酒造の酒だった。この小屋の住所も高山市なので、至極当然なのだが、つい、こんな処にも高山の酒がある!と思ってしまう。
夕食は4ラウンド中、3ラウンド目。今日は150人程が宿泊とのこと。食堂は、板張りに床に座って食事するスタイル。見渡すと、テーブルは5列で、都合42人が座っていた。食事は、山小屋にしてはかなり充実していると思う。これらは全てヘリで運ばれたのだろう。有り難くいただく。
食後は外へぶらぶら。まだ、テラスには多くの登山者が屯している。辺りはすっかりガスに包まれていて視界が利かないが、時折ガスの切れ間から槍・穂の姿が現れると、天上の楽園にいることを実感する。明日はいよいよ笠ヶ岳。予定は3時起きなので、早いところ寝るとしよう。

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北アルプス2日目は、わさび平から鏡平まで小池新道(小池潜の父親の小池義清らが開設)を上がった後、着替えやアルコール・つまみ等の荷物を山小屋にデポしてから、双六岳を往復。鏡平から素直に笠ヶ岳を目指しても良かったのだが、せっかく近くまで来たので、裏銀座にも足を伸ばしておこう(裏銀座を歩いたことが無い人も多いので)と云う魂胆である。
昨年、一昨年と、北アルプスの夏山山行(種池山荘~五竜岳、針ノ木岳~種池山荘)では生憎の天気だったせいか(っていうか、ここ数年で晴れたのは昨年の立山ぐらい。どうも、うちには強力な雨女がいるような・・・)、今回のように、暑くてふうふう云いながらの稜線歩きは、このところ記憶に無い。夏山って、こんなに暑かったっけ。次第に暑さに弱くなっている(熱中症に罹り易くなっている)のも一因かも知れぬ。
とにかく暑くて喉が渇く。500mlのペットボトルがみるみるうちに空になっていく。鏡平山荘で飲んだ不二家ネクター・ミックス(何故か、ネクターしか無かった)は、冷たくて美味かったが、砂に零した水の如くあっという間に飲み干した。
双六小屋はかなり遠くからみえるのか、歩いても歩いても中々近付かないかった。漸く辿り着いてみると、流石は裏銀座、大変な賑わい。まだ午前中にもかかわらず、テント場には大小様々、色とりどりのテントが並んでいる。さながら展示会のようである。ここまで来たのでみんなには双六岳に行ってもらい、自分一人だけここで昼寝でもしてようか、という気持ちももたげてくる。
荷揚げ用のヘリも、働き蜂のように頻繁にやって来ては、去っていく。ガスが上がってくるまでの勝負、ということだろう。小屋に寄って、緑茶のペットボトルを購入。というか、それ以外にはミネラルウォーターしかない。荷揚げが登山者の需要に間に合っていないということだろう。でも、そのお茶は冷たくて美味かった。もちろん、直ぐに無くなってしまったが、気分はリフレッシュ、やっぱり双六岳を往復してこようという気持ちになった。
おかげで双六岳の山頂で昼寝しながら待っていてくれたという、Woodyさん(前日に鏡平泊)にも会うことができた。再び双六小屋に戻り、小屋でまたお茶を買おうとしたら既に売り切れ。新たにジュースなど数種類が冷蔵庫に並んでいた。しかし、残念ながらどれも冷えていない。さっき荷揚げしたばかりのものだから当然だ。それでも客は次から次に買っていく。仕様がないので、小生もぬる~いオレンジジュースで喉の渇きを癒した。

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新穂高温泉までは松本からバスで2時間余。西側の高山からも同じく2時間程かかるので、この辺りは鉄道から最も遠い場所にある。個人的には、松本から高山まで、スイスにあるような本格的な山岳鉄道を通して欲しいものだと密かに願っている。勿論、支線として新穂高温泉と上高地にも繋げて、新穂高温泉や上高地界隈は自動車の乗り入れ禁止エリアにしていただく。車両は、松本電鉄の様な長閑な各駅停車の普通列車だけでなく、氷河特急のような、食堂車付きの豪華な観光列車も走らせて欲しい。ちなみに氷河特急をサンモリッツからツェルマットまで乗ると、約8時間、ファーストクラスで35,900円もするが、それでも世界中から人が集まってくる。話が脱線した。
わさび平小屋は、新穂高温泉から1時間余。足慣らしには少々近過ぎるか、と思っていたが、陽気のせいか、それとも道中日差しを遮るところが少ないせいか、暑くて堪らない。たっぷり汗をかかされ、もうこれ以上は歩きたくないな、と思い始めた頃に小屋が姿を現した。やっぱり山小屋はオアシスだ。
丁度、河童橋から歩いて明神館に着いたような感じ。小屋の脇には、豊富な水を引き込んで、リンゴやオレンジ、スイカ等が冷やされている。なかなか美味そうだが、所詮、ビールには敵わない。ともかく、暑くて何もする気が起こらないし、日影から出られない。早速、受付を済ませたら冷たい缶ビール(レギュラーサイズ500円)で乾杯。は~しみる~。 
ひと息ついたら、荷物を部屋に入れる。濡れたものは乾燥室へ(ここの乾燥室はとても強力)。我々の部屋は2階の一番奥(小屋の正面から見て一番手前の右側)。布団は12人分。我々以外に3人居たので、まずまずの混み具合。整理が終わったら、酒とつまみを持って再び外のベンチへ。ワインと日本酒をちびちびやりながら、空き具合を見計らって風呂場に向かう。そう、ここには風呂がある。温泉ではないが、ちゃんとした設備が整っているので、最早、山小屋の風呂ではない。
風呂から上がれば、そろそろ夕食。それなりに宿泊者が多いせいで、夕食は2ラウンドで、我々は1ラウンド目。広くて明るい食堂に集まる。壁に飾られている山の写真は、おそらくこの小屋のオーナーで、山岳写真家の小池潜の作品だろう。なかなか料理も豪華。山小屋として最上級だろう。明日からの英気も、これで養える。
翌朝、ややガスが出ているが、時折星空も姿を現すので、まずまずの天気。朝食も、夕食並みに豪華なものだ。小鉢には、こも豆腐が入っていた。ここが岐阜県高山市であることを思い出した(山の記録はこちら)。

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両神山は、公共交通機関の便から考えると、1泊しないと登るのが少々難しい山なので、これまで2回しか登ったことが無い。今回は、未だトレースしたことが無い、梵天尾根に行ってみようという企画。登りに梵天尾根を使うとなると、清滝小屋までが長いので、2日目の下りに使うことにした。1日目の日向大谷から清滝小屋までが少々楽ちんだが、そんな登り方も偶には良かろうと判断。
結果的に、1日目は予想外にシトシト雨だったので、丁度良いアプローチとなった(山の記録はこちら)。スタート点の日向大谷には、民宿「両神山荘」が昔と変わらぬ佇まい。宿の貼紙には、缶ビールレギュラー缶が400円と書いてあって、朝から目の毒。しかし良く見ると、ビールロング缶も、発泡酒も同じ値段の400円。なんと大雑把な価格設定なのだろうか。これであえて、発泡酒を求める客がいるのだろうか、気になる。さらに、注意書きには「何が有りましても責任は負いかねますのでご了承ください」とあって、突っ込みどころ満載。今度、機会をつくって泊ってみたい。話が逸れた。
清滝小屋は11年ぶり(前回はこちら)の訪問。11年前は両神村(現在は小鹿野町と合併)が運営する有人の小屋だったが、経費節減のためか、それとも宿泊客が少なくなったのか、現在は無人の避難小屋となっている。ログハウス造の母屋は1階のみ開放されていて、2階は利用できない。
屋根続きの別棟(管理棟)にも鍵が掛かっている状態。ちょっと離れた旧館は、以前、食堂(前回、停まったときには、うどん粉がたっぷり入ったカレーライスを喰った覚えあり)として使われていた筈だが、やはり閉鎖されている。利用できるのが母屋の1階だけとは云え、スペース的に避難小屋としては無類の大きさ。1階に入ると、先客はゼロ。意外と云えば意外だが、今日の天候からすれば止むを得ないところだ。ちょっと離れたところに、水場(炊事場)と水洗式トイレもある。テントサイトは旧館の裏。行ってみると、2張あった。
そうこうしているうちに、単独行氏が到着。訊けばここは4回目とのこと。寝具は持参しておらず、手慣れた様子で棚に積まれた毛布などを敷いている(我々は寝袋持参なので使用せず)。
濡れた衣類を干したら、ちょっと酒とつまみでまったり(なんとこのちゃんはビールロング缶2本を背負って来ていた)。その後、パスタ主体の夕食。ここは水が比較的豊富なので、パスタの茹で汁に支障はない。たらふく食って、ワインを呑んだら忽ち眠くなって、随分早いが就寝。夜になる少々冷えて来るものの、シュラフカバーを持って来なかったこのちゃんは、シュラフカバー2重だけでぐっすりできたようだ。
翌日はすっかり雨も上がり、陽が差している。朝食は、メンマとチャーシューと卵がのったマルタイラーメン。単独行氏はピストンのようで、荷物を置いたまま早々に出発。さてこちらも、張り切って両神山を登ろう。

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金峰山小屋の朝食は朝粥だった。酒を呑んだあとの胃袋には、大変うれしい。小生は毎朝、粥でもいいくらいである。さらさらとして粘り気が無いので、炊き粥(いわゆる生米から炊いたもの)だろうか。それとも昨日の残り飯を上手に炊いたのだろうか。漬物や佃煮が数種類並んでいてどれも粥にぴったり。何杯でもおかわりが出来そうである。小屋の食事は、少人数で給仕するのは大変だが、これならば手間も最小限。なかなか考えたスタイルだと感じ入った。何処の小屋でも、朝は粥にしたら如何だろうか。
朝食後、さっさと出発。今日は結構、風が強いようだ。でも、バス停までは危ないところは無いので楽チン下山。途中、富士見平小屋はかなりの賑わい。今日はそこそこ天気は良いが、まだ梅雨の真っ只中。雨覚悟でこんなに人がやってくるとは思えない。数日前の天気予報を見て急きょやってきたのだろうか。(常にプランが立て込んでいる)我々にはできない芸当である。
増富側の登山口である瑞牆山荘には、思ったより早く着いた。バス停には若者数人が待っていた。10時15分のバスに乗る予定なので、約1時間半、たっぷり時間がある。ここは学生時代、クラスの仲間を連れて泊まりにやってきたことがある。ここから金峰山と瑞牆山を往復した。その頃は部屋にテレビもない素朴な山荘だったが、現在は思いの外、重厚な雰囲気になっている。
ビールが呑みたいなと中へ入ると、山荘に併設されたカフェ&レストラン・モンターニュ(Montagne)は営業していない様子。それでも女子連が自称「おばさんパワー」を発揮してくれて、山荘の女将(?)さんに直談判、外のテラス席だったらビールが呑めるとの回答を得た。
さっそくテーブルを陣取り、生ビールを受け取る。まだ午前9時だが、ひと仕事終えたのでへっちゃらである。周囲を白樺の林に囲まれているので、かなり牧歌的雰囲気に包まれた山荘。山から下りてビールを呑むには最高のシチュエーションである。
10時15のバスの前に、9時3分発のバスがあるのだが、季節運行で今は運休のはずだと、のんびり構えていたら、9時にバスがやってきた。早速、渉外担当(このちゃん)がバス運転手に確認。すると、増富鉱泉と瑞牆山荘の間が冬季運休で、通常は瑞牆山荘まで運行するとのこと。なんだか紛らわしい表記だったが、運行するならば乗るしかない。ビールを持ったまま、慌ててバスに飛び乗る。優雅な時間が突然打ち切りになってやや残念だった。

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157 瑞牆山荘のテラスで。

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表参道と金峰山小屋の組み合わせという、我ながら良いプランを思い付いたのは、昨今、栄和交通の乗合タクシーの定期便が大弛峠まで通うようになり、しかもアコウ平で途中下車して表参道を登ったと云う、ネット記事を見た時のこと。それまで、何かと評判が良い金峰山小屋に、一度泊まってみたいと暫く前から思っていたので、これは丁度良いと密かに考え、実行に移すタイミングを見計らっていたという訳。健脚だったら、表参道を登って、そのまま大弛峠へ下り乗合タクシーでその日のうちに帰ることはできるだろうが、我々はその晩はのんびり小屋で過ごし、翌日は下るだけと云う、2日間合わせても6時間余しか歩かない超贅沢プラン。たまにはこんな登り方も良い(山の記録はこちら)。
結果として、表参道は金峰山の登路としては、白眉だと感じた。特に、鶏冠岩から見上げる五丈岩は、否が応にも登高意欲をかき立てる。荒川の渡渉から、標高差800mの直線的なルートは登り応えも十分だ。これほど気持ちが良いルートが何故、これまで埋もれていたのだろうか、と訝しく思ってしまう。
尤も、我々が辿った表参道は、全体のほんの一部分に過ぎない。昇仙峡のすぐ北側にある金櫻神社から本宮である金峰山山頂までが本来の表参道だ。この金櫻神社の由緒は、日本武尊が社殿の造営を命じたというから、相当古い。蔵王権現信仰の対象となってからも、既に千三百年が経過している。
機会があれば(それにアドレナリン分泌が豊富であれば)、昔の修験道よろしく、金櫻神社から金峰山を目指して歩いてみたい。たぶん、途中で泊まる必要があるだろうけど、それはやっぱり御室小屋あたりか。現在、表参道は途中、林道開発等で往年のルートが寸断されているとの由。そこでこの際、甲府市に申し上げたいのだが、市として、このいにしえの表参道を完全復活させ、もちろん御室小屋も復活させ(この頃、旧御室小屋をあえて解体したのは、そのつもりと解釈していいかな)、少々ハイグレードな遍路として、国内外にアピールしたら如何だろうか。上手くすれば海外でも噂になり、熊野古道と並び称されるようになり、ゆくゆくは世界遺産になるかも知れない。
金峰山小屋まで下ったら、外のベンチでビールを呑みながら暫しまったり。この小屋は定員60名。訊けば、今宵は満員だそうである。今日は偶々良い天気だが、本来は梅雨の真っ只中、こんな季節でも満員とは恐れ入る。日が陰ったら小屋の中に入り、食堂兼談話室で呑みの続き。
真っ黒い塊が床に置いてあると思ったら、この小屋の番犬(ラブラドールレトリバー、「ゆずひこ」という名前らしい)だった。まったく気配を消している。そのうち団体が到着し、みなさん、犬とは気が付かずに靴が当たったり、ストックでうっかり小突いても、ピクリともしないで寝ている。堂々たるものだ。
そのうち夕食。名物(?)のワイン付きチキンソテーをいただく。表面はパリッとしていて、味もしっかり浸みこんだモモ肉は結構ジューシー。噂だけのことはある。ワインがついているだけでも、優雅な気分。これで1泊2食付き8,500円は、とてもお得だ。食後、また外へ出て、夕暮れを眺めながらのちびちびやる酒もまた格別。消灯時間(20時30分)にはだいぶ早いが、暗くなったら寝床へ入り、忽ち爆睡した。 

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029 気分は最高潮。

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三ツ峠山には何かにつけ足を運んでいるが、小屋には泊まったことが無かった。山頂直下にある四季楽園の前は何度も通過しているので、いつかは泊まってみようと思い続けているうちに、もう30年以上経過してしまった。今年は富士山を眺める山旅ばかり企画したので、その締めくくりにはここ、三ツ峠山から見るモルゲンロートが相応しかろうと、計画を立てた。
ところが、なおちゃんが四季楽園に問い合わせた情報によれば、笹子側にはトレースが無いとのこと。元々、笹子側から大沢山、清八峠を経由してやって来る腹積もりだったのだが少々当てが外れた。もとより、ラッセルでルートを切り開こうなどと云う気概は持ち合わせていない。ならば素直に最短ルートから登ろう。ところがところが、我々の計画に合わせて春の嵐がやってくるとの天気予報だ。嵐が吹き荒れる中を歩くのは流石に嬉しくない。
天気予報の精度が上がっていくうちに、荒れた天気のピークは夜半頃のようなので、登下降には問題無さそうと判り安堵する。もっとも、三ツ峠登山口からの往復であれば、多少、風が吹いても大丈夫だろう。
登り2時間ほどで、特にアイゼンの助けも借りずに山頂到着。河口湖駅を出た頃はまだ富士山が見えていたが、今は裾野しか見えていない。まあ仕方がない。早く小屋に入ってのんびりしよう。
小屋と云っても、ジープで上がって来られるせいか、なにかと設備は充実している。トイレは水洗(バイオトイレ)だし、電気も普通に使える。食堂にはテレビがあるが、NHK-BSの映りは悪い。直ぐ目の前にNHKの中継塔が建っているのに不思議である。我々の部屋は、東側の角部屋で二間続き。この小屋で一番の部屋だろうが、それもそのはず、泊まり客は我々だけ。気兼ねなく、日本酒やワイン、食べ切れない程のつまみを広げて大いに寛ぐ。
予報通り、朝方までかなりの風雨だったようだが、出発する頃は小降りで、風も殆ど止んだ状態。気温はだいぶ高い。そのせいで、昨日は登山道にたっぷりあった雪が雨で流され、部分的にカチカチの氷が剥き出し状態。アイゼンの助けを借りる。それでも登山口には1時間ほどで到着。1日の歩行時間が1時間とは、これまでの最短記録かも知れない。こんな山も偶には良い。
残念ながら今回、富士山のモルゲンロートは見られなかったが、ここは僅か2時間で登って来られる小屋、またいつの日にか好天を狙ってやってきたい。

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針ノ木小屋を出た後、結局一日中雨に降られ、ぐっしょり濡れネズミ状態で、種池山荘によたよた到着(山の記録はこちら)。朝から展望は全くなかったが、種池山荘に着く頃にはガスが切れ始め、爺ヶ岳も見え出した。今日は散々だったが(途中でねん挫した、くまちゃんがひときわ散々)、天候回復の兆しが見えたのは嬉しい。できればもう半日早くなって欲しかったところだが、まあ、それも皆(含、小生)のこの頃の行いが、いまひとつだったせいだろうか。さすがに北アルプスの稜線は、雨が降っても楽しめるとは俄かに言い難い。
ここ、種池山荘は昨年も泊まった。これでここ5年間で3回目になる。我々の部屋は3階東側の大部屋。それでも布団は1枚に1人ずつなので助かる。雨具を乾燥室に吊るし、着替えも済ませさっぱりしたところでも、時間はまだ2時前。さて一杯やるかー、と喫茶室へ。ここの喫茶室はなかなか良い雰囲気。天気さえよければ窓から蓮華岳、針ノ木岳が良く見える。
まずはビールを呑まないと、何も始まらない。ここも生ビールは1杯1,000円だが、全く躊躇せずにオーダー。受付の若い女性従業員にお金を渡すと、その引き換えに「この札を外の者に渡して下さい」と云われる(毎度そうなので、疑問は持たない)。サンダルを履いて、小屋の外からアクセスする窓口に行き、札を渡して、ジョッキにビールが注がれるのをじっと待つ。若い男性従業員から「お待たせしました!」とジョッキを渡され、それを握ったまま喫茶室に戻り、グビッとやる。ふー。一方、のんちゃん、なおちゃんの場合は、若い男性が喫茶室までビールを出前してくれた。何故、扱いが違うのかね?
この小屋の顧客満足度としては、北アルプスでも上位にランクされるとは思うが、あえて、難を云えば、トイレが全て和式であること。膝を痛めた者には苦行を強いられる。何とか改善をお願いしたい。出来れば、バイオトイレにしてくれるともっと有難い。とは云うものの、この次ここへ来るのはどんな機会だろうか。

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今年の夏山合宿は、5年ぶりの針ノ木小屋。前回は小屋から針ノ木大雪渓を下ったのだが、今回は登り。生憎のガスで、視界は数十メートル程度。下りてくる登山者が、雨交じりのガスの中から忽然と現れる。大変涼しくて良いが、眺望が一切無く、気分を癒してくれる高山植物も見えないので、只、黙々と登るしかなかったのはやや残念。
なんとか針ノ木小屋に辿り着き、そのままの勢いで蓮華岳を往復して、また小屋に戻ってきたのが午後4時。我々の部屋は個室ではないが、9人で実質的に貸切状態。これで心おきなく酒が呑めると云うもの。この小屋は大部屋スタイルではないので、パーティの人数に応じて部屋割してくれる。それができるのも、宿泊者が意外に少ないと云うことか。実際、我々の部屋の西側(部屋と云うよりは、広い通路と云う感じ)と、北側の小部屋には誰もやってこない。隊長が小屋番に聞いたところによれば、昨今、お盆の頃はこんなものらしい。
濡れたものを乾燥室に入れ、落ち着いたら、先ずビール。フロントで小屋番に注文すると、ジョッキに注がれたエビス生ビールを渡される。1,000円と高額ではあるが、背に腹は代えられない。歩いた後にビールを呑むことは、小生とって業と云っても良い。部屋に戻り、乾杯。生憎の陽気なので部屋呑みだが、晴れていれば窓から外の景色も見えるはず。
まあそんなことはともかく、宴会開始。今日はワイン4本と日本酒1本が勢揃い。つまみはちょっと食べ切れないほどが並んだ。ここは標高2,536mある。一般に、標高が高いと酔うのが早いと云うが、本当にそうなのかは良く判っていないようである。少なくとも学術的根拠は見つかっていないらしい。酒に酔うのはエチルアルコールの血中濃度に左右されるが、標高が高くて酔ったような気分(酒酔いとは別)になるのは、血中酸素濃度の低下によるもの。つまり全く別物なのだが、両方に敏感な人は、なんとなく相乗効果か何かで酒酔いが早くなったように感じる(あるいは錯覚する)らしい。小生は、どうも両方に鈍感の様なので、気にせず、がぶがぶやる。
夜半から強くなった雨の音に何度か目を覚ます。出発時にこの調子だったら明日は停滞かな、と思いつつ、うとうと。果たして、出発時間になっても雨は止まなかったが、小降りになった頃合いを見計らい意を決して出発、結局、降ったり止んだりの一日だった。

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針ノ木小屋のHP: こちら 

北陸新幹線で富山に入り、電車、ケーブルカー、バスを乗り継いで室堂に入ったのは11時過ぎ。やはり信濃大町側から入るのに比べればだいぶ早い。今日は雷鳥沢ヒュッテ泊まりなので、室堂界隈でのんびりしているだけでも良いのだが、せっかく抜群の天気なので、滅多に行くことが無い(小生も今回が初めて)龍王岳に登ってみた。薬師岳へとつながるダイヤモンドコースの縦走路から、ちょっとだけ外れているため、思いの外、静かな山を楽しめる。
かなり満足したあと、浄土山経由で室堂に戻る。もう今日は終わったような気になったので、自動販売機からゲットした缶ビールで喉を潤す。ところが記憶はいい加減なもので、今宵の宿、雷鳥沢ヒュッテまでは基本的に下るだけ、と思っていたら、意外に登りがあることに気が付いた。たった1杯の缶ビールでも、結構足に来る。せっかく呑んだビールが全て汗となって抜けた頃、雷鳥沢ヒュッテに到着。
山小屋にしては斬新的な建物、厚切りの板わさのような形のヒュッテも、近づいてみると老朽化が目立つ。長年、冬季の10mを超える積雪と季節風に耐えてきたことを如実に物語っている。右に回り込んで入口へ入る。テラスでは、ビールを呑んで良い調子の方々がいる。テラス席をもっと広げれば、スイス・ツェルマットのCaféもかくや(行ったことないけど、妄想)という感じになるのに勿体ない。我々もチェックインを済ませたら、負けじと生ビール(700円)を注文、ロビーのソファーでお疲れさん乾杯。ふ~生き返るね。
我々の居所は大部屋だが、堂々と一人で布団に寝られる待遇。窓の外には立山連峰が、傾きかけた陽に照らされて輝いて見える。全く問題ない、豪勢なものだ。風呂はかなり混んでいるとの情報だったが、行ってみると洗い場が塞がっているだけだったので、なんとか湯船の湯を使って汗を流す。
風呂から上がったら、酒とつまみを取り出して暫し宴会。未だ陽が残っていて、窓の外の景色を見とれながらちびちびやる。酒を呑みながらの眺めで、これほどの景観には先ずお目にかかれない。今日は、一点の曇りもない一日だった。

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半世紀近い登山歴をもつ兄が、なんと八ヶ岳の硫黄岳も天狗岳も登ったことが無いと云うので、1泊2日で行くことにした。ついでに、小生も泊ったことが無いオーレン小屋を予約し、更に未登の「峰の松目」(2,568m)にも登ることにした。
(1日目)
アプローチはタクシーで茅野から桜平へ(7,200円)。我々のタクシーが戻っていったあと、次々と別のタクシーがやって来る。ジャンボタクシーも来る。少なくとも小生の学生時代には桜平などという登山口は存在していなかった。いつ頃出来たのか定かではないが、主稜線に近いせいか(夏沢峠までコースタイム100分)、かなりの人気登山口になっているようだ。
はっきりしない天気で、霧の様な霧雨の様ななかを、沢沿いに登り始める。沢の水量が多いような気がする。程無く夏沢鉱泉に到着。多くの子連れの登山者が屯している。夏休み最後の思い出作りだろうか。更に登ると、オーレン小屋の発電小屋がある。いわゆる、昨今流行りのマイクロ水力発電。あとで小屋の主に聞いたところ、発電量は8kwあるとのこと。それだけあれば、少なくとも小屋の電灯分ぐらいは十分賄える(談話室にはコンセントもあって、ちゃっかりスマホを充電している奴がいた。小屋も公認か?) だろう。実際には、火災感知器・火災受信機の24時間稼動(押入にも煙感知器があるそうな)、水洗トイレ用浄化槽の運転、そして廊下、トイレ等の24時間照明に使われているようだ。タービン羽根も多少砂利が流水に混じっても破損しないよう、頑丈なものにしているらしい。導入したのは2002年とのこと、八ヶ岳の小屋は総じて環境問題への取り組みに積極的だが、オーレン小屋もかなり先駆的にエコに取り組んでいると思う。小屋の主はベンツより高かった、と言っていたが、きっと国の補助金も貰っているだろう(後で調べると、総事業費は2,200万円)。
11時25分オーレン小屋到着。ここにも子連れのグループが多い。受付を済ませ(1泊2食付き9,000円)、着替えや酒、つまみ等をデポしたら、先ず峰の松目を目指す。雨がパラついてきたので合羽を着装。苔むしたシラビソとコメツガの森を緩やかに登っていくと、鞍部に分岐を示す道標があり尾根道を右にとる。緩やかな登りは次第に傾斜が増し、一部、木登りのように急な部分をクリアしてほぼ平坦な道を暫く進めば、コメツガ・シラビソ林にシャクナゲが入り混じった山頂に到着(12時30分)。聞いていた通り眺めは無いが、八ヶ岳にしては実にひっそりとした頂である。
軽くレーションを食べたら引き返し、次は硫黄岳を目指す。オーレン小屋への分岐の標識を通り過ぎると再び登りに転じ、無心に登っていくと、やがて森林限界を越える。雨は上がったが、どちらを向いても真っ白ガスの中。右手、赤岳鉱泉からの道と合わさった処が赤岩ノ頭(2,656m)だ(13時30分)。二十人くらいの子連れパーティが休憩中だった。中には就学前の子供もいるようだ。硫黄岳はもう目の前。登る程にガスが切れ始め、次第に赤岳や阿弥陀岳が見え隠れするようになる。子供連れ大パーティは、硫黄岳山荘が今日の宿泊地らしい。硫黄岳は山頂を示す標識と三角点は随分離れている。三角点(2,760m)はだだっ広い山頂の東の端にあって、そこまで行くには断崖絶壁になっている火口の縁を通らなくてはならず、危険だからと行政が判断したのかも知れない。とにかくほぼ平坦で広いので余り違いは無い。
これ以上ガスは晴れそうにないので下山、夏沢峠までの間、登ってくる登山客と結構すれ違う。皆、硫黄岳山荘を目指しているようだ。夏沢峠はガスの中。やまびこ荘は営業中だが、ヒュッテ夏沢は、この時期でも雨戸が閉まっている。小型風力発電機がズラリと並んでいるが、ピクリとも動かない。ゆるゆると涸れ沢のような道を下っていくと、オーレン小屋に戻る(15時10分)。汗が引かないうちにさっそく缶ビール。小屋の前で子連れパーティが遊んでいるが、やがて赤岩ノ頭と峰の松目との鞍部に向かっていった。やはり硫黄岳山荘が宿泊場所なのかも知れないが、16時近くになって漸く登り始めるとは、随分と呑気ではないのか。雨がパラついてきたので、小屋の談話室に移動する。薪ストーブがガンガン焚かれている。小屋の主が約30分に1回、薪をくべに来て、周囲の登山者たちと一頻り話してから去っていく。11月3日で小屋を閉める訳は、主曰く「いくらストーブを焚いても暖かくならない」ほど寒くなるから、とのことだった。あと僅か2か月先のことだ。16時半頃、モンベルツアー(女性のみ対象?)の一団が雨をついて到着。ツアーにしては、ごゆっくりな行程だ。それにしてもこの小屋は女性客の割合が高い。7:3ぐらいだろうか。女性に人気な理由はいろいろありそうだが、やはりトイレ・洗面所が綺麗で男女別になっているところか。
17時30分に夕食。云わずと知れた桜鍋。肉はとても柔らかく、量も十分ある。これに蕎麦と天麩羅も付いているのだから豪勢だ。旅館の食事処のように、各テーブル(座卓)に、予約した人の名前が掲げられているところも細やかなサービスと云えよう。再び談話室に戻り、どちらも北海道出身という若者2人パーティと暫し歓談。就寝20時。夜半に激しい雨の音で眼が覚める。
(2日目)
4時30分起床。気温は10℃、フリースジャケットを着る程寒くは無い。外は雨は止んでおり曇のようだが、峰の松目が良く見えているのでガスはそれ程低くないようだ。5時20分過ぎに朝食。昨日とテーブル(椅子席)が違っている。小屋のスタッフも厨房で同時に朝食をとっている。さっさと食事を済ませ、支度をして5時50分出発。直接、根石岳へのルートをとっても良いのだが、一応、夏沢峠経由で登ることにする。樹林帯を抜け、根石岳の登りにかかると、辺りのガスは急に切れ始め、視界が開けて行く。先行していたモンベル・女子ツアーを追い越す。7時15分根石岳到着。ここからから東天狗岳までは指呼の距離。左手を仰ぐと、遠くに南アルプスや中央アルプス、御嶽山が良く見える。北岳の右側には塩見岳も顔を覗かしている。天気は急速に回復しているものの、むしろ南八ヶ岳の方がガスがとれるのが遅い。
7時40分東天狗岳到着。北海道ペアに追い付く。ここから、西天狗岳(2,646m)を往復する。彼ら二人は稲子湯に下山すると云う。モンベル・女子ツアーは東天狗岳で大休止、西天狗岳に行くつもりは無さそうだ。8時00分西天狗岳に着くと、南八ヶ岳のガスもすっかりとれていた。蓼科山はまだガスの中、北側の回復が遅いようだ。東天狗岳に戻ったら、天狗の奥庭を経由して黒百合ヒュッテに下る。昔乍らの佇まい。コーヒーでも飲みたいところだが先を急ぐ。11時15分渋の湯到着。茅野行バスは11時30分発なので、バスは諦めタクシーを呼ぶことにして、ゆったりと久しぶりに渋御殿湯に浸かった。

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オーレン小屋のHP: こちら 

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