山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

ホテルダイニング

ホテルのチェックイン時にドリンクのタダ券をもらっていたので、最後の晩(金曜日の晩)に同行者とホテルラウンジでビールを呑むことにした。「A2Z」、すなわち「すべて」という名前の店。ラウンジと云っても外を眺められるような窓はない(それに、眺めるに値するような景色も無い)。ドアも含め、全面ガラス張りになっているので、通路から先客がひと組(2人)だけあることが良く判る。カウンター内には、立派な体格(≒断面積が大きい)をした黒人おねえちゃんがひとり、座り込んでスマホに熱中している。
ここは月曜日から木曜日までコックがいて食事が摂れるのだが、金曜日は単に呑むだけの場所になるとのこと。先客もちびちびビールを呑んでいるご様子。どうやらアメリカ人では無さそう。
おねえちゃんにタダ券を差し出すと、銘柄は何が欲しいのか、と訊いてきた(らしい)。何があるのか尋ねると、4種類ぐらいをべらべらっと並べたが、とにかく早口だししかも訛っていて殆ど聞き取れない(どう訛っているのか、曰く云い難いが、とにかく判り難い)。結局、彼女の後ろに並んでいるビールサーバーに描かれた文字とシンボルマークを読み解き、「バドライト」を注文。同行者は、既にお馴染「シャイナーボック」を注文。
ここでもやっぱり、ビールは、全然、泡を立てないで、グラスの縁近くまで注がれた状態で出て来る。おやおや、と思ってしまうが、考えてみると、泡のキャップを作って出すやり方は、確かに世界共通ではない。日本でこの状態で出て来ると、泡が無いじゃないかと怒るか、すりきりまでビールが入っているので喜ぶかビミョーだが、たぶん前者の反応を示すのが一般的。なんとなく、美味そうに見えない。泡に対する日本のこだわりは、やはりドイツの影響が強いように思われる。
「バドライト」はアメリカのスタンダードビールだが、他のクラフトビールと較べると余りに没個性的と感じてしまう。不味くはないんだけど・・・。

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泊まりは飽きもせず、万平ホテル。基本的にクラシックホテル好きなので、例えば三笠ホテルでも復活しない限り、軽井沢では他に代替は見つからない。今回泊まった部屋は偶然、昨年と同じ128号室。部屋へ案内してくれるベルマンはたいてい、ここはジョン・レノンのお気に入りの部屋でした、と教えてくれる。ホテルのHPによれば、1976年から1979までの4シーズン、ここに泊まったらしい。小生はその頃、少々の受験勉強と、気儘な大学生活に埋没していた。大学生の頃は、軽井沢に近寄ることもしなかった。
この頃すっかり、万平ホテルは片泊まりの宿となってしまった。もちろん、メインダイニングで食べるディナーも悪かろう筈もないし、別館にある「たん熊北店」の和食だって申し分ないけど、軽井沢には色々と気になるレストランがあるので、しばらくは止むを得ないところ。
一方、朝食は、やはりここのメインダイニングで食べるのが常態化している。「熊魚菴」の和食(特に朝粥)も捨て難いが、メインダイニングから見る中庭は、朝の風景としてとても気持ちが良い。本来のメインダイニングルームはもうひとつある窓の更に内側の部屋であり、毎度、我々が朝食をとるスペースは、庭に向かって張り出した、かつてのサンルームだったところだ。事実、屋根の一部は天窓になっている。そう云えば以前、フレンチディナーの場合には、ここのスペースは使われず、中華料理を食するためのスペースになっていたような気がするが、記憶違いだろうか。
朝食は7時からなのだが、それより早めに行ってもたいてい開いているし、何組かのせっかちな宿泊客は既に食事中だ。いつものように、信濃毎日新聞の朝刊を持って席へ。社会面には昨日(7月3日)、2年ぶりに雨飾山の小谷口の山開きが行われたとの記事。昨年が通行止めだったとは知らなかった。もう雨飾山には20年以上登っていない。1泊では難しい山だが、そろそろまた登ってみるか。今日の朝食は、オムレツとソーセージの組み合わせにした。トマトケチャップをたっぷりかけていただく。コーヒーは久しぶりにおかわり。こんなにもゆったりとした朝食は、ここ以外では難しい。従ってこれからも、ディナーはホテルの外だとしても、やっぱり朝食はここになるはずだ。

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アドベンチャーワールドから今宵の宿、「コガノイ・ベイ・ホテル」までは車で15分。岬の高台に建っているので、眺望は抜群に良い。ホテルの正面からは、南紀白浜空港の滑走路進入灯が、目の高さよりも上に見える。ここ白浜は、なにかとコンパクトに固まっているので、何処へ行くにも利便性が良い。
客室は9階。西洋式の城の様な、バブリー的建造物「ホテル川久」も目の前。海岸線が複雑に入り組んでいるので、どの辺りが紀伊半島の本体なのか、俄かに判別しにくい。それにしてもまさしく風光明媚。この眺めだけで、このホテルに泊まる価値があるだろう。
陽が傾き、腹が減ってきたら1階のメインダイニング「コンカドーロ」へ。客は随分少ないが、まだ時間が早いせいかも知れない(ビュッフェスタイルの朝食時には、結構客がいた)。料理は創作フレンチ懐石とのこと。其々の献立には、抽象的な言葉と、使った食材が書かれているだけで、料理名は判らない。
飲み物は、最初にスパークリングワイン。その後のワインはフルボトルにはせず、飲み比べセットにしてみた。
先ず始めに出てきた料理は、「紅のプランター」という。食材はサーモン、生クリーム、野菜。ウェイターが、料理の説明をしてくれたが、まったく覚えていない。とにかくぱっと見、サーモンのオードブル。プランターに見立てたサーモンの上に、野菜が育っているイメージを思い浮かべて欲しいらしい。面白い趣向だが、毎度これじゃ疲れてきそう。
次に出てきたのは、さつま芋のポタージュスープ。題名は「甘い収穫」、ふむ、もうひと捻りが欲しいね。
その次は「閉じ込める」と題した、ホタテときのこのパイ生地包み。かなり即物的なお題。もうちょっと想像力を掻き立てる題名にした方がよくないかな。
魚系料理として鯛のライスペーパー包みは、「透ける旬」。・・・疲れてきたのかな。
ソフトシェルクラブのフリットは「マングローブ」。えー、なんでかな。まさかマングローブ林に棲んでいるカニじゃないだろうね。
最後の肉は、牛肉グリルのかぼちゃソース掛けで「畑に育ち」ときた。はあ。
どれこもれも、味はまずまずなのだが、なんでこんなイージーな名前にしたのか悩んだりして、関心が違う方向に行ってしまいがち、だんだん疲れてくる。でも、普段目にすることがないディナーを食べた気にはなる。
そうこうしているうちに、外はとっぷりと日が暮れた。下の庭を見るとLEDで奇麗にデコレーションされている。これも、日頃見慣れない風景。これも含め、様々な非日常性を体験できるところが、このホテルの魅力と云えるかもしれない。

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ホテルや旅館に泊まる場合、朝食はたいてい付いているのが普通。この頃のビジネスホテルも、あえて素泊まりにしなければ、多くの場合朝食が付いてくる。そして、これもこの頃だが、ビュッフェ(バイキング)形式が標準的になってきている。それは海外のホテルでもほぼ同様。一方、ここ万平ホテルのメインダイニングは、クラシックホテルらしく、昔も今も、アメリカンブレックファーストのスタイルを守り続けている。他のクラシックホテル、例えば箱根の宮ノ下富士屋ホテルや、日光金谷ホテルも同様だったように思う。
選択できるものは、ジュース、ホットドリンク、玉子の調理法、そして肉加工品(シャルキュトリ)の種類である。他に、トースト、サラダがついている。トーストに塗るジャムは、このホテルのオリジナル。全体として、特に味がどうこう云うものでもないが(他の人はどうか判らないが、スクランブルエッグやオムレツの味に感動したことなんて、生まれてこのかた多分無いなあ)、この頑なさは悪くない。クラシックホテルは、時代に媚びない方が宜しい。でも、このメインダイニングでの朝食の、何が一番良いかと云えば、やはりここの庭だと思う。
旧軽井沢をぶらぶらしてみると気が付くことだが、広大な敷地を持つ別荘地は、完璧に草取りが為されているところは殆ど無い。むしろ、なすがままという感じの方が多い。但し、散策するのに邪魔になるほど生い茂っているという例も少なそうに見える。つまり程々に雑草が生えているという感じ。それも、全て雑草と云う訳でもなく、庭木や草花も適度に入り混じって、全体としてバランスしているような印象を与えている。
ここ、万平ホテルの庭も、同じような効果を狙っているように思える。勿論、ちゃんと手入れはされているのだろうが、どれが植え付けた草花なのか、俄かに判じ難い程度に雑草が生い茂っている。これが何とも云えない妙味を醸し出しているように見える。この雰囲気に釣られて、また来年もここの朝食を食べに来そうだ。
ところで今回、万平ホテルにやってきて、玄関の正面にあった幾つかの樹木が無くなって、随分とさっぱりしているのに気が付いた。ホテルマンに聞くと、理由は、大型バスが停車できるレーンを新たに造ったためだと云う。以前は、玄関にバスが横付けされると、他の自家用車やタクシーが入って来れなかった。たしかに妥当な理由だとは思うが、建物が随分と日当たり良くなってしまい、軽井沢らしさが薄らいだようで、少々残念だ。

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利尻山に登るには、基本的に前日から利尻島に泊り、山から下りた当日もその足では羽田までは戻れないので、自ずからもう一泊することになる。今回は、二泊とも北国グランドホテルに滞在。見た限りでは、利尻島で最大級のホテルのようだ。最果ての地にあるホテルらしく、部屋にはエアコンが無いが、今日の気温では全く問題ない。一日目の夕食は、さすが北海道、と思わせる海の幸尽し。普通は、こんなにあるともう、ご飯までは辿りつけないのだが、そのご飯がウニ飯とあっては手付かずという訳にはいかない。明らかに食べ過ぎだ。午後9時就寝。
翌朝、午前5時に送迎バス(他に同乗者3名)でホテルを出発し、ほんの5分ほどで登山口の北麓野営場(標高210m)に到着、直ちに登山開始。登り口に靴の裏側を洗う施設がある。外来植物種の持ち込み防止を狙ったもののようだ。我々以外にも十数名の登山者が支度中。台風の影響か、やや湿度が高い感じもするが、時折吹く風は最果ての地らしく冷たい。東京では予想最高気温34℃とか言っているようだが、こちら(稚内の予想気温)は17℃。遠路遥々来た甲斐があったというもの。しばし、針葉樹林に包まれた緩やかな登りを黙々と辿る。直ぐに甘露泉水(日本名水百選)、その先がポン山(標高444m)との分岐。利尻島の地図を見ると、ここに限らず、ポン山がいっぱいある。「ポン」とはアイヌ語で「小さい」という意味とのこと。3日目の観光ツアーの女性ガイドによれば、ポン山は利尻山の寄生火山だったらしい。
6時28分、5合目到着。あたりは背が低いダケカンバの森。標識を見ると、標高610mと書いてある。一方、山頂は1,721mだ。合目のつけ方が良く分からない・・・。5合目だったら、山頂の標高の半分じゃないの? あとで調べてみると、

・3合目甘露泉 270m
・4合目野鳥の森 410m (+140m)
・5合目雷鳥の道標 610m (+200m)
・6合目第1見晴台 760m (+150m)
・7合目胸突き八丁 895m (+135m)
・8合目長官山 1,218m (+323m)
・9合目ここからが正念場 1,400m (+182m)
・山頂(南峰) 1,721m (+321m) 

となっていて、単に標高差ではない。所要時間も加味されているのだろうか。実際、歩いてみた結果、5合目から6合目まで所要時間は26分、6合目から7合目までは21分、7合目から8合目は53分、8合目から9合目は40分だった。9合目から山頂(1,719mの北峰までしか行けない)が、最も大変な感じはするが52分だった。すると時間だけでもなさそうだ・・・。是非、この標識を建てた人に根拠をお尋ねしたい。
6時54分、6合目第1見晴台に到着。残念ながら殆ど眺望は利かないが、沓形港辺りの海だけが見下ろせる。
8時8分、長官山到着。このあたりはすっかりハイマツに覆われている。山頂に立派な石碑が立っているが、ときの北海道庁長官が登頂した記念に建てたらしい。登頂しただけで石碑とは・・・。佐上信一という人はよほどエラかったのだろう。
8時20分、避難小屋到着。ここには十数人が屯している。ここから空身で登ろうとしている人がいる。へばっている人もいるようだ。
小屋を過ぎると、ハイマツの背丈が低くなり、見通しが利くようになる。山頂は見えないが、時折、海岸線が見えて気宇壮大だ。そういえば湯河原の幕山からも海岸線が見えたが(山の記録はこちら)、やはりこちらは格が違う。香港のSharp Peak(Nam She Tsim)を思い出す(山の記録はこちら)。
8時48分、9合目到着。看板に「ここからが正念場」と書いてある。実際、火山弾(丸い小石)が堆積したような場所は、ザラザラでずり落ち易く、非常に歩き難い。
9時40分、山頂到着。休憩時間を入れて4時間35分、まずまずのペース。やはり前後ホテル泊は、リュックサックが軽くて良い。まったくガスの中、ロウソク岩すらも見えないが、気分は悪くない。山頂直下の断崖には様々な高山植物が咲き乱れている。岩にへばり付いて咲いているエゾツツジは、これもツツジなのかと思うほど小さく可憐である。ゆっくり時間を取って、ホテルの弁当(巨大おにぎり2個)をパクつく。
10時5分、下山開始。続々と登ってくる登山客と行き違う。殆どが熟女軍団だが、ある男性登山者が、「リシリヒナゲシ、見ましたよー!」 とホントうれしそうで、興奮気味に(かつ、あれ、何処かでお会いしましたっけ?と思わせるほど親しげに)仰る。この利尻山の固有種らしい。(予習不足で)見たことも聞いたことも無かったので、どれがリシリヒナゲシか判らない。山から下りて、ホテルの売店で花図鑑を見て初めて知った(その後、利尻空港の花壇に植えてあるのに気が付いた)。
9合目を過ぎるとガスが切れ、海岸までの裾野が見渡せるようになる。汽笛が聞こえる、港に入るフェリーだろうか。振り返ると、山頂のガスももう暫くすればとれそうだ。
13時30分、北麓野営場に帰還。下りは膝を痛めないようゆっくり歩いたせいか、結構長く感じた。早速ホテルに迎えを呼ぶ。ホテルに着いたら先ず缶ビールで祝杯。温泉大浴場(「日本最北端の温泉」が謳い文句)で汗を流し、鴛泊集落に唯一あるコンビニ(セイコマート)でつまみと酒を仕入れ、部屋で飲み始める。ふと窓の外を見ると、利尻山が全貌を現していた。惚れ惚れするほど凛々しい姿だ。
18時になったらまた7Fのスカイラウンジで夕食。まさか1日目と同じメニューとは思わなかったが、ガラッと異なる料理だったので安心。2日目はカニ飯が中心だった(恨み節が聞こえてきそうなので、もう多くを語るのはやめておく)。この2日間の摂取カロリーは、利尻山登山での消費カロリーを大幅に上回ったものと思われた。

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DSC_0285 01登山口の野営場

DSC_0294 02海が見える

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DSC_0313 04避難小屋が見えてきた

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DSC_0325 07下界が見えてきた

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DSC_0342 10北峰到着

DSC_0347 11山頂のエゾツツジ

DSC_0358 12雪渓が見える

DSC_0360 13海が青い

DSC_0368 14右が長官山

DSC_0379 15見えそうで見えない山頂

DSC_0398 16ホテルの窓から

 DSC_0402 99釜の中はカニ飯

DSC_0445空港の花壇にあったリシリヒナゲシ

DSC_0458飛行機から利尻山を見下ろす

万平ホテルで朝食をとる場合、和食と洋食で場所が異なり、前者は熊魚菴、後者はメインダイニングとなる。どちらも甲乙つけがたいものの、万平ホテルの雰囲気を味わうには、やはりメインダイニングということになるだろう。残念ながら、熊魚菴では万平ホテルにいることはいま一つ実感し難い。昨今、朝食はビュッフェスタイルというホテルが多いが、ここは相変わらずアメリカンブレックファースト。それも今流行りのパンケーキやエッグ・ベネディクトなどはなく、正統派と言うか、全くのクラシックスタイルである。この頑なさもクラシックホテルの一部と言っていいかも知れない。メインダイニングの装飾、調度品の重厚感は勿論素晴らしいが、晴れの日でも雨の日でも、窓の外に見える庭にはそれなりの風情があって申し分ない味付けとなっている。従って、このメインダイニングの雰囲気があれば、たとえ料理が平凡な味であっても(決して不味い訳ではないが)、それはたいした問題ではないと思わせるに十分である。

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