山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

奥羽本線沿線

3日間で、3つの山を登った充実の山形山旅もこれでおしまい。山に登っていると、一日が特に速く過ぎ去っていく(最近、仕事では一日がなかなか終わらずに難儀する)。「テルメ」でさっぱりした後は山形駅へ戻る。締めは3年前にも入った、駅ビルの中にあって昼呑みもできる貴重な店「澤正宗」にしようと行ってみると、我々が入る直前に丁度満席となってしまい、暫し待たされた。
漸く入店が許されて通された席は、まさしく3年前にも座った4人掛けテーブルだった。さっき「テルメ」で生ビールを呑んでいるので、ここは最初から日本酒。勿論、この店の看板通り「澤正宗」の純米をいただく。いわゆる飽きのこない食中酒系である。
つまみで先ず頼んだのはいかソーメンと、だしかけ豆腐。冷奴の上に「だし」が乗っているのが如何にも山形らしい。「だし」は何となく朝食の際、ご飯に乗せて喰うイメージがあるが、このように積極的に料理の食材としても使うべきだと思った。
次に出てきたのは、えご刺し。上に酢味噌が掛かっている。これは3年前にこの店で初めて食べた料理。食べた瞬間、「これって何処かで食べたことがあるような・・・」と思い続けていたが、今回食べて「おきゅうと」と同じでは?と感じた。以前、銀座に豪快な女将がやっている「博多」という店があって、何度か通ったことがある。そこで初めて「おきゅうと」を喰ったのだった(その後、実際に博多の居酒屋でも喰った)。
違いを調べてみると、まさしくどちらも原料はエゴグサで、「おきゅうと」の方はこれに更にテングサとかが混ぜられているらしい。でもこのプルプル感はやはり似ているのだ。福岡と山形の共通点がこんなところにあるのかと、暫し意外さの余韻に浸った。

222 山形エキナカにある澤正宗で仕上げ。
223 イカソーメン。
224 冷奴に、だし。
225 エゴの刺身は酢味噌で。
226 鶏つくね。
227 このフキの青さよ!
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山形3日目は最終日なので、手軽そうな山形神室岳に登ってみることにした。1日目に登った蔵王山と2日目に登った面白山の、ちょうど間にある山である。単に「神室岳」という名前の山が直ぐ近くの宮城県内にあるので、恐らくはその影響で付いた山名と思われる。
登山口の笹谷峠から往復するのが妥当だ。標高は、笹谷峠で906mに対し山形神室岳が1,343.9m。標高差は400m強しかないけど、途中にある2つのピークを越えて行く必要があるので、それなりに楽しめそうである。
歩き始めから既に森林限界を超えていて、今日もいい天気なので暑くて焼けそう。でも偶に涼しい風が吹き抜けてくれるので何とかなる。丁度芽吹きの時期、やや緑が濃いめになった麓から、まだ芽吹きが始まっていない山頂付近まで、斜面の緑のグラデーションが得も云われぬ美しさで、何度も立ち止まってしまう。一方、山形神室岳山頂は眺望があまり利かず、単に暑いだけなので直ぐに下山することにした。
途中のトンガリ山直下には岩場がある。ロープが張られているだけでなく、ホールドやスタンスは豊富で、フリクションが利くので高度感はそれ程感じさせないが、結構高低差があるので気が抜けない。それでも復路で擦れ違った小学生を含む家族連れはとっとと通過していった。さすが、小学生は身のこなしが柔らかい。彼らに較べれば、我々の動作はまだ発展途上にある二足歩行ロボットのようなものである。
笹谷峠には昼前に下りてきた。下山の途中でなおちゃんが電話してくれたので、到着の直後、タクシーが現れた。タクシー運転手に最寄りの立ちより湯を聞くと、「スーパー銭湯テルメ」を勧められた。また同じかー、と思ったが特段悪い印象は無い。而して、図らずも二日続けて「テルメ」の湯に浸かることとなった。

162 標高906mの笹谷峠からスタート。
164 登り始めから喬木がない。
165 ゆったりした九十九折りの登り。
166 忽ち高度が上がる。
168 ちゃんと手入れされている径。
169 山形の街が朝日連峰の手前に見える。
171 ずっと眺めが良い。
174 ここは眺めが良い。
181 イイ感じの稜線歩き。
184 チラリとドーム状の仙台神室岳。
185 岩場に出た。
186 結構下る。
187 傾斜はそれほどではない。
190 岩場がだいぶ小さく見えるようになった。
192 意外と眺望ゼロ。
193 山形神室岳がだいぶ近づいた。
194 ブナの芽吹きのグラデーション。
196 もうすぐ山形神室岳。
200 ちょっと早いけど戻りますか。
198 ここも眺めが無い。
201 結構続々と登ってくる。
205 葉が目が良いところでひと休み。
207 ここにもキクザキイチゲ。
208 気持ち良く下る。
209 眼下に岩場。
210 宮城側はびっしりブナ林。
211 山形側もいい色のブナ林。
214 すれ違った人々がトンガリ山に向かっている。
216 稜線歩きは続く。
217 もう大関山は近い。
220 またテルメで。
221 鶏軟骨唐揚げが美味い。

「テルメ」で汗を流してホテルへ戻ったらもう夕食時。今宵は、和食続きでは飽きるだろうとなおちゃんが気を利かせてくれ、ヨコメシの店を予約してくれた。場所は繁華街からだいぶ離れた普通の住宅街にある、「伊・食・旬 Igatta(い・しょく・しゅん・いがった)」というイタリアンレストランである。「Igatta」という、一見イタリア語っぽいけど実は山形弁、がなかなか洒落たネーミングだ。
建物の外観も、和風な屋根と南イタリア風な白壁が融合した造りで、オーナーシェフのこだわりを感じる。店に入るとやはり、テーブル席とカウンター席、小上がり席がある。我々は靴を脱いで小上がり席へ収まった。我々と相前後して客がどやどややってきて、忽ち満席状態。人気の店である。家族連れのグループ客が結構目立つ感じだ。
せっかくのイタリアンだし、生ビールはさっき「テルメ」で呑んできたので、ここはスパークリングワインで乾杯することにした。選んだのは、ポール・メッサー・ブリュット(ボトル2,860円)。軽快で爽やかなスパークリング。
メニューを見ると、ワインの肴に良さそうな料理が並んでいる。カジュアル・イタリアンという感じだ。合わせたのはマダイのカルパッチョ(1,100円)、スモークチキンの唐揚げ(770円)、マッシュルームライスコロッケ(742円/5個)、生ハムジライのもちチーズ春巻(836円/2個)、雲丹クリームのカナッペ(1,189円/5個)、アンチョビと野菜のペペロン(1,199円)、スモークサーモンのシーザーサラダ(979円)、4種のチーズのキッシュ(880円/2個)、牛のたたき(968円)。
当然、ワインが足りなくなり、ロッソ・ピチェーノ・スペリオーレ(4,070円)を追加した。どれも美味かったが、スモークチキンの唐揚げは有りそうで無い料理で大満足。これだけ呑んで喰って、更にデザートまで平らげても一人あたま3,500円。流石に山形はリーズナブルだ。

147 今夜はイタリアン。
148 スパークリングワインで乾杯。
149 飲み易いタイプ。
150 生ハムズワイのもちチーズハル。
151 鮮魚のカルパッチョ。
152 マッシュルームライスコロッケ。
153 スモークチキンの唐揚げ。
154 4種のチーズのキッシュ。
155 スモークサーモンのシーザーサラダ。
156 雲丹クリームのカナッペ。
157 2本目はロッソピチェーノ。
158 アンチョビと野菜のペペロン。
159 牛肉たたき。
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160 お腹いっぱいになりました。
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「庄司屋」でまったりした後、いつもとは順番が逆だけどこれから汗を流しにいく。山形駅周辺にはいくつかの立ちより湯があり、何れも行ったことが無い。最寄りは「スーパー銭湯テルメ」のようなのでそこへ行くことにする。歩いていくにはちょっと遠いので、タクシー2台を呼んで移動。
着いてみると、何となくちょっと古びたパチンコ屋に似た風情だ。何れにしても、昔からあるスーパー銭湯のようである。駐車場にはかなりの車が停まっていて、人気のようだ。でも今日はGWの真っ只中、この界隈に住む人たちは遠くに出かけそうだし、遠くから山形へやって来た人たち(除、我々にような登山客)はこんなスーパー銭湯ではなく(失礼!)、ちゃんとした温泉に行きそうなものだ。やって来た他の客を見る限り、普段着姿のようだからやはり地元客が多いのか。まだコロナ禍の影響だろうか、と気になる。
それはともかく、靴箱に登山靴を収めたら、券売機で640円を支払ってから風呂場へ向かう。脱衣所はそれ程の人はいない。洗い場も、沢山ある湯船もそれなりに客はいるが混み合う程ではない。あの駐車場の車に見合う客はいったい何処に行ったのか。この頃流行りのサウナだろうか(サウナには入らないので未確認)。
確かにここは様々な湯船がある(露天風呂は無い)。何れも温泉ではないようである。電気風呂に入ってみたが、どうもリラックスは出来ないので直ぐに出る。
さっぱりしたら、いつものように食事処(「Bath亭」という店名)へ向かう。ここには、テーブル席と小上がり席が並んでいる。券売機で生ビールを買ったら、小上がり席に座った。仕切りが一切ないので、見通しが良い。グビグビとやっていたら、女湯から三々五々やってくる女子連が見えた。

146 スーパー銭湯テルメで汗を流す。
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2日目も蔵王山と同様、山形県と宮城県の境にある面白山に登ってみた。壮年期の地形らしく稜線は鋭利、谷筋は深く切れ込んでいるので、とても標高が1,264.3mしかない山とは思えない程の風格がある。今日もピーカンのいい天気で、気温も高めだ。
登山口は天童高原キャンプ場。標高は凡そ680m。既に9時過ぎのせいか、結構人が多い。ボーイスカウトのような大集団が山に向かって進んでいった。このキャンプ場は眺めがよく、目の前にまだ真っ白な月山が望める。
最初はほぼ平坦のような径、でも次第に勾配がきつくなっていき、面白山直下は胸を突くようになる。2時間弱で面白山到着。しっかりひと汗かいた。春霞で遠くはよく分からないものの、ほぼ360度の大展望。昨日登った蔵王山は微かに見えている。
あとはまっすぐ下るだけ。仙山線の面白山高原駅まで、休む場所もない程の急降下が続く。面白山高原駅はその名に反して谷底にあった。やってきた電車に乗り、終点の山形駅で下車。時間は既に昼時を過ぎているので、風呂は後回しにして遅めのランチにする。
行った先は、「庄司屋」という人気蕎麦屋。GWのせいもあり、しっかり行列ができていたので覚悟して待つ。我々以外は皆、普通の観光客。凡そ30分後、ようやく順番が回って来て座敷へ案内される。我々はリュックサックを背負っているのでしばしば置き場所が問題になるが、店員が上手く対応してくれた。
座ったら先ずビール(アサヒスーパードライ中瓶、700円)で乾杯。今日は随分待たされた。料理は、天ぷら盛り合わせ(こちらでは天皿と呼ぶ、1,400円)、鴨焼き(990円)、厚焼き玉子(720円)、板わさ(720円)。ビールの後は、男山・つららぎ吟醸生酒(1,050円)、米鶴・純米(1,230円)と、やはり山形の酒をいただく。締めはもり(800円)。機械打ちのようだが、香りもコシもあってなかなか良かった。人気店だけのことはあった。

077 タクシーが帰っていく。
080 初めは緩い登り。
081 フデリンドウ。
082 チゴユリにはちゃんと標識あり。
083 気持ちが良い径。
084 タチツボスミレ。
087 少しだけムラサキヤシオ。
088 オオカメノキ。
089 タムシバ。
092 イワウチワ。
090 眺望の利かない尾根を黙々と登る。
094 あっちは南面白山かな。
095 三沢山に到着。
097 あれが面白山。
101 カタクリ。
103 微かに鳥海山も。
106 東斜面には雪が残っている。
107 ひっそりキクザキイチゲ。
108 最後の登り。
112 山頂標識は面白山大権現。
113 船形山はどれだろう?
117 ということで今日はここでおしまい。
115 道祖神一対。
119 やはり月山が一番目立つ。
123 腰が引けるカモシカ尾根の下り。
128 だいぶ下ってきたが・・・
129 まだまだ下る。
131 新緑にピンク色が映える。
132 急降下は続く。
137 人気の店だししかもGWだし、結構待たされた。
138 喉が渇きました~。
139 板わさ。
140 鴨焼き。
141 天ぷら盛り合わせ。
142 男山のつららぎ。
143 米鶴のまほろば。
144 喉越し良し!DSC00240
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145 ごちそうさまでした。

「伝七」ではそれなりに呑んで喰ったけど、何となく呑み足りない気分だったので、このちゃんが同調してくれたのでもう一軒行くことにした。腹は十分なので酒さえあれば良い。となるとバーとかスナックか。山形のような地方都市に限らず、スナックは何となく入り辛い。そもそも、スナックとかクラブとか、女性が付く店は昔からどうも落ち着かないし、その価値が見出せない。普通、その女性が呑んだ酒代は客がもつことになるが、そんな金を払うなんてまっぴらなのである。
ということでバー。山形にもそれなりに店はあるのだろうが、生憎調べていないので手っ取り早く、ホテルだったらあるだろうと、西口駅前にあるワシントンホテルへ行ってみた。どうやら最上階(24階)にあるらしいので上がってみると、あったのはリッツスイート(Ritz(suite))という店。何故かワシントンホテル直営ではないらしい。でもそんなの関係ない。
入ると、カウンター席とテーブル&ソファー席なのでカウンター席にした。窓越しに、山形の夜景がなかなかきれいである。24階は山形で一番高いビルかも知れないから、ここは山形で一番高いところにあるバーだということだろう。
さて何にしようかとちょっと考えてみるけど、思い付くのはやはりスコッチ。メニューをパラパラとめくれば、アードベッグ10年(1,400円)があった。アードベッグといえば北千住の寿司屋を連想する。つい思い出に浸ったところで、ではそれにしようと注文。丸く削った氷に注がれて出てきた。目の前に置いただけでスモーキーさが伝わってくる。このちゃんはバーテンダーがお勧めのいちごのカクテル(1,200円)。聞いているだけで甘そうである。ベースはなんと山形の酒、米鶴。この店のオリジナルカクテルのようだった。

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073 呑み足りなかったので22階にあるバーで一杯やりました。

山形での逗留はいつもの「東横INN」。山形駅周辺で唯一の「東横INN山形駅西口」は東側の繁華街からはちょっと離れたところにある。別に「東横INN」に義理は無いので、最寄りの何れかのホテルにすれば良かったのかも知れない。ともあれ、チェックインし荷物を置いたら夕食。
以前、アユラシに連れられて入った、山形駅から直ぐの場所にある「伝七」が今宵のディナー場所である。あれからもう7年になる(前回は2016年11月3日のこと)。その時の酒と料理の美味さに魂消たので、もう一度味わってみたいとまたやってきた。
ほぼ開店時間にやって来たのに、既に半分ぐらいは埋まっている。やはりここは一人二人はともかく、それ以上では予約無しには入れないと思われる。我々が料理に箸をつける頃にはもう満席状態だ。ここの料理は、セット料理3,300円一択。足りなければ追加を頼めるらしいが、出てきた料理だけで全然十分、とてもこれ以上は喰えない。
7年前とは季節が違うので、素材が違うし料理も違うはずだが、変わらぬ味。どれも実に美味い(最後に出てきたスープがまたまた美味い)。何故美味いのか、よく分からない。素材の美味さも勿論あるだろうけど、恐らくは味付けが絶妙なのだ、としか云いようがない。
酒は、山形の酒ばかりを注文。福島や新潟、秋田、長野の酒も美味いけど、山形の酒も美味い。個人的には「朝日鷹」が気に入っている。9年前、月山に登る前、天童の蕎麦屋で初めて呑んで虜になった。「山川光男」もお気に入りの酒である。他にも色々呑んだが記憶が飛んで覚えていない。
何から何まで良い居酒屋だけど、玉に瑕なのは、カウンター席を除きここは全て座敷。足首が硬い者にとっては2時間は限界。できれば掘炬燵形式にしてくれると満点である。

065 今宵は来店2回目のここ。DSC00164
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066 いただきます。
067 ピンク色の短冊が山形の酒。
068 料理は3,300円のコース。
069 鯨ベーコンも出てきた。
070 鍋は旬の筍。
071 これがまた美味かった。
072 大満足でした。

積雪期の蔵王山に通い出して、かれこれ7年経っても登頂を果たせず、冬季に天気に恵まれるのは10回に1回ぐらいということは十分認識しているものの、とりあえず天気が安定してくる頃にいっぺん登頂しておくか、と思いGWに登ることにした(山行記録はこちら)。
ところが行ってみると、今年は暖冬で降雪量が少なかったのか、それとも急に気温が上がって雪が早く融けてしまったか分からないが、雪が殆ど残っていない。ロープウェイ山頂駅の目の前にいる地蔵像はすっかり姿を現している。今日は天気も申し分無い。
地蔵岳を経て熊野岳までは1時間弱であっという間だ。登山道脇に建てられたポールは、いっぺんに全部見えている。3年前に視界不良でやむを得ず引き返した場所は、山頂のほんの200mぐらい手前だと分かった。余りに簡単に着いてしまったので、刈田岳まで往復することにした。風だけはそれなりに吹いている。ここは年中、風が止むことはないのだろう。
御釜が見えるようになると、途端にハイカーが増えてくる。普通の観光客姿もうじゃうじゃいる。刈田岳は完全に観光地だ。しかし、天気が良いせいだろうが、曲がりなりにもここは標高1,700m以上ある東北の脊梁山脈。GWだって雪が降る可能性は十分あるから、我々からすれば気が緩み過ぎじゃないの?と映ってしまう。
ともあれ、そんな人の群れからは早く離れたいので、また熊野岳に向かって引き返す。避難小屋まで登り返した後は、熊野岳山頂や地蔵岳山頂はパスして、ロープウェイ駅まで斜面を下る。ここには残雪がたっぷりあるので、初めてアイゼンを取り出して下降した。
避難小屋から1時間ほどでロープウェイ山頂駅に到着。アイゼンを外したらレストハウスへ。入ると、店はやっているのに客は誰もいない。すっかりお茶を引いていた店員はうれしそう。有難く生ビールで登頂を祝した。

005 雪はグズグズ。
006 ちょっと登ればもう山頂。
007 ひと際白い月山の右は葉山、その右遥か奥に鳥海山。
008 朝日連峰。
009 彼方は飯豊連峰。
015 もうハッキリ言って散策気分。
019 冬に見たときはもっと細く見えたけど。
022 微かに仙台市街が見えている。
023 左端は去年登った後烏帽子岳だ。
024 3年前は確かここまで来たはず。
026 あと残り200mぐらいだったか~。
029 いったん下り。
027 月山をバックに記念撮影。
031 御釜。右端手前が刈田岳。
033 観光客で賑わっている。
034 この列は御朱印待ちの人々。
039 復路は山頂はパスして避難小屋へ。
044 月山をバックに。
049 あとは下るだけ。
052 地蔵岳の巻き径はかなり雪が残っていた。
057 ロープウェイ駅に戻る。
058 山頂駅のレストランで。
059 なんと客は我々だけ。
060 喉が渇いたので美味い。

白布温泉に泊まった翌朝、目が覚めて先ず窓の外を見れば空は雲一つないブルー。これでリベンジが出来る、と思えば気分が乗らない訳がない。慌ただしく朝食を摂って身支度してから出発、宿の車でロープウェイ駅まで送って貰う。まだ営業時間前だが、駅には多くのスキーヤーやボーダーが待っている。山ヤもちらほらいる。
ロープウェイで山頂駅まで登ったら次はリフトだが、第3リフトは未だ準備中で暫く待たされる。しかしいい天気だしそれ程寒くも無い。第3リフトを下りたら、徐に歩き出す。気の早い人がラッセルをしてくれるのでとても楽チン。
緩やかな山容の中大巓と凡天岩を越えれば、1時間半ほどで西吾妻山に到着。山頂にはモンスターとは云えない立木が生えているし、余りに広いのでひと目では周りの景色を堪能できない。南の景色を見るには南の端、西の景色は西の端へ寄ってみないといけないのは中々に面倒だ。
程々に満足したところで下りに掛かる。第3リフトまで戻ったらこれで今日はおしまい、後はビールを呑むだけだ、と思っていたらなんと、強風で運転中止とのこと。我々が歩いている分にはそんな風は感じなかったので吃驚。
ともかくそうなったら一択、歩くしかない。誰もいないゲレンデをリフト3本分、勝手気ままに下るとロープウェイの山頂駅に到着し、やれやれとスノーシューを脱ぐ。さて「レストラン白樺」でビールだ、と中へ入ると、ロープウェイも動いていないと聞いて愕然。マジか!? ならばビールを呑んでいる場合ではない、緩んだ気分を引き締め直し、ロープウェイ会社の係員が誘導する車道を下りる。結果、スノーシューで2時間強、車道をツボ足で30分、余計に歩いて漸く湯元駅に着いた。
再び宿の車を呼び、宿に着いたらまた風呂に入らさせて貰い、サッパリしたところでやっとビールで乾杯。今日はビールまでが長かった。それにしても、午前中にロープウェイとリフトが動かなかったら今日もまた敗退していた訳で、危ういところだった。分かっちゃいるつもりだが、この時期の山形の山はハードルが高い。
などと思いに更けながらビールを呑んでいると、宿にはもう既に、今日の客が到着しつつあって、宿の人々も受け入れ準備に慌ただしい。かたや昨日の客である我々は、追い出されることも無く休憩室でゆったりさせて貰っている。「不動閣」はいい宿だ。

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「上杉伯爵邸」でランチを堪能して外へ出ると相変わらず空模様は怪しい。上杉神社に参拝したことが無い人と有る人が分かれ、米沢市上杉博物館で待ち合わせ。既に神社は見ている小生は、何もしないと時間を持て余すので、博物館へ入ってみた(入館料は620円だったか?)。
米沢藩の歴史などが懇切丁寧に紹介されている。ここの設備は随分立派で、金が掛かっているように見受けられる。能舞台も展示(?)されているが、その舞台は何故か水平移動出来るようになっている(移動先には観客席があるらしい)。
外へ出てみると冷たい風が吹いていて、しかも氷雨が落ちてきたのでまた館内に戻ってタクシー待ち。やがてやってきたタクシー2台に分乗して白布温泉へ。向かった先はやはり3年前と同じ「中屋別館不動閣」だ(後で聞くと、宿で送迎してくれたらしい)。玄関脇には、客(幹事)の名前が書かれた札がずらり。巷にCOVID-19が増えてきた割に、意外に予約が入っている。
男子3人が案内された先は奇しくも(っていうか、同じプランなので必然的にそうなるのかも)3年前と同じ、オリンピック風呂の上の部屋だった。ここの座布団は、相撲力士用かと思うくらいデカくて分厚い。荷物を整理したら早速、風呂だ。露天風呂に行ってみると、温好きの小生にとっても随分と温い。さすがに温まらないので、オリンピック風呂へ入り直す。脱衣所と風呂場を仕切る自動ドアは、3年前と同様に(湯気のせい?)で誤作動を起こす。頻繁に壊れるのか、3年前から直していないのかは分からない。
風呂上りに部屋に戻ってビールを楽しんだ後はもう夕食。場所は、前回は他の客を交えた大広間だったが、今日は我々だけの個室だった(朝食も同じ)。これも新型コロナ対策だろうか。

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「沖正宗ブティック」でワイン醸造所の見学と、日本酒及びワインの試飲をしたあとは、そろそろランチタイム。またタクシーを呼んで向かった先は「上杉伯爵邸」。それこそ3年前に西吾妻山を敗退した際、「上杉伯爵邸」に予約無しでは入れないとフラれたことがあったし、アユラシからも「上杉伯爵邸の献膳料理はお勧め」だと聞いていたなおちゃんが、今日の登山中止に伴い早速電話を入れてくれてたので、西吾妻山よりこちらの方が先にリベンジとなった。
着いてみると、玉砂利に導かれて古式ゆかしい建物へと案内される。なかなか立派で、ここを料亭にしたのはいい考えだ。庭木には(上杉鷹山公の胸像ですら)全て雪囲いがなされているが、肝心の雪は欠片もない。決して雪の季節が終わったわけではなく、タクシーの運転手曰く、今年は異常に雪が少なかったのだそうだ。
部屋に通されると、畳敷なのだがテーブルに座るスタイル。それにしても部屋がやけに広いのに、いるのは我々だけという状態(後からひと組やってきた)。今日の天気がいまいちのせいなのか。
8人揃って、献膳料理(2,000円税別、以下同様)を注文。でもその前にビール(中瓶750円)で喉を湿らせる。今日は朝から出端を挫かれ、一滴の汗も掻いていないのでビールの美味さはいまいち。ついでに日本酒(上杉伯爵邸オリジナル吟醸「殿様の酒」300ml、1,200円)も頼んでやけ酒らしく呑む。
目当ての献膳料理はご当地料理が並んでいて、見る目にも味わう舌にも楽しめる。中でも一番気になるのは「うこぎご飯」。うこぎは上杉鷹山が栽培を奨励したという植物で、これも3年前に米沢に来て知った。今でも、旧家の生垣や通り街路樹として植わっているのを見ることが出来る。食べられるとは聞いていたが、実際に食べるのは初めて。口に入れてみると山菜のような、仄かに苦みを感じた。


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今回は3年前の西吾妻山リベンジ(その時の記録はこちら)。ところが往路の新幹線に乗っている最中に宿から電話があり、今日は強風のため天元台ロープウェイは動かないとのこと。うーむ、やはり山形の山は手ごわい。いずれにせよ、今日は登れない。まだ朝だが、車内販売が来たのでとの~と共に缶ビールを買ってヤケビールを呑む。
そこで翌日に予定していた、ツアコンなおちゃんプロデュースの観光に切り替える。目当ては米沢郊外にある沖正宗という造り酒屋。早速電話を入れれば大丈夫とのこと。米沢駅に着いたら、リュックサックは駅のコインロッカーにデポし(金を入れたのにロッカーの鍵が閉まらないトラブルがあったが、管理者が目の前の店だったので直ちに事なきを得た)、タクシーで向かう。
突然の訪問にもかかわらず、ブティック(売店)の担当の方だけでなく営業の方(社長さんではないと思うけれど、名前は聞きそびれた)が現れ、丁重にワイン醸造所を案内していただき、日本酒もワインもテイスティングさせて貰った。昔ながらの日本酒「興譲」と、この頃の製法による日本酒「Faucon」を飲み比べさせて貰い、その違いが良く判った。特に後者は、米麹の香りが印象的だ。
ここは最近、ワイン造りに力を入れていて、「Faucon」シリーズとして赤2種、白4種、それ以外も含め合計10種を販売している。一番高いものでも720ml瓶1本1,800円はかなりお買い得、特にFaucon 樽熟メルロー2017(1,800円)は気に入った。
結局、大人買いしたとの~も含め、8人で都合11本をお買い上げ。小生は、日本酒は「Faucon つや姫 純米吟醸 58% 生貯蔵」(1,500円)と、ワインは「Faucon 樽熟メルロー2017」(1,800円)をゲットした。
それにしてもこの営業の人は、業界の動向にやたら詳しい。利き酒をしながら、様々な逸話や耳より情報を披露してくれ、とても興味深く拝聴した。日本酒造り、ワイン造りも、情報収集が重要なのだ。

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またまた蔵王山の返り討ちに遭ったあと、ロープウェイを乗り継いで「ペンション・ビーハイヴ」に戻ると、Woodyさんは宿の女将さんと談笑中。訊けば、蔵王温泉の共同浴場へ入っただけで、あとはずっと女将さんと話してた(というか、話を聞いていた)らしい。「まいった」を連発するWoodyさんに、それは大変でしたね、と労った。
丁度都合が良い帰りのバスが無いので、タクシーを呼んで山形駅まで出る。下りなので30分ほどで到着。先ずは「みどりの窓口」へ行って「つばさ」の指定券をゲットした後、すっかり腹も減ったことだし、さて何処かで打ち上げしたい。予め調べておいた範囲では、至近となると駅ビルの中にある店が良さそうだと行ってみる。
土産物売り場フロアの奥に、ひっそりと「酒蔵 澤正宗」という店があった。その名の通り居酒屋だが、有難いことに昼間から通しでやっているエライ店だ。入ると先客は2組ほど、遅い昼飯中の様子で酒は呑んでいない。でも遠慮なく我々は生ビール(中650円税込、以下同様)で、お疲れさんと乾杯。
ビールの後は、この店の名前にもなっている「澤正宗」の純米(700円)を注文。山形は寒河江にある造り酒屋、古澤酒造が醸すブランドとのこと。初めて呑むが、昔風な呑み応えを感じる。
メニューを見ると、山形らしい料理もいくつか置いてある。頼んだのは、山形牛芋煮(850円)、ゴボウ唐揚げ(780円)、鶏つくね(880円)、秋刀魚竜田揚げ(780円)、カラカイ煮(750円)、エゴ刺身(680円)、いか刺身(800円)、たら白子(800円)。カラカイとはエイの干物のことのようで、かつて鮮魚が手に入らない内陸ならではの食べ物だったとのこと。日本酒にピッタリだった。

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2日目、窓の外を覗くと朝日が出ていて、確かに昨日よりは良さそうな天気。朝食を摂りながら、登る気満々な女子2人組に対して、Woodyさんは温泉街をぶらぶらして待っていますとのこと。ついては何時頃に戻って来るのかと問われ、「目標1時頃ですかね」と云いながら宿を出る。
朝一番のロープウェイに乗るつもりで山麓駅へ向かうと、流石にこの時間はスノーモンスター見学の外国人旅行客はおらず、バリバリのスキーヤー、スノーボーダーに交じってロープウェイに乗り込む。樹氷が朝日に輝いていて登高意欲を掻き立てるが、山頂駅に着くとやっぱりガスっていた。
ともあれ身支度をしてスノーシューを履いたら出発。風は昨日ほどではないが、やはり今日も完全ホワイトアウト、忽ちメガネが曇って役に立たなくなるので裸眼+ゴーグルに切り替え、トップは目が良いのんちゃんに任せる。ここで二人に置いてきぼりをくったら即、遭難しそうだ。
ホワイトアウトした世界に、ミニモンスター化したポールが順々に現れるのを黙々と辿る。一応は勝手知ったる地形なのでそれ程滞り無く避難小屋に到着、ここまで約1時間。さてこの先にもポールが連なっているのだが、どうも下っている様に見える。
でもこれしか進むルートが見当たらないので、暫くは辿ってみるがやはり方角が違う様子、また避難小屋まで戻り今度は約90度右へ回った方向へ進んでみる。朧気乍ら感じる地形は稜線に乗ったようで、これで方向は間違いは無さそうなのだが、途中で目印になるものがすっかり無くなってしまい、しかも地形が広くなってきた。これでは先へ進めない。
そうこうするうちに、ガスの中から6人ほどのパーティーが現れ、山頂を踏んできたと。トップはGPS専用機を持参していた。やはり、ああいうのを持っていないとどうにもならないか。恐らくは山頂まであと100~200mぐらいだろうが、目標物無しには往復は危険と判断し、涙を呑んで引き返すことにした。
帰りも手探り状態の歩みだったものの、ルートを外れることなくロープウェイ山頂駅に帰還。レストランに飛び込むと、流石に今日は時間が早いのでようやくビールを呷ることが出来た。実に美味い!
今回も結局、返り討ちに遭った訳だが、この二日間、神経を研ぎ澄ませて登る気分を久しぶりに味わい、充実した山行だった。次回の為に、GPS専用機を手に入れようかどうしようかと迷い始めている。

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今回、蔵王山アタックのベースキャンプとして選んだのは「ビーハイヴ」という名のペンション。蔵王温泉街をベースにするならば、老舗温泉旅館(出来れば木造三階建)でもあれば泊まってみたい感じだったが、普通の旅館は一寸高すぎて手が出ず、結局リーズナブルなペンションに落ち着いた。
場所はバス停にもロープウェイにも日帰り温泉施設にも近くて利便性抜群。建物は白木造りの山小屋風、なかなか凝った造りである。1泊2食付き11,500円は、今まで我々が泊まったペンションの中では最高価格だが、冬場は暖房費が嵩むだろうからこんなものだろう。和室は無く、全てツインベッドルーム。
ここはとても話好きな(というか、喋くり好きな)女将が一人で切り盛りしている宿。スキーシーズンのみの営業だそうで、今シーズンは開けるのを止めようと思案していた矢先に我々が予約を入れたらしく、全くの貸し切り状態となった。女将さん曰く、ここは現皇后が学生時代、スキー合宿の為に泊まったことがあるという、由緒正しい(?)ペンションなのだった。
1日目はホワイトアウトで蔵王山を敗退し、日帰り温泉で温まった後、部屋に戻って地ビール(月山ビール)で失意の乾杯。冬季の蔵王山は気象条件が厳しく、そう易々とは登らせて呉れないとは分かっていたものの、再び身を以て体感したことになる。女子2名は明日の方が天気が良さそうだと、既にリベンジするつもりになっているが、Woodyさんはもう十分という感じ。小生は明日は明日の風が吹くと、是々非々の境地。
ディナータイム。当然、ダイニングルームも実質的に貸切。喋くり女将はほぼダイニングルームにとどまり続け、我々と喋くりに夢中。でも酒にはとんと疎いようで、出してくれた日本酒の銘柄を訊いても判らず、その時だけ厨房に戻った。銘柄は「霞城寿」という、地元の酒だった。

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蔵王山(熊野岳)を敗退した後のこと。ロープウェイを乗り継ぎ、山頂駅から宿に戻ってリュックサックを置いたら、着替えだけを持って風呂へ行くことにした。蔵王温泉郷にはいくつか共同浴場や日帰り温泉、スーパー銭湯などがあるが、最も近くにある「新左衛門の湯」なる日帰り温泉施設へ向かう。
5分足らずで到着。半分が土産物屋になっている。先ず靴を脱いだあと、ここは券売機で入浴券を買って入る方式。Web割引クーポンを持っていたので(750円が700円になる)、券売機の釦に「700円」という文字が見えたのでそれを押すと「会員券」が出てきた。
700円に間違いはないさと、そのまま渡すと係員が「割引券と会員券とは違う」とややキレ気味。文字が読めないのか、と云いたげ。でもここは日本人以外も客もわんさかやってくるようなので(台湾系がかなり多い)、間違える客も多いはず。
小生以外もなぜか皆さん、会員券を買ってしまう。係員はその度に「違う」と連呼し、でもまあいいでしょうと苦々しく云いつつ結局、そのまま皆の券を受け取った。そんなに間違えられるのが嫌であれば(連呼する暇があれば)、「何故、客は間違えるのか」をよく分析して、対策を講じるべきと思うが如何。
風呂場は地下階。若者スキー客が目立つ。ひと風呂浴びてさっぱりしたあと、1階の食事処へ行ってみると(別にある休憩処は駅の待合室的で何となく落ち着かない)、営業開始は17時30分からだと。日帰り温泉の食事処で中休みがあるのは、かなり珍しい(この頃「瀬音の湯」もそうなった)。顧客満足度よりも料理人満足度を重視しているんです、と受け取れる。
休憩処にはビールの自動販売機が無いので、靴を履いて土産物屋の方へ行くと地ビールが置いてあり、やっとこさゲット。でもまた靴を脱いで休み処へ戻る気もしない。ビールを持って宿へ戻った。お湯そのものは良かったが、色々と残念なことが多い日帰り温泉だった。

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今回は、3シーズン前に登頂を果たせなかった蔵王山のリベンジ。ついでにスノーモンスターも見てみようと厳冬期にプランしてみた。ところがところが、今年は希にみる暖冬でスノーモンスターは全く未発達。ロープウェイで乗り合わせたベテランスキーヤー(指導員?)曰く、1月中旬までは順調に育っていたがその後雨(!)が降って全部融けてしまったとのこと。不安定な天気が続いているようだ。
山形駅からバスに乗り、蔵王温泉にある今宵の宿で余計な荷物をデポした後、ロープウェイの山麓駅へ向かう。前回は待ち時間無くロープウェイに乗れたが、今日は行列が出来ていてなかなか動かない。結局、1時間待たされた。行列に並んでいる客は、何だか外国人がいっぱい。ヒジャブを被っている女性もチラホラいる。皆、特にスキーをやる訳でもなく山頂駅まで行って、(残念ながら貧弱な)スノーモンスターを見るのが目的のようだ。
山頂駅は気温は-5℃。外へ出ると、少なくても風速10m/s(瞬間的に20m/s)位はあるので、目出し帽とゴーグル無しには即、撤退する状況。無防備な者は、せいぜい地蔵像まで往復するぐらいしか出来ない。
ほぼホワイトアウト状態だがとりあえず地蔵山へ向かうと(山行記録はこちら)、湿気が高く眼鏡が忽ち曇って前が見えない。湿気がゴーグルに付くと霜になって更に視界を悪化させる(過冷却の水滴が凍り付くような状態)。等間隔に立っている、微かに視認できるポール(何れもミニモンスター化)を辿り、何とか避難小屋(らしき氷の塊)に着き、もう熊野岳山頂は目と鼻の先の筈だが、この先に自信が持てず敗退することにした。今回、スマホのGPSアプリを持参しているものの、素手かタッチペンで操作すること自体、甚だしく難儀なのではっきり云って役立たずだ。
復路も同じくらい時間が掛かり(時々、ポールを見失うので)、何とか山頂駅に戻ると時間は15時30分、スノーシューを外しただけでそのまま「レストラン山頂」へ。店内には所在無さげな客で溢れていて(何せ暖かいのはここだけなので)、雪ダルマになった我々に皆、ギョッとする。
とにかく喉が渇いたのでビールが呑みたいと注文しようとすると、なんと「営業は終了しました」とのこと。マジか! 仕方なく、そのまま悶々としてロープウェイ乗り場へ向かった。

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秋田駅には定刻通り11時25分到着。すでに3時間以上飲み続けているというのに、とりあえず昼飯を喰おうという気になるから不思議だ。秋田となれば、たとえ昼だろうと夜だろうと、夏だろうと冬だろうと、きりたんぽ鍋かしょっつる鍋を喰うのが正しい旅行者の姿のはずだ。
一応、幹事を仰せつかっている身として事前リサーチしたところ、駅から徒歩圏内にその手の店がいくつもあると判った。その中に、以前、東京・丸の内の支店に入ったことがある(そのときのレポはこちら)「本家あべや」があったので行ってみることにした。ここは確か、比内地鶏生産者の直営店とのことだった。丸の内の店とどう違うのかを確認してみたいというのもちょっとあった。
場所は、「エリアなかいち」という名の複合施設の一角。ここには飲食店を含む商業施設以外に県立美術館もある。何処もピカピカなので、秋田にやってきた雰囲気がしない。やはりもうちょっと頑張って歩いて(酔っ払いオヤジを宥め賺しながら歩かせる必要があるが)繁華街の「川反」辺りの店にすれば、それなりに風情があったかも知れないと少々反省。幹事の悩みは尽きない。
結構、客が入っていたが、上手い具合に5人座れる席は空いていた。メニューを確認し、流石に一人一人前は難儀だろうと、比内地鶏きりたんぽ鍋(一人前2,340円税別)を三人前頼むことにした。しかし出てきた鍋を量見る限りそれ程ではない。やはり比内地鶏はブランド品なのだ。そう云えば、丸の内支店で喰ったときにもそんな感じだった。すっかり忘れていた。
量はともかく、味はと云えば出汁が良く出ていて濃厚だ。この出汁だけで酒が呑めそうである。どうやら味も本店と支店とでは違いは無さそうだ。でもやはり、本場で喰うきりたんぽ鍋は、会社帰りに東京で喰うのと違って、美味さはひと味違うと知った。

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「東光の酒蔵」と「上杉神社」を観光したら、そろそろ昼時。ランチ場所として淡い期待を寄せていた「上杉伯爵邸」、「上杉城史苑」とも、混んでいて入れないので少々途方に暮れたが、そう云えば「東光の酒蔵」の傍に蕎麦屋らしきものがあった筈、なので行ってみようということになり、再び徒歩移動。今日はやけに陽気が良いので、歩く程に汗が滲んで来る。昨日の今頃は、中大巓付近で凍えていたかと思うと、随分遠い世界から帰って来た気分。
果たして、本町一丁目のバス停の手前に蕎麦屋があった。しかも道の両側に一軒ずつ。右手に「寿々喜家」、左手に「可祝屋(かしゅくや)」とある。どっちでも良かったが、なんとなく「可祝屋」に入ってみる。建物を外から眺める限り、割烹料亭の一部が蕎麦屋(兼ラーメン屋)となっているようだ。
店に入ると、正面が厨房で左手にテーブル席4つと、奥の小上がりに座卓が6つ。何れにも6人掛けの座卓はないので、3人ずつ分かれて着陸。早速メニューを眺めると、残念ながら一品料理は一切なし。後で調べてみると、「寿々喜家」も同様だった。米沢では、肴をつっつき酒を呑みつつ蕎麦を待つ、というのは流儀ではないようだ。店のメニューに糖質しか見当たらないのは、至極残念な気持ちになる。
ともかく、ビールでひとまず喉を潤したら、3人で天ざる(1,500円)と鴨ざる(1,000円)をシェアすることにした。あたりを見回すと、ラーメン(600円、いわゆる米沢ラーメン)を喰っている客が過半数。ここは蕎麦屋の筈なのに、どういうこと?
やがて天ざると鴨ざるが登場。蕎麦はなかなかシコシコでイケるし、汁もまずまず。天ぷらは少々しっとりした感じだが、不味くはない。鴨汁も香りが良い感じだ。
あとでネット記事をつらつら眺めている限り、この店に限らず米沢の蕎麦屋は、蕎麦屋というよりはラーメン屋として認知されているようだ。それほど米沢ラーメンが美味いのか。ならば我々も日本蕎麦にこだわることなく、米沢ラーメンを喰ってみても良かったのかも知れない。

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2日目は米沢市街に出て完全観光モード。ちょっと調べた範囲では、街なかでは意外に観光名所は少なく、主だった所は米沢城址にある上杉神社ぐらいか。そこで、いちおう上杉神社へ行くついでに、「東光の酒蔵」という小嶋総本店の展示館へも寄ってみることにした。
駅前でリュックサックをコインロッカーへ預け、左回り循環バスに乗る。バスの外装には、ますむらひろし氏(米沢市出身とは初めて知った)が描く「アタゴオル」と云う漫画のカット絵がラッピングされていた(こちらをご覧あれ)。こんなところで「ヒデヨシ」に出会うとは思わなかった。
大門一丁目BSで下車すると、酒蔵の煙突が見える。入口で、310円支払って入館。売店(含、試飲コーナー)に直行するのであれば、別に入館料は不要なのだが、折角なので見学。なんだかんだ、この手の施設は結構見学しているが、ここは展示が大規模だ。もちろん、かつて使っていた設備を展示しているだけなのだが、かつて職人が働いていた頃の雰囲気が伝わってくる感じ。
この酒蔵は、慶長2年(1597年)創業と云うからかなりの老舗。関ヶ原の戦いは慶長5年、上杉家の米沢移封は慶長6年なので、それ以前からあることになる。
展示もなかなか見応えがあったが、試飲コーナーがとても充実しているのが特徴。高級な酒は200~300円と有料なのだが、それでも純米吟醸なども含め、ざっと10種類ぐらいは無料で試飲が出来る。全種類を呑むとそれだけでかなり酔える。ついでに云えば、漬物など、つまみになるものも試食が出来るのでとても有り難い。ここは呑ん兵衛にとってはパラダイス、これだけで入館料の元は取れる。ありがたや、ありがたや。

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