山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

上越線沿線

東京にいれば、世界中の大抵のものを食べることが出来るが、その土地の雰囲気も一緒に味わいたいとなれば、交通費に大枚叩いて現地へ行く気にもなる。でも喰うことだけに金を掛けるのは流石に一寸勿体ないという気にもなるのは道理だ。となれば、そこで山があれば一石二鳥、それ程腹も傷まない。
という屁理屈を付けてこれまでいろいろな処へ足を伸ばしてきた。このような方針に則れば、折角遠くまで山を登りに行って、コンビニめしとか全国チェーンのファミレスで空腹を満たすようなマネは極力避けたい。而して、その土地ならではの店を探すのが、山旅の基本のスタイルということになる。
今回は小出泊まり、魚沼の幸を喰う絶好の機会である。事前に探す手立ては、食べログやぐるなび等のグルメサイトや、Google Map。この頃のGoogle Mapは写真は勿論、口コミやメニューなども載っているので結構参考になる。一方、地元観光協会による店紹介はメリハリが少ないので、選択するための判断材料に乏しい。
小出の街にある何軒かの居酒屋の中から、今回選んだのは「須藤魚屋」という店。JR小出駅前にあるホテルから1kmぐらいのところにあるので、ぶらぶら歩いて行った。魚野川を渡った先にある小出の街並は、ご多分に漏れずほぼシャッター街だが、朝食を仕入れるために立ち寄ったスーパーマーケット「サカキヤ本町店」と、目当ての「須藤魚屋」だけはほっこりと明るい。
「須藤魚屋」には開店時間の17時直後に到着。店内は思ったよりもゆったりしていて、カウンター席やテーブル席、我々が座った小上がりだけでなく、奥の座敷もあるようだ。ビールで喉を潤した後は日本酒。塩沢町の「鶴齢」とか小千谷市の「長者盛」をいただく。料理メニューを見ると、色々珍しい料理が並んでいて目移りする。
頼んだのは刺身盛り合わせ(生にしんが吃驚するほど美味い!)、しめ小肌、フキノトウ天ぷら、ウルイの炒め物、にしん煮付等々。特ににしん煮付も生にしんを使っていて、普段、身欠きにしんしか喰う機会が無い我々には絶品の美味さだった。

127 小出商店街はほぼシャッター商店街。
129 今宵はここで一杯。P4080360
130 広い店内。
131 付き出し、美味い。
132 ビールの後はこれ。
133 刺身盛り合わせ。
134 小肌は軽く〆てある。
135 フキノトウの天ぷら。
136 ウルイは洋風な味付け。
137 生ニシンの煮付け。絶品です。
138 このホタルイカ沖漬けも新鮮な感じ。
139 これに越後の酒。
140 米ナス田楽。
141 焼うどんで締める。
142 大満足でした。

とりあえず山から下りてビールを呑んでまったりしたら、次は風呂に入って温まりたい。だけど、なにしろまだ時間が早過ぎるのでちょっと観光することにした。皆さんネットを探して見つけたのは、西福寺という古刹。後になって地図を見れば、さっき登った板木城跡からダイレクトに下りることも出来そうな場所にあった。
この寺を知る人ぞ知る観光地にしたのは、石川雲蝶という江戸時代末期の彫工が残した作品があるためである。調べてみれば、「開運!なんでも鑑定団」の中島誠之助が雲蝶の作品を見て「越後のミケランジェロだ!」と云ったのが観光地化のきっかけらしい。げに恐ろしきは「鑑定団」の影響力。
行ってみると(拝観料500円)、とにかく開山堂の彫刻が凄い。外側の彫刻も凄いけど、中の彫刻はもっと凄い。基本的には欄間の透かし彫りの類なのだが、並みの彫りとはわけが違う。ちなみに、JR浦佐駅構内、改札口付近には、開山堂のなかで彩色が施された天井彫刻のレプリカが展示されているので、見た覚えがある方もいると思う。
見学の後はタクシーに乗って、小出駅に近い「見晴らしの湯 こまみ」へと向かうことにする。タクシー待ちの間、西福寺の目の前にある土産物屋「開運堂」で物色していると、店主がしきりに「大力納豆」を勧めるのでつい買ってしまった。あの大力山の「大力」だろうか。店主曰く「マツコの知らない世界」でマツコが絶賛していた、と。「マツコ」の影響力も侮れない。後で食べてみると、普通の納豆よりも発酵が進んでいる感じで、確かに旨味が強かった。
「見晴らしの湯 こまみ」は高台にあり、晴れていればきっと越後三山が目の前に見える筈だったが、今日のこの天気では中腹までしか見えず残念。是非、天気が良い時に再訪したい。休憩室の天井は独特の鉄骨構造で支えられていて、冬季の積雪量が想像できる。
098 観光で赤城山西福寺に寄り道。拝観料500円也。
099 そこの開山堂がすごい。
100 この建物の覆いもすごいけど・・・
101 石川雲蝶の彫刻がすごい。
102 外もすごいけど・・・
103 内はもっとすごい。
104 石川雲蝶の彫刻その1。
105 石川雲蝶の彫刻その2。
106 石川雲蝶の彫刻その3。
107 石川雲蝶の彫刻その4。
108 石川雲蝶の彫刻その5。
109 石川雲蝶の彫刻その6。
110 石川雲蝶の彫刻その7。
112 石川雲蝶の彫刻その9。
113 石川雲蝶の彫刻その10。
114 石川雲蝶の彫刻その11。
115 見晴らしの湯「こまみ」で温まる。
116 特徴的な天井構造。
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117 温まりました。
118 小出公園の桜と越後三山その1。
120 小出公園の桜と越後三山その3。
121 小出公園の桜と越後三山その4。

恒例となった初春の越後の山旅。今年はそれにスペシャル・オプショナル・ツアーが付いている。それは2日目のことなのでとりあえず後回しにして、先ずは初日。今回の山は魚沼の里にある、大力山という標高僅か504mしかない里山に登ることにした。
わざわざ新幹線代と宿泊代を掛けて登る山か?と疑う向きもあるだろうけど、これだけが目的ではないにしろ結局は価値観の問題。そもそも山に興味の無い方には、金を掛けて山に登ること自体理解できないのだろうから、価値観の違いは埋めようがない。ついでに云えば、槍ヶ岳と大力山を較べることにも(個人的には)大して意味はない。
今日泊まる宿「小出ホテルオカベ」に余計な荷物をデポしてから、タクシーで登山口の宝泉寺へ(山行記録はこちら)。今日は生憎の天気で、既に雨模様。もし本降りになったら適当なところで切り上げようという、楽な気分で登る。雲が低いので、すぐ目の前の未だ真っ白な越後駒ヶ岳は頂がガスの中である。
今年は例年以上に雪融けが早いようで、今登っている尾根筋に殆ど雪は残っていない。しかしそのお陰でもう春の花は咲き出していて、宝泉寺の池にはミズバショウが吃驚するほど花盛りだったし、路傍にはカタクリ、ショウジョウバカマ、イワウチワ等が見られた。これぞ越後の春。
天気が良ければ、黒禿の頭(標高770m)ぐらいまで行くつもりでも、案の定次第に本降りになってきたので、板木城跡からはさっさと雷土(いかづち)集落に下り、神社の軒先でタクシーを待つ。向かう先は、4年ぶりの「猿倉山ビール醸造所」だ。
それこそ以前と変わらない風情、でも客はやや少ない感じか。天気が天気なので外のテラスでは呑めず、中のソファー席でライディーンビールのIPAをいただく。ひと口吞むと、ガツンと美味い。そうだ、そうだ、この味だ。このビールは2年半前に八海山から下りて呑んだっけ、と思い出した。

001 【第1日目】大力山登山口にある宝泉寺。
004 しかも丁度見頃。
005 しかも皆、大ぶり。
012 このコースでいってみるつもりだった。
013 歩き始めようとすると・・・
018 秋葉神社。大宴会が出来そうな広場。
019 マンサク。
020 タムシバ。
022 一番よく咲いていた。
024 タムシバとマンサクの径。
031 ユキツバキ、かな。春咲く椿。
034 眺めが良いところに出た。
037 腐っているので時々がぼる。
038 向こうは鳴倉山。
043 快調に登れば・・・
045 ここも良い眺め。
046 彼方が大力山の山頂。
047 天気が良ければ笠倉山まで行くつもりだった。
048 山の名前よりも道の方が大きな字。
049 山頂へ。
057 頂が特徴的な板木城址。
055 八海山のガスはなかなか取れない。
058 若葉色はブナ。
060 標識はときどきある。
064 空濠の先にまた壁。
065 上から見れば結構な落差がある。
067 登ったところが湯谷城址。
068 大力山。左の頂に東屋が見える。
069 また激下りの空濠。
070 戦時以外の通行も大変だったはず。
072 またこの花、気になる花。
076 板木城址に到着。
077 ここは雷土城址でもあるらしい。
080 雨が本降りになってきたので下山。
081 下りたところが雷土神社。ここでタクシーを待つ。
082 ところ変わって「猿倉山ビール醸造所」へやってきた。
083 ここで出てくるのがライディーンビール。
084 つまみはこんな感じ。
085 醸造所がすぐ奥にある。
086 お疲れさんでした。
087 4種類のソーセージ盛り合わせ。
088 スパイシーなフライドチキン。
089 お腹が空けばフォーもある。
090 ミニハンバーガーもある。
091 今日は天気がいまいちだが・・・
093 ちなみにこんな姿は我々だけでした。
094 「魚沼の里」の桜。
095 丁度見頃でした。

越後湯沢駅ナカの「ぽんしゅ館 酒風呂 湯の沢」で温まった後、後続女子連が出て来るまで休憩所でビールを呑もうかと思っていたらやはり満席。しかも皆、揃いも揃ってスマホに夢中でやけに静か。不気味な程だ。なるほど、新橋の蕎麦屋ならずとも、「スマホ持ち込み禁止!」と云いたくなる気持ちも分かる。これでは売上がちっとも出ない。少なくとも小生が呑もうとした生ビール代分は損したはずである。
ということで湯上り生ビールは暫しお預け。駅ナカの店はどこも長蛇の列が出来ているのでスルー。とりあえず東口に出ると、蕎麦屋「中野屋」には、砂糖に集まる蟻の如く多くの客が群がっているので、何時まで待たされるのか想像もしたくないくらいだ。
だったらここしかないな、と斜向かいにある「美食華酒 越後や」を覗く。ここは午前11時から開いている大衆食堂兼居酒屋、料理はランチメニューだけでなく酒の肴として新潟の海の幸が食べられるし、新潟の日本酒も豊富。勿論、(いまいちだけど)へぎそばだってある。余りこの情報は広めたくない。
出てきたお姐さん店員が「お食事のみですか?」と聞くので、「いいえ」と答える。するとにっこり、上客だと認めてくれたお姐さんは、ではどうぞと、前回と同じ座敷へ通してくれた。都心では考えられない、ゆったりスペース。越後湯沢で困ったときはここに限る。っていうか、全ての登山口にこの店の支店を出して欲しい。
ここは注文をスマホで行う、今どきのスタイル。生ビールから始まって、日本酒は鶴齢、吉乃川、白瀧、料理はホタルイカ刺身、北寄貝刺身、牡蠣酢、南蛮海老唐揚げ、海鮮サラダ、チーズ春巻き、舞茸天ぷらを注文、そしてへぎそばで締めた。
ところで、帰りの15時40分発「とき370号」の切符を「オトキュー(大人の休日俱楽部ジパング会員)」割引で取るのにすったもんだした(小生は未だオトキューの資格が無いので高みの見物)。そもそもほぼ満席状態だったので、慌てて自販機で操作している最中に、駅員が割り込んできて「音声ガイド付き券売機じゃないと時間が掛かり過ぎます」と操作を途中でキャンセルされ、ひろちゃんは怒り心頭だった。ホントにどっちが早かったのかは知る由もない。

62 昼間からやっている居酒屋「越後や」。
63 ホタルイカ刺身。
64 貝盛り合わせ。
65 牡蠣ポン酢。
66 南蛮海老唐揚げ。
67 アボカドサラダ。
68 チーズ揚げ。
69 舞茸天ぷら。
70 そして締めはへぎそば。
71 おいしゅうございました。
72 「中野屋」はずっと混んでいた。

2日目は宿の裏にある毛無山に登ることにした。標高は1,362mしかないのでお手頃な山である。何処から登ろうか思案してみたが、やはり行って見てから考えようと、とりあえず夏径沿いに浅貝スキー場ゲレンデ跡を登ることにした。しっかり朝食を摂ったので出発は8時近くとなったが、まだ雪が締まっていてツボ足でもOK。キュッキュッという音が心地良い。
夏径沿いに進むと傾斜がきつくなってきたのでアイゼンを履く。尾根に上がる直前はキックステップが必要な急斜面となるが、何しろ山の大きさがそれなりなので、すぐに傾斜が緩くなり尾根の上に出る。ここからは満を持してスノーシューに替える。
防火帯のようになっているので眺めがよく、快調に高度を稼ぐ。雪庇は全て落ちているので安心。昨日のような雪の襞はほぼ無いので、歩行には全く支障が無い。スノーシューで一番気分が良い登りである。結局、宿から2時間ほどで山頂に到着。ちょっと物足りないくらいだが、満足感は得られた。さらに奥には、平標山や仙ノ倉山辺りの真っ白い稜線がチラリと見えた。
下りはかなりの急傾斜を直線的に下ったので、それこそあっという間に下界へ降りた。山頂から40分で宿に戻り、荷物を回収。バスの時間までたっぷりあったが、何もすることがないので(昨日世話になったラーメン屋はまだ閉まっていたので)バス停で30分程ぼーっと過ごす。越後湯沢行のバスに乗ったら終点下車。途中、苗場スキー場等から次々に客が乗り終点に着くころには満員になった。外国人観光客(主に台湾系か?)も結構目立った。
実は、駅のすぐ手前にある「江神温泉共同浴場」に入りたかったがここは13時開店で、バスは12時20分頃通過。次に期待したい。代わりに入ったのは、「ぽんしゅ館 酒風呂 湯の沢」。前回はコロナ禍前の2019年4月だった。入浴料800円は変わっていなかったが、脱衣所も風呂場もコロナ禍前以上に混んでいたし、休憩所も満杯だった。

37 昔の浅貝スキー場を登る。
39 昨日登った山をバックに。
40 あそこが向山。まだまだ遠かった。
41 急になったのでアイゼンで登高。
42 緩やかなところでひと休み。9時3分
44 スノーシューに履き替える。
45 気持ちがイイ登り。
46 ずんずん高度を稼げる。
48 雪庇は落ちていて問題なし。
49 傾斜が緩んできた。
50 巨大鉄塔。
51 鉄塔の奥に仙ノ倉山。その手前左は平標山。
52 たぶんここが毛無山山頂。9時54分
53 下りで菊丸いきなりこける。
54 見た目以上に急な斜面なのである。
55 でもひろちゃんは余裕。
56 雪はしっかりしていて下り易い。
57 だいぶ緩くなってきた。
58 でもまだこのくらいの傾斜。
59 旧浅貝スキー場の上に出た。
60 アクション!
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61 越後湯沢駅に戻り、ぽんしゅ館で汗を流した。

今宵の宿は、「わかきや食堂」から歩いて僅か1分ほどのところにある「御宿本陣」。この界隈には多くの宿泊施設があるけれど、たいていスキー客相手のロッジ風な宿なので、旅館らしい旅館はたぶんここぐらいしかないと思われる。
登山前に荷物をデポしたとき、「チェックインは15時からです」と聞いていたが、風呂だけでも入らせてもらえないかと思い14時過ぎに恐る恐る行ってみると、「チェックイン出来ます」とのこと。魚心あれば水心である。早速リュックサックを部屋に放り込んだら、500円玉を握りしめて風呂場へ直行する。
風呂場は本館大浴場と、それに併設された岩露天風呂、それに離れ露天風呂とがある。先ずは離れ露天風呂へ行ってみた。当然の如く、一番風呂である。ここの源泉は42℃と絶妙な温度。露天風呂にはこのくらいが丁度いい(内湯だとちょっと熱い)。洗い場は室内にあったので寒い思いをしないで済む。
露天風呂は雪見風呂。ちょっと温まって湯船から出ると冷気が気持ち良い。でも直ぐに冷えてくるのでまた湯船に浸かる。これを2、3度繰り返してから上がった。戻る途中の自動販売機に500円玉を入れて缶ビールをゲットし、部屋に戻ってからグビッとやった。
何度でも、このまったり感が気持ちイイ。今日のカロリー消費量は少なめかも知れないが、それはそれ。持参した日本酒とつまみでうだうだと過ごす。
やがて夕食の時間。ここはビュッフェスタイルになっていて、我々は17時30分夕食のグループ(次は19時からのグループらしい)。日本旅館の風情とはちょっと違うかも知れないが、好きな料理を好きなだけ取ることが出来るのは合理的だし、宿側も楽だろう。
ところで今回の部屋代は1泊2食付きで元々14,300円だったが、旅行割で11,510円になり、さらにクーポン券(にいがた旅割)1,000円が付いたので実質1万円ちょっと。なんだか毎度すみません。

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26 「御宿本陣」の露天風呂。
28 いい湯でした。
27 洗い場は露天じゃなくて良かった。
29 風呂上りは部屋で。
30 夕食前のひととき。
31 夕食はビュッフェスタイル。
32 和洋折衷なメニュー。
33 中華もあった。
34 【第2日目】朝食もビュッフェ。DSC_3363
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35 宿の前から昨日登った山を望む。
36 また荷物はデポ済。7時54分

今シーズンも残雪期の山を登りに新潟へやってきた。狙いは苗場スキー場に近い低山。この界隈では以前、平標山や日白山に登ったことがあって、何れも天気が抜群に良くて会心の山行だったので、今回も柳の下のどじょうを狙うことにした。越後湯沢駅前は、バス待ちのスキー&スノボ客で大混雑だった。すっかりコロナ禍前に戻ったようだ。
1日目は、今宵の宿の目の前にある向山(標高1,431.7m)にアタックすることにした(山行記録はこちら)。空を見上げれば、青空もあるが時々雪雲もやって来る状況で、この時期としてはまあまあの天気。先ず林道をちょっとだけ進むと直ぐにトレースが無くなる。植林内の雪はそれなりに締まっているので、急斜面でも順調に高度を稼ぐ。
尾根に乗ってしまえばひと安心、と思っていたが尾根上には風の悪戯で、サラサラした雪が襞のように波を打って積もっているので、その峰の部分を乗り越えるのがなかなか大変。で、スノーシューに履き慣れていない者(≒菊丸)にとっては何度もトライして、漸く乗り越える感じとなる。
結局、1,198m点ピークを越えたところで精魂尽きてギブアップ。登ったのは高度差250m余り。そもそも順調に行っても、時間切れで向山までは登れなかったかも知れない。ともあれ、前進終了を宣言したらもう引き返すだけ。下るとなると、あっという間に登山口に戻った。
時間はまだ13時。宿のチェックインは15時だからこのあと2時間、どう時間を潰すかというのが喫緊の課題になった。とりあえず何処か店が無いかと見回すと、浅貝バス停前に都合よくラーメン屋があって、しかも暖簾が出ていた。渡りに船とはこのこと。
店内にはテーブル席も小上がりもあって、それなりに広いのに先客は2人だけ、彼らは皆ラーメンを手繰っている(後からやってきた7人連れもやはりラーメンのみ)。我々はビール(中瓶600円)と餃子(500円)を注文。ラーメンは頼まず(メンマは根曲り筍を使っているとのことで、それはとても気になった)、行動食をこっそり食べる。餃子はちゃんと美味かった。
なんとか閉店(14時)までの1時間を潰すことが出来た。大助かりだった。

02 あちらは苗場スキー場。
03 余計な荷物は今宵の宿にデポした。9時49分
04 スキー場には結構客がいるようだ。
05 尾根の取り付きは結構急だ。
06 菊丸なかなか上がれず四苦八苦する。
07 尾根に上がった。
08 雪のコンディションはまずまず。
09 まだ先は長い。
11 少しだけ下る。
12 雪が盛り上がった部分を乗り越えるのが厄介。
13 菊丸、精魂尽き果てる。
14 ひろちゃん、快調によじ登る。
15 標高1,198m点で引き返すことにした。
16 隣の尾根の無名峰がカッコいい。
17 苗場スキー場。
18 こちらは浅貝のリゾートマンション街。
19 証拠写真。12時8分
20 雪雲がやってくる。
21 下りは順調。
22 トレースは無くてもまったく問題ない。P3050297
23 浅貝BS前にラーメン屋があった。13時5分
24 お疲れさまでした~
25 餃子は外れが無い。

「巴」で鮎尽くしを喰って大満足した後は、またタクシーに乗り、沼田駅へ移動。運転手曰く、若い頃はこの辺りの川(利根川の支流)で鮎を取ったことがあるとのこと。今は天然鮎がいったい何処まで遡上するのだろうか。
沼田駅13時31分発の各駅停車に乗車。一旦、新前橋で乗り換えた後、高崎駅に14時20分到着。
いつも通りであれば酒もそれなりに入っていることだし、ここから新幹線に乗って帰るところなのだが、何せ今日はまだ時間が早い。そんなに急ぐことも無いと、高崎駅14時8分発の上野東京ラインに乗ることにした。でも折角なので、グリーン車の2階席で優雅に帰ることにした。大宮まで800円なので、新幹線の指定席と較べて3分の1の追加料金で済むのもうれしい。
しかし問題は車窓からの眺め。沼田から高崎ぐらいまでは左右、山の眺めがあって楽しいが、深谷辺りから先は只、ひたすら住宅街と偶に現れる平凡な田圃や畑を眺めることになり(新幹線であれば高架上を走るため、住宅街の上に関東山地の山々を眺めることが出来る)、少々退屈だ。
この時間帯のせいもあるだろう、グリーン席はガラガラ状態。これだったら人目を憚ることもないし、万一、多少声が大きくなっても迷惑にならないだろうと(とは云っても、なまじ静かだと却って遠くの声も煩いものだ)、昨日の残り酒を取り出しチビチビやる。
そうすると、住宅ばかりの退屈な眺めであっても酒の肴になるから不思議だ。それにしてもひたすら家ばかり見ていると、首都圏の境界とはいったいどこだったのだろうと思い悩む。人口減少とはいっても、メガロポリス東京の存在は別格だ。それと共に埼玉県て、意外と結構広いなと感じてくる。新幹線では味わえないこんな気分に浸れるのが、「上野東京ライン」の隠れた魅力のひとつかも知れない。

143 これがあれば時間は気にならない。
142 湘南新宿ラインのグリーン車で帰る。
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また今年も鮎のシーズンがやってきた。昨年は9月に群馬県の北東の外れにある山山(奥白根山、笠ヶ岳、燕巣山及び四郎岳)を登った帰りに「鮎茶屋 巴」へ寄ったのだったが、今年は7月早々にやって来た。つい先ほど、月夜野びーどろパークから沼田駅へ「ペンションてんとう虫」のご主人運転の車で向かう際に、すぐ傍を通ったのだったが、ご主人曰く「この簗は知らなかった」と。
多分、ここは簗ではないとは思うが、それでも何かともの知りなご主人でも、沼田で知らない店があったのかとちょっと驚く。でも色々もの知りというカテゴリーには、(ディナーの際、赤ワインを敢えて冷やそうとするので)呑み喰いは入っていない可能性もあるかなと思った。話が逸れた。
沼田駅前からタクシーで「鮎茶屋 巴」へやってきた。11時半開店のちょっと前に着いたので、店の前で少々待つ。今日一番の客のようだ。間も無く案内してもらい、前回と同じ一番奥の座卓に着く。着いたら早速メニューを開き注文だ。前回は入店がやや遅かったせいもあるが、なかなか料理も酒も出て来なかったので、同じ轍を踏みたくない。
いつものようにコースにはせず、単品で色々注文することにして、生ビール(600円)と生酒(水芭蕉300ml、800円?)、塩焼き(650円)、刺身(1,200円)、稚鮎フライ(600円)を矢継ぎ早に頼む。流石に一番客だったせいか、塩焼きが思いの外早く出てきた。少々小ぶりだが、申し分ない美味さ。今年の初鮎だ。これで水芭蕉の生酒を呑む。これぞ今回登頂できてこそのご褒美。これがあるからやめられない。東京近郊にこの手の店が少ないのは誠に残念(とは云ってもウィズコロナ時代ならばこれも仕方がない)。
締めは鮎飯と押し寿司を頼んだ。両方ご飯ものだったので、ちょっと頼み過ぎで食べ過ぎ。でも大満足だった。

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128 ランチはここ。
129 鮎が躍っている。
130 開店早々だが、次々と客がやって来た。
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131 改めてお疲れさまでした。
132 日本酒はこれ。
133 先ず出てきたのは刺身。
134 意外に塩焼きが早く出てきた。
135 インスタ映えする塩焼き。
136 いただきます。
137 稚鮎のフライ。
138 二本目はこれ。
139 鮎釜めし。
140 締めは押し寿司。
141 ご満足頂けたでしょうか?
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「月夜野びーどろパーク」内の「カフェ・ド・ヴェール」で、「ペンションてんとう虫」のご主人が運転する車に乗ってそのまま帰る4人組を見送った後、2本目の月夜野ビール(今度はヴァイツェンにした)を呑みながら、また「ペンションてんとう虫」のご主人が戻ってくるのを待つ。
ご主人は、(送迎料を払っているとはいえ)こちらが「もう結構です」と云うまで、徹底的に付き合ってくれる。早く戻って家(ペンション)でぶらぶらしていると、女将さんに仕事を云い付けられるせいだとか我々は陰口を叩くが、ありがたいことだ。
やがて戻ってきたご主人の車に再び乗りこみ、沼田へと向かう。時間が丁度良ければ、そのままランチを予定している店まで直行してもらうところだが、ちょっとまだ早い。だからと云って、何処か観光名所に連れて行ってもらう処も特に無い。前回の時に、「吹割の滝」と「沼田城址」には連れて行ってもらっているし、他には酒蔵とか日帰り温泉ぐらいしか思い付かない(沼田の観光名所ってそんなものかな?)。ので、今日はそのまま沼田駅前で下ろしてもらう。
ご主人に「また来ます」と別れの挨拶をした後、駅前で時間を潰すのはここしかないと(他には蕎麦屋と定食屋ぐらいしかないし、そこで何かを喰う訳にもいかないので)、土産物屋の諸田商店の2階にある「カフェ・ハイマート」に入る。ここは前回にもやってきた。
店内には先客がお一人だけ。ここも各テーブルには透明アクリル衝立が乗っていて、4人掛けは2人までに制限されている。衝立は感染防止には殆ど役に立たず、気流を妨げることにもなるので却って感染リスクが高くなる恐れもある。そう理解してからは、わざわざ金を出して無用な衝立を購入し、かつ客数を制限するこの奇妙な風習はいったいいつまで続くのか(とはいうものの、店主に止めるよう進言しても詮無きことだ)と、世の無常を感じるこの頃である。

126 時間調整で入るのはここしかない。
127 入ったらやはりこれ。

「ペンションてんとう虫」でゆっくり朝食を摂った後、今日は完全観光日なので、なおちゃんが事前リサーチしていてくれた「月夜野びーどろパーク」へ向かう。勿論、「ペンションてんとう虫」のご主人が運転する車での移動である。ご主人は、我々が「月夜野びーどろパーク」の見学を終えるまで待っていてくれた。
ここは上越クリスタル硝子という企業が運営する施設。説明書きを見ればこの上越クリスタル硝子、手作りガラスの製造、販売を生業としていて、創業は1905年という老舗、皇居宮殿や大使館などの照明ガラス、帝国ホテルのシャンデリアを手掛けた、知る人ぞ知る会社なのだ。
ここではガラス工房を見学できるだけでなく、体験コーナーもある。今日は生憎の雨模様なので観光客は少ないが天気が良ければ、施設の大きさからそれなりに客がやって来るのだろうと想像できる。とは云え、こちとらは興味は別のところにある。
体験コーナー行くという女子連と別れ、売店や工房をひと通り眺めた後、併設された地ビールレストラン「ドブリーデン」へ行ってみる。すると、なんと午前11時開店とのこと。誠に残念、昼食は別のところを考えていたので今回は見送るしかない。
その代わりに見つけたのが「カフェ・ド・ヴェール」という売店兼喫茶コーナー。ここでは単に呑むだけだが、ちゃんと月夜野クラフトビールが置いてある。地ビールは1杯600円、プラス200円出せばオリジナルグラス付き(持ち帰りOK)とのことだが、別にグラスに困っていないので丁重にお断りした。
頼んだピルスナーをチビチビ呑んでいるうちに、見学を終えた女子達も合流、ここでそのまま帰るチームと別れ、またしばらく月夜野クラフトビールを楽しんだ。でも、なんでガラス工房がビール造りを始めたのだろう?謎だ。

122 月夜野びーどろパークのガラス工房を見学。
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123 レストランは閉まっているのでここで・・・
124 月夜野クラフトビールを吞んだ。
125 もう一杯呑んだ。

「ペンションてんとう虫」は、昨年9月に三連泊して奥白根山、尾瀬笠ヶ岳、四郎岳、燕巣山をまとめて登って以来だ。まだ1年も経っていなかったせいか、我々のことは覚えていてくれた(と云っても多分、よく喋る女性がいる登山グループ、的な印象とは思われる)。女将さんには、「(そんな女性ばかりで)大変ね~」と男子一人の小生を労ってくれたので、「もう慣れましたから」と答えておいた。
この界隈には10軒ほどのペンションがあって、今は大学クラブの(もしかして高校も?)合宿シーズンのようだが、ここ「てんとう虫」は専用テニスコートを有しているにもかかわらず、その手の客はおらず、静かで良かった。たしかに部屋の造りや料金も含め、学生向きではない。
「花咲の湯」から戻ったら、まだ夕食まで時間があるので部屋でチビチビやる。スキー場のかなり上まで迎えに来てくれたおかげで、1時間ほど余計に歩かずに済んだせいだが、ちゃんと送迎代2,000円は取られている(宿泊費は1泊2食付8,300円、送迎代は2日分で4,000円)。ここの標高は1,000m近いので、窓を開けておけばエアコンなしでもそれなりに過ごせる。
夕食時になったので1階の食堂へ移動。4人掛けテーブルに2人づつ座る、今どきのスタイル。呑みものはやっぱりワインかなと、赤ワインをセレクト(値段が分からなかったが、後で2,000円と知る。とてもリーズナブルだと思う)。前回のように取り違えられる心配も無い。ご主人は、赤ワインを氷で冷やせるデカンターに移してくれたが、そんなに冷やしてもらう必要はない。メインディッシュ(白身魚のホイル焼きとビーフステーキ)の前に野菜天ぷらが食べ切れそうにない程出てきた。当然、ご飯まで辿り着けない。
朝食はゆっくり7時半から。ワンプレートに様々なおかずが乗っていて、これだけでも腹が一杯になりそうだったが、無理してご飯もいただいた。毎度此処へ来ると、食べ過ぎる傾向があるようだ。

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119 夕食は赤ワインで乾杯。
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120 【第2日目】朝食。
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121 お世話になりました。
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このところ2、3年、上州武尊山は残雪の頃、スキー場のリフトを活用して速攻アタックを試みているものの、天候やコロナ等の影響により実現できていない。そこで、今回は多少天候が悪くても登れる無雪期にトライしてみることにした。とはいうものの、やはり雨ではクサリ場は厄介。悪天候だったら玉原越えで鹿俣山でも登るかと思いながら当日を迎えた。
早朝、家を出る頃は雨で、これではやはり玉原越えかと覚悟していたが、高崎辺りではすっかり雨は止んでいて、沼田に着く頃には日差しも見え隠れするような空模様。これならば大丈夫そうだと、予定通り武尊神社までタクシーを走らせる(本当はもうちょっと先の駐車場まで行って欲しかったが、何故かタクシーはここまで、という決まりがあるらしい)。
登り始めたら至極順調、岩場も何のその、コースタイムを上回るペースで山頂に着く(山行記録はこちら)。下りはちょっと長く感じたものの、予定通り「オグナほたかスキー場」の標高1,650m付近まで、ペンションてんとう虫のご主人が車で迎えに来ていてくれたおかげで(このご主人はなにかと顔が広く、一般車が入れないところまで来てくれる)、明るいうちに宿に着いた。
荷物を置いてサンダルに履き替えたら、今回も「花咲の湯」に連れて行ってもらう(前回はこちら)。途中、ペンション村には、前回は全く見掛けなかった若人達がウロウロしている。テニス部とかの合宿に来ているようだ。こんな連中が「花咲の湯」にウジャウジャいたらイヤだなと危惧していたら、案の定、男湯は彼らに占領されていた(女湯はそうでもなかったらしい)。黙浴なんかくそくらえ状態。こんなところで長居は危険だと、隅っこでさっと身体を洗い、湯船に身体を沈めることなく直ぐ出た。
休憩室にも居たら、缶ビールだけ買って外で呑もうと思っていたら、そうでもなかった。確かに若者が畳の上でゴロゴロしているのは似合わない。それでも、外の方がいいだろうと出てみた。ウッドデッキが設えられていて、庭の緑も良さげ。程よい暑さで、ビールが美味かった。

003 一般車はOKだけど、タクシーはここまでと断られた。
011 ブナが増えてきた。
021 鎖場、現る。
022 濡れているがスタンスは豊富。
023 鎖に頼らなくてもそれなりに登れる。
026 この岩も順層なので問題なし。
031 4つ目の鎖場は傾斜がやや強い凹角ルート。
033 高低差があるので息が上がる。
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036 笑ってみて、とリクエストしてみたが。
044 標高2,090m付近。この辺りが森林限界。
049 コメバツガザクラ?
050 ゴゼンタチバナ。
051 少しだけガスが切れてきた。
053 ツバメオモト。
054 武尊山山頂に到着。
056 深田百名山にしては少ないか。
059 またまた、谷を考える。
063 まだ行く手は長い。
066 雪田は縦走路になっているようだ。
067 先行5人組が雪田上にいる(道を間違えたらしい)。
070 雪田脇にキヌガサソウの群落。
072 雪田越しに山頂を振り返る。
074 コイワカガミかミツバオーレンか。
077 川場剣ヶ峰が段々近づいてきた。
078 彼方は川場スキー場の上にある剣ヶ峰山。
079 中ノ岳直下。ここに「笹清水」が湧いている。
080 武尊山山頂に人影二人。
082 牧歌的な斜面。
084 細かいアップダウンが続く。
086 意外に時間が掛かる。
087 でも気持ちが良い尾根歩き。
092 ミヤマダイコンソウ。
093 川場剣ヶ峰が迫ってきた。
098 我々は巻き道を進む。
101 ベニサラサドウダン。
105 無事、川場剣ヶ峰を通過。
106 おや、ムラサキヤシオかな。
108 前武尊に到着。
111 こんなところもあった。
112 もうゲレンデが近い。
115 この直後、ペンションてんとう虫の送迎車がやってきた。
116 花咲の湯。
117 湯上りはテラスへ。
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118 お疲れ様でした。

「東忠」を出た後、小千谷名物「錦鯉の里」へ向かう。急な坂道を登ると太い通りに出る。本町通りらしい。これを横切ると今度は下り坂。左に折れたところにその「錦鯉の里」がある。錦鯉を展示する施設は日本でも(ということは世界でも)ここだけとのこと。
入館料520円を支払い、リュックサックは受付の事務所内に預かってもらう。建物の中に円形のプールがあり、ざっと100匹ぐらいの巨大錦鯉が泳いでいる。なかなか壮観。デカいヤツは1mぐらいありそうだ。これだけで幾らするんだろう? 外にも池があり、同じようにうじゃうじゃ錦鯉がいる。観光客もそれなりに入っている。
偶々だが、餌やりの時間になり、来館者にも餌を渡される。手から餌を食べますよ、と係員。なおちゃんが餌を持って水面に手を近づけると、巨大な錦鯉が先を争ってバシャバシャと集まる。餌を握った手ごと、呑み込みそうな勢いだ。よく見ていると、餌の位置を的確に把握している訳ではなさそう。それが証拠に、手から離れた餌を速やかに追うような動きはしない。目が悪いのか(近視なのか?)、或いは水面に近づけた手に口を近づければ餌が口に入る確率が高い、と動機付けされているように感じる。
「錦鯉の里」を出て、目の前にある総合産業会館サンプラザで「小千谷ちぢみ」(原料の苧麻は現在、会津の昭和町でしか栽培されていないとのこと。大丈夫か、それで?)の展示を見学した後、またタクシーを呼んで小千谷駅へ。帰りの新幹線に乗るため、長岡駅へ移動する。
指定席券を買った後、駅構内で少々腹ごしらえしようと「長岡小嶋屋」に入る。もちろん、生ビール(627円)で喉を潤す。その後、日本酒と共に板わさ(605円)、鰊と車麩の煮物(???円)をいただく。締めにはへぎそばだが、二人で一人前でもちょっと多いかなと思っていると、スモールポーションのへぎそば(ランチセット用の"半そば")があるという。この店は痒い所に手が届く感じで好ましい。もちろん、つるつるシコシコで申し分なかった。

200 ここに寄った。
201 錦鯉がうじゃうじゃ。
203 なおちゃんが手でエサやり。
204 吸い付いてくる。
206 入場料520円でした。
207 このあと、小千谷ちぢみを鑑賞。
208 長岡に移動し「小嶋屋」に入る。
209 何も云わなかったが、3つに切ってくれた板わさ。
210 これも定番、なめこおろし。
211 にしんと車麩。
212 もちろん締めはへぎそば。
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3日目は特に何処へ行くとも決めていなかったが、女子連が小千谷へ行って錦鯉を見たいというので、付いて行くことになった。今日も天気はいまいち。入広瀬駅10時9分発のディーゼルカーに乗り、終点の小出駅で上越線に乗り換え。こんな雲が低く垂れ込んだ天気でも、真白き越後三山は視認できる。小出駅のホームからは下権現堂山、上権現堂山が良く見える。こちらは殆ど雪は残っていない様子。やはり4年前の前回に比べると、雪解けが早いのかも知れない。
小出駅で水上駅始発長岡行の電車に乗り、小千谷駅には11時29分に到着。何にもしていないのにもう昼時だ。ランチは事前に検索し、電話予約も入れておいた「居食亭 東忠」へタクシーで向かう。小千谷の街の真ん中を信濃川が流れていて、小千谷駅は川の東側、「東忠」を含めた中心街は西側にあると知る。
「東忠」は黒塀に囲まれた重厚感がある老舗料亭。上がり框の脇には池が設えられていて、錦鯉が泳いでる。なかなかいい雰囲気である。仕事にしろプライベートにしろ、地方都市に出掛けたときは、このような店に入るのが楽しみだ。都心で似たような店構えだとかなりふんだくられるが、地方都市だと安心。物価の安さが羨ましいと感じる瞬間である。
通された部屋は窓が無いが落ち着いた雰囲気。家族連れのような先客がいた。我々は三人揃って、和(なごみ)膳(1,650円税込)を注文。でもその前に生ビール(650円)をいただく。間も無く出てきた和膳は、海山の幸を盛り込んだ、女性受けがする料理が並んでいて「穀雨春愁」と書かれた短冊が添えられていた。とてもリーズナブルに見える。これでご飯を食べるのも悪くないが、何方かと云うと日本酒に合いそう。ということで、新潟の銘酒「朝日山」(300ml、1,050円)を注文した。桜の葉の塩漬けが入った茶碗蒸しも美味かった。

188 宿にお別れ。
189 入広瀬駅から鷹待山を見上げる。
190 スズメが頻繁にやってきて煩い。
191 また来る日までさようなら。
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192 魚野川と越後三山。
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193 小出駅から下&上権現堂山。
194 ランチは小千谷の料亭。
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195 庭の池にはもちろん錦鯉。
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196 落ち着いた部屋で一杯。
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197 穀雨の候、春愁に浸る。
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198 「朝日山」は長岡の地酒。
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199 おいしゅうございました。
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谷川岳ロープウェイ駅で(やむを得ず)缶ビールを立ち呑みして喉を潤したあとは、汗を流しに日帰り温泉にいくことにする。この界隈は温泉が豊富な割に、いざ調べてみると入れる時間帯に制限があったり、入浴料が1,000円以上で高額だったりと、気やすく立ち寄れる温泉は意外と少ない。
その中で今回は「水上温泉」ではなく、「谷川温泉」にある「湯テルメ谷川」に入ってみた。ここは入浴料630円とまあリーズナブルなのだが、食事処が無いので生ビールは呑めない。しかも休憩室の自販機では缶ビールを売っていないのが玉に瑕。というか、大減点。ここの経営者(または管理者)に問いたい。何故、ビールを置いていないのだ!?と。でも仕方なく入ることにした。でもこのままじゃ、もう来ないぞ。
「谷川温泉」は、巨大温泉ホテル(そのうちのかなりが廃墟と化している)が立ち並ぶ「水上温泉」と違って小規模な宿が多いので、ちょっと情緒はあるものの、温泉街というほどそぞろ歩きして楽しいということは無い。個人的には、ここにある「水上山荘」(100%源泉かけ流しなのに、季節が変わっても風呂の温度を一定に保てるのがウリで、クイズにもなっている。いったいどうやっているのか、ご存じだろうか?)に泊まったことがある。
ロープウェイ駅からタクシーで「湯テルメ谷川」に乗り付ける(我々は6人なのに、タクシー普通車1台で何故、速やかに到着できたのかは秘密である)。建物はロッジ風、中に入るといきなり受付、いきなり風呂場という感じ。このノリは銭湯に近い。脱衣所も狭い割に結構客が入って来るので、ちょっと密な感じ。カランが少なめだが、内湯、露天風呂はまずまずの広さ。ここはなんと源泉が3つあるらしいが、どれがどれかよく判らなかった。
さっぱりした後は天井が高い2階の休憩室で、ビールの代わりに清涼飲料水を飲んで皆が揃うのを待った。タクシー待ちで外へ出てみると、爼嵓が西日に輝いていた。

104 まだ載せられるよ、と運転手。
105 ここで温まった。
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106 ここにはビールが無いので・・・
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107 「湯テルメ谷川」から爼嵓が良く見える。
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2日目は朝からピーカン。冬の上越国境でこんな天気に巡り合うのは極めて幸運だ。余程、皆さん(含、自分)の行いが良かったとみえる。予定では一ノ倉沢出合までの往復、でもそれだけじゃ勿体ない感じもする。こんな天気だったら、雪の稜線に立てばさぞかし胸がすくような眺めだろう。とは云っても、これから谷川岳往復は流石にキツイ。ガラリと変えて、ロープウェイで天神平往復だけの超楽チン軟弱観光にする手もある。どうするか。とりあえず送迎バスを待って出発し、水上駅でロープウェイ駅行きの路線バスに乗り換える。
バスに乗っている間に再考し、やはり初心貫徹でいってみようと旧清水峠越えの道を歩き出す。最初はしっかり踏み跡があったが、九十九折の車道に沿って進むと何故かトレースが無い。ツボ足では話にならないのでスノーシューを履いてラッセル開始。忽ち汗みずく。暫く進むとまたトレースが現れたのは、先行者は皆、急斜面をショートカットしていたようだ。ともあれ、ラッセルが無いのは何よりだ(と云っても先行トレースはツボ足(!)なのだった)。
あとはほぼ平坦なトレースを淡々と辿るだけだが、そうは云っても雪道。夏だったらマチガ沢出合まで30分も掛からないが、たっぷり1時間掛かって到着。日に照らされたトマノ耳、オキノ耳が神々しい。その先の一ノ倉沢出合まで更に1時間掛かったが、見上げてみれば圧倒的な迫力。やはり来た甲斐はあった。
帰りは我々スノーシュー6人分の弾丸トレースが出来ているので、半分ほどの時間でロープウェイ駅に戻った。早速、前回にも入ったレストラン「ビューテラスてんじん」を探すと閉まっていて誰もいない。コロナ禍のせいか、それともシーズンオフのせいなのか。仕方なく、自動販売機で缶ビールを買ってグビッと立ち呑みした。やっぱ、これでも美味い。

066 今日はここから。
067 天神平も良く見えている。
068 ここから除雪無し。
069 今日もサングラスは必携。
070 雪上訓練中のパーティ。
071 トレースが無かったのでスノーシューを履く。
072 今日は絶好のスノーシューイング日和。
073 ツボ足のトレースあり。
074 今日も交代でラッセル。
075 正面は白毛門。
076 吹き溜まりは3mぐらいは積もっていそう。
077 マチガ沢が見えた。
078 ここまでたっぷり1時間掛かった。
079 ハイ、ポーズ。
080 あれがトマノ耳。すぐ左のザンゲ岩も良く見えている。
081 笠ヶ岳。
082 真っ白な上越国境稜線。
083 先を急ぐ。
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084 更に雪は深く。
085 吹き溜まりを何度も越える。
086 一ノ倉沢が見えた。
087 気分は一気にクライマックス。
088 黒々とした衝立岩が目立つ。
089 さすが迫力がある。
090 一ノ倉沢出合に到着。
091 記念撮影。
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092 もう一枚。
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093 国境稜線に光が当たっている。
094 あのとんがりはシンセン岩峰。
095 白毛門も尖って見える。
096 名残惜しいが、さて戻ろう。
097 あの黒い岩は堅炭岩。
098 帰りはラッセル無しなのでやっぱり速い。
099 マチガ沢出合。
100 また逢う日まで。

101 白毛門もさようなら。
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102 ロープウェイ駅に到着。
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103 レストランは閉まっていたので立ち飲み。

首尾良く「天丸」でビールを呷った後は上毛高原駅に戻り、今宵の宿「汪仙閣」の送迎バスに乗り込む。これで山登りモードは終了し、お殿様、お姫様の扱いを受けることになる(それほどでもない)。上毛高原駅や途中、寄っていく水上駅(いまどき、特急すら停まらない水上駅まで電車で来る輩がいるのかと思っていたが、実際、乗ってきた客がいた)辺りはまだ豪雪地の雰囲気でもないけれど、宿に近づくにつれ急に積雪が増え、宝川温泉界隈まで来るとまさにドカ雪が降ったことを実感させる風景。
玄関を潜ると先ず検温。何故か小生だけは(さっきの酒のせいか?)何度測っても37度以上あるとの表示、まじ?結局、入館拒否までされなかったが宿の係員に、具合が悪くなったら直ぐに知らせて欲しい、と懇願された。でもそんなことは直ぐ忘れた。フロントにはかなりの客が群がり、受付順番待ち状態。客層は概ね我々よりもはるかに若い(特にカップルが多い)感じ。これもご時世か。
漸く部屋に入ったら、早速風呂だ。露天風呂は洗い場が無いとのこと、先ずは内湯でさっぱりしてから、吊橋を渡って露天風呂へ。いくつかあるらしいが雪が凄くてよく判らず、皆が入っていく方向へ付いて行く。以前は違ったようだが、この頃は男女とも湯浴み着がマスト。服を着て風呂に入るのは個人的には初めて。何となく風呂に入ったような感じではない。湯も個人的にはぬるめで、一度入るとなかなか出る勇気が湧かない。
そうこうしているうちにとっぷりと日が暮れ、いつの間にかライトアップされた雪景色。本館へ戻る雪径はだいぶ雰囲気が良くなった。
部屋に戻って、缶ビールを呑んだらもう夕食タイム。食事処には他に何組かの客(皆、家族連れかカップルなので、我々のような集団は異質)が来るので、街のレストランと大差はないなと感じる。腹がくちたら皆、忽ち眠くなる。生活習慣病対策として「夕食を食べたら最低2時間は眠らないように」と俗に云われるが抗えず、8時にならないうちに全員就寝となった。

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「五十沢温泉ゆもとかん」で、湯上りビールを呑みながら今日の山を振り返っているうちに、アレコレ思い出してきて、まったりするどころかちょっとムカムカしてきたところで、皆が揃ったので宿の送迎車で六日町駅へ向かう。
元々の計画では六日町17時10分発の電車に乗るつもりだったが、時計を見ればもう1本早い16時29分発に乗れそうだということになり、運転手に申し出て(只でさえサービスなのに、重ねてのお願いなのでここは女子渉外係にお任せで)ちょっとだけ急いでもらったら、上手い具合に丁度間に合った。何から何まで「五十沢温泉ゆもとかん」にはお世話になった。またここへ来るのはいつの日か。
越後湯沢駅には16時50分到着。先ずは帰路の新幹線のキップ取りだが、全員で並ぶことも無いので小生は別れて店のテーブル確保に動く。駅構内にあるへぎ蕎麦屋「小嶋屋」は、いつも混んでいるイメージだったのでそうしたのだが、行ってみればそれほどではなかった。「8人で」と云うと、丁度4人掛けのテーブルが横並びで2つ空いていたのでそこへ収まる。
全員が揃うまで待つのがもどかしいので、後から来たとの~となおちゃんと3人でフライングして生ビール(アサヒ・プレミアム熟撰、600円)。程なく全員が揃ったところでまた祝杯。山から下りてもう3杯目だが、何度呑んでも美味い。
頼んだつまみは、やはり定番の板わさ(450円)、合鴨の黒胡椒焼き(600円)、小嶋屋玉子焼き(500円)、舞茸天ぷら(650円)、そして、天ぷらへぎ蕎麦(1,550円)の天ぷらだけを先に出してもらう。酒は、地元の緑川(1合700円)をいただく。淡麗で料理に合うタイプ。そして締めはもちろん、へぎそば。1人前(1,100円)を半分いただく。今日もつるつる、しこしこだった。越後の山旅は、へぎそばで締めるに限る。

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無事に八海山に登頂して、ロープウェイ山麓駅で祝杯を挙げた後、呼んだタクシーで再び「五十沢温泉ゆもとかん」へ。別に今日は泊まる訳ではなく、立ち寄り湯して帰るだけなのだが、宿のご厚意により入浴料を無料にしてもらった(勿論、交渉係は小生ではない)。
昨日は岩風呂にしか入らなかったので、今日は内湯。入ってみると十分な大きさなのに、誰もいない。まだ時間が早いので今日泊まる客もやってきていないのだろう。ゆったりと湯船に浸かる。
風呂から上がったら、また昨日と同じように自販機で缶ビールを買う。サッポロビールの新潟限定版だった。味に違いがあるのか判らないが何となくこれだけで旅気分。何処で呑もうかとぶらぶら行くと、玄関脇のロビーにいっぱいテーブル席があるので、そこの一角に陣取りプシュッとやる。まだ他の皆は風呂から戻って来ない。
それにしても今回、ロープウェイの運行時間が8時から16時まで制限されているやら、登山客が多くて抜いたり抜かれたりする頻度が多いやらで時間が掛かりそうだったので、果たして山頂(大日岳)まで行けるのか怪しかったが、何とか登れて良かった。とりあえずホッとした。
だいたい、こんなタイミング(紅葉の最盛期)で15人のツアー団体なんて大迷惑だ。歩くペースの違いによって、抜いたり抜かれたりは普通によくあるが、彼らは歩くペースが我々より早いのに、何故か20~30分に1回ぐらいのペースで休みを入れる。どゆこと?
折角立ち止まって先を譲ってあげたのに、今度は我々が抜かざるを得ない。道が狭い上に皆マスクなんかしていないので、コロナも気持ち悪い。これを何度となく繰り返すとイライラが募ってくる。もう先なんか譲ってやるか!という気ももたげて来る。精神衛生上、迷惑だ。
とにかく、登山ツアーの連中(というか先頭を歩くツアコン)は明らかに休み過ぎ。もうちょっとペースを遅くして、50分~1時間に1回ぐらいにすべきだ。そしてもちろん、身体(筋肉)が冷えないよう休み時間は5分ぐらい。こんなのは山登りのイロハのイでしょ?ツアコンさんよ、わかってる?

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