山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

居酒屋

ほぼ2年ぶり(前回はこちら)の、通人の酒席「ふくべ」。前回の入店は18時30分頃だったせいもあって、かなり賑わった状態だったが、今回は16時30分の開店直後。余裕の入店。もしかすると一番乗りか、とも思ったが、縄暖簾を潜ってみると、目の前のカウンター席には、既に常連と思しき方々が数名、お銚子を傾けていた。お見逸れしました。
我々はテーブル席のスペースへ。こちらは誰もいない。選り取り見取りだが、ちょっと遠慮がちに二人掛けのテーブル席へ着地。壁には、有名どころの日本酒の札がずらり。昨今の流行りの酒を置いていないところが、むしろ如何にも老舗の居酒屋っぽくて好ましい。当然、最初から日本酒で行こう。この頃、あまり呑むことが無い福岡の銘酒、西の関にしてみた。
お通しは定番のこんぶ佃煮と、何故か茹でたジャガイモ。どちらも(たぶん)何の変哲もないシロモノなのだが、こういう雰囲気の店で喰うと何故だか美味い。あっという間に食べ尽くした。在り来たりのチェーン店で同じものが出て来たら、箸もつけないような気がする。これが古典酒場の貫録というものかも知れない。
他にも何か喰おうと、メニューを暫し眺め、先ずしめ鯖(600円)を注文。酢の加減は程良い。その後、月曜の定番という、焼き油揚げ(500円)をいただく。水菜と白ねぎが乗って、ポン酢つゆが掛かっただけのとてもシンプルな一品だが、これが酒にぴったりくる。もうひとつ、たたみ鰯も頼んだ。醤油だれが掛かったたたみ鰯、ただそれだけだが、これも日本酒以外に合うものは考えられない。
「ふくべ」のつまみは、どれをとってみても、日本酒好きには堪えられないものが出て来る。この店にいると、雰囲気に酔えて、酒に酔えて、つまみにも酔える。今度はいつ来ることが出来るだろうか。その時はやはり、開店直後を狙いたい。

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「あさぎり」で新宿到着後、やはりせっかくなので、新宿のネオンに誘われてちょっと寄り道。かねてより名前が気になっていた店があったので、行ってみることにした。「居酒屋かあさん」という店は、新宿だけでも3店舗(東京全体で12店舗)あるが、今回、入ってみたのは新宿駅前店。
道路に面した看板に従い、階段を降り、地下の廊下にあった行燈型の看板通りに進むと店。これでは迷いようが無い。外の看板には「うまい安心!かあさんの煮物」と書かれていて、一見客でも、故郷が恋しいオヤジさらりーまんだったら、その文句に釣られてついふらふらと入ってしまいそうだ。
店内に入ると、意外に広い。一方、先客は2組だけで、ガランとしている。注文を取りに来たのは、中国系の若い子。接客はこの子ひとりだけらしい。残念ながら「かあさん」はいないようだ。
とりあえず先ず呑もう。ハイボール(420円税別、以下同様)で乾杯。
つまみには、カマンベールフライ(580円)、ハムカツ(620円)、牛すじ煮込み(580円)をチョイス。味はまずまずだが、酒もつまみも、全般的にやや高めな印象。手作り感を前面に出してその分、手間がかかっているので若干高めの価格設定、という戦略は感じるが、その肝心な「かあさんの手作り」感がやや薄いので、割高感は拭えない。少々残念。
これで中国系の店員を使い、客がバンバン入ってきたら、店としてはウハウハだが、土曜日の夜にしてこの客の入りでは、戦略の見直しが必要ではないか。やはり「かあさん」感が物足りないせいだと思うが如何。いっそ、「いづみや」のごとく、正真正銘の「かあさん」を接客係に採用したらどうだろう。地方の訛りがあれば、尚いい。外国人観光客もやってくるかも知れない。ときどき、聞いた注文を忘れることがあるかも知れないが、それこそが「かあさん」の味だと思う。

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海外出張帰りの人を肴に、オヤジ5人で急きょ、呑み会。かつて寿司屋があったところが、いつの間にか焼き鳥屋になっていて驚いた。それぐらい、この辺りには来ていなかったということ。とりたててどうこう云うような料理も無いのだけれど、ひとつだけ突っ込んでみたかったので、写真を撮った。

オヤジ達相手に、ハートのビール泡アートはやりすぎじゃないの?

TORITETU
 

「宮戸川」ですっかり不完全燃焼を起こしたので、験直しにもう一軒入ることにした。その店は「赤垣」という古典酒場。吉田類の「酒場放浪記」にも出て来る。藍染めの暖簾と、ぶら下がった提灯にも「酒夏酒冬」という文字が見える。どういう意味だろうか(「春夏秋冬」の洒落のようである)。
創業は100年にもなるらしい。ということは、大正ノスタルジーの世界。そういう店ならば、客あしらいも馴れているだろうと、その点では安心して入れるが、ここは予約が利かない店なので、やはり恐る恐る暖簾を潜る。
間口が2間ぐらいしかない小ぢんまりした店、入口右手にテーブル席、奥がカウンター席になっている。既に先客は10数人いてほぼ満席だが、女性店員(もしかすると女将?)がすっとカウンターを指して「如何?」と眼で合図。上手い具合にカウンター席が2つ空いていた。
この時間でも、仲見世界隈は外国人観光客で溢れ返っていると思われるが、一歩この店に入ると別世界。耳に入って来る話し声のトーンも抑えめで、むしろ心地良い。若者がいないかと思うとそうでもない。若いカップルが静かに呑んでいる。年季が入った居酒屋ならではの雰囲気が、そうさせるのだろうと思う。常連客が多そうな感じだが、一見客でもとても居心地が良い。これぞ酒場。
付き出しはパスタサラダときゅうりの酢の物が、2人で1セット。この心遣いも粋に感じる。酒は高清水純米(500円税込、以下同様)にしてみる。つまみは、カンパチのカマ焼き(750円)、カキフライ(650円)、合鴨つくね(450円)を注文。当然かもしれないが、そろそろかな、と思う頃にちゃんと出て来る。しかも、美味い。あ~、救われた。

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赤垣のHPはこちら 

「酒蔵 信濃」から駅に戻って新幹線の切符を買おうとすると、意外に夕刻の本数が少なく、しかも直近の18時34分の「はくたか572号」、19時20分の「あさま628号」は既に指定席が満席状態。そんなに「信濃」に長居した訳でも無いが、やっぱり念には念を入れて、呑む前に指定券を買っておけばよかったか、迂闊だったと反省。立ったまま帰る選択肢も無い訳では無いが、せっかく良い気分になっているのに興醒めだ。明日も休みなので、今日はゆっくり帰るとしようと、19時50分発の「はくたか574号」の指定席を確保。席はバラバラだが、座れるだけ有り難い。
残念ながら、と云うか嬉しいことに、と云うか、まだ1時間半ある。もちろん、小生としてはハシゴをすること自体、吝かではない。ともかく再び、駅の外へ繰り出す。雪がしんしんと降っているので、やはり近場にしようと、「ゴールデン酒場」と書かれた看板に釣られて店に入る。
1階はかなり混んでいる様子で、2階へ通される。この店は、居酒屋ではあるが若者が好みそうな雰囲気。調べてみると、長野県内に展開している居酒屋チェーン店のようである。午後3時から営業しているので、我々のように帰りが遠い者向きの店である。
飲み物のメニューを覗くと、ここにも信濃の地酒が色々あるが、ハイボールの類もずらりと並んでいる。さっきは日本酒だったので、ここでは炭酸系でいくことにする。この店では、普通のハイボール(ウイスキーベース)のことを、態々ウイスキーハイボール(380円税別、以下同様)と呼んでいる。ゴールデンボール(380円)というのがあったので、それを呑むことにした。よくみると、キンボール(380円)というのもある。「ゴールデン」も「キン」も同じじゃないの? なんだか即物的なネーミングだなあ、と思いきや、実は「ゴールデン」の方は、宝焼酎ゴールデン(と云う名の焼酎)がベース、「キン」はキンミヤ焼酎がベースのハイボールだった。なかなかウケる。もうひとつ、単にボール(380円)というのもある。これは、この店オリジナルの焼酎らしい。
つまみもかなり豊富。どれにしようか迷うが、焼き餃子(380円)、ねぎメンマ(300円)、とりもも串(150円×3)、信州サーモン刺身(650円)を注文してみた。何れもさっきの「信濃」には無かった料理。信州サーモンは蕩ける。
こうやって梯子酒を呑んでいると、何だか、出張の帰りのようでもあり、事故かなにかで不通になっていて再会まで云い訳がましく呑みにいくような感じでもある。女性(特に主婦)にとって、列車待ちで一杯やるのは殆ど経験が無いと思うが、さらりーまん族は、出張の帰りに列車待ち、フライト待ちで一杯やるのは、ごく一般的な行動。そう云えば、この頃、すっかり国内出張が無くなったなと思い出した。

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ひと通りの観光を終えた後は、ちょっと腹が空いてきたので何処かに入ろうかとなるが、その前に一応、駅のみどりの窓口へ行って上り新幹線の空席状態を確認。どの列車も「空席有」となっているので、どうやら予約は要りそうにない、安心して店に入ることとしよう。
予め調べた範囲では、駅前ビルの地下に早い時間から開いている居酒屋があったので、そこを覗いてみることにする。店構えは、如何にも酒場という雰囲気。その名も「信濃」というストレートな店名で、場所柄、列車待ちに使う上で便利そうだし、夜が待ちきれない呑んべえにとっても使い勝手が良さそうだが、意外にも常連が屯している店のようである。しかし、だからと云って、一見客には敷居が高いということはない。
扉を開けると、右手にカウンター席と厨房、左手は小上がり。我々は、誰も先客がいない小上がりに着陸する。内観も、ごく普通の駅前居酒屋という感じだが、メニューを見ると信濃の地酒がずらり。こういうところが、山の帰りの楽しみの一つである。つまみも奇を衒わない品揃え。
ならば最初から日本酒でいくか。まずはやっぱり信州亀齢(400円税込、以下同様)で。メニューには、「きれい」と平仮名だけ、書いてある。付き出しは、おから。この頃、あまり目にすることが無い。他に、湯豆腐(450円)、馬刺し(800円)、ポテトサラダ(350円)、おでん(450円)、味噌煮込みうどん(680円)を注文してみた。
馬刺しは長野に来るとつい頼んでしまう。柔らかくって良い感じの歯応え。ポテトサラダは正統派。それ以外の料理は、どれも素朴だが、安心できる味。この安心感が、駅前居酒屋では重要。程良く呑んでいい気持になったところで外へ出ると、雪はすっかり本降りとなっていた。ここが信濃の国だったことを思い出した。

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岡崎酒造を出た後、女子連は、上田城を観光したいと云うのでご案内。途中、「おお西」の本店も外から見物。何故か「切られ与三郎」の看板が目印。次は本店の蕎麦を手繰るか。その先に、「菱屋」という味噌店があったので立ち寄り(武田味噌醸造の直売店だった)。霙交じりの氷雨が降ってきたので、少々足早に移動。
堀に掛かる道を進むと、上田城址の入口にある「真田丸大河ドラマ館」の前に、数軒の露店が並んでいた。真田茶屋と呼ばれているようだ。その中に、さっき上田電鉄・上田駅前で、店が閉まっていた焼鳥屋「番長」の露店があるのに気が付く。美味(おい)だれ焼き鳥が気になる・・・。
・・・上田城そのものはもう、2、3度入っているので、個人的には別に見なくてもいい。ならば、「ここで女子連が戻って来るのを待つのは良い手かも知れない・・・」と思い付き、ご案内はここまでにして「ここで一杯やりながら待ってます」と宣言した。寒空の下では、さすがに缶ビールには手が出ない。
カップ酒を飲み干す頃には戻って来るだろうと思い、熱燗を購入。銘柄は、「明峰・喜久盛」とあり、醸造元は「信州銘醸」。上田の丸子にある酒蔵のようだ。カップの周囲に、上田から眺められる山々が鮮やかに描かれている。昨日登って来た、根子岳も描かれている。こういうのって、いいなあ。
折角なので、つまみには、美味だれ焼き鳥をゲット。齧ってみると、焼鳥に、にんにく醤油だれをかけたもののようだ。なかなか美味い。
ちびちびやっているうちに、霙はいつしか雪に変わり、じっとしているとじんじんと冷えるが、カップ酒の熱燗があるうちは大丈夫。丁度飲み干した頃、女子連がお帰り。1月15日を以て、上田城真田茶屋は終了となった。従って、この店に寄ったのは、最初で最後ということになる。

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年の瀬。買い物があるとカミサンがいうので、北千住へ付いて行き、そのついでに何処かへ入ることにした。そうとなれば、少々、事前調査。もつ焼きがメインの店は外すとして、年末だともうやっていない店も有りそうだ。出来れば知らない店にしたいと探すうちに、ここはどうだろうと目星をつけたのが「まさき」という秋田料理の店。早めに入れば予約も要らないだろうと踏んで、とりあえず行ってみた。
まだ17時前だが、店の前に行ってみると、もう開店前から、入口に何人かが屯していた。こりゃ、予約をしていないと無理かなと思ったが、出て来た店員に訊くと問題なく「どうぞ」とのこと。偶々気の早いグループが目の前に居たということのようだ。
30人ぐらい座れそうなテーブル席は靴を脱いで上がる堀炬燵形式になっているが、床暖房がある訳ではない。奥にはカウンター席がある様子。うなぎの寝床の如く、奥に長い店である。我々は、一番厨房に近いテーブル席に着陸。暫くして、ポツリポツリと奥に入って行く。結構、カウンター席目当ての客がいる。テーブル席も次第に埋まってきたが、我々が帰る時になっても、全てが埋まることは無かった。
落ち着いたならば、先ずは生ビール(600円税込、以下同様)から。ここはサッポロ黒ラベルである。その後はやはり日本酒。定番の高清水(精撰420円/一合)でいくか。
料理は目移りするぐらい色々ある。ざっと、100種類ぐらい。しかも秋田らしい料理もかなり並んでいてワクワクする。さて、刺身は鰆炙り(780円)にしてみるか。もう鰆の季節なのか、ちょっと早い気もするが。鰆の刺身なんて、ひと昔前までは関東では見なかったが、とりあえず金さえ出せば喰える時代になったということか。
ポテトサラダ(480円)も試さない訳にはいかない、と注文。おや、いぶりがっこ入りだ。流石、秋田料理店。いぶりがっこは自己主張が強いな。次は比内地鶏唐揚げ(1,180円)。ちょっと高いけど。実はこの店、他に普通の鶏唐揚げ(680円)もあるんだけど、折角なので比内地鶏。ふ~ん、予想通り歯応えが違う感じ。
秋田ならではの、ハタハタ飯寿司(700円)も頼んでみる。馴れ寿司かと思ったけれど、全然癖は無し。麹の甘さを感じるが、余り食べることが無く珍しいので問題ない。最後に鴨つくね(400円)も注文。やっぱり鴨は美味いね。まだまだ、喰ってみたい料理が並んでいるが、今宵はこれまで。次回は、きりたんぽ鍋でも喰ってみたい。 

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「鈴真」で鴨葱鍋を堪能した後、越谷駅に戻るが、折角なのでもう一杯だけ寄り道することになった。何れにせよ、越谷界隈は全く疎いので、全面的にカミさんが頼り。それで入ったのは、越谷駅の直ぐ東にある「越谷ワイルドダック」という、まさに鴨に肖った店。
ここはちょっと変わった店で、入って直ぐ右側は、和テイストの「鴨ねぎや」なのだが、そのまま奥へ進み右折すると、洋風カフェテリア「カフェココチーノ」。つまり、2種類の店が同居している感じなのが「越谷ワイルドダック」なのだった。たぶん、経営者は一緒なのだろうと思う。
「和」と「洋」どっちにしようか迷ったまま、店に入ることができるという、優柔不断な人間にはメリットがあるだけでなく、互いの店からはもう一方を見ることが出来ないので、フードコートの様な雑然とした感じは無い。しかし、「洋」の店に居たまま、「和」の料理を注文できるのか、更には「洋」の店の支払いを済ませないまま、伝票を「和」へ持ち越せるのかどうかは、判らない。
我々は、存分に「和」を味わってきたところなので、そのまま「洋」の「カフェココチーノ」へ着陸。何となく、フランスかスペインの田舎に有りそうな雰囲気が漂う店の内装。さっそくメニューを眺めてみると、鴨ネギピザとか、鴨スモークがあるので、鴨好きには気になるところ。しかし、我々はそれほど喰えそうにないので、涙を呑んで、「情熱のガーリック枝豆」(590円税別以下同様、バケット付き)にした。いわゆる、枝豆のアヒージョである。にんにくと枝豆の和洋折衷的取り合わせは、目にすることは少ないが、意外とイケる。
飲み物は、白のグラスワイン(ミシェルローラン・ミュスカデ・セヴルエメーヌ、480円)にしてみた。かなりライトでフルーティ。ミシェル=ローランは、ワイン業界では超有名人だが、このワインが本当にその人の手によるものなのかは、少々眉唾な気がするが・・・。
この次にこの店に来る時は、是非、鴨ネギピザを喰ってみたい。

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越谷ワイルドダックのHP: こちら

西丹沢から下りてきた帰り路、久しぶりの新宿西口探訪。何も考えていないので、そのままふらふらと「思い出横丁」へ行くと、ひと通り巡ってみたが何処もかなりの混みようで満席状態、ややたじろぐ。外国人観光客が増えたせいもあるだろうが、とにかく、通り自体がすんごく、混んでいる。
そこで、「思い出横丁」から離れ、候補として予め調べておいた店に行こうかと考え直す。そこで、最寄りの居酒屋「十徳本店」に入ってみようと行ってみると、なんとここも満席。かなり大きな店の筈だが、やはりこの時間(午後8時頃)ではなかなか難しいか。
「十徳」の前で、次に何処を覗こうかと考えていた時、目の前にも居酒屋が有るのに気が付いた。「酒蔵かんちゃん」と書いてある。いかにも、典型的なオヤジ達の酒場っていう感じ。なおちゃんの同意を得て覗いてみると、カウンター席の手前が空いていたので、直ちに着陸。BGMはいまどき珍しくなってきたが、演歌がかんがん流れている。
ま、とりあえず飲み物はホッピー(360円税込、以下同様)を注文してみると、既に混合状態で出て来た。比率は悪くない感じ。2杯目を頼むと、氷も含め残りを次のグラスへ移して呉れる。あまり見ないサービス(あるいは単に氷の節約?)だがざっくばらんとしていていい感じ。
看板に「九州」の文字が見えたが、メニューを見てもどのあたりが「九州」なのか、わからない。頼んでみたのは、ブリ照り焼き(???円)と肉豆腐(510円)、竹輪磯辺揚げ(370円)。どれも特に安くも無いけど高くも無いという印象。味はと云えば、比較的薄味でやや甘口か。そのへんが、九州を仄かに感じさせるところなのかも知れぬ。一般的に、東京の居酒屋は味が濃い目なので、こういう点が、おふくろの味を感じさせて呉れるのかも知れない。
一頻り呑んで喰って外へ出たとき、中国系観光客集団が店に入ろうとしていた。こんな店がガイドブックに載っているとも思えないが、中国版グルメサイトに書き込みでもあるのだろうか。新宿の居酒屋で、店員が中国系というのは良くあるが、客も中国系とは、これも時代か。少なくとも、新宿は「思い出横丁」だけが観光地、という訳では無くなっているようである。

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西丹沢自然教室BSから、15時40分発のバスで山北駅を目指して移動。途中のバス停から次々に登山客が乗り込んできて、座席がほぼ埋まる程度の込み具合。小生の座った席は、丁度、後輪の上で足元が高い。それでも更に混んできたので、リュックサックは膝の上に乗せ、やや窮屈。
山北駅に到着、前方ドアへ移動し、SUICAを取り出そうとしたとき、ジャケットのポケットに財布が無いのに気が付いた。晴天の霹靂。財布には、びゅうSUICAカード以外に、銀行のキャッシュカードも、コーポレートのクレジットカードも、健康保険証も入っていた。考えるだけで暗くなる。
一応、座席に戻って、下に落ちていないか確認したが見当たらない。いつまでもこうやっている訳にも行かず、とりあえずのんちゃんからお金を借りて支払い、下車。リュックサックの中を探しても見当たらないので、ウェルキャンプ場の売店へのんちゃん、なおちゃんが電話してくれたが、結局、ありませんとの回答。すると、やはり怪しいのはバスの中、ジャケットのポケットから落ちて、座席と車体との隙間に落ちたという線が一番気になるところ、もう他は考えられない。
富士急湘南バスの本社営業所に電話すると、まだ件のバスは戻って来ていないので、折り返し電話しますとの返事。何れにしても、このまま山北にじっとしていても仕方が無いので、松田へ移動することにした。皆さんには申し訳ないが、風呂も、ポッポ駅前屋も諦める次第となった。
間もなく、バス会社から電話があり、財布が見つかったとのこと。ほっとひと安心。松田駅に到着したら、とりあえず何処か、皆さんに待っていて貰う店を探す。いつものことだが、松田のロマンス通り界隈の店はこの時間、店が開いてないか、開いていても予約等で満席の店ばかり。やっぱり「若松食堂」は今日も、席は空いていても予約でいっぱいと断られる。するとのんちゃんが、路地裏にある店を発見、入れそうとのこと。「信玄」という店だった。
店にリュックサックを置いて、ひとり、富士急湘南バスの本社営業所へ向かい、首尾良く財布を回収し戻って来ると、遅ればせながら安堵のビール。ここは、おでんが色々ある。更に、もつ煮込み、ハムカツ、馬刺しを慌ただしくいただく。「あさぎり」の時間が迫っているので、のんびりすることもできず、さて行こうかと会計を頼むと、店の女将がもうお帰りですか、と目を丸くしていた。申し訳ないけど、きっとまた来ます、と云いつつ店を出た。

教訓: ポケットのファスナーは、ちゃんと閉めましょう。 

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秩父の「そばの杜」でなんとか蕎麦にありついた後、秩父駅から西武線直通電車に乗って移動。和尚が、所沢で途中下車したことが無いと云うので、「百味」へ行ってみることにした。云わずと知れた、所沢が誇る古典的大衆酒場。個人的にも久しぶり(前回はこちら)。到着は18時過ぎとなるため、念のため、予約の電話を入れておいた。所沢プロペ通りは、相変わらずの賑わいである。
「百味」は、まったく以前のままだ。しかし、いつも相手をしてくれる、字がお上手なお姐さんは見当たらず。広い店内にある、カウンター、テーブル、小上がりがほぼ、呑ん兵衛で埋め尽くされていて、その間を何人もの店員が動き回っている様はいつ見ても壮観、既に最高潮の様子である。予約を入れておいて正解。我々は、階段から見て一番奥の小上がりへ着地。先ずは、好みの飲み物(小生は再び生ビール(430円税込、以下同様))で乾杯。
隣の席の御仁も、山の帰りの様で、我々に、何処に行って来たか聞きたがるが、説明する上では少々マイナー過ぎて、なかなか難しい。この店へ来る客は、仕事帰りや山帰り、ギャンブル帰り、はたまた家からこの店へ真っ直ぐやってきたと思しき客など、様々。ここでデートする客も、いるかも知れない。
さて料理、秩父で天ぷらと蕎麦を手繰ってきたのでそれほど入らないが、「たらちりを喰いたい」という声が多数だったので、2人前を注文。相変わらず、かなりのボリューム、これで1,000円はCP的にも申し分ない。飲み物は、やはり日本酒にしよう。と、なればここの定番酒「ねのひ」だ。大徳利(430円)でいこう。料理は他に、モツ煮込み(450円)、ぎんなん揚げ(540円)、焼きニシン(490円)を注文。ここは煮物は少なく、モツ煮込みは定番料理ではない。何か、拘りがあるのか。
「たらちり」は個人的にも久しぶり。考えてみると、ここには、湯豆腐鍋、たらちり鍋、とんちり鍋、とん鍋、とんキムチ鍋、かき鍋、石狩鍋、よせ鍋と、8種類もの鍋があるのに、今までひたすら「たらちり」だけを喰ってきた。それで更に気が付いたが、この頃、ポン酢を使った鍋を喰う機会が、店だけでなく自宅も含め極めて少ない。前回、ポン酢鍋を喰ったのは、もしかするとやっぱり「百味」かも知れない。
「たらちり」を喰って、「ねのひ」を呑めば、「百味」に来た感が満喫できる。でもこの次は、他の鍋にも手を出してみようか。

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武蔵野線で帰る者同士で、ひろちゃんと朝霞台で乗り換え下車するついでに、打ち上げ(≒取材協力いただいた)。朝霞台界隈の店は殆ど知らないと云って良いが、武蔵野線のホームから見えるところに、呑み屋の看板がいくつかあって、この「もつ焼 松」はその一つ。
以前から、赤い看板が気になっていた。もちろん、看板は見たことがあったが入るのは初めて。店が地下だということも今回初めて知った。店はそれほど古びてはいないが、何となく居酒屋らしくない。かつて「喫茶マイアミ」だった店を、居抜きで居酒屋にしたような雰囲気がする(たとえが古い!)。
まだ17時前の入店(開店は16時)、かなり広い店内に客は数組程度。何処でも座れそうであるが、店員はここでお願いしますと、先客の並びの2人掛けテーブル。何やら端から詰めて行くのか、と云う感じだが、たしかに後から後から客がやって来て、1時間も経たないうちに粗方埋まってしまった。
それにしても、この店はオヤジ度が高い。女性は他に、ひとりかふたり。独り呑みは意外に少なく、大抵は二人連れのオヤジ同志。恋人同士じゃあるまいし、まさかこの店で待ち合わせなんてことは無いだろうから、何処からかの帰りだろうが、仕事の帰りか、競輪・競馬の帰りなのかは良く判らない。客層が気になると云う点では、大宮の「いづみや」と共通したところがある(店の雰囲気も、店員の貫録も全然違うが)。
「いずみや」との共通点で云えばもうひとつ、料理の種類の豊富さが良く似ている。その数、ざっと100種類以上。店の看板に「もつ焼」と入れてある以上、それが店のお薦めなのだろうが、他の料理の方が圧倒的に多い。肉と魚と野菜のバランスが良いように感じた。中華料理も豊富な「いずみや」とは違い、ここは徹底的に和食メニューだ。
飲み物は、先ずは黒ホッピーから(440円税込、以下同様)。その後は、スーパーニッカ水割り(300ml、710円)にしてみた。アルコール12%の水割り状態のボトル。こんなボトルあるんだ、となんとなく感心。
料理は、冷しトマト(310円)、ハツ(100円/本)、カシラ(100円/本)、ししとう(100円/本)、ホッケ(460円)、ポテトサラダ(360円)、春巻(410円)、ごぼう唐揚げ(410円)を注文。ホッケはこの頃高級魚になってしまったが、それにしてはリーズナブル。ポテトサラダは、マヨネーズ好きには物足りないかも知れないが、なかなかしっとり滑らかで結構イケる。
まだまだ試してみたい料理がたっぷり残っているので、この先何回かは来なくてはならないと思っている。

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「稲荷湯」でさっぱりした後に「まかど」へ行こう、ということにしていたのだが、「稲荷湯」を出たところでも、まだ午後3時半。「まかど」は(本当の開店時間は5時半なのだが、馴染みの殿が掛けあった結果)午後4時半から入れるとのこと、まだ1時間ある。さてどうしようか。
「稲荷湯」から駅前への道すがら、何軒か店があるが、さすがに開いているところはない。「ロマン地下」だったらやっているはず、と思って行くと、シャッターは半開き状態。中に人がいて、目線が合うと手ぶりで「まだ」との合図。12時ごろから開いている店がある筈なのだが、この頃はやる気が無くなったのだろうか。もしそうならば、それによって更に客足(含、われわれ)は遠のくことになってしまうのが心配だ。
ここならば、やっている筈と、殿が云った「万友亭」も残念ながら中休み中。この分だと、北口へ行くしかないかと思い始めた頃、おや、ここは営業中だ、と苦し紛れに覗いた店が「立ち飲み 八のみ屋」だった。ここは午前12時からやっている店。まさしく沙漠のオアシスだ。この頃流行りの立呑み屋だが、この際、そんなことはちっとも問題では無い。
店は、奥に細長い構造。右手が厨房で、それをL字に囲んだカウンターがあり、奥にもテーブルがある。店員は厨房にいる一人だけ。立ち呑みだからこそ、それで商売ができるというもの。立ち呑みならば、30人ぐらいは入れそうだが、そんなに入ったら流石に一人ではこなせないかも知れない。この時間ならではの、勤務体制なのだろうと推察する。
さて、さっそく思い思いの飲み物(小生は既に風呂上がりビールは呑んでいるので、ハイボールにした)を注文して、乾杯。考えてみれば、山の帰りに立ち呑みは、初めてかも知れない(ホントは2回目。最初はここ)。
つまみは、立ち呑みらしい料理がひと通り揃っている感じ。ポテトサラダとハムカツは外せないとして、あとは水餃子、何故からっきょ漬けも注文。どれも、平均以上と云って良いだろう。CPもまずまず。辺りの店が中休みをする限り、この店には間違いなく存在価値がある。

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山形の夜は、街中へ繰り出し、アユラシご推薦の店へ入ることになった。個人的に、山形市内に泊まったことはこれまで一度も無かったので(観光地以外で泊まったことがあるのは、鶴岡と酒田のビジネスホテルのみ)、市内の居酒屋も初体験、興味津々である。
連れて行かれた店は「伝七」という居酒屋。駅から歩いても5分掛からないくらい近い。地元の人が通う店で、観光客相手のタイプではないとのこと。勿論、願ったり叶ったりである。雑居ビルの地下にあり、靴を脱いで上がるしくみ。
店内には、板の間とカウンター席がある。板の間のテーブルは、既に粗方埋まっている。テーブルの上には、既に料理が用意されている。アユラシ曰く、「晩酌コース」(2,200円)を予約済みとのこと。いつもは、次々に出てくるそうであるが、今夜は全てテーブルに並んだ状態。居酒屋にしてはなかなか壮観、まさしく宴会の雰囲気だ。この店には、単品のメニューは無いらしく、あとは「おまかせコース」(3,700円)のみ。きっと、それこそ毎日のように料理が入れ替わるのだろうと想像する。
日本酒はかなり充実しているが、吟醸系が多い。山形の酒が多いが、他の有名どころも揃っている。しかし、せっかくだから山形の酒を呑もう。呑んだことも聞いたことも無い、「桜川・純米吟醸」をいただく。小国町の野澤酒造が造る酒。小国町と云えば、飯豊と朝日に挟まれた豪雪地帯。何れ、行くこともあるはず。酒は、至って上品な吟醸香がする。その後は、「十四代・中どり純米無濾過」もいただく。流石は十四代、純米酒であってもフルーティーな香りとジューシーな旨さ。
料理は、タコのやわらか煮、菊とキクラゲとホタテの炊き合わせ、キノコの煮物、牛肉と鮭の陶板焼き、そしてマグロとイカの刺身。菊の花はやっぱり山形ならでは。まったくクセが無いので、どんな料理にも使えそう。キクラゲは乾燥させたものしか食べ慣れていないので、生キクラゲの見た目と食感がとても新鮮である。
刺身に付いて来たのは、普通のわさびとはちょっと違ったもの。店員に尋ねると、いわゆる根の部分だけでなく、茎葉も一緒になっているとのこと。そのせいか、ちょっと、とろっとしているし、単に辛いだけではない。これは有りそうで無い。
なんだか、いちいち珍しく、大満足。また、違った季節の料理を食べてみたいが、遥かに離れた店なので、行きたいときに行けないのがもどかしい。

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月いち居酒屋ツアー。今宵は新橋で、この頃売り出し中(?)の「清水HANARE」という店にしてみた。蕎麦好きおやじさんは別件のため不参加。だからという訳ではないが、偶々ここは、蕎麦好きおやじさんが苦手なもつ焼きがメインの店。1号店が「HONTEN」と「NIKAI」、3号店が「KAKUREGA」ということで、ここ「HANARE」は2号店とのことである。3店舗とも隣り合ったビルにある。
今日は珍しく早く帰社出来たため、18時のスタートでも店に一番乗り。店の中は安普請(それをあえてウリにしている模様)だが、中身で勝負というつもりのようである。ここはもつの種類がとても豊富。もつ好きは素通り出来そうにない。この店は、少なくともテーブル席は皆、予約で埋まっている様子で、19時にはほぼ満席。かなりの人気ぶり。
一杯目のビールはなんと280円(税込、以下同様)というので(2杯目以降は550円)、当然それでスタート。料理は、モツ煮(450円)は外さないとして、後は串焼き(140円~210円/本)。ハツ、チレ、カシラ、シロ、テッポウ、ナンコツ、レバ、ハラミなどをもらう。チレなんて珍しい。どれも新鮮さは感じるし、なかなかだと思うが、もつ焼き鑑定士ではないので、評価は保留。何れ、隊長を連れて来る必要がある。
ポテトサラダ(350円)は、マヨネーズかなり少なめのあっさりタイプ。ハラミポン酢(大850円)は焼き加減が丁度良く、おろしポンズとのマリッジは思った以上に美味い。塩モツ鍋(1,480円)は、何と云っても出汁が美味かった。
飲み物は、ビールの後はワイン。カヴァッリーナ・ロッソ(3,000円)とビアンコ(3,000円)も注文。シチリア産ワインらしく、赤はネロ・ダヴォラというシチリア産品種がベースとなっている。それ程の凝縮感は感じられないが、CPとしてはまずまずと思える。白もバランスが良い感じで、呑みやすいタイプ。
それにしてもこのモツ焼き屋は何故か、ワインはイタリアン。しかもシチリア系。もしかするとこの店のオーナーは、モツ焼きとシチリアワインとの相性について、一家言を持っているのかも知れない。次回、忘れなければ聞いてみたい。

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シャトー・ルミエール新酒祭りの帰りは、浜っ子Woodyさんもいるからと、八王子で途中下車し「多摩一」へ行くことにした。前回は、午後5時半に来ても満席で入れなかったので、今回は念のため、予約の電話を入れての来店。ところが5時前の入店のせいか、我々7人以外、客はおらず。この時間に来れば、予約は不要だったようだ。
この店は、昭和24年創業とのこと。昔は地下ではなく、1階にあったように記憶しているが、あまり自信が無い。何れにしても、子供の頃からこの店があったことは覚えている。勿論、その頃は入った訳ではなく、単に通り過ぎただけ。子供の頃は、その直ぐ近くにある「都まんじゅう」の製造マシンを見る方が興味があった。
「多摩一」に入るようになったのは、大学に入ったあと(当たり前だ)。中学時代の友人と何回か入ったことがあった筈だが、その後は八王子から離れて生活するようになったこともあって、とんとご無沙汰。おそらく30年ぶりぐらいの入店であるため、店内の様子はちっとも記憶が無い。
我々の席は厨房から見て反対側の隅っこ。無垢の板や柱が店内の装飾や、テーブルに使われていて重厚な感じ。味噌樽らしきものがテーブルになっている。モダンな内装からは、ちょっと浮いた感じがしないでもない。また、何故だか油絵も何枚か飾られていて、普通の居酒屋に無い、不思議な雰囲気を醸している。奥には座敷もあるようだ。
我々の後から、三々五々、客が増えて来る。熟年夫婦連れをはじめ、中高年の割合がとても高いが、若いサラリーマンや学生もちらほら。独り呑みも結構いる。
やっぱり、スタートは生ビール。山から下りてもう6時間以上経つが、漸くビールにありつくことができた訳だ。メニューを見ると、料理の数が半端ない。ざっと100種類余り。この居酒屋の歴史が現れているようだ。何でもある感じだが、特に豆腐料理の数が多く、メニューでは独立した分類になっているところが、他ではあまり例を見ない。
鳥皮せんべい、ハムカツ、鳥皮ポンズ、ポテトサラダ、ほうれんそう炒め、サンマ塩焼き、ホルモン焼き、ちくわ磯辺揚げなど、どどっと注文。
其々それなりにイケるが、なかでも鳥皮せんべいは、いわゆる唐揚げだがパリッとしていて予想以上に美味い。ビールの伴によく合う。ポテトサラダは残念ながら凡庸。まだまだ料理は山ほどあるので、当分、「多摩一」通いができそうである。

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国師ヶ岳&石楠花新道から下りたあとの帰り路は、久しぶりに立川で途中下車。女子連のご要望にお応えして、「ずくなし」へ行くこととなり、念のため予約まで入れて5人で入店。今回で3回目(前回のレポはこちら)。この店は、ひと手間かけた料理も勿論それなりに美味いのだが、モノトーンな店内の雰囲気が和める感じがウケるのだろうし、更に店主の物腰の柔らかさも、この店の味であることは間違いない。
店の入口は、茶室の躙口ほどではないが、十分屈まないと入れないほど鴨居が低い(敷居も低い)ので、リュックサックを背負ったままだと尚更入り難い。何故か、前回訪問時からこの入口に変わったのだが、このせいで、隠れ家度がさらに向上したのは確かだと思う。
そう云えば、穂高駅近くのうどん屋(店名は失念)で、この店以上に鴨居が低い店があって、実際に頭をぶつけたことがある。するとその店の偏屈親父から、頭(ず)が高いと世の中は渡れないゾ、などと講釈を受けた記憶がある。あの店は今どうなっただろうか。話が逸れた。
我々5人の予約席は、前々回(その時のレポはこちら)と同じ、小上がりの板の間。先客はカウンター席に数人と、小上がりに一組。予約していなかったら入れなかったかも知れない。この頃、繁盛しているようである。若い女性店員は、前回は見掛けなかったので新人か。店主が色々教えている様子。
ふとテーブルの上を見ると、箸置きが今日はネコジャラシ(エノコログサ(狗尾草)、花言葉は「愛嬌」)ではなく、ランの花(デンファレ、花言葉は「わがままな美人」)だった。飲み物は、もう日本酒にしようと、ゆきつばき(680円税別、以下同様)。料理はここの定番、クリームチーズの味噌漬け(580円)、チーズのポテトサラダ(450円)、肉豆腐鍋(480円)、地鶏のたたき(680円)、さんま刺し(680円)、やげん軟骨炭火焼(680円)、豚バラの薫製(580円)、エイヒレ(480円)、炙りしめサバ(680円)と、流石に5人もいると色々注文。締めにうどんを喰いたい!という声も出たので、釜玉うどん(450円)と明太子うどん(580円)も注文。皆さん、食欲旺盛である。料理は其々美味かったが、今日は客が沢山押し寄せたせいか、いくつか地酒を切らしていたようだ。普段は、日本酒を呑む客が少ない?ので、我々の様な日本酒党がやってくると忽ち在庫が無くなるのかも知れない。
ここ「ずくなし」は、呑み放題コースも始めたようなので、そのうち宴会にでも来ることになりそうだ。凸さん来るよね?

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東京三大煮込み、というものがある。居酒屋探訪家の太田和彦氏が、その著書「居酒屋大全」(講談社刊)の中で提唱したもので、北千住の「大はし」、森下の「山利喜」、月島の「岸田屋」がその3軒。もはや「深田百名山」並みに知れ渡っていると思う。別にそのような流行りに同調するつもりもないが、これまで一応、「大はし」と「山利喜」の煮込みは喰ったことがあるので、ついでに「岸田屋」の煮込みはどんなシロモノなのか、興味はあった。個人的に、「大はし」の煮込みは小生の琴線に触れなかった(ちょっと甘い感じだ)が、「山利喜」のその独特な濃厚さは美味いと思った。果たして「岸田屋」はどうだろう。
そもそも今回、月島にやって来たのはもんじゃが目的。そのついでに、せっかくなので岸田屋も覗いてみようか、と思い、カミさんと開店時間の17時より早めにやってきた。もつ嫌いなカミさんには、「岸田屋」の名物がもつ煮込みだとは明かしていなかった。
メトロ月島駅から歩いて、16時45分に到着。それでも既に、10人ほどが列をなしている。常連らしき客もいる。暫し待って、17時と同時に入店。コの字のカウンターテーブルと、壁に付いたカウンター。合計で20数席程度か。我々は、「コの字」の2時の方向に着席。店内はしっかり燻された壁、天井、お品書き短冊に囲まれ、なかなか良い居心地である。
注文も先着順に訊かれる。たいていの客は、煮込みを頼むが、それと同時に焼はまぐり(700円)、肉豆腐(680円)を注文する客もかなりいる。我々は先ず瓶ビール(650円税込、以下同様)、そのあとは、日本酒(菊正宗、420円)を燗してもらう。料理は、目当ての煮込み(500円)と、ベンチマークとして外せないポテトサラダ(300円)だけにした。ポテトサラダはそれなりに安いけど、あとは高めだなと感じたが、次々に出て来る皿を見て、それは間違いだと気付いた。
煮込みもポテトサラダも、えっ、と思う程、どっさり出て来る。これじゃ、この後にもんじゃを喰うどころじゃなさそう、2品注文したことを後悔するほどだ。もし独りだったら、この2品で完全ギブアップ。ところが、他の客のオーダーに傍耳を立て聞いていると、「煮込みをハーフで」とか「ポテトサラダをハーフで」などと云っている。そんな手があったんだ!一見客の悲哀を味わう。
気を取り直して、箸をつけてみると、煮込みはじっくり煮込まれているものの、あっさり味で優しい。たしかにこれは、かなりポイント高い。カミさんも、恐る恐るながら箸は付けている。ポテトサラダは、やや濃いめの味付けながらとても美味い。きゅうりやにんじん、玉子が入った正統派で、じゃがいもも程良い大きさで形が残っていて食べ易い。はっきり云って、これで300円は安過ぎる。
さすがに噂だけのことはある。この次は、煮込みもポテトサラダもハーフにして、その他の料理も味わってみたい。

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「だいこく屋」で和尚が不完全燃焼だったので、生憎(と云うか運良く)、ハシゴすることとなった。図らずも、再び居酒屋街をウロウロ。色々な店はあるが、やはり焼鳥、焼とん系が多い。もちろん、そんな店もいいが、料理のバリエーションが豊富な店の方が、より良いだろう。
それを踏まえた上で、がっつり喰える店にしようかと、手近な「シチュー屋」へ入ることにした。ここも3、4年は来て無かったはず。名前は「シチュー屋」だが、れっきとした居酒屋であり、メニューにシチューは載っていない。この居酒屋のウリは魚介系。特に、鍋のボリュームが凄いので、和尚の希望にも適う筈。この店は年中、鍋をやっている訳ではない(夏場は無し)のだが、考えてみると、この店で鍋を喰った記憶しかないので、個人的に夏に来たことが無いということだ。
暖簾を潜ると、もうかなり賑わっている。カウンター席も右奥のテーブル席もいっぱいだが、うまい具合に左手奥に4人掛けのテーブル席がひとつ空いていた。店内にはさらりーまんも、学生もいる。年齢層は、北千住にしては低めである。我々は、平均年齢をやや押し上げたようだ。
さて、飲み物はハイボール(角ダブル530円税別、以下同様)にして、北千住2次会スタート。料理は、肉豆腐(530円)、オムレツ(550円)、カキフライ(650円)と、もつ鍋(1,230円×2人前)にした。ここは、鍋は色々あって迷うが、和尚の好みに任せて、もつ鍋にした。この店のもつ鍋は、世間一般的な豚もつではなく、鶏もつである。
肉豆腐はしっかり煮込んであって、パッと見、デミグラソース煮込みかと誤解しそうだが、味はもちろん和であり、なかなか美味い。オムレツは、玉ねぎやひき肉が入った洋食風で、とろとろ、ふわふわ。カキフライは結構大ぶりなものが5個。かなり食べ応えがある。
そして鍋、登場。これで2人前?と思う程、山盛りで出て来る。汁はやや濃いめなので、飲み物は日本酒よりは炭酸系の方が合っている感じ。しかし何れにせよ、もう、酒はそっちのけで、喰うのに精一杯。さすがに締めのうどんまでは辿り着けなかった。馬齢を重ねるにつれて、鍋の旨さが判るようになってきたと自負しているが、ここの鍋は量だけでなく味でも充分、満足できる。この次は1軒目から来て、よせ鍋でも突くとするか。

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