山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

西武池袋線沿線

2月以来、およそ10ヶ月ぶりの訪問。これだけ間があいてしまったのは、ひとえに奥武蔵の山が、気温が高い時には向いていないことに依るし、それに加え、個人的に食指が動く山がもう限られてきたことにも依る。でも何とかやっとこさ、曲りなりにも登山プランを捻り出すことができた(山の記録はこちら)。もはや、乾いた雑巾を絞っているような感覚になりつつある。
待ちに待った「久呂無木」訪問の目当ては勿論、蕎麦と酒と肴である。今日は参加者7人で予約(明日が仕事のひろちゃんと、イベント掛け持ちの多忙このちゃんは、山だけで泣き別れ)。「弘法の湯」に浸かった後、まだ時間があったため、開店まで時間を潰すべく近くの「やるき茶屋」に入ったものの、「久呂無木」での賞味に影響しないよう、酒も肴もほぼお預け状態で、しばし悶々とししていた分、否が上にも期待は高まり、喉はカラカラ腹はペコペコとなった。
暖簾を潜りご主人に挨拶した後、小上がりの四人掛けテーブルで二組に分かれるかと思っていたら、有難いことに奥の座敷に通して頂いた。早速、とりあえずの酒を頼むことに。メニューの中から、醸し人九平次・純米吟醸、黒龍・吟醸、滝水流(はやせ)・純米辛口をチョイス。このあとも、店長お薦めを含め様々な種類の酒を頼み、利き酒をさせてもらうこととなった。奈良萬・純米生酒中垂れや、角右衛門・純米生酒直汲みなど、どれも個性的で、存分に日本酒を堪能した。最後に呑んだ八海山が、なんとさっぱりした酒だろうと感じた程である。
肴には、地鶏炙り焼き、豚バラ炙り焼き、出汁巻き卵、蕎麦味噌、そばサラダ、野菜天麩羅を矢継ぎ早に注文する。どれもこれも美味いが、個人的には地鶏炙り焼きの皮のパリパリ感がとても気に入っている。それに、出汁巻き卵のふわふわで上品な香りと味もたまらない。ご主人拘りのさつま芋(鳴門金時なる品種だそう)天麩羅も、その甘さ&ホクホクさに皆で感心頻り。そして最後はもちろんもりそば。暫くぶりに見るといかにツヤツヤの細打ちかが良く判る。香りと喉越しも相変わらずで嬉しい。また、できれば日差しが強くならないうちに(何とか頑張って新たな山プランを捻り出して)来たい。

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西所沢の「弘法の湯」で温まった後、時計を見るとまだ17時。さて、あと1時間あまり、何処で時間を潰そうかと街をうろうろするが、銭湯界隈にはそもそも飲食店が見あたらない。おのずと西所沢駅前方面へ向かうことになる。「久呂無木」を通過して西武池袋線の踏切に近づくと、左手に「やるき茶屋」の看板。かる~く飲めるだけ店が理想だったが、背に腹は代えられぬ、後続部隊宛にGoogle+で店の写真を投稿してから店に入る。先客は一組2名だけだったが、次から次に客が入り、一時間余りでほぼ満席状態。なかなかの人気ぶりである。
ここでがっつり喰うと後で後悔する恐れがあるが、空き腹でビールだけというのも胃に悪そうなので、じっとメニューを睨んで、瓶ビールと、ベンチマーク用の自家製ポテトサラダ(400円)を注文。突き出しにはポップコーンが出てきた。だったらポテトサラダは要らなかったかも知れぬ。ポテトサラダにはゆで卵の半身が載っていて、ソースがかかっている。ありそうでないが、特段ソースが美味いとは感じなかった。
やるき茶屋に入ったのはいつ以来か記憶にないが、なかなか料理も飲み物も種類が豊富である。精米歩合50%ながら獺祭・純米大吟醸(一杯950円)や、梵・特別純米(同750円)まで置いてあるのには驚いた。それ以外にも八海山や浦霞、〆張鶴、出羽桜、土佐鶴など、有名どころがずらりと並んでいる。大衆居酒屋チェーンも顧客ニーズに応えるべく色々営業努力をしているのを感じる。今後、また西所沢店に入るかどうかはともかく、他に目当ての店が無い処で「やるき茶屋」に入るのも悪くなさそうだ。
やがて後続部隊も合流し、みんなで暫しちびりちびりとビールを呑んで、「久呂無木」開店(18時30分)まで時間を潰すが、こうやっていると時間は意地悪しているが如くなかなか進まないものだ。女子連ですら口数が少なくなる。事前リサーチで18時15分には入店させてもらえるとの情報に基づき、ようやく18時10分になって店を出る準備を始める。ここから「久呂無木」まではほんの一投足。18時12分に出て牛歩で行ってもまだ18時15分になっていなかったが、なんともう「久呂無木」には暖簾が出ていて開店していた(ブログを見ると18時開店だった)。わざわざ15分余り悶々としていたのが、我ながら可笑しい。 

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山から下りて西武秩父線で帰る際、秩父以外で立ち寄り湯に入る場合の選択肢はそれほど多くない。思いつくのは、吾野駅から送迎バスがある「休暇村・奥武蔵(旧あじさい館)」、入間市駅から2km程の「いるまの湯」、そして西所沢駅から徒歩10分程度のここ「弘法の湯」くらいである。今回は、後に「久呂無木」訪問が控えているので、当然ながら「弘法の湯」に向かう。駅から歩いてくると、金山町の五叉路交差点の奥、細い路地に面していて判り難いが、いかにも風呂屋らしい煙突が目印になる。
ここは20人ぐらい入ると一杯になるくらいのこじんまりした銭湯。湯は若干熱めだがまずまず入れる。薬湯もあって、こちらの方はかなり熱い。山帰りの客は我々だけ。この湯は、HPにある通り「銭湯ランナー」を応援しているとのことで、週末はランナーがやって来るらしいが今日は我々以外は地元の方ばかりのようだった。
十分温まったら、風呂上がりはやっぱりビールと往きたいところだが、ここは全く普通の銭湯なので、飲み物は牛乳しかない。「久呂無木」開店までまだ1時間余りある。牛乳では1時間は過ごせない。従って、一足先に風呂から上がった者としては、他の方々の期待を担って、身体が冷えない範囲で軽くビールが飲める店を求めて、暫し、当てもなく西所沢の街を彷徨うことになった。

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弘法の湯のHP: こちら 

秩父で軽く蕎麦を手繰ったあと、特急列車で優雅に所沢へ移動、アユラシと待ち合わせの「百味」に入店。立川の「だるま」同様、この店を語らずして我等「いぃDay!山岳会日本支部」の(飲み会の)歴史は語れない。通い始めてだいぶ経つので、何回目の入店なのか判然としないが、片手では足りないほど(隊長が溺愛する)タラちり鍋を食った気がするので、たぶん、その倍は来ているだろう(この店のメニューが豊富な割に、我々はかなり偏食で、ひたすら同じものを食べているらしい)。日本支部の黎明期に(って大袈裟!)、片っ端から秩父や奥武蔵の山を登っていた頃、毎回のようにこの店にやって来た。所沢駅に降りたら繁華街を通って脇目も振らずこの店に来ていたので、その繁華街に「プロペ通り」という名前が付いていることも最近知った程である。吉田類氏の酒場放浪記にも登場した、これぞ昭和の大衆居酒屋、という雰囲気だが、1階がゲームセンターでけばけばしく賑やかな、いま風な空気であり、地下1階の百味とのコントラストが悪くない。午前11時(ランチもやっているということ)から切れ目なしにやっていて、年中無休であることも、この店の有難いところ。地下に潜ると巨大な店内では、時間が時間だけに至る所で宴たけなわ。それでも何とか落ち着ける場所が確保できたので、早速、ビールを注文し、併せて生ほっけ姿焼、ハムカツ等を注文する。程無くしてアユラシも遠路遥々(といっても秩父からの我々の方が遠いが・・・)新宿から到着し合流、盛り上がる。注文を取りに来るベテランお母さんは、我々が初めて来店した頃から(勿論、おそらくもっと遥か前から)ずっと居て、壁に張っているお品書き作成を一手に担っていることまで(伝票に書き込む注文も、綺麗な字で読み易いことも)我々は知っているが、当のお母さんは我々のことを一向に覚えてくれていない様子。まだまだ通いが足りないということだろう。

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秩父の破風(はっぷ)山に登り、満願の湯で温まったあと、宝登山で蝋梅を愛でる(山の記録はこちら)。もちろん、今回は宝登山の蝋梅が主目的であるが、まっすぐ宝登山では「山岳会」がすたるので破風山を付け足しに登る。今年は昨年よりも蝋梅の開花が早かった様で、満開となっている木もかなりあり、あたりは甘い香りに包まれていた。
花のあとは、秩父鉄道長瀞駅から西武線直通電車に乗って西所沢に移動。駅からほんの数分のところに目当ての蕎麦屋「久呂無木」はある。久しぶりの入店。

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カウンター席以外に小上がり席が3つある店内が、今日はやがて満席となったにも拘わらず、店主が一人で切り盛りしていて(フロア担当者がお休みのため)大変忙しそうであったが、遠慮せずに酒と料理をがんがん注文。ここは蕎麦そのものもさることながら、どの一品料理も美味しいのが魅力。日本酒もみな、拘りをもって置いてあることが感じられる。なかでも、栃木の酒「姿」は自分好みのコクを感じた。

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多くの蕎麦屋がある秩父を素通りして、かつターミナル駅でもない西所沢でわざわざ途中下車するだけの価値がこの店にはある。我ら山岳会の女子連にも人気絶大だ。もちろん、真っ直ぐ「久呂無木」では山岳会メンバーとしての矜持に係るので、予め西武池袋線の先にある奥武蔵や秩父の山に登ることが、この店に辿り着く条件だが、殆ど登り尽くしているのが大きな悩みの種である。

店のHP:西所沢/久呂無木


 

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