山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

蕎麦

新橋には場所柄か、何処の街にもあるような普通の蕎麦屋はそれほど多くない。よくあるのは立ち喰いか、ちょっと敷居が高くて値段も高いこだわりの店か。7~8割は前者だと思う。最近で云えば、「吉そば」、「さだはる」、「小諸そば」が前者、「大坂屋砂場」、「ごん」、「能登治」が後者である。
今日、行ってみようと思ったのは、たぶんその何れでもない「普通の蕎麦屋」の範疇の「本陣坊」である。本店が駅の東側、新橋駅前ビルにあるので、こちらは新橋店ということになる。入ってみると店内は細かく仕切られていて、全体が見渡せない。
そのため、花番さんが「こちらへどうぞ」とか声を掛けてくれる。案内されたところは両側が仕切られた4人掛けテーブル。半個室の様である。座ってからメニューを一瞥し、一色盛かき揚げせいろ(1,500円)を注文してみた。ちょっと気張ったか。どうやら値段からいえば、「普通の蕎麦屋」ではないか。
以前、御徒町の近くにも「本陣房」があって(今はもう閉店してしまった)入ったことがあったが、そこはもうちょっと敷居は低かったように覚えている。この頃は「本陣坊」は少々高級志向になっているのだろうか。壁の向こうにいる若い花番さんが、二人でこそこそ話しているのが聞こえたり聞こえなかったり。何だか今日来る客は一人客ばかり、と苦笑まじりのボヤキが聞こえた気がした。
やがてそのうちの一人が、一色盛かき揚げせいろを「おまちどうさまでした」と持ってきた。蕎麦はごく普通な感じで、コシも喉越しもまあまあというところ。これで敷居が高くなることは無い。江戸前風に汁は辛め。桜海老のかき揚げは随分、厚い。かつて銀座口にあった「橋善」のかき揚を彷彿させる。かなり硬いので、口の中を怪我しそうだった。

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買い物ついでに近所でランチ。何処の街でも同じだろうが、三郷にもそれなりに蕎麦屋がある。地元密着の蕎麦屋は、まず潰れることが無い印象。もう三郷に引っ越しして30年になるが、その間で閉業したのは最近、コロナ禍が影響したと思われる1軒だけである。
買い物に行った先にも、その近所にたいてい蕎麦屋がある。今回は三郷ジャンクション傍のイトーヨーカドーで買い物を済ませたので、その近所の蕎麦屋となると選択肢は2つ。最寄りは「蕎麦旬」という創作料理的蕎麦屋だけど、今は午前11時過ぎ。営業開始は11時30分なのでちょっと早い。
もう一つは、「やぶ清」。総じて「やぶ」なんたらという名が付いた店で、モダンな店は見たことが無い。ここも如何にも「やぶ」らしい佇まいである。こちらは11時開店。ということでこちらに入店。ここも実は何回も入っている。
駅から離れたところにある店なので、勿論、駐車場もちゃんとある。一番客かと思ったらもう先客が二組。何方も我々よりもだいぶご年配の様子である。店内には、無垢の材木を使ったテーブルと椅子がズラリと並んでいて、テーブルの上には巨大アクリル板が載っている。
「やぶ清」は結構、蕎麦前が豊富である。そのため出来れば歩いてきたいところだが、それ程近くないのがちょっと残念である。とりあえずカミさんに勘弁してもらい生ビールを注文。それに合わせて、鴨ねぎ棒と、うなぎの白醬油焼きをいただいた。前者はいわゆる、つくね。うなぎの白醬油焼きというのも珍しい。何れにしても日本酒にいきたいところだったが、それは我慢した。最後に頼んだせいろも勿論、ちゃんと美味かった。

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久しぶりに「丹三郎」へ行ってみたくなったので、鉄五郎新道と抱き合わせたプランを立ててみた。と云っても、昼頃に「丹三郎」へ下りてくるにはこの程度の行程しか無理で、余り選択の余地はない。勿論、鉄五郎新道となればイワウチワが目当て。でもこの時期でなくても、例えば5月ぐらいになれば、大塚山界隈はヤマツツジが良く咲いていて、なかなか良いところ。その割にハイカーが少ない。
鉄五郎新道は今回も、殆どハイカーと巡り合うことはなく静かだった(山行記録はこちら)。しかし恐らくは、イワウチワにはちょっと早かったせいだ。咲いていたのは、ほんのひと株かふた株。温暖化傾向が進んでいるせいで、今年は4月にならなくても咲いているのでは、と思ったが流石にそこまでではなかった。
ともあれ、大塚山に着いてしまえば、もうあとは下るだけ。予定より早過ぎたので途中で余計に休んでも、正午には「丹三郎」についてしまった。前回からもう7年ぶりでも、佇まいはちっとも変わらない。予約を入れていたものの、ここは直ぐには入れない。しばし、庭を眺めながら待つ。
やがて我々が通されたのは母屋ではなく、離れの一室。姦しい輩にはここが丁度良い、と思われたのかも知れない。でもこちらにとっても、隔離病棟は好都合である。なにはともあれ、生ビール(エビス、800円)で乾杯。料理のメニューは色紙になっている。生わさび以外、全部頼んだ。
先ずは川海老唐揚げ(800円)が到着。続いてフキノトウの天ぷら(800円)、稚鮎の天ぷら(800円)、マイタケの天ぷら(800円)とやって来る。もう日本酒に切り替える。ここは地酒、澤乃井大辛口(1,000円)をいただく。相変わらずのキレ味だ。暫し、天ぷらを突きながら酒をやる。
そして締めはせいろ。久しぶりに手繰ったが、相変わらずの喉越し。そしてこの雰囲気。7年も空けてしまったのは明らかに失敗だ。

01 今日は青梅線。
02 古里駅。山から下りるまでに雨は降らずに済むか?
04 越沢出合付近。
05 支尾根を登る。
06 暫くはトラバース径。
07 気温は高め。
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09 この下は断崖。
10 記念撮影。
11 この下が越沢バットレス。
12 尾てい骨が疼きます。
15 左側はずっと植林。
16 小さな岩峰を乗り越える。
17 馬酔木が咲いていた。
18 コイワカガミ発見。
20 そもそも株が少ない。
21 ひたすら登る。
22 広沢山に到着。
25 大塚山に到着。
28 早過ぎるので時間調整。
30 駐車場には車がいっぱい。
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32 母屋。
33 ただいま満席。
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34 わさび以外、全部いただきます。
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35 いただきます。
36 川海老唐揚げ。
37 ふきのとうの天ぷら。春だね。
38 稚鮎唐揚げ。
39 舞茸天ぷら。
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40 締めはこれ。
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41 寛ぎました。
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立ち喰い蕎麦屋として有名な「小諸そば」は、新橋界隈にも4、5軒ほどある。最寄りの店まで2分も掛からないので、多少の雨だったら傘を差さずに行ける。前を通るときに必ず中を覗くが、さして広くない店に、いつも客の出入りは引きも切らない。
或る日行ってみると、だいたい5、6人が滞在していた状態、ブースが1/3ぐらい埋まっている程度なので、入ることにした。入口に2つある自動販売機、常連客は恐らくここへ来るまでにメニューは決めていて直ぐに釦を押すのだろうが、小生はここで暫し考え、写真が出ていた、今キャンペーン中という「桜えびと白魚のかき揚げそば、穂先筍天付き」(490円)をチョイス。ホントはざるにしたかったが、今日も寒い日だったのでまたの機会にした。
受け取りカウンターで所在無く1~2分程待った後、「お待ちどうさま」と出て来た。写真と違う感じがしたが、まっいいか。辺りを見回して、数席しかない椅子席が空いていたのでそこにゲートイン。隣のブースにいた体格がいい半袖姉ちゃんは、もりそばをモグモグ手繰っていた。小生よりもだいぶ代謝が高いようである。
先ずはつゆをすすってみると、塩味が多め。この頃、何かと塩味は気になる(血圧降下剤を常用しているせいもある)ので個人的には減点。出汁の香りはまずまず。次は麺。手繰ってみると、のど越しまあまあ。コシは弱い。桜えびと白魚のかき揚げは、やや厚さが足りないので、直ぐに汁に浸って崩れ始めるのが残念と云えば残念か。穂先筍天も含め、味は悪くない感じ。
この界隈にある他の立ち喰い蕎麦屋と較べても、概ね平均的な感じだろうか。値段的には平均よりも安いようなので、コスパがいい店という評価が妥当と思われる。懐に優しいところが、この店の魅力ということだろう。

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時は春、梅の季節。梅ならば、久しぶりに越生の「梅乃里」へ行ってみようと思い立ち、そのついでに、未だ登ったことが無い大高取山にも寄ってみるプランにしてみた(山行記録はこちら)。大高取山へ行こうとしたことは以前、一度有ったが、その時は顔振峠から越上山、一本杉峠まで順調にトレースしたのに、気が付いたら黒山へ下る径を歩いていた(その時の記録はこちら)。結果的に早い時間に「梅乃里」へ下りてくることが出来たので、ちっとも残念ではなかったけれど。
今回は東吾野駅をスタートし、越上山、一本杉峠を経て順調に大高取山に到着。すると老若男女を問わず、予想以上に多くのハイカーが屯していて吃驚した。皆、越生梅林と絡めてこの山に来たと思われる。我々はその越生梅林は横目で眺めただけでスルーし、一目散に主たる目的の「梅乃里」へ向かうと、入口に長蛇の列が出来ていてまた吃驚。丁度、昼の時間帯なのでさもありなん。でもここまで来て「梅乃里」までスルーする訳にはいかず、覚悟を決めて待つことにした。
結局待つこと1時間半、ようやく入店となる。やれやれ。いつの間にかもう5年半ぶりの入店だ。店内は以前と配置が変わっていて、有った筈の囲炉裏が無くなっていた。空いているテーブルもいくつかあるのは、コロナ禍による人数制限のせいだろうか。
我々は座敷に上がり込んだ。ともかくビールを注文し、グビッとやって落ち着く。ここでメニューを眺める。おそらくは以前と変わっていないと思われる。とりあえず目当ての焼き味噌を頼む。日本酒も忘れずに注文。他に鴨焼きやら、天皿やら頼む。
焼き味噌は変わらぬ味、締めに頼んだせいろもシコシコ、喉越し抜群。申し分なかったが、やや残念なのが、注文してから出て来るまで、かなり待たされた。花番がご年配なので致し方ない気もするが・・・。何かと、待つことが多い店になっていた印象が残った。

01 ここから登山口。
04 急登。
06 もう普通の径。
08 植林帯だが明るい。
11 この辺りは径が入り組んでいて分かりにくい。
13 ちょっとお参り。
15 越上山への登り。
16 関東平野を見下ろす。
17 越上山到着。ここは眺望が利かない。
21 静かな峠。
26 ここも激下り。
30 その7分後。
32 桂木観音に到着。
33 なかなか立派な彫り物。
35 スカイツリーは視認できず。
39 9分後。
40 大高取山直下に大集団が屯していた。
41 山頂にはそれ以上の人の群れ。
42 山頂からの眺め。
43 長居したくないが後続を待つ。
47 梅林は横目で見ただけ。
48 1時間半待って漸く「梅乃里」入店。
49 卵を使う料理は売り切れでした。
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50 天皿。
52 鴨焼き。
53 日本酒はちろりで。
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54 しめはせいろ。

新橋にも蕎麦の名店があるらしい、と聞いて早速行ってみることにした。それは「能登治」という店。調べてみると安政年間創業とのことだから、少なくとも160年以上経っている超老舗。井伊直弼が暗殺された時にはもう店があった訳だ。
場所は新橋3丁目の南西側なので、割と店が少ない一帯。行ってみると、ビルの1階。抑々このビルは能登治の自社ビルのようだ。店構えも一寸高級感を醸し出している。仕切りの無い店内にはかなり客が入っていたが、それでも丁度帰る客もいて、殆ど待たされずに入ることが出来た。
メニューを拝見、一般的な品揃え以外に、季節ものもいくつかある。鴨せいろ(1,350円)にしようかと一瞬思ったが、ちょっとだけ自重して鬼おろしせいろ(920円)の大盛り(+230円)にしてみた。初めての店だと量が判らないが、ちょっと高級感のある店だから、量も上品だろうとの読みである。
待っている間に、店のホームページを読んでみる。この店では石臼ではなく、杵で搗いて蕎麦粉を作るらしい(これを胴搗(どうつき)蕎麦粉と呼ぶのだそうな)。それによって風味が損なわれずに、コシも生まれるとのこと。蕎麦は北海道産を使用した二八蕎麦だそうだ。期待が高まる。
かなり拘っているなと思っていると、鬼おろしせいろの大盛りが到着。やはり大盛りにしておいて良かった、と思える量だ。でもパッと見、手打ちでは無さそう。機械打ちでないと捌き切れないほど客が来ると見える。早速つゆだけで蕎麦をいただく。
真っ先に感じるのは麺のもちもち感、これが胴搗の食感なのか。でもコシは弱いし、胴搗ならではの蕎麦の香りも殆ど分からない。何となく残念な気持ちになるのは、期待と老舗名店という看板が大きいせいかも知れない。

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今回は栃木の永野三峰山登山、ではなく出流観音門前の蕎麦を手繰るのがメインで、その行き掛けの駄賃で永野三峰山に登ろうという魂胆だった。それでも実際に登ってみると、永野三峰山は余り類を見ない、なかなか不思議な山だった(山行記録はこちら)。
第一、麓の御嶽山神社が変わっている。神社と云うが、建物も庭も寺院のようであり、門には「教会」って書いてある。頭が混乱してしまう。三峰山、剣ヶ峰を経て奥ノ院がまた変だ。神産巣日神、天之御中主神、高御産巣日神の三柱が祀られているが、皆、銅像になっている。たぶん、生まれて初めて三柱の顔を見たと思う(っていうかこんな顔に誰がした?)。銅像がご神体なのか。そんなのアリか?
そんなこんなで不思議体験をした後、真っ当な出流観音に参拝してから門前の蕎麦屋へ向かう。何軒かあるが、狙いは元祖「いづるや」。人気の店なので待たされるかと思ったが、するっと入れた。その後からも、客が次々にやって来るので忽ち満席。ラッキーだったようだ。
でも蕎麦だけを手繰って出ていく客が結構いるので、客が入れ代わり立ち代わり、回転が早い。そのなかで我々だけが別次元、のんびりと肴を摘まみ、酒を呑んだ。この店は蕎麦前も結構、豊富で、それもなかなか他の蕎麦屋では見ないメニューが多い。
先ずは「いづるやビール」(600円)で乾杯。頼んだ料理は、柳川鍋(700円)、柚子巻き大根(300円)、鯉のあらい(800円)、野菜天ぷら(400円)、湯波ふくめ煮(500円)、湯波刺し(700円)、そして、しもつかれ(100円)。勿論、日本酒(地酒)もいただいた。それにしてもこの「しもつかれ」が珍味。地元のお茶受けらしいが、これがあれば何杯でも酒が呑める感じだ。
締めは名物、寒晒しそば。五合(2,500円)が2~3人前だというのでそれにした。地元玄そばを使用した、つまり地産地消な蕎麦。こういう店に巡り合うことは、有りそうで滅多にない(戸隠がそうだったか?)。手繰ってみるとコシやのど越し、香りもさることながら、甘味がとても特徴的。これまた貴重な体験だった。

09 長閑な田園。
11 三峰山じゃなくて北辰ヶ岳御嶽山だと。
12 寺のような神社のような教会。
15 さっきの星野の森の10倍以上。
18 沢山咲いている。
20 花が大ぶり。
22 ちゃんと閉めました。
26 ここは右から回り込む。
28 梯子はなんとなく不安定。
29 雪がついているといやらしい。
30 沢の源頭を登る。
32 歩き難いので・・・
34 右側は採石場なので立ち入り禁止。
36 ここも栃木百名山のひとつ。
39 男体山、大真名子山、女峰山。
40 奥白根山
42 今度は北へ。
47 ここでも小休止。
50 小ピークを巻くと・・・
52 ちゃんとした鳥居もある。
53 左から神産巣日神、天之御中主神、高御産巣日神だそうな。
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57 激下り。
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61 蕎麦屋が点々とある。
63 蕎麦の前に満願寺参拝。
65 立派な本堂。
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66 ここが「いづるや」。
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67 お疲れ様です。
68 柳川鍋で温まる。
69 ゆず巻き大根。
70 鯉のアライ。
71 湯葉刺し。
72 湯葉の含め煮。
73 地酒をいただく。
74 これが、しもつかれ。
75 寒晒し蕎麦の五合を頂いた。甘い。
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うどん激戦区の西新橋にあって、蕎麦の店もそれなりに頑張っている。この「さだはる」はいわゆる立ち喰い系だが、老舗蕎麦屋に負けないという評判の店である。実は今回がもう3回目。やはり立ち喰いは時間が無い時にチャチャっと手繰るのに便利だ。
通りから店内が良く見えるので、空いているな、と思ったら立ち止まり、いっぱいだな、と判ったらそのままの歩行速度で通り過ぎることが出来るのが便利である。10人ちょっと入れる店内に、今日は先客5人位だったので、直ちに歩行を緩め、入口の脇にある券売機の前に立ち止まる。
さて何にするか、と1秒ほど考え、天ぷらそば(580円)にした。何しろ寒いので、ざるそばにする勇気がなかなか湧かない。店に入り、窓口の女性に食券を渡し、暫し待つ。恐らくこの待ち時間は、先客がいなければ、ほぼ天ぷらを揚げる時間に相当する筈。そう、この店は揚げ置きはせず、注文の都度揚げる。
店内を見渡すと、壁には酒やつまみの短冊が貼られているので、ここは夜には居酒屋になるようだ。でもやっぱり立ち呑みになるので、チャチャっと吞んだらそばで締めてスッと帰りたい客向きのようである。試しに一度、夜に来てみるか。
やがて「おまちどうさま!」と、角盆にかけそばと野菜かき揚げが載った皿が出てくる。ネギとワカメは自由にトッピング。さらに、生玉子又は温泉玉子がサービスで貰えるので後者をチョイス。盆を持って、端っこにあるブース(いわゆる「一蘭」方式の立席)に収まる。
早速そばを手繰ると、程々にコシがあって喉越しも滑らか。つゆは鰹節出汁が良く利いていて香りが良い。かえしの塩味がやや濃い目なのは、少しだけ残念。一方、かき揚げはボリューム満点。かけそばだけだと430円なので、このかき揚げは150円。安過ぎる。かなりカラッと揚がっていて、箸で崩すのがやや大変である。
ともあれ、毎度満足できる。もうちょっと温かくなってきたら、いよいよざるそばにするつもりだ。

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「うどん激戦区」の西新橋にもそれなりに蕎麦屋はあるので、この分野でも競争原理は働いている筈だ。個人的にイメージしている蕎麦屋の、蕎麦前として例えば板わさをつまみながら日本酒をきゅっとやる、みたいな感じに対して、西新橋界隈の蕎麦屋は概ね立ち喰い系であることが特徴的。
今日入った「吉そば」もそんなタイプの蕎麦屋である。自動券売機を眺めてから徐に、バラ天そば(440円)に決める。「バラ天」とは何のことか分らずチョイスしてみた。見れば分かるだろう。狭い店内だが10数人は入れそうだ。でも客は小生以外に3人ぐらい。
ほぼ立ち席だが、奥に丸椅子が5つ程あったので、そこに座る。間も無く、かけそばと共に皿に乗った「バラ天」が出てきた。なるほど、バラバラになったかき揚げということか。そのまんまのネーミングだった。でもどうせかけそばの上に乗せるのであれば、バラバラは問題ない。作る側の立場としても、この方が簡単なのかも知れない。
「バラ天」そのものは揚げたてではない感じだった。でも、かけそばの汁に浸して喰うので、それもさして問題にはならない。そばつゆは、出汁はそれなりに旨味が出ている。しかしちょっと塩味が強い感じなので、残念ながら飲み干す気にはならない。
肝心のそばはどうか、手繰ってみるとコシはそれ程では無く、喉越しのつるつる感もやや物足りない感じ。「小諸そば」といい勝負か、さらに劣るか。まあ仕方がない感じもあるけど、まさしくこれは駅の立ち喰いそば屋のレベルと云っても良いかも知れない。
440円というのは安いかも知れない。でも駅のそばだったらそんなものだろう。何れにしても、天ぷらも、つゆも、そばも、結局もうひとつな感じで、やや残念。空いているのも何となく頷ける。もうちょっと頑張って欲しい。

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カミさんと、今シーズンは未だ鴨鍋を喰っていないねという話になり、だったら行ってみようか、ということになった。店はカミさんが見つけてきた「久伊豆」という蕎麦屋。3ヶ月おきに行っている病院検診の後に行くことにしたのだが、その病院が矢鱈に混んでいた。
年内に通院を済ませておこう、という輩が多かったせいか、凡そ何時もの2倍ぐらい混んでいた。朝、7時前から並んでいたが、それでもなかなか順番が回ってこない。漸く担当医の先生に「大変ですね」と労い、年末の挨拶を済ませたのがもう12時を回っていた。同様に薬局も混んでいたので、全て済ませたのは13時ちかく。一日分疲れた感じ。
直ちにカミさんの車で店へ向かう。場所は越谷市の丁度、中ほどにある。辺りは全くの住宅街。いかにも地元に愛されている店という感じだ。入ると、テーブル席と座敷にも座卓がいくつか並んでいる。思ったよりも広い。我々は通り側のテーブル席に着く。
もうテーブルには、コンロと鍋がセットされている。早速、生ビール(カミさんはノンアル)を注文。ビールは、珍しくサッポロのエーデルピルス(ジョッキ630円)が出てきた。ここでエーデルピルスに出遭えるとは奇遇だ。ホップが香る。
鴨ネギ鍋(1人前2,160円)は、焼ネギと麩が付いてきた。すっかり腹が空いたので2人前頼んだが、食べ切れるかどうか心配なくらい出てきた。でも出汁が美味くて忽ち食べられ、締めに蕎麦を頼んでそれも食べ切った。大満足だった。
この店には鴨すき(1,500円)というのもあるので、是非それはまた別の機会にしたい。

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戸倉上山田温泉に泊まった翌日も近くの低山を登る予定だったが、天気もいまいちだった(し、皆の登山意欲もいまいちだった)ので山は止めて、近所を観光することにした。有田屋旅館の若女将にアドバイスを求めた結果、稲荷山宿に行ってみることにした。
北國西街道の宿場町だったところで、江戸時代まではかなり栄えたようだったが、明治になってから鉄道駅とは地理的にだいぶ離れていたせいで、徐々に衰退した様だった。でもそのせいで、部分的ながら街並が残ったとも云える。
有田屋からタクシーで15分ほどのところにある、「稲荷山宿・蔵し館」という歴史資料館に寄ってみた。女性文芸員(もしかして館長?)が温かく迎えてくれた。専ら、児童や生徒が社会科見学にやって来ることが多いらしく、こんな季節に我々のような年寄り客は珍しかったようだ。
その後は戸倉駅まで歩いて移動し、しなの鉄道で上田駅下車。ランチは、北國街道の雰囲気が残っている通りに面した「おお西」へ入った。以前、別所温泉にある支店に入ったことがあったので、是非本店に入ってみたかった。
それなりに客が入っていたが、店が広いので問題なく入れた。ビールと共に、岩魚の山椒味噌田楽(700円)、鴨の盛り合わせ(1,100円)、山菜盛り合わせ(880円)、山菜天ぷら(1,100円)、舞茸天ぷら(1,100円)、菊芋天ぷら(1,100円)を頼んだ。どれも美味く味わい深い。特に菊芋の天ぷらは皆に大好評。甘くなく、ちょっとほろ苦い香りがなかなかだ。
そして締めは、発芽そば(1,650円)と挽きぐるみそば(1,100円)のもりそばを注文。何方も蕎麦粉100%だが、細打ちで喉越しも申し分なし。発芽の繊細さと、挽きぐるみの素朴さを両方味わえたのも良かった。是非また来たい。

059 千曲市稲荷山宿「蔵し館」で社会科見学。
060 昭和まで商店兼住居に使われていた「松林邸」。
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061 昔の街並み。
062 「松林」の名前があった。
063 こちらは土蔵を改造した資料館。
064 たまち蔵道。
065 土蔵群。
067 こうやって見ると、ひとかどの山に見える。
069 南側は冠着山。
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070 上田の「おお西」本店でランチ。
071 店の中は暖かい。
072 なのでやっぱりビール。
073 イワナのサンショ味噌田楽。
074 鴨肉盛り合わせ。
075 盛り合わせの内訳はこうでした。
076 菊芋の天ぷら。これは酒の肴になる。
077 山菜盛り合わせも凝ってます。
078 山菜天ぷら。こごみ、ふきのとう、やまうど。
079 マイタケ天ぷら。
080 更科そば。
081 この店の名物、発芽そば。
082 満足出来ましたか?

今日も事前リサーチをせずに、あの辺りだったら何かしらの店があるだろうと虎ノ門ヒルズ方面へ。こんなところに蕎麦屋があったのかと覗いてみると、空き空きだったので入ってみた。外観は和モダンな感じ。悪くない。
中もモダンで明るい。ニューウェーブな蕎麦屋という感じだろうか。カウンター席もテーブル席もガラガラだったが、独りなのでカウンター席をチョイス。さっそくメニューを見てみると、最低でも1,200円。ふーむ、なるほど、これだったら空いていても不思議はないか。
でもよくよく見れば、何れも和牛肉が乗っているシロモノ。調べてみれば、ここは和牛で有名なヤザワミートの直営店とのことだ。和牛ならば1,200円しても不思議はないか、とランチで1,200円を出すことの妥当性について暫し自問自答をする。
ということで気を取り直したところで、改めてメニューを吟味し、「和牛肉そば」(1,200円)にしてみた。考えてみれば、蕎麦と云えば馬鹿の一つ覚えの如く「もり」か「ざる」しか手繰らないので、肉そばというものは初めて食すかも知れない。
殆ど待つことなく、「和牛肉そば」が登場。蕎麦の上に海苔とネギと肉が乗っている。量的に、小生には十分だが、働き盛りにはきっと物足りない、二杯はイケるだろう。でも2,400円はちょっと行き過ぎだ。麺は細打ち。機械打ちか。思ったよりも弾力があるので、まるで多加水麺のようだ。でもイイ感じ。
肝心の肉は、やはり和牛らしく歯応えが殆ど無い。汁の味は肉そばのせいか、あまり出汁の香りを感じないが、それでもまあ美味い。でも呑み干すにはちょっと塩味が濃いか。次回は、つけそばにしてみようかと思った。

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30数年ほど前のこと、虎ノ門のと或る職場に通っていたことがあり、仕事帰りに「虎ノ門大坂屋砂場」で一杯やったことがある。虎ノ門に、何だか随分古めかしい木造の建物があるもんだと吃驚。2階の座敷(大広間)に上がり、座ると同時に誰かが、ビールでなくいきなり日本酒とその肴として焼き海苔を頼んだ。その頃の小生はまだ、焼き海苔で一杯やる程枯れていなかったので、随分洒落ていると思った。
その焼き海苔は、小さな鰹節削り器のような木の容器に入って出てきて、蓋を開けるとそこに焼き海苔が数枚、下の引き出しには熾きた炭が入っていた。つまり、食べている間にも残りの海苔が湿気ないように、という心遣い。これが江戸前蕎麦屋の粋かー、と感じた。
結局その後、その「虎ノ門砂場」には2回ぐらい入ったきり。職場が変わったこともあり、すっかり疎遠になって時が流れた。今回、職場が西新橋になった機会に「虎ノ門砂場」を思い出し、行ってみようかと思ったら、今は改修工事中だという。調べてみれば目の前の道路の拡張工事に伴い、建物を水平移動させているらしい。何しろ建物は戦災を免れた大正12年築の登録有形文化財、よくぞ存続させてくれたものだ。営業再開が待ち遠しい。
ということで、今は外堀通り沿いの仮店舗で営業中と知り、ランチ時に行ってみた。雑居ビルの1階と2階が店舗。その辺の立ち食い蕎麦屋と違い、店内はひと気が少ないが、2階へどうぞと通される。昔と比べるとかなり上品になったようだ。
4人掛けテーブルを独りで占有。他にも独り客が多い感じ。暫しメニューを眺め、揚げなすとおろしそば(1,160円)を注文する。蕎麦前で一杯やりたい気分だったが、仕事中なので我慢した。
出て来たのは蕎麦の上に揚げ茄子と揚げしらす、大根おろし、大葉、胡麻が乗ったスタイル。これに冷たいつゆをぶっかけていただく。この爽やかさは夏に相応しい感じだが、美味かった。毎日喰いに来るにはちと高いが、偶には街の喧騒を感じずに、美味い蕎麦と向き合うのは悪くない。ただしこの次は、仕事が終わってから来て、熱燗と、焼き海苔を頼んでみたい。まだあるかな。

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昨年の岩手山リベンジの機会が巡ってきた。今回は姫神山のような、初日に相応しい手頃な山が見つからなかったので、終日観光とした。行った先は遠野。云わずと知れた民話が息づく街。結果的に朝から天気が悪いので、山行を計画しないで大正解だった。
新花巻駅から釜石線に乗車。山中をうねるようにディーゼルカーが進む。花巻から釜石までのほぼ中間点、云い替えると北上山地の真ん中あたり、意外と開けた盆地に辿り着く。そこが遠野だ。人口は2万5千に足りない小さな街だが(東京都や埼玉県にはそんなに小さな市は無い。山梨県だったら大月市よりちょっと大きいぐらいか)、知名度は全国区と云えよう。勿論、その立役者はかの柳田國男である。
のりちゃん運転のレンタカーに乗せてもらい、街を観光する。もう昼時に近いので、最初に向かったのは食事処。観光施設の一つである「伝承園」に隣接して食事処がある。ところで今、遠野でいちばんの郷土料理と云うと、ジンギスカンなのだそうである。北海道は有名だが、何故、遠野もそうなのかはこの店のHPに詳しい。
この「伝承館」にはジンギスカンは無く、「ひっつみ」や「けいらん」などの古くからの料理を食べさせてくれる店になっている。「ひっつみ」は「すいとん」のようなものだが、もうちょっと薄くした感じで、食感は「ワンタン」に近いか。「けいらん」はあんこが入った餅なので、食したことは無い。観光客ばかりかと思いきや、地元の人も普通にやって来ていた。
小生は、「伝承園彩りそば(800円)」を注文してみた。でもその前にひとりだけビールを注文、河童の漫画が描かれたズモナビール(550円)。味わいがある喉越しだった。そして間も無くやってきたのは、なめこおろしと、揚げ玉がはいったぶっかけ蕎麦だった。蕎麦の香りとコシはまずまず、汁は美味かった。

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計画通り剣ヶ峰に登ってから、麓の「天狗温泉浅間山荘」で望外の優雅な時間を過ごした後のこと、また往路と同じタクシーを呼び、小諸まで戻る。
車坂峠へ抜ける道(「チェリーパークライン」などという、ちょっと気恥ずかしい名が付いている)にぶつかるまでは、未舗装の(正確には砂利舗装か)うねった道が暫く続く。それでも結構、「浅間山荘」まで車やバイクがやって来るのだから、それなりに知る人ぞ知る人気な宿なのだと推察できる。
タクシーは小諸駅へは向かわずに、久しぶりに「丁字庵」で降ろしてもらった。昨年、白駒池でテント泊した帰りに寄って以来だからほぼ1年ぶり。小諸へ下りて来ると、どうしてもここに寄ることが多いのは、他にこの時間で開いている店がなかなか見つからないせいもあるが、やはりここの蕎麦と蕎麦前が美味いのと、この店の雰囲気がいいせいだ。
もう昼下がりの3時過ぎだったので、先客は若者男女ひと組だけ。その2人連れもそのうちいなくなったので、我々だけが呑んで喰って駄弁る世界となる。
最初から日本酒、折角浅間山の一角、剣ヶ峰を登ってきたので、地元小諸の酒、「浅間嶽」の生酒(300ml、770円)をいただく。珍しく「硬水」で仕込んだ酒とのこと、たしかにキレがある。つまみに頼んだのは、天ぷら盛り合わせ(2,200円)、鰊の甘露煮(550円)、葉わさび(330円)、紅茶鴨炭火焼き(495円)、蕎麦味噌(220円)、きのこおろし(550円)。まったく何れもこれも吞兵衛が泣いて喜ぶ一品ばかりだ。当然ながらこれでは日本酒が足りなくなる。嬉々として追加を頼んだ。
そして締めは勿論、ざるそば(880円)。今日も喉越し抜群のそばを堪能した。きっとまた来年も来るはずだ。

69 今年もまた「丁子庵」へやってきた。
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70 蕎麦前で一杯。
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71 これで締める。
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72 おいしゅうございました。

稲子湯10時25分発小海分院行の小海町営バスに慌てて乗った後、車窓に広がる白樺林の景色を眺めながら、呑みかけのビールをちびちびやる(本当は車内での飲食はご法度です、御免なさい)。時間が早いせいか、いつも人気の「八峰の湯」はまだそれほど客がやって来ていないようだった。
やがて小海駅に到着し(町営バスは次のバス停が何処かのアナウンスはしないので、土地勘が無いと乗り過ごしそうだ)、下車。中央線で帰るというB班(小海駅前でランチ)と別れ、上り小諸行気動車に乗車。我々が小諸行に乗るにはひとつ理由があった。
佐久にある「磊庵はぎわら」は評判の蕎麦屋で、以前から機会があれば行きたいと思っていた店。但し昼は15時までで、しかも売り切れ仕舞いという、山ヤには難関な店。今回は山から下りるのが早かったので、千載一遇のチャンスだった。念のため、店に電話を入れてみるが予約は出来ないとのこと、でも着いたら電話したと云ってみて、と云われる。ちょっとは配慮がなされるのだろうか。
佐久平駅で下車し、タクシーに乗る。運転手曰く、コロナ前は海外からの客が結構来ていた店ですよと。日本人じゃなくても蕎麦の味が分かるだろうか、と思ってしまう。約10分で到着。国道141号線からちょっと入った、木々に囲まれた瀟洒な平屋の店だった。それ程客が入っていない様子で、問題なく入れた。
小上がりに案内される。座卓の上には大きな透明アクリル衝立。接客を仕切っているのは女将だろうか。御多分に漏れず、よく喋る。とりあえず生ビール(エビス中500円)で乾杯。つまみは、にしん煮付(780円)、出汁巻き玉子焼き(2人前900円)、天ぷら盛り合わせ(780円)。サービスで蕎麦の芽をいただく。日本酒は、善光寺秘蔵酒(880円)を貰う(銘柄を訊いたがよく分からず)。
仕上げの蕎麦は水萌え・手碾きそばセット(1,980円)をシェア。この水萌えそばというのが、驚きの極太麺。勿論、喉越しは悪いけど、香りが凄い。これを知っただけでもここへ来た甲斐があった。蕎麦の世界はほんと奥が深い。

097 佐久の蕎麦の名店。
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098 美味そうに注がれたビール。
099 日本酒は佐久の地酒「寒竹」をいただく。
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101 箸袋の裏をご覧くださいと。
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102 水萌え蕎麦セット
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タクシーやバスで国道140号線、通称「雁坂道」を走っていると、恵林寺の近くで特徴的な看板が目に入る。それは「そば丸」という店の看板で、一度寄ってみたいと思っていたものの、営業は15時まででそれも売れ切れ仕舞いとのこと、なかなか山の帰りに寄るにはハードルが高いと思い続けていた店だった。
今回は可能な限り山を端折り、出来る限り早い時間に下りて来られる山行にしようと、あれこれ思い悩んだ結果、計画を立てたのが塩水山から倉沢山を経て乙女高原へ下るコース。2年前、男子会(その時の記録はこちら)で企画した山行の逆コースだ。
塩山駅から六本楢峠までタクシーを走らせ、乙女高原から焼山峠まで下りたらまたタクシーを呼び、汗を流すのも山から下りて呑むビールも後回しにして、そのまま「そば丸」まで直行して時間の短縮を図った(山行記録はこちら)。それでも店に着いたのは12時半過ぎの、最も混む時間帯。店の外で待つ客(ほぼ100%マイカーでやってきた客)は10組余り居る。噂通りの人気ぶり。だが、ここまで来て諦めるわけにもいかない。久しぶりに覚悟して、並んで待つことにした。山の中は涼しかったが、下界へ下りると日向では耐えがたい程暑い日だった。
客の入れ替わりは意外と早く(我々のように呑みを重視する客は少ないせいで)、30分程で店内へ案内される。古民家ではなく、古い木材を再利用したような造りになっている。天井がかなり高く、そのせいか中はひんやりして気持ちが良い。
ともかく、先ずビール(アサヒ・スーパードライ中瓶550円)。炎天下の屋外で長い時間お預けされていたので、殊の外美味い。つまみには、そばがんも(700円)、鳥もつ煮(550円)、本日の天ぷら(500円)。Woodyさんは、かき揚げ御膳(900円)。勿論、日本酒(谷桜生酒300ml、800円)も頼んだ。締めにはもり。腰は意外にも強くなく、喉越しもいまいちな印象。しかし蕎麦の香りはかなり高い。そこが人気の理由と見た。

05 地形図には記載がない林道。
07 やっぱり緑が良いね、とWoodyさん。
09 踏み跡が無くてもさして問題ない。
10 ゆるゆると登ると・・・
12 塩水山はもうちょっと先。
13 鹿柵に沿って登る。
15 手書きの素朴な標識。
16 ここからも金峰山が見える。
19 こんなところを下りてきた。
21 また林道に出る。
22 2年前よりも下草が増えたような気がする。
23 アヤメ。
27 踏み跡に出た。
30 倉沢山に到着。
31 山頂らしくない山頂。
32 あえて踏み跡が無い方向から下る。
33 方向が見極めにくい。
36 ここまで来れば楽チンですよ。
38 踏み跡は有りがたい。
39 最後の登り。
40 ヤマオダマキが咲いていた。
41 クリスタルライン。
42 乙女高原グリーンロッジはやはり休業中。
43 そば丸に行ってみた。10組待ち。
44 蕎麦を打っているところ。
45 暑いので日影じゃないと待ってらんない。
52 皇太子献上のそばだった。
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46 やっとこさビールにありついた。
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47 そばがんも。
48 鳥もつ煮は優しい味。
49 野菜天ぷら。
50 Woodyさんは天丼セット。
51 もりそば。DSC_1898

「せせらぎの湯」でひと風呂浴びて温まった後、タクシーに乗って松本駅へ移動する。途中、入山辺という集落を通る。ここは小生にとっては思い出深い場所だ。
かつてここには「霞山荘」という名前の温泉宿があり、カミさんと結婚直後、泊まりに来たことがあった。昭和初期に建てられた木造3階建の宿で(その歴史の詳細は例えばこちら)、皇室御用達の宿でもあった。その頃から渋めな宿が好みだった小生が、是非泊まってみたいと思っていたのだった。内装や調度品が重厚だったことを記憶している。残念乍ら2004年に解体され、今は記念碑が残っているとのことだ。
あがたの森を過ぎるともう松本駅も近い。駅に着いたら先ずは、帰りの「あずさ」の指定券を取る。「大人の休日倶楽部」を使う人、使えない人それぞれいて、纏め買いができないのでそれなりに時間が掛かるし、だけど席は纏めて取って、と要求するので駅員にとっては面倒な客。でもそれ程時間は掛からずにゲット完了。
さて、時間は1時間半ほどあるので何処かに入るとしよう。でも遠くまで行く気にもならないので手近な店で済まそうと、駅ビルの4階にある「いいだや」へ入ることにした。前回入ったのは、北アルプス・大日岳や立山・龍王岳を登った時だから、もう6年も前だ。早いものだ。
中へ入ると、以前あった筈の小上がりが無くなり、全てテーブル席になっている。小上がりがあると蕎麦屋の風情があって良かったが、これも時代の流れ。そのテーブル席もアクリル板衝立で仕切られているので、2つのテーブルに分かれて着席。
また生ビールで喉を潤した後は、川海老の唐揚げや馬肉の竜田揚げ、ゴボウ唐揚げ、オニオンスライス、蕗味噌などを肴に地酒「大雪渓」を楽しんだ。

116 松本駅ビルのここに入った。
117 もう6年ぶりだった。
118 アクリル板越しに乾杯。
119 別テーブルから乾杯。
120 川海老の唐揚げ。
121 桜肉の竜田揚げ。
122 オニオンスライスは卵の黄身入り。
123 ゴボウ唐揚げ。
124 酒は「大雪渓」。
125 酒には蕗味噌。
126 窓から王ヶ鼻が見えた。
127 仕上げはこれ。
128 美味しくいただきました。

「山本小屋」2日目。朝目覚めると、雨はまだ降っているようで、窓の外を見てもガスに包まれたままだ。今日は王ヶ頭、王ヶ鼻を越えて松本側へ下るだけなのでさして急ぐ必要はない。7時半からの朝食(洋風で、その辺のシティホテルの朝食よりもずっとゴージャス)をゆったり喰った。とは云っても折角の美ヶ原、建物の中でグズグズしていられず、結局8時過ぎには宿を出た。
雨はほぼ小止みになってきたが、ガスはなかなか晴れない。山本小屋のポニーが濡れそぼっているものの、思いの外気温は高いので寒そうには見えない。牧場を貫く道を進むと、ガスの中から美しの塔や、牛の群れが姿を現した。
王ヶ頭まではほぼ平坦で40分ほどかかるので、テーブルマウンテンを実感できる。王ヶ頭はテレビ塔が林立しているのでかなり無粋だが、ここが一応、深田百名山の「美ヶ原」の最高峰なので素通りする訳にもいかない。
王ヶ頭から王ヶ鼻へ向かうと、漸く山道っぽくなってくる。板状摂理の岩がむき出しになっていて、北アルプスが間近に見られるはずの王ヶ鼻からも眺めは得られず。さっさと下山。途中、レンゲツツジの群生地があってちょっと癒される。
王ヶ鼻から約1時間で桜清水茶屋に到着。2回目の入店(前回は2年前だ)。まだ10時半だが、開いているのがうれしい。入ると、今回も温かく迎えてくれる。広い店内に先客は無し。雨具を脱いで上がらせてもらい、一番奥の広いテーブルに着く。
まだこんな時間だけど、頼むのは勿論生ビール。たった2時間しか歩いていないけど、やっぱり美味い。つまみには、山菜の煮物と天ぷらを注文。これまで色々な山菜を食したが、野生のホップの芽を喰ったのは初めてだった。

066 朝の牧場。
067 長閑な眺め。
068 にんじんを期待する体のポニー。
069 今朝の美しの塔。
071 王ヶ頭へ。
072 突然現れるテレビ塔群。
073 突然現れる王ヶ頭ホテル。
074 この先が山頂。
075 ここが王ヶ頭山頂。
076 下りは八丁ダルミコース。
077 証拠写真。
078 テーブルマウンテンの西端へ向かう。
082 殆ど離れていないここではもう風が強くないということ。
084 王ヶ鼻に到着。
085 足元は板状節理の岩。
087 また、谷を考える。
089 雲の隙間から松本の街が見えた。
091 急きょ撮影タイム。
092 レンゲツツジの群落その3。
099 レンゲツツジの群落その10。
101 気持ち良く下る。
103 落葉松林を抜けると九十九折になる。
104 車道に出た。
105 桜清水茶屋に到着。ちゃんと営業中。
106 2年ぶり。
107 前回同様、先客無し。
108 まだ11時前ですが。
109 ワラビ、コゴミ、ヤマウド。
110 山菜の天ぷら。

「高雄温泉おおるり山荘」でゆったり湯に浸かり、誰もいないロビーで缶ビールを呑んでまったりした後のこと、今度は下りなので楽チン、ゆるゆると車道を下り、途中からまた山道に分け入って、那須湯本の手前の温泉神社に立ち寄る。
世の中に温泉神社がどれ程あるのか定かではないが、知っている範囲ではここが一番立派だ。それだけ金を持った氏子がいるということなのだろう。参道だって実にちゃんとしている。祭神は、何処も同じ大己貴(大国主)命と少彦名命。少彦名命の神格のひとつに「温泉の神」は入っているし、大国主命と少彦名命とは共に国造りを行った仲間同士(同一神との説もあるくらい)なので、妥当なことのようだ。
湯本に着いたらそろそろ昼飯どきなのだが、残念ながら湯本界隈に気の利いた店は無い。那須塩原駅へ行く途中にはそれなりにあるものの、途中下車するのも煩わしいのでそのままバスで終点、那須塩原駅まで移動する。
駅前には以前入ったことがある蕎麦屋「平成」がある。ここはランチタイム後の中休みが無いし、駅前で他に選択の余地が余り無いので大変重宝な店だ。暖簾を潜ると、もう午後1時を過ぎたせいか、他に客はいない。一番奥の席に着く。
先ず瓶ビール(サッポロ赤星、中瓶)で喉を潤した後は、栃木の地酒「旭興」特別純米生酒を貰う。個人的にお気に入りの日本酒である。つまみには、湯豆腐、ソーセージ盛り合わせ、稚鮎天ぷら、わらびお浸し、鶏炭火焼きなどを注文。そして最後はざるそばで締めた。喉越しが良い。
ここは兎に角、蕎麦前の一品料理が色々あるし、それがランチ時でも注文できるし(ランチタイムは蕎麦か、そのセットしかない店の何と多いことか!)、しかも空いている!(失礼!)という三拍子揃った店なのだ。是非、何処かの山の登山口近くに、支店を出して頂きたい。

109 ここの温泉神社はかなり立派。
110 参道だって立派。
111 樹齢800年のミズナラ。
112 立派だけど立ち寄る客は疎らだ。
113 那須塩原駅前のここに寄った。
114 この店は中休みが無い。
115 久しぶりにサッポロ赤星。
116 ビールの後は地酒、旭興。
117 今日は湯豆腐が美味い。
118 こちらはビールのお供。
119 稚鮎の天ぷら。
120 ワラビ煮浸し。
121 地鶏の炭火焼。
122 締めはざるそば。

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