五能線を五所川原駅で下車。今日は真っ直ぐ帰郷するのではなく、折角ここまで来たのでちょっとだけ観光することにして、ストーブ列車で有名な津軽鉄道に乗り換えた。残念ながらまだストーブの季節ではない。
乗ったディーゼルカーのエンブレムには、「走れメロス」とある。いいね、このネーミング。一両編成ってところも良い。だったらワンマンカーかと思いきや、乗り込むと美人女性車掌がにこやかに迎えてくれる。検札だけでなく、沿線ガイドも車内販売もやるマルチぶり。津軽弁(コテコテではないが、イントネーションが津軽弁的)のガイドが郷愁を感じさせる。呑んだくれて話がしつこくなってきた我々オヤジ4人組に対しても、物腰柔らかに接してくれた。
金木まで行って「斜陽館」を見学するつもりだと伝えると、だったら「斜陽館」もさることながら「太宰治疎開の家(旧津島家新座敷)」を是非お勧めします、という。専門ガイドが案内してくれ、太宰治の生い立ちと金木での生活を懇切丁寧に解説してくれるとのこと。
そこまで仰るのなら行かずばなるまいと、「斜陽館」は後回しにて行ってみた。金木駅から「斜陽館」までは歩いて10分くらいの距離だが、当時そこまで全てが太宰治の実家、津島家の土地だったというから、いやはや大した家のお坊ちゃんだったのだと実感。
「太宰治疎開の家」は「斜陽館」まで行く途中にある。ここで太宰は、戦争疎開中に23もの作品を執筆したという。そのとき使われた文机もちゃんと残っていて、ちょっとだけ太宰治が身近に感じられる。
津軽鉄道ガイドお姐さんの云う通り、案内してくれた「疎開の家」ガイドさん(意外にお若い)は、片手に太宰治の文庫本を持って、いくつか作品の一部を引用しながら、案内してくれる各部屋にまつわるエピソードをじっくりと説明してもらった。太宰の作品をまた読んでみようかな、と思わせる解説だった。十分観光気分を味わったせいで結局、当初目的の「斜陽館」は外から眺めるだけにした。

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