山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

篠ノ井線沿線

「大王わさび農場」を退散した後、味噌煮込みうどんを喰って英気を養ったら、次は近くにある穂高神社に参拝。この奥宮は、云わずと知れた上高地の明神にあるが、有料(参拝料2,000円、明神池の見学だけでも300円)なので、場所は知っているものの入ったことは無い。
そしてもちろん、穂高神社の嶺宮(奥宮のさらに奥を嶺宮と呼ぶとは、初めて知った)は、奥穂高岳山頂に祀られている。でも実は、穂高神社の祭神である穗髙見命は、海の神様らしい(こんな萌えサイトがある)。どういう経緯で奥穂高岳に降臨したことになったのか、ちょっと興味深い。
穂高駅から、再び大糸線に乗って松本駅へ戻る。次ぎはアルピコ交通タウンスニーカー北コースのバスに乗り、「旧開智学校」へ。ここも初めてではないので(3回目か?)、さっとひと通り斜め見学したら、建物内の土産物売り場をしばし物色。結局、気に入ったものも見つからずに外へ出て、傘を差しながら女子連を待つが、じっくりと見学しているとみえて、なかなか出てこない。
「特急あずさ」の発車時間から逆算すれば、このままだと何処かの店に入ってビールを呑む時間が無くなりそうだと気が付き、待ちきれずにひとりバスに乗車。事前に検索し、行きたいと思っていた「松本ブルワリー」の店が、バス経路の途中にあったので、本町BSで下車。どうやら目の前の「信毎メディアガーデン」ビルの中に入っているようだ。ここにはなかなか洒落た店が入っていて、時間があればひと巡りしてみたい感じ、「松本ブルワリー」のビアバー(ビアガーデンと呼ぶにはちょっとこじんまりとしている)は3階にあった。
壁の無いオープンなフロアに、鉢植えや衝立で仕切られたカジュアルな雰囲気のスペースに、様々な形のテーブル席とカウンター席が並んでいた。小生は2人用テーブルに座り、さっそくセッションIPA(1パイント、900円税込、以下同様)を注文。ついでにわさび餃子(486円)も頼んでみた。セッションIPAはまったく本格的な感じで美味い。わさび餃子は、その名の通りわさびが強烈、普通に1個丸ごと食べたら思わずむせた。

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予定を前倒しにして松本市街に泊まることにした際、このゴールデンウィークの真っ只中で、しかも前日にシングルルーム6人分を確保するのはなかなか大変なことだが、アドレナリン分泌過多なこのちゃんが一肌脱いでくれて、松本市内のホテルへ電話を掛けまくり、事なきを得た。
決まった宿泊先は「東横INN松本駅前本町」。松本駅から数分の距離で、繁華街の真っ只中。呑みに行くにはまこと便利な場所にある。宿泊代では会員割引がお得で、しかもその場で会員になれるとのことで、このちゃんを除く5人は急遽、入会手続きとなった。
会員証には顔写真が入るので、フロント・カウンターで順々にカメラ撮影。でも何人かの写真のバックには、他の人も写っていて(ちなみに小生の会員証には、のりちゃんとなおちゃん)、一般的な証明写真との違いに、やけにウケた。
各々、部屋に入った後は、レインウェアを始め、濡れた衣類を広げて干す作業に没頭する。今日のような状況の場合、我々のように山小屋の大部屋に慣れた者としては、ホテルのシングルルームは他人に気兼ねが全く要らないという点ではとても良いと実感。今回は稀なケースだが、この使い勝手の良さは捨て難い。何処かの街をベースキャンプとして1泊し、前後を何処かの山を登るようなプランを、また何処かで使ってみたいと感じた。
「信州ゴールデン新館」で夕食兼呑み会を終えた後、1階ロビーにある自動販売機で、寝酒用にビールをゲット。でも呑み切らないうちに、テレビも付けっぱなしでいつの間にか爆睡した。
翌朝、朝食のために1階へ下りると、ロビーだったところが朝食会場になっていて、しかも思いの外多くの客が既に行列を作っていたのでちょっと吃驚した。

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蝶ヶ岳登頂を諦めて予定を前倒しにした結果、図らずも松本市街に泊まることになった。松本には何度も通っているが、泊まるのはいつ以来なのか思い出せない。たいていの場合、松本を夕方前に出る「特急あずさ」で東京へ帰るので、居酒屋とか、蕎麦屋の夜メニューにありつくことは滅多にない。
せっかくの機会なので、どの店に入ろうかと暫し思案し、泊まるホテルに至近な「信州ゴールデン新館」という居酒屋に入ってみることにした。駅からホテルに向かう途中なので、チェックインする前に直接寄ってみて、「あとで来ます」と予約。
何処にでもありそうな感じの大衆酒場だが、料理や酒の種類が随分豊富だ。何故か、沖縄料理も混じっている。先ず生ビール中(350円税別、以下同様)で無事を祝して乾杯。つまみには、串焼きでカシラ(150円)、とりもも(150円)、アブラ(150円)、ハラミ(150円)を頼む。
他に、揚げ餃子(480円)、ポテトサラダ(380円)、ゴーヤチャンプルー(700円)、信州サーモン(800円)、あつ玉子焼き(550円)、馬刺し赤身(880円)、ハムカツ(480円)、えいひれ(480円)、きゅうりみょうが(380円)、サバ缶おろし(450円)、焼きそば(880円)、ゆで落花生(380円)、ちくわ磯辺揚げ(400円)と怒とうの注文。初日は別にして2日間しっかり歩いたし、昼は大して喰わなかったせいで、皆さん、食欲が旺盛である。
ビールの後は日本酒。やっぱりせっかくなので信州の酒にしようと、北安・冷酒(580円)、高天・冷酒(480円)、岩波・冷酒(480円)、七笑・冷酒(480円)とじゃんじゃん呑む。ビール派は、ドライブラック生ビール(350円)やハーフ&ハーフ(350円)、サワー派は信州コンコードサワー(450円)などを呑んでいた。
一方、日本酒ばかり呑んでいた小生も、ちょっと喉が渇いたので炭酸系を頼もうかとメニューを見れば、キンボール(430円)が目に留まる。あれっ、これたしか上田で呑んだ、なんだこの店、同じ系列店じゃん、と気が付いた。勢いでハブボール(480円)も呑んだが、ハブらしさはよく判らなかった。

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坂巻温泉に投宿した翌日は、基本的に俗世間へ戻るだけだが、のんちゃんが善光寺に行ったことが無いとのことなので、ならばと長野へ行くこととなった。先ずはタクシーに乗って新島々駅まで移動。この運転手はコニカをリストラしてアルピコタクシーに就職したとのことで、日野にあった小西六工場が懐かしく思い出された。それにしても饒舌な運転手であった。
新島々駅で電車を待つ間、旧駅舎を眺めにいった。なかなか味がある建物。そのまま飾っておくだけでは勿体無い、カフェでもやらないものか。道路沿いに酒屋があって、店主(?)が店を開けて掃除をしていた。ビールを買おうかと思ったが、やっぱりちょっと早すぎるかと思い留まった。
アルピコ交通上高地線の電車は、かつて井の頭線で走っていた旧京王3000系。たとえアルピコ交通のカラーリングがされ、マスコットキャラの「渕東なぎさ」が描かれていても、何となく親しみが沸いてくる。
松本駅でJRに乗り換え、10時7分発の「特急ワイドビューしなの3号」に乗車。でもその前に、キオスクでしっかり缶ビールをゲット。今回は「安曇野浪漫・くろゆり」。これも「諏訪浪漫」と同じ麗人酒造のビール。いわゆる黒ビールの「くろゆり」も「諏訪浪漫」にある。
篠ノ井線に乗るのは、いつ以来か思い出せないほど久しぶりである。もしかすると前回は、冠着山(姥捨山)に登った時かも知れない。「特急ワイドビューしなの」で篠ノ井線を走るのはたぶん初めて。千曲川の河岸段丘の上を走る篠ノ井線からの眺めはなかなか良い。
姥捨駅からの眺め(特に夜景)が「日本三大車窓」のひとつになっているのは、昔から知っていた。たぶん国鉄時代からの話。ググッてみると確かにそのとおりだったが、そのうち狩勝峠越えの根室本線は既に廃線になっているので、現在は「日本二大車窓」になっているようである。もうひとつは肥薩線の矢岳越えだが、SLが無くなってからはきっといまいちのはず。その点で、篠ノ井線の眺めは、失われつつあるどころか、むしろ眼下の街並みは増えているはずなので、夜景は一層、輝きを増しているはずだ。

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信濃大町から移動して丁度昼時。と云うか、昼飯を食う(+一杯やる)には、やはり松本だろうな、と云う判断。信濃大町から松本の間にも、なかなか魅力的な処があるにはあったけど。例えば、穂高駅前に「田舎家」と云う、うどん屋があって、何回か行ったことがある。
入口には、頭が高いと打たれます、と張り紙があり、実際、腰を屈めて入らないといけないほど、引き戸が低かった。ここの名物は味噌煮込みうどんで、結構美味かった。ところが、店の親爺が強面と云うか偏屈と云うか、気に入らなければ客だって叱りつけるので、店に入る時には緊張したものである。今はすっかり代変わりしたようで、接客もだいぶ変わったようだ。話が逸れた。
松本駅近くで、10名で入れる蕎麦屋を色々探してみたものの、電話を入れてみると昼は予約を出来ないという店ばかり。流石に10名は厳しいか、やむを得ず、当ての無いまま街に繰り出すと、すぐに「そば」の看板が目に入り、ダメ元で入ってみると、なんとOKとのこと。そこが「郷土居酒屋・和利館」という名の蕎麦居酒屋だった。入ってみると、小上がりと云えないくらい、かなり座敷が広い。それでも10名分がよくも空いていたものである。
壁に張られたメニューを見ると、色々あって嬉しくなるのだが、訊けばやはりランチタイムは、夜メニューとは異なるとのこと。う~、残念。でも、馬刺しや天麩羅など、(松本の)普通の蕎麦屋にある一品料理は、昼のメニューには載っているので安心。 信州大豆の生湯葉刺し、なす焼き、馬刺し、きのこおろし、稚鮎天麩羅、野沢菜漬け、冷やしトマトを注文。「郷土居酒屋」という名前を冠しているだけあって、どの料理も如何にも信州の味、という雰囲気でいい。
飲み物は、ビールの後、地酒。ここは、地酒の種類も豊富。っていうか、敢えて地酒に拘っているようだ。山清やアルプス正宗などをいただく。
締めはやはり、ざるで。これを手繰ると、そうか、やっぱりここは蕎麦屋なんだと気付く。それにしてもこの店、夜のメニューはなかなか魅力的である。いつか、ここへ夜やってくる機会があるだろうか。 

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女鳥羽そばを出た後、折角なので松本城を外から観光(≒入場料払わず)。ゆっくり駅に戻ったが、まだ列車の発車時刻まで少々時間がある。そのため、昨年の焼岳の帰りと同様、松本駅前ビルの4階にある「いいだや」という蕎麦屋に入って、しばし時間を潰す(≒呑む)ことにした。とにかく暑いので、冷たい物(≒ビール)が必要。まだ、腹は十分な状態なので、つまみは野沢菜と花山葵にした。どちらも地元感があって宜しい。
多くの場合、午後2時から5時又は6時までの間は、たいていの店は休んで夜のための仕込みに入る。それは蕎麦屋とて例外ではない。蕎麦を挽いたり打ったりするため、店にとっては必要な手段(時間)なのかも知れないが、我々にとっては、山から下りる時間帯が昼にも夜にもかからない場合は間々あるので、通しで営業している店はとても有り難い。ここに、ニッチなビジネスチャンスがあると思うのだが。つまり「山から下りた処にある店は、中休みをしない方が儲かる」、かな?
その点、ここ「いいだや」は我々のニーズに適っているので、とても便利である。それに駅に至近なので、列車待ちに持ってこいである。この駅ビルには、他にもいくつか店があるが、何れも午後の中休みは無さそうである。考えてみると、駅ビルやデパートのレストラン街は、基本的に中休みはとることはない。それは、昼夜に関係なく客が集まってくるからだろう。しかし、どんな店でもいいということは無い。先ず、ビールがあること、ビールだけではなく醸造酒(地酒か地ワイン)も置いてあること、つまみも複数(できれば5、6種類)あること、が必要条件だろうか。もちろん蕎麦もあって、それが美味しければ申し分ない。
ともかく、ここ「いいだや」はどの条件もクリアしているので、我々には十分な価値がある。また松本に着く時間が中途半端であれば、きっとここに来るに違いない。

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この頃、山から下りて松本と云えば蕎麦屋、ということになっている。それはひとえに真昼間に大っぴらに呑める店が、蕎麦屋だということに尽きる。松本にも、浅草のホッピー通りや、上野のガード下にあるような居酒屋が1,2軒あると助かるんだけどな。
それはそれとして、以前、Woodyさんから、松本在住のご友人と行く蕎麦屋があると聞いていたので、今回、立山(龍王岳、浄土山)と奥大日岳を登った帰りに行ってみた。駅から歩くと15分くらいの、女鳥羽川沿いにある店で、愛嬌のある看板が目印なので判り易い。
入口を入ると左手に小上がり、右手にテーブル席があり、折角なので靴を脱いで寛ぐことにした。丁度昼時、我々の後から次々に客が入って来て、忽ちほぼ満席となる。良いタイミングだった。今日は平日(月曜日)にもかかわらず、客は近所のさらりーまんやOLではなく、観光客かご近所の家族連れという感じ。きっとここは、観光ガイドブックやネット記事にも紹介されているのに違いない。
建物の影を拾いながらも、炎天下の中を歩いてきたので、ともかくビール(エビスビール、650円)。ふ~、生き返る。流石に下界は暑い。ついさっきまで居た、室堂や黒四ダムの涼しさがもう懐かしい。つまみは、馬刺し(1,295円)、鴨ロース(975円)、とうふ(460円)、天麩羅(1,510円)にした。そうなると日本酒だ。ここの酒は「岩波」だそうだ。松本の地酒である。
馬刺しは、松本の蕎麦屋では定番と云っても良さそうだ。肉は柔らかくて申し分ない。そう云えば、この頃たいていの店に入っても、馬刺しが筋っぽくてなかなか呑み込めない、ということは無くなった。この頃は農耕馬の最終処分、なんてことはないのだろう。熊本だって長野だって、名物と云いながら、恐らくは全部アメリカなどからの輸入品なのだろう。
締めは、ざるそば1,280円と、量的にはたっぷりだがちょっと高めの価格設定。蕎麦2枚でお猪口3つというと、追加料金が必要との仰せ。つゆ一つをとっても忽せにはしない、という職人のプライドの様なものを感じた。もちろん、つゆの出汁加減も蕎麦のコシも忽せにはしていない、全く申し分なかった。

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女鳥羽そばのHP: こちら 

時間があったので松本城に行ってみたら、偶々、お濠の南側の公園でCraft Beer Festival、すなわち地ビール祭りをやっていた。そうとなれば、お城の見学もそこそこに切り上げ、早いとこ会場に行かねばならない。入口でチケットを購入するが、基本は5杯+ビールグラスセットで3,500円(前売券は3,000円)とのこと、ほかにプラスチックカップ1杯ずつで600円もある。いきなり5杯がノルマというのもちょっと辛そうだし、ビールグラスそのものには特に関心は無いので、600円の1杯券を購入する。このFESTIVALには長野県内から9社、県外からも10社以上参加していて、各社それぞれビールを3種類ずつ用意しているようなので、全てを賞味するのは到底不可能である。いつのまにか随分、地ビールは増え、日本に定着しているように見える。会場には、つまみの屋台も結構多く並んでいて選ぶのが楽しい。結局、選んだ地ビールは、飛騨高山麦酒、南信州ビールから各々2種類ずつ購入。なかでも、南信州ビールの見事に白濁し、とろっとしたアルプスヴァイツェンは味も濃厚で気に入った。駒ケ根にある地ビール会社とのこと。今度、木曽駒ケ岳に登った際には、忘れずに寄ってみたい。

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 Festivalの公式HP: こちら

「三城」で蕎麦を喰ったものの、未だ上り「あずさ」の発車時刻まで間があり、それに(三城で日本酒は五勺くらいしか飲めなかったため)やや飲み足りない気分。そこで、松本駅ビル内にある蕎麦屋(また蕎麦?!)「いいだや」に入ってみた。蕎麦屋に入って蕎麦を喰わないのは失礼に当たるのかどうかは判らないが(「三城」でそんなこと云うと即刻叩き出されるかも知れないが)、以前、会社の帰りに銀座中学校の裏の蕎麦屋「満留賀」に度々入って、つまみと焼酎の蕎麦湯割りを飲んで蕎麦を喰わなかった。周りもそういう客ばかりだった。蕎麦屋にとっても、酒飲みの方が客単価が高いので心得たものではなかろうか。
閑話休題。暖簾を潜ると、右半分は座敷、左側に4人掛けのテーブルが3つ、真ん中に大きな長テーブルひとつ。真ん中に座る。生ビールに、つまみには馬刺しと天麩羅盛り合わせを注文。このところ馬刺しは毎日の様に喰っているが、なかなか飽きない。それに、店によって味も噛み応えも違うようだ。場所柄、この店は列車の待ち時間に利用する客が多い。従い、割と客の入れ替わりが早くなる。我々も1時間足らずだったが、まったりとできる。時間以外に特段、制約されること無く飲み食いできるのは、やはり普通に良い。

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松本城公園で地ビールを2杯ずつ飲んだ後、カミさんと二人でふらふらと大名町通りを南下すると、窓の無い蔵造りのような建物の入口に、「三城」と染め抜いた暖簾が掛っているのに気が付いた。そのような名前の有名蕎麦屋が松本にあるのは知っていたものの、こんなところにあるとは思わなかった。ふらっと入れるか自信がなかったが、えいっと入ってみると、薄暗い店内の奥に囲炉裏の様なテーブル(六人掛け)に男一人、右手の四人掛けのテーブルに女二人、手前の六人掛けのテーブル奥に女二人、都合五人の先客がいた。皆、黙々と食事中である。咳をするのも憚れるような張りつめた空気。奥から現れた和服姿の女将(?)さんから、予約しているかと問われ、していないと答えると、ではこちらにどうぞと云われ、手前の六人掛けのテーブルの右半分に着く。そのうち予約の男女二人組みがやってきて、奥の囲炉裏に通される。さらに続いて予約していない客が入って来たが、女将(?)さんにあっさりと、もういっぱいです、と断られる。次は2時半です、とも云っていた。少なくとも、詰め込めばあと七、八人は入れそうなのだが・・・。その後の客も同じように体良く断られていた。我々は幸か不幸か間一髪セーフだったようである。
この店では、お品書きがなくコース料理になっていること、酒を飲むかどうか問われること(飲まないと云えばお茶が出ること)、も知っていた。そのうち、女将(?)さんが、きのこのおろし和えが入った小鉢と共に、方口酒器と猪口をすっとテーブルに置いた。酒を飲むかとも、飲みたいとも話していないのに・・・。顔が赤かったのか、息がアルコール臭かったのか(実際、予約の二人組にはお茶が出されていた)。ともかく有難く頂戴する。なんとなく、どこの酒かを訊き難い、しーんとした雰囲気。ここは懐石風なのかも知れない。カミさんがスマホを構えるとすかさず、写真はお断りしてます、とガツンと云われる(下の写真はその前にこっそり撮りました。ごめんなさい)。次にそばつゆと薬味が二つずつやってくる(一つは蕎麦湯用か?)。何故二つなのか、訊きたかったが我慢した。やがてもり蕎麦がやってくる。イマドキにしては結構、太い麺で田舎蕎麦風。つるつるっと行き難いが、蕎麦の香りは高い。
蕎麦の後は漬物盛り合わせと、花豆の煮豆が出てくる。これは酒ではなく、蕎麦湯と共にいただくものらしい。これらを全て平らげ会計。一人2,000円であった。流石に蕎麦は美味かったので、安からず高からず、というところだが、この店限定の独特の空気(勿論、その殆どは女将(?)さんが醸している)を味わっただけでも安いと思わねばならぬ。ただし、我々の山岳会女子連が徒党を組んで入店するのはやめた方が無難であろう。

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焼岳登山のために、今日は麓の宿に着けばいいだけなので、昼食のため松本駅で途中下車。何の気なしにぷらぷらと松本城の方角へ歩いていくと、大名町通りの左手に蕎麦屋を発見、まだ11時を過ぎたばかりだが開店しているようなので入ってみる。テーブル席だけでなく、小上がりも4卓ほどあって、かなり店内は広い。先客は一組だけ。先ず生ビールを注文し、馬刺しと、もり蕎麦も注文。蕎麦は後で、とうっかり言い忘れたおかげで、馬刺しとそばが一緒にやってくる。仕方ないので、先に蕎麦をいただく。細打ちだが十割そばのせいか、麺は相当に短い。適正な長さを「饂飩一尺 蕎麦八寸」というそうだが、これはせいぜい四寸くらいである。蕎麦粉の香りは結構する。が、のど越しは全くないのは、明らかに茹で過ぎのせい。薬味の山葵はどうみても練り山葵で、乾燥しかかっていて汁に溶けない。返す返すも残念である。
かなり動揺したものの、気を取り直して日本酒を注文、若い店員に聞くと即座に答えられず、奥に戻って聞いてきてから「山清(さんせい)です」と答えた。松本にほど近い坂北の造り酒屋らしい。おそらく本醸造だろう、酸味がやや強い感じもするが飲み飽きないタイプ。これは馬刺しと良く合う。馬刺しは筋も少なくとろける。うーむ、蕎麦屋に入って言うのも酷だけど、この「山清」と馬刺しがあればまったりとした昼は過ごせる。出来れば今後、観光地であることに慢心すること無く、蕎麦切りの向上に努めてくれると有り難い。

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神城から大糸線普通電車に乗ってトコトコ松本に移動、東口に出る。今日も朝から雨が普通に降っている。まったくもって、夏山らしい天気ではない。地球温暖化なのかエルニーニョなのか判らないが、この頃、ひと昔前とは明らかに気候が違ってきているように思う。それはさておき丁度昼時、リサーチャーなおちゃんが事前に調べてくれた店の中から、駅に近い「蔵のむこう」に入店。暖簾を潜ってみると、あら、以前にも来たことに気が付いた。店内は、目が慣れるまで暫く時間がかかる程の暗さ。蔵の中を演出しているものと見える。
先ずはエビス生ビールで、何度目かの乾杯をして喉を潤した後、馬刺し盛り合わせ、厚焼き卵、サーモン刺身、天麩羅(せいろ蕎麦とセットのみ)を注文。その後、野沢菜漬けやわさび菜醤油漬けも追加する。やっぱり本場の馬刺しはイケる。酒は先ず「笹の譽生酒」と「佐久の花 純米吟醸直汲み」から。後者の方がだいぶインパクトがある。この店は蕎麦居酒屋を謳っているとおり、日本酒は他にもいくつか揃っている。特に、にごり酒の種類が充実して、しかも何れもこの店が造り酒屋に頼んで商品化したものという。「マルト純米にごり 限定活性生酒」はそのひとつ。造り手は佐久・八千穂の黒澤酒造。甘味と酸味がやや強く感じられるものの(それ故、他の方々は少々敬遠気味)、小生にはまったく許容範囲で結構満足。むしろ、この店の酒への拘りが感じられる。ただ、蕎麦を酒の肴にし難いかも知れぬ。そうこうしているうちに、締めのせいろ蕎麦が降臨。つゆは塩辛さ控え目、麺は細打ち、喉越しがとても良い。単に酒の種類が多い蕎麦屋というだけではないものがある。
ひとこと、あえてこの店に申し上げたいのだが、夜のメニューは酒の肴が大変充実しているようだが、それにひきかえランチ時では数えるほど。我々のような旅人は夜に寄るのはなかなか機会が難しい。松本は立派な観光地なのだから、蕎麦を喰っただけで帰るような客ばかりではない筈。是非、昼呑み用の肴メニューも夜同様に充実させて欲しいものである。とはいえ、先ずは一度、なんとか夜に来てみるか・・・。

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