山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

内房線沿線

ピッツェリア「GONZO」を出て振り返ると、さっきまでいた鋸山の、採石跡が良く見える。よくぞ削ったものだと感心するが、観光客は必ずしも採石跡や「百尺観音」を見に来るわけではない、やはりこの山の頂から見る東京湾の景色と、足元に見える断崖絶壁が魅力なのだろうと感じる。
日本の名山を集大成したものとしては、文筆家深田久弥が1964年に発刊した「日本百名山」があまりに有名だが、それよりも150年以上前の1812年(文化9年)に、著名な画家である谷文晁が刊した「日本名山図会」はあまり知られていないと思う。小生も「日本名山図会」そのものを手に取って見たことは無い。
この「日本名山図会」には89座の山が表されていて(但し山そのものでなく、中には妙義山中腹の「中嶽石門」のように「奇勝・奇景」を対象にしたものもある)、「深田百名山」に無い山も多い。時代背景も違うし、文筆家と画家の視点の違いもある筈で、比較すること自体、余り意味がないかも知れないが、凡人の小生にはちょっと興味がある。個人的には、ビジュアルを重視したはずの「文晁名山」に惹かれるところがある。「深田百名山」には無い「米山」や「姫神山」が入っているのが、何となく親しみが沸く。
また、これには千葉県の山として「鹿野山」と共に、「鋸山」が採り上げられている。構図は浜金谷側の海上から見た姿のように見えるが、その後1985年まで採石されてきているため、今見るように切り刻まれた鋸山とはちょっと違う感じで、とにかく鋸山らしくギザギザが強調されている(ちなみに「鹿野山」も海から見た構図であるが、これで名山?と思うような凡庸な姿が描かれている)。
そんな鋸山を見た後、ぶらぶら浜金谷駅に向かうと途中に古民家カフェがあったので入ってみた。内部に設えられた調度品もかなり古式ゆかしい感じだ。メニューを見ると、ここは珈琲専門店、残念ながらビールは無い。ならばと本日の珈琲を注文(一杯800円もする!)。値段に相応しい味と香りかどうか分からないが、この雰囲気も合わせればそれほど高くは無いと感じる店である。店主も物腰柔らかで如才がない。

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カミさんの運動不足解消のため、低山ハイクに付き合うことにした。行先は千葉の鋸山。住んでいるところが殆ど千葉県と云ってもいい三郷からでも、最寄りの保田駅まで結構遠い。でも上総湊駅辺りからは海岸線を走るようになり、東京湾が良く見えてちょっとトリップ、山なんてやめて海を見ながらボーっとするか、という気分にもなる。
保田駅にタクシーでも停まっていたら日本寺まで乗ってしまおうか、という魂胆でいたが、全くそんな駅ではなくタクシーどころか、降りる客も我々だけだ。覚悟して歩き始める。日本寺に着くと、ここはマイカーでやって来る客がそれなりにいて観光地だ。
拝観料はひとり700円。結構とるが、大仏は見応えがある。急な石段を登って行けばやがて視界が開け、有名な「地獄のぞき」に到着する。ここは浜金谷側から登ってくる客(殆どがロープウェイ利用と思われる)もいて、かなりの賑わいになっている。あまり滞在したくない感じなので、百尺観音を横目に見ながら浜金谷側へ抜ける。
石切り跡地を眺めた後、鋸山山頂は省略して下り、市街地へ降り立つ。立ち寄り湯もあったがもう昼時なので飲食店を探すと、海岸沿いの「漁師めし はまべ」は行列が出来ていて諦める。浜金谷駅に向かって歩けば、右手に「GONZO」というピザ屋があった。空いていればどこでも良いか、という気で入る。
それなりに客が入っていて、ほぼ皆さんマイカー族なのか、ソフトドリンクを飲んでいる。我々は遠慮なくビール。ここはハートランド(小瓶500円)だ。生ハムサラダ(750円)とピザ・シシリアーナ(1,300円)を注文。ピザはもっちり、予想以上に美味かった。

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「君津の湯」で温まった後、このちゃんとくまちゃんは、君津駅前からバスタ新宿行きのバスに乗っていった。バスタ新宿まで直通、1時間強で着くのだから便利だ。電車だったら乗り換えも含め2時間ぐらい掛かる。房総から東京や新宿へ帰るには、高速バスしか選択の余地はない感じがする。
一方、残りの二人は何処かに引っかかるのを前提に、とりあえず千葉行の内房線電車に乗車。君津から千葉まで50分だから、千葉でひと息入れるには丁度良い具合だろう。やってきた車両は209系。この型式は、JR東日本では最も在り来たりな車両。
カラーリングは違えど、一時期は京浜東北線や南武線、中央線、青梅線、京葉線、武蔵野線、総武線、内房線、外房線、成田線など、山手線や中距離電車を除くありとあらゆる路線で見られた、誰も洟もかけない、猫も跨いで通る電車。その多くはまだ現役であるが、中央線や京浜東北線のように、もうE231系に変わってしまった路線も増えてきている。
しかし、千葉県内を走る209系は他の路線とはちょっと違い、先頭車両だけセミクロスシートになっている。このあたりは、ちょっとエラい。他の路線も(特に青梅線は)見習って欲しいところである。当然、我々はセミクロスシートの席を確保し、昨日の残り酒をちびちびやりながら房総の景色を眺める。房総は東京や埼玉と較べても、照葉樹が多いように感じる。
朝は、館山から君津までほぼ1時間掛かった。今は君津駅から千葉駅まで、1時間弱の電車旅。つまり2時間乗って、ようやく房総半島から抜け出すことが出来るという訳である。房総半島は意外に長いのだ、と実感した。

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鹿野山に登り、神野寺に参拝したあとは、タクシーを呼んで、さあて風呂だ。事前に調べておいた情報によれば、君津には「君津の湯」と「四季の湯」、2つの日帰り温泉があった。料金は「君津の湯」が690円で「四季の湯」が1,000円だから、特段の魅力が「四季の湯」に無ければ、「君津の湯」をチョイスするのが穏当。
でも念のため、タクシー運転手にどちらがお勧めなのか尋ねてみると、う~ん、と云って黙ってしまった。どうやらどちらも入ったことが無いようである。余程の温泉好きで無い限り、或いは家でごろごろしていると煙たがれることが無い限り、地元の人は意外にそんなものかも知れぬ。小生だって、家の近所に日帰り温泉施設が2つもあるのに、未だどちらにも入ったことが無いのだ(今度、ママチャリで行ってみるか・・・)。
ということで、「君津の湯」に向かう。駐車場が広くて、目の前のパチンコ屋と共用になっている。経営が同じなのかも知れない。受付も風呂場も2階。ここはいわゆるスーパー銭湯で、天然温泉ではない。人工的に作った炭酸水の湯だそうだ。
炭酸は皮膚から吸収され血行が促進されるとのことだが、いつも実感できるほど湯に浸かることが無いので、小生にはその効果がちっとも分からない。今日もいつもと同じようにさっと浸かり、さっと上がる。
さっぱりしたら、同じく2階にある食事処へ。「かめや」という、田舎の蕎麦屋に有りがちな店名である。風呂場の混み具合に較べると、ここはだいぶ閑散としている。さっそく生ビール(480円)を頼み、そのついでに鳥ねぎ(390円)も注文。市販の焼鳥のタレのようなもので、さっと絡めただけの炒めものだが、ビールに良く合う。女性陣がやって来るまでに、半分ぐらい喰ってしまったし、ビールは殆ど残っていない。もう一杯呑むか、かなり悩んだ。

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房総の山旅2日目。当初の計画では、せっかくなので千葉県で一番高い愛宕山(それでも標高はたったの408.2m)に登ろうと考えていたが、よくよく調べてみれば、山頂を保有している自衛隊峯岡山分屯基地が受付ているのは、毎週火曜日と木曜日、並びに第1、第3土曜日、日曜日のみとのこと。12月30日は第5日曜日なので、残念無念アウトだった。そのため、やむなく千葉県標高第2位の鹿野山(白鳥山、標高379m)に登ることにした。
千葉の山は土地勘が無く、全般的に疎い。どのコースをチョイスしようか、以前に、そもそもどの辺りに山があるのかも良く判らない。大抵の場合、先ずは昭文社の「山と高原地図」で概要を掴むのが手っ取り早いが、千葉の山は対象になっていない。そうなると、昔は国土地理院の20万分の1地勢図、その次は5万分の1地形図を買って来たものだが、昨今は自宅、移動中に限らず(会社でも)ネット検索。やはり、ヤマレコかYAMAPが多い。
調べた限りでは、白鳥山は車を最大限利用すれば、僅か15分で登れてしまう。でもそれじゃあ流石に山登りにならないので、標高35mの秋元城址入口から登ってみることにした。山らしい感じは、秋元浅間山を越えた辺りまでで、あとは白鳥山の登り口まで、車が行き交う舗装道をテクテクと水平移動。こういう道になると途端に女子連が姦しくなるので、声が届かないくらい離れて単独行気分に浸る。
目出度く白鳥山に登頂を果たした後、展望台から九十九谷を眺めつつ野点タイム。もうこれで基本的に山は終了だが、ついでに神野寺にも参拝。五色幕も飾られて、初詣の受け入れ準備は済んでいるようだ。このちゃん、ひろちゃんは、しっかり御朱印もゲット。
あとはタクシーを呼んで帰るだけだが、何処かビールを呑める店が無いものか。道々、探してみたが見当たらず。神野寺の目の前に「よるべさ物産館」なる観光施設があったので、恐る恐る覗いてみれば、もつ煮や牛乳などはあったが、ビールは見当たらず。あったのは日本酒「鹿野山」のカップ酒。もつ煮だったら、牛乳よりも日本酒でしょ、と一杯やることにした。夏じゃないので、日本酒でも悪くない。
(神野寺の全天球イメージ)

088 実際の九十九谷はこの真下。

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伊予ヶ岳と富山に登った後は、岩井駅から館山駅までたった3駅ながら各駅停車の旅。それにしても、15時20分発を逃すと次は16時45分まで無いので、危ないところだった。浜金谷や保田辺りほど海に近いところを走るわけではないが、いつも乗る中央線や青梅線とは違い、そこはかとなく南国ムードが感じられる眺めがいい。
駅に着いたらタクシーに乗って、今宵の宿「まるへい民宿」へ。釣宿になっているだけあって、海に至近の場所にある。今日は冷たい風が吹いていて、外にいると凍えてくる。こんな天気でもじっとアタリを待つ釣り人の気が知れない。小生は断然、喰うだけの方がいい。
部屋に案内されると、廊下や階段、洗面所、客室内、食堂内等、至るところに注意書きがある。就寝時の布団の敷き方や座卓の収納方法、ひいては鍋蓋の置き場所まで、懇切丁寧に説明がある。全部読むだけでひと苦労しそうであるが、書いてあることは基本的に常識的なことが多いので、斜めに読んでも問題なさそうである。廊下や階段には何故か、さかなくんの絵がいっぱい。訊けば、さかなくんとここのご主人は懇意なのだそうだ。
風呂は2つあるとのことで、男女各々同時に利用可能。しかし家庭風呂並みの大きさなので、少なくとも小生が入った方は一人ずつがお勧め。風呂上りにビールをやったあと、ちびちびと酒を呑みまどろむ。
やがて夕食の時間。刺身に始まって揚げ物、煮物までずらり。インドネシアも海洋国家なのに、何故か魚よりも鶏肉を喰う機会が多く、魚介類に飢えていたが、その鬱屈を一掃する魚介尽くし。量が気になったが、ご飯を除けば何とか喰い切ることが出来、満足、満足。それでも、2年前に泊った西伊豆「美晴荘」の圧倒的なボリュームと較べてしまうと、割高感は否めない。「美晴荘」を体験したせいで、我々の幸せの幅が狭くなってしまったようだ。
(まるへい民宿の食堂)

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房総は東京に近い分、人気が集まるため値段が高くなるようだ。

今回は忘年山行第2弾。2回も忘年会をやる必要ないんじゃない?という声が出たかも知れないが、忘年会に参加できるチャンスが広がったと、前向きに捉えてくれた人もいたかも知れない。いずれにせよ個人的には、インドネシアで溜めた鬱憤を晴らす機会を増やしたいだけのこと。
第1弾は別所温泉で、当然ながら山の中。山の会とは云え、偶には海の幸も喰いたい、特にインドネシアでは魚はフライしか喰っていなかったので、第2弾は海に近い山を選ぶことにしてあれこれ探した結果、今回は房総の山を選択。登ってみたかったのは伊予ヶ岳。標高僅か337mながら、千葉県では唯一「岳」が付く山名とのことで、一説によれば、伊予国の石鎚山に、山容が似ていることから、伊予ヶ岳の名前がついたといわれている。今回、1日目に富山とセットで登ることにした。
房総であれば、日帰りの人も参加できる距離なので、1日目だけの参加、2日目だけの参加も可能な柔軟なプランだと、密かに自画自賛。その結果、泊りは3人だけだったが、日帰り参加者も4人となった。
首尾良く伊予ヶ岳と富山に登ったあと、ついでに伏姫籠穴にも寄ってみると、意外に高いところにあり、息が切れる。どうせ「南総里見八犬伝」自体架空の話なのだから、手近な場所を「籠穴」にしても良さそうなものだが、適当な穴が見つからなかったのかも知れない。
観光も終われば、あとはビール。予め調べておいた「道の駅富楽里」に向かうが、日帰り3人組は電車で帰ると云う。「道の駅富楽里」は高速道(富津館山道)の入口に直結しているし、高速バスの本数も多いので、リクライニングシートに座って優雅に帰れるのになあ、とバスよりも鉄道を好む小生が云うのだから間違いないのだが、判ってもらえず3人組は結局、内房線の普通電車に乗ってトコトコと帰っていった。
一方、我々泊まり組は、「道の駅富楽里」で「さんが揚げ」を肴にビールをグビっとやって、ちょっとゆったり良い気持ち。ところが好事魔多しとはよく云ったもので、館山へ移動する電車の時間に合わせて店を出たつもりだったが、岩井駅に東口が無いことが計算外(Google Map機能の限界)。踏み切りを渡ってからは、久しぶりに駅まで走り、ギリギリ電車に間に合った。走らされ息が切れたのは、いったいいつの山以来だったのか思い出せないが、たぶん、隊長がいたはずだ。
(道の駅富楽里のレストラン)

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