山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

国民宿舎、公共宿泊施設

3日目は、シュラフ等は切合小屋にデポさせて貰い、3時45分に出発。もう既に東の空は濃いブルーからオレンジへのグラデーション、まだ明けの明星が輝いている。丁度その下には米沢の街灯り。この眺めは、この時間にここにいる者だけの特権。今日は快晴だ。思ったよりも冷え込まなかったが、程々の気温で気持ちイイ。
流石に足元はまだ暗いので、ヘッドライトが必要。途中、雪田を横切るところがあり、まだ雪面がカチカチ、ちょっと神経を使う。ライトを脇に向けると、チングルマがちょうど花盛りで目を止める。この辺りは花畑のようだ。
唯一岩場がある御秘所姥権現辺りで、もうすぐ日の出。振り返ると大日岳がモルゲンロート。得も云われぬ眺めで、暫し見惚れる。太陽は、朝日連峰の上から出て来た。稜線歩きは早起き早立ちするに限る、と改めて感じる。飯豊山山頂には6時に到着。ここまで来て初めて、飯豊連峰の山々を見渡すことが出来る。彼方まで行く機会はいつ来るのか。
途中、高山植物に魅せられなかなか歩みを進められないが、それでも切合小屋には8時15分に戻ってきた。デポした荷物を回収し、後ろ髪を引かれつつ下山開始。登りは7時間掛かったが、やはり下りは速い。ゆっくり下っても5時間足らずで大日杉小屋に戻ってきた。
間も無く、宿の送迎車が到着。すると運転手が発泡スチロールの箱を差し出す。開けてみれば、氷に埋まった缶ビールが5本現れた。予めなおちゃんが宿に強請ったせいだが、それでも現実に目の前に出て来ると感激。早速、キンキンに冷えたビールで乾杯。とうとうパンドラの箱を開けてしまった気分。
また宿に戻ったら、風呂へ。さっぱりしてまたビール。やはりエアコンは効いていないようなので、との~のクレームにより部屋を変えてもらう。助かった。更に夕食時に、との~が冷えた一升瓶を差し入れてくれた。一昨日、昨日は何かと暑かったが、稜線歩きといい、迎車ビールといい、エアコンといい、今日は一転クールダウンで、大満足だった。

093 【第3日目】米沢の街の灯り。3時30分
094 ちっとも寒くない。3時54分
095 朝の雪渓はちょっと硬い。
096 陽が出てなくてもチングルマはしっかり咲いている。
097 陽が出ないうちになるべく先へ進みたい。
098 雪渓の縁がモルゲンロート。
099 吾妻連峰、安達太良山、会津磐梯山。
100 蔵王連峰の上から陽が出るようだ。
101 朝日連峰の向こうに鳥海山が見えている。右端はおそらく月山。
102 姿を現した大日岳。
103 初めて飯豊山山頂も見えた。
104 シャチの胴体模様のようだ。
105 草履塚に到着。4時38分
107 胸を弄るこのちゃん。
108 もう太陽は水平線から上がっているはず。4時38分
109 タカネマツムシソウ。
110 オオハナウド越しに。
111 いい感じになってきた。
112 刻々と空の色が変わるので、先に進めない。
113 もう少し。
116 見とれてしまう。
117 陽が出た。4時42分
118 大朝日岳と西朝日岳の間から出たようだ。
119 大日岳の左、牛首山に光が当たった。
121 岩場が見えてきた。
123 この界隈では唯一の岩場。
124 少しだけ、眺めに気を取られている訳にはいかない。
125 最後は幅が狭い。
126 でも鎖に頼るほどでもない。
127 だいぶ日が当たってきた。
130 見ていてきりが無い。
131 モイワシャジン。
132 暑くないのでいい気持ち。
136 真昼間だったら暑そうな径だが、今は快適。
138 辺りは花園。
139 もうだいぶ来た。
140 さらに高度を稼ぐ。
143 飯豊山山頂も近い。
144 山頂に5人ぐらいいる。
145 こんなに親切な標識がある。
147 飯豊山と大日岳の間に、弥彦山や角田山、新潟市街、佐渡島。
149 飯豊山と飯豊連峰の山々。
150 山頂直下はゼンテイカとヒメサユリの花園だった。
153 飯豊山頂に到着。5時59分
154 思った以上に佐渡島が近い。
155 飯豊本山からはまさに稜線漫歩。
156 記念撮影。
157 切合小屋の弁当。
158 ほぼ、塩分補給に特化。
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164 本山小屋に戻ってきた。6時37分
165 会津盆地と猪苗代湖。
169 大日岳とタカネマツムシソウ。
170 大日岳とミヤマシシウド。
171 大日岳とキタヨツバシオガマ。
173 なかなか去り難い眺め。
176 少々高度感があるところ。
178 ミヤマアキノキリンソウが多い。
180 クルマユリ。
181 花の写真に一生懸命。
182 中ほどの岩山は御神楽岳、その奥は越後三山らしい。
184 象里塚の下り。7時52分
187 切合小屋とテン場が見えてきた。
195 咲いているのはリョウブぐらい。
188 早朝と比べると雪が緩んできた。
198 ザンゲ坂。12時51分
200 それに長いので重い。
203 しかも暑い。
204 ガクアジサイが癒してくれる。
205 大日杉小屋が見えた。13時18分
206 無事帰還!9時間半掛かりました。
207 宿の送迎車運転手から渡された。
208 パンドラの箱だった!
209 キンキンに冷えてました!サイコー!!
210 宿に着いたら先ず風呂。
211 風呂から上がったらやっぱりコレ。
212 夕食。冷えた一升瓶!
213 お疲れ様でした!
214 一昨日の料理と違うのがうれしい。
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今回の飯豊山ツアーは、あれこれ考えた挙句、3泊の豪華旅となった。1泊目が麓の旅館、2泊は山小屋とすると、その足で東京まで帰ることは可能だが、それなりに強行軍だし慌ただしい。学生の分際ならばいざ知らず、折角なのでもう1泊してゆっくり帰るのが大人の山旅というものだ。
ということで、今回は麓の旅館に2回泊まることにした。選んだのは白川温泉にある「いいで白川荘」。もっと登山口近くにいくつか農家民宿があるようだったが、登山口や最寄り駅への送迎をしてくれるというので、「白川荘」に決めた次第。白川温泉といっても、この宿1軒しかない。正確には旅館ではなく、第3セクターの株式会社緑のふるさと公社が運営する公共宿泊施設ということになる。固定資産は西置賜郡飯豊町が保有しているようだ。
「あゆ茶屋」からはまた往路と逆に、荒砥駅から山形鉄道フラワー長井線で今泉駅に戻り、そこから送迎マイクロバスで「白川荘」に着いたのが16時ちょっと前。館内の案内を聞いて部屋割が決まったら、早速、風呂場へ向かう。
日帰り入浴客もそれなりに来ていた(入浴料は450円とのこと)。若者が多いのは、近所にキャンプ場があるせいだろう。日帰り温泉が近くにあるキャンプ場なんて、我々の学生時代には無かった気がする。記憶にあるのは、立山・雷鳥沢キャンプ場に泊まって、雷鳥沢ヒュッテへ風呂に入りに行くぐらいだ。奥多摩キャンプ場でBBQをやった記憶はあるが、多分その頃は「もえぎの湯」は無かった。
さっぱりした後は、自動販売機で缶ビールをゲットし、部屋に戻ってグビッとやった。それにしても暑い。ちっともエアコンが利かない。窓を開けたいが、網戸が無いので虫が入って来そうで我慢する。陽が沈んでからも暑くて、布団に入ってからも寝苦しかった。何しろ、布団は羽毛布団しかないのだ。

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017 米沢に戻り、宿の送迎車に乗る。
018 宿の部屋からの眺め。川で水浴び、気持ちよさそう。
019 夕食は18時から。
020 明日の頑張りに乾杯。
021 盛沢山な夕食。
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022 ビールの後はこれをやった。
023 【第2日目】出発の朝。
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024 ここから大日杉小屋までは宿の送迎車で。
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昨年のツツジの季節に、以前から気になっていた、井戸湿原に行ってみようかと思い立った。かなり交通の便が悪いところにあるので、その近くにある「前日光ハイランドロッジ」に泊まって行ってみることにした。ところが、2021年はコロナ禍による県外移動自粛が常態化してしまい、同時に地方自治体が管理する施設が軒並み休業、而して鹿沼市が管理している「前日光ハイランドロッジ」も休業、自動的に我々のプランも無期延期となった。
今年になり、昨年のプランをそのままスライドしてリベンジ。直前になるまで、果たして「前日光ハイランドロッジ」はホントに営業するのか気を揉んだが、結果的には、やっていた。。場所はゆったりした山容の横根山の中腹、近くには牧場もあって長閑な雰囲気のところだ。ところが行ってみて吃驚したのは、コロナ禍のせいで宿泊はひと組限定とのこと、つまり我々だけの貸切ということになっていた(山行記録はこちら)。
建物は、客室と食事と浴室とが別々になっている、ちょっとコテージ風。昔は小洒落た感じだったのかも知れないが、メンテナンスに余り金を掛けていないようで、だいぶ古びている感じは否めない。部屋のテレビもCRT(いわゆるブラウン管)形式である。それに、そもそも電波状態が悪いとのことで映らない。
それでも風呂は広々としていて(勿論、男女別)、Woodyさんと二人だけでは勿体ない。食事処も、30~40人ぐらいは入れる大きさで、三方向が窓なので解放感も悪くない。今日はそれ程いい天気ではなかったが、夕食時には皇海山や男体山などを望むことが出来た。
夕食のメニューはBBQ。自分の食材を自ら焼いて喰うスタイルは、コロナ禍向きだ。何れにしても一切、他人の気兼ねなく寛ぐことが出来て、申し分なかった。なお、目当てだった井戸湿原のアカヤシオ、シロヤシオはすっかり終わっていて、ヤマツツジやトウゴクミツバツツジなどが咲き始め状態、こちらの方はいまひとつだった。また機会があればチャレンジしてみたい。

007 新緑の季節。雨は降っていない。
008 沢を渡渉。
009 何やら煩いが、近くに射撃場があるせいだ。
010 バンバンぶっ放している音が聞こえてくる。
011 調べると古峰神社が所有しているらしい。
012 チラホラとヤマツツジ。
013 段々急になってきた。
014 もう両側とも雑木林。
015 径はちゃんとしている。
017 湿度が高い。
020 とにかく新緑の洪水。
023 ここで尾根が合流。
024 岩っぽくなってきた。
025 苔むした岩。
027 いい雰囲気。
028 急登はひと息。
032 Woodyさんも人に促されてTシャツ姿。
033 岩がゴロゴロある中で水が流れる音。
037 緩く斜上する。
041 三枚岩に到着。12時43分
045 この辺りがツツジ平。
046 ここも平ら。
047 この右が方塞山。13時3分
049 暫くフェンスに沿って歩く。
051 ひと気がない。車もない。
052 まさに牧歌的。
053 ここが前日光ハイランドロッジ。13時32分
054 宿泊はひと組限定。つまり今日は我々だけ!
056 彼方は袈裟丸山から皇海山までの峰々。
062 この下が井戸湿原。
064 アカヤシオはおしまい、ヤマツツジとレンゲツツジはこれからか。
067 ここで引き返す。
069 井戸湿原の木道。
070 おや、リュウキンカ。唯一、湿原らしい花。
072 それにしても、いるのは我々だけ。
074 場所はこんなところ。
075 湿原を横断。
078 象の鼻に到着。
080 さっき通ってきた方塞山。
082 見えてきた皇海山。
083 前日光ハイランドロッジの食堂に戻ってコレ。
084 Woodyさんはソフトクリーム。
086 今時珍しいブラウン管式TV。でも映らない。(T_T)
087 男風呂。これを二人だけで独占とは勿体ない。
088 カランは3つありました。
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089 風呂上りは部屋で缶ビール。
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090 夕日を浴びながら夕食。
091 夕食はBBQ。
092 夕焼けに浮かび上がる皇海山のシルエット。
094 【第2日目】朝散歩。
098 真ん中が宿泊棟。
100 朝食。7時からと聞いていたが、今は6時25分。
102 お世話になりました。7時4分

明けて2日目は根本山登山(山行記録はこちら)。予約してあったタクシーに乗って、桐生川に沿って北上。途中見つけた「桐生簗」の看板を見て、まだやっているかなと呟いたら、運転手曰く「やっていますよ」と。4年前に行ったときはガラガラで、果たして商売が成り立つのか心配だったが、意外としぶとい。また行ってみるか。
駐車場でタクシーを降りた後、暫し林道を進み、「不死熊橋」という物騒な名前が付いた橋を越えてゆくと、漸く登山口がある。ここまではなんとなく、荒れた感じの雰囲気。山道を登り始めると、植林帯が続く。地面を覆い尽くしているのは根っこ。表土が流されているのか、人が踏むせいか、それとも鹿が下草を食べ尽くしたせいなのか、ともかく歩き難い。雨で無いのが幸いだ。
1時間程登ると、アカヤシオが咲いていた。やはり昨日の仙人ヶ岳に較べると、標高が500mぐらい違うせいだろう。2日掛けてやって来た甲斐があった。根本山山頂は花盛り。芽吹きが未だで冬枯れたままの景色に、ピンク色のアカヤシオは良く目立つ。4時間余り、アカヤシオを眺めながらの山旅が続いた。
最後のピーク、白浜山からは、サンレイク草木へ下る。4年前はうねった林道を忠実に下ったが、今回は尾根を真っ直ぐ下ってみた。途中までは順調だったが、途中、林道と交差する部分で尾根歩きは断念、結局、また別の林道を下ることになった。それでも多少はショートカット出来たかも知れない。
「サンレイク草木」に到着。ここも4年ぶりだ。日曜日でも駐車場はかなり埋まっている。先ずはアルコール消毒と検温を済ませたら、500円を支払って日帰り入浴を申し入れ。フロントに居た我々以外の皆さんは、やはりお泊りのようである。ここは人気の宿なのである。

074 更に林道を行く。
077 雨じゃなくて良かった。
081 倒木を潜る。
084 岩っぽくなってくる。
086 アカヤシオの花びらが落ちている。
089 アカヤシオがだんだん増えてきた。
097 根本山のアカヤシオその7。
100 根本山のアカヤシオその9。
105 根本山のアカヤシオその12。
107 根本山に到着。9時50分
109 でもちょっと離れたところに二人いた。
112 根本山のアカヤシオその15。
114 ここは激下り。
117 根本山のアカヤシオその16。
118 根本山のアカヤシオその17。
119 根本山のアカヤシオその18。
121 天気がいつまでもつか・・・
134 根本山のアカヤシオその26。
142 根本山のアカヤシオその28。
144 根本山のアカヤシオその30。
147 径形は薄いが偶に赤テープが現れる。
148 眺めが良いところ。
154 ここはガムシャラに登るだけ。
155 もう少しで山頂。
156 熊糞山山頂。12時46分
157 また下る。
158 もうアカヤシオには飽きた。
160 まだしつこく咲いている。
162 白浜山到着。13時5分
163 あとは下るだけ。
164 奥に見えるのは三境山。
165 この尾根を下るのは初めて。
168 順調に下るが・・・
170 右に何とかトラバースしてクリア。
173 この辺りになると咲いているにはミツバツツジと・・・
174 ヤマツツジ。
178 ここを上がればゴール。
179 サンレイク草木に到着。14時28分
180 風呂場はこの先。
181 湯上りはこれ。美味かった!

裏磐梯2日目は観光、という案もあったが、せっかくなので雪の五色沼界隈をスノーシューイングしようということになった。昨夜のいつから降り出したのか判らないが、出発時点には新雪が数センチ積もっていて、更に増え続けている状況。それでも、そんなことにはものともせず、というか嬉々としてスノーシューを履いて宿を後にした。
「ペンション蛍」から五色沼遊歩道まで抜ける裏道を、宿の女将さんに教えてもらっていて、踏み跡はすっかり雪に消されていたものの、ほぼ迷うことなく辿ることが出来た。メインの遊歩道に出ても今日のトレースはない。ほぼ平坦だし大したラッセルではないが、先頭を交代しながら先へ進む。
2年半前の無積雪期にここをトレースしたが、やはり雪があるとないとでは全く景色が違うし、同じ場所に来たという感覚も戸惑う。あの時は行き交う観光客と引っ切り無しに出会ったが、今日はほぼ我々だけの世界。聞こえるのは我々のスノーシューの足音だけ。基本的にはモノトーンの世界、でも時々現れる沼の彩りが面白い。
「るり沼」までで引き返し、また宿に戻って置かせてもらった荷物を回収。その後、隣にある「裏磐梯温泉センター」へ向かい、日帰り入浴させてもらう。まだ10時半。流石にこの時間、客はほぼ皆無なのでゆったりと浸かる。贅沢なひと時だ。
すっかり温まったら、男湯の目の前にあった自動販売機を覗いてみると、日本酒やチューハイはあるのに何故かビールが無い。どういうことだとフロントの兄ちゃん(どうもインドネシア人風)に質すと、2階の自動販売機には有りますよ~、と笑顔の返答。
確かに2階には大きな休憩室もあって(どうやら宿泊設備もある)、ちゃんとビールの自動販売機もあった。まだ午前中だけど、有難くグビッとやった。

077 ペンションの庭先から五色沼へ向かう。
078 赤テープはあるので問題なし。
079 キャンプ場。
080 ここからは昨日までのトレース有り。
081 毘沙門沼。
082 五色沼最大の沼。
084 毘沙門沼の末端。
085 水鳥がいました。
086 降り続く雪。
087 オリンパスOM-D E-M1はこれでもちゃんと機能しました。
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098 ここにも展望台。
100 引き返す。
101 やっぱり帰りは早い。
102 もう毘沙門沼。
103 ペンション蛍へ戻ってきた。
076 ペンション前からスノーシュー。
104 裏磐梯温泉センターで日帰り入浴。
105 男湯はガラガラ。
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106 2階で湯上り缶ビール。
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第2日目は浅草岳アタック。天気はパッとしないが、雨はもうすぐ上がりそうだと期待しながら朝を迎える。今年も、朝5時半に出発したいという我儘をきいてもらい、5時には朝食をいただくことができた。登山口に近いゲートまで送迎してもらったあと、少し車道を歩いただけで雪道に分け入る。雪質はまずまず。直ぐにアイゼンを装着する。
歩き始めても、冬道を選択すべきか、夏道にすべきか悩んだが、とりあえず冬道を辿ることにした。しかし、ちょっとした小沢に係るスノーブリッジを渡って尾根に取り付くと、根曲り竹の藪がすっかり露出していてとても先へ進めそうにない。標高はまだ700m足らず。諦めて夏道との分岐まで戻る。
夏道を探り出して東進すると、ヤヂマナ沢を渡るところのスノーブリッジが崩壊寸前の様子。万一踏み抜いて流されたらシャレにならないと、登頂はきっぱり諦めた。まだ時間は8時。このまま敗退するには早過ぎる。ちょっと天気が良くなってきたので暫し日向ぼっこして過ごす。途中、3人パーティーがやって来てそのまま夏道を辿って行って暫く戻って来なかったので、無事、ヤヂマナ沢を渡ったのかも知れない。しかし、戻ってくる頃にスノーブリッジがどうなっているのか、心配しないのだろうかとちょっと心配。大きなお世話かも知れないが。
ゆっくりとゲートまで戻る途中でまた雨が降り始めた(この天気では結局、山頂までは行けそうになかった)。さらにちょっと歩いた先に「浅草山荘」という宿泊施設があり、立ち寄り湯もやっている。入浴ができる11時よりも早く着いたが、玄関に居た支配人(大工作業中だったので、何処かの工務店の作業員かと思った)が快く「大丈夫ですよ」と云ってくれた。
ロビーも風呂場もガランとして誰も居なかった(宿泊客も居ないのか?)。期待していた風呂上りビールは、自動販売機はあるものの、在庫が無い(自販機は売切状態)とのこと!まさか!!(T_T)

100 雨が降っているがとりあえず出発。
101 ヤヂマナ沢橋。
104 後は守門岳の末端尾根。
108 まだ林道。
109 このスノーブリッジを恐々渡る。
111 ここで冬道を辿ることを断念。
116 そう云われると・・・
117 確かにそうだ。
119 あの先が渡渉点のはず。
120 スノーブリッジにヒビが入っているし、水量も多い。
121 落ちたら「冷たい!」ぐらいじゃ済まなそう。
124 それにしてもこのまま帰るのは早過ぎる。
126 日向は暑いので木陰で佇む。
127 人と残雪と杉林。
128 目の前は茫洋とした守門岳。
129 さて、ゆるりと参るとするか。
132 白崩滝。
136 おや、ミズバショウ。
140 時間はたっぷりあるのでまたのんびり。
143 スマホの標準48mm。
146 暫く車道歩き。
148 ブナの芽吹きと残雪と清流。
151 雨の中、浅草山荘に到着。
152 11時始業だが15分早く入れて貰えた。
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153 誰もいない男湯。
154 おひとり様貸切状態。
155 誰もいない館内。
156 浅草山荘からの眺め。
157 紅茶とコーヒーは無料でした。

残雪期の守門岳に登ってから早、4年。また入広瀬の「手仕事手ほどき館」へ泊まりに行く機会がめぐってきた。今回のターゲットは浅草岳。個人的にも、かれこれ30年ぶりぐらいになる。それは夏のある日のこと、今は無き、田子倉駅前の林の中にテント泊し、翌日、鬼ヶ面山を経由して登ったのだった。駅前には人家が全くないし、そもそも店も自動販売機も無い。何故こんなところに駅を造ったのだろうと、その時も思っていた、いわゆる秘境駅そのものだった。
そんな浅草岳なので、前泊は必須。それでも始発の新幹線に乗り浦佐で乗り換えれば、8時半には入広瀬駅に着いてしまうので、初日は手軽な山に登ろうと選んだのが鳥屋ヶ峰だ。名前からして鳥の塒になってそうな、緑豊かな低山だが、予想以上に眺望が良く、守門岳や越後三山などが遠く聳え、3年前に、同じように初日に登った下権現堂山が目の前に見えた。タムシバやムラサキヤシオが見頃だった。
満足して山から下りたら、すぐ宿の車に迎えに来てもらうことも出来たが、折角の機会なので地元の温泉施設まで歩いて向かい、午後2時頃に到着。その「神湯温泉倶楽部」は日帰りも、宿泊も、宴会も、キャンプもできる総合レジャー施設。建物も立派でしかも新しい。駐車場に殆ど車が停まっていないので、一瞬、休業中かと焦ったが杞憂だった。
先ずは700円を支払って男湯へ。風呂場はガラガラで勿体ないくらい、のびのび入らせてもらった。湯上りに食事処へ向かうと、だだっ広い座敷に先客がひと組だけ。メニューは実に豊富で、旬の山の幸も並んでいる。この充実ぶりは、今まで入った数多の日帰り温泉施設の食事処のなかでも間違いなく上位だろう。厨房で働くおばちゃんも如才がない。
満足して建物を出ようとすると、玄関脇に「雪下にんじん」がなんと6本180円(税込)で売っていたので、まだ山旅初日だというのに買って3人で山分けした。まったく物価の安さに舌を巻くばかりだ。

001 【第1日目】車窓から見る八海山。
002 小出駅から越後駒ヶ岳を望む。
005 大白川駅へ向かう列車。
009 と云っても地元の人は普通に線路を横断。
011 左からは入れません。
016 愛嬌がある牛。
017 ちゃんとした標識があった。
018 この先にまた鳥居が。
019 オオイワカガミ。
025 下権現堂山。
030 一番左は荒沢岳。
031 左端は浅草岳が見える。
033 いつまでも見ていられる。
035 タムシバと田んぼ。
036 ムラサキヤシオと下権現堂山。
045 タムシバには若葉が良く似合う。
050 芽吹きとムラサキヤシオ。
052 遠くは魚沼丘陵あたり。
058 径が傾斜していて歩き難い。
059 オオカメノキ。
060 どうやらあれが山頂らしい。
065 山頂から見る越後三山。
066 山頂直下に雪。
067 下権現堂山に向かって下る。
069 これなんでしたっけ?
070 ショウジョウバカマ。
073 オオバキスミレ。
075 下山コースは眺めが良い。
076 目立つのは守門岳。
078 キクザキイチゲ。
080 雪田を下る。
083 スミレ。
084 余りにも車が停まっていないので休業中かと心配した。
085 ありがたいことに食事処もやっていた。
086 「食と生ビール祭り」やっていた。
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087 生ビール350円、山菜4種400円。
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088 冬菜とホタルイカ。
089 海老素揚げ。
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090 お疲れ様でした。
091 雪下人参6本でなんと税込180円。
092 3人でシェアしました。

今週は、足尾の山に登ってアカヤシオを愛でて、温泉に入ってトロッコ列車に乗ろうという盛りだくさんプラン。何度もトロッコ列車には乗ったし、アカヤシオは眺めてきたつもりだが、やはり1年に1回ぐらいはわたらせ渓谷鐵道に乗ってみたくなる。かつて国鉄の足尾線だった頃には1回も来たことが無かったのに(C12が走っていた頃に来てみたかった。復活させないかな)、不思議な縁だ。
今回の山は備前楯山。2年前、赤倉山から下りてきた際、目の前に見えた赤茶けた山だ。足尾の山は鉱毒の影響から復活しつつあるが、備前楯山は一番遅れているように感じられる。一般的には舟石峠からの往復だろうが(実際、山頂付近で出会った人の殆どはそのようだった)、それでは面白くないので我々は通洞駅前からバリエーションの南尾根(有越山コース)を辿ることにした(山行記録はこちら)。
通洞駅から山頂までは4kmぐらいしかないのに、歩いてみると3時間半も掛かった。思ったよりもアップダウンがあったようだ。今年は春の到来が早かったのでアカヤシオは遅いかと思ったが、山頂付近では満開状態だったし、花付きもまずまずだった。
舟石峠に向かって下り始めて突然、菊丸が両脚こむら返りで動けず、腰を下ろすこともままならず。水分不足なのか、ミネラル不足なのか。前触れなくやって来るのが怖いな。ここが断崖絶壁の上じゃなくて良かったですよ。ともあれ時間が解決してくれるのを待つ。通りすがり中高年ハイカー(主におばさん)が奇異な目を向けたり、ちょっかいを出したりするのが鬱陶しい。
果たして(芍薬甘草湯が効いたのか?、塩が効いたのか?)歩けるようになって、なんとか舟石峠に着くと、呼んであった足尾観光タクシーは見当たらず。電話が通じない(圏外)ので定かではないが、恐らく待ちきれずに帰った様子。台数が少ない(2台?)のでさもありなん。覚悟して銀山平目指して歩き始めるが、もうトロッコ列車には間に合わないし、その先も足尾観光タクシーを当てにできないとなると、更に原向駅まで凡そ6km歩かねばならない。だったらいっそ日光のタクシーを呼ぶか、となって東武日光駅へ戻ることにした。
銀山平のかじか荘に着いたら、タクシーを待つ間、ビールを呑むことができた。身体が渇いたせいか、一気に吞み干し、2本目をどうするか、悩んだ。

02 トイレタイム。
04 わたらせ渓谷鉄道の踏切。
13 松ぼっくりだらけ。
20 左から巻く。
23 巻きながら緩く登る。
24 足尾銅山の遺物。
25 索道の跡か。
28 眼下には簀子橋堆積場が見える。
32 ここにもコンクリート構造物。
42 アカヤシオ(8)
43 アカヤシオ(9)
47 アカヤシオ(13)
50 ちょっと慎重になる下り。
54 松混じりの岩稜帯。
57 あれが備前楯山らしい。
60 黒岩から見る男体山。
61 アカヤシオ(17)
65 もう山頂は目の前。
68 男体山とアカヤシオ。
69 波平ピークと中倉山との間に「孤高のブナ」。
71 芽吹きの落葉松林。
73 マルバスミレ、かな。
74 ヒトリシズカ。
75 かじか荘に到着。
75 風呂には入れませんが・・・
76 お疲れ様でした。
77 タクシーを待つ。

「鹿沢温泉紅葉館」に泊まった翌日は100%観光。先ずは「海野宿」へタクシーで向かう。「海野宿」は北国街道(信濃追分から直江津までを結ぶむかし道)の宿場町で、東西600mに100軒ほどの風情ある町屋が並んでいる。立派な「うだつ」を持った建物が多い。きっと江戸時代、加賀の殿様もここの本陣に泊まったことがあるに違いない。こんなところにこんな景観があるんだ、とちょっと驚くインスタ映えする場所である。でもまだ朝のせいか、観光客は殆どいなかった(店も殆ど閉まっている)。宿場の東端にある白鳥神社では、昔からの風習なのか、今春、小学生になる児童を集めてお祝いをやっていた。
その後、再びタクシー(運転手も同じ)を呼んで、日帰り温泉へ行くことにした。そのタクシー運転手が懇切丁寧に教えてくれたこと。東御市のうち、千曲川の南側には2つの台地があって、ひとつが八重原、その東隣が御牧原という名前が付いている。この2つの台地には川が無いため、農業に適していなくて貧しい寒村だったのが、そのうち溜池を造るようになり、やがて稲作も出来るようになって潤ったとのこと。これから向かう八重原温泉はそんな八重原にあり、目の前にも大きな溜池がありますと。確かに地図を見るとその通り、2つの台地には夥しい数の溜池がある。普段利用する、しなの鉄道や北陸新幹線からは見えないので、断崖の上にそのような景観が広がっているとは思いもよらない。
八重原温泉へ着くと、まだ開館時間よりちょっと早かったので、庭で暫し待つ。千曲川を隔てて浅間山連峰の眺めが良い。今日は生憎低い雲が垂れ込めていて山の頂きは見えないが、なかなか壮大な景色である。風呂場からの眺めも同様に良いが、手前にポツンポツンとある民家も良く見えるので、たぶん向こう側からも、風呂に入っている我々が良く見えているだろうと思う。

67 白鳥神社。
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69 海野宿にやってきた。
70 約500mに数十軒の古民家が並んでいる。
71 立派な「うだつ」。
72 こちらも。
73 「日本の道100選」にも選ばれている。
74 日曜日だけれど観光客はほとんどいない。
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75 格子窓に見とれる。
76 時間が早いので開いている店はない。
77 一茶がここで詠んだらしい。
78 長短2本ずつが交互に並んだのは「海野格子」。
79 このちゃんは見学中。
80 「なかだち」って読めないな。
81 地元高校生のひな人形展示を見学。
90 アートヴィレッジ明神館の外観。
83 日帰り温泉のアートヴィレッジ明神館の入口。
84 開館時間にはちょっと早い。
85 今日も意外にいい天気。正面は浅間連山。
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86 風呂場からの眺めもこんな感じだった。
87 明神館の食事処で乾杯。
88 やえはら御膳。「やえはら」とはこの台地の地名。
89 吞んだ日本酒はこれ。
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ここ数年、この時期は野州の山々を彩るアカヤシオやシロヤシオを愛でる山旅が続いている。これらの花木は、奥多摩の都県境尾根付近や西丹沢の檜洞丸周辺でも見られるが、上州や野州はひと山まるごとその花で染まるイメージで、規模においては奥多摩や西丹沢はやや引けを取る。
今年は、三境山から白浜山まで巡って、アカヤシオを堪能した。三境トンネル登山口でタクシーを降りたあとは、「サンレイク草木」まで誰ひとり逢わず仕舞。隣りの根本山は、さぞかし中高年で賑わったことだろうと思うが、我々は静かなる尾根歩きで、アカヤシオをひとりじめできた(山の記録はこちら)。
白浜山からは尾根を南に辿り、952m峰からは西へ延びる尾根を下ろうかと思ったが、急がば回れかなと安直に林道をチョイス。しかし、やけに遠回りだし日差しが暑いし、選択は間違ったような気がする。それでも1時間半ほど我慢すれば、「サンレイク草木」に到着。
ここはいわゆる国民宿舎。個人的には国民宿舎の利用はそれほどではなく(東京、神奈川、山梨には無いせいか)、最近でも北海道・トムラウシ山麓の「東大雪荘」(記録は、こちらこちら)と燕岳山麓の有明荘ぐらいか。何れにしても、国民宿舎は一軒屋かそれに近いようなケースで、貴重な場所に建っていることが多い気がする。
「サンレイク草木」もそんな宿で、ここで立ち寄り湯(500円)が出来るのはとても有り難い。風呂場の大きさはそれなりだが、まだ時間が早いせいか利用者が僅かなのでとても広々感じる。風呂から上がったら、ロビーにある自動販売機で缶ビールをゲット。いくつか並んでいるソファーには、所在なさげに居眠りしている(なかには横になっている)中高年宿泊客が屯しているが、そこを分け入ってプシューっとやる。
この宿に泊まって、袈裟丸山のアカヤシオを見に行く客もいるようだ。今度ここへ来る時にはそれをやってみたい。

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