山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

ほくほく線沿線

送迎車は「凌雲閣」を9時30分に出たが、我々が乗る列車は10時34分発なので、今日もまつだい駅でたっぷり時間がある。駅構内にお土産物店とかコンビニはあって営業中。でも、2階にあるレストランは残念ながら11時半にならないと開かない。お土産とかコンビニ商品を眺めるだけでは時間は潰せないので、本(電子書籍)を読んだり観光案内所のビデオ(ほくほく線の建設工事記録)を見たりしながら過ごす。
やって来た列車に乗れば、十日町駅まで僅か10分で到着。十日町にやって来たのは初めて。この後の都合で、今日のランチはここ十日町ですることにした。「凌雲閣」で朝食を摂ってからまだ大して時間が経っていないけれども何とかなるだろう。目当ては、十日町が本店の「小嶋屋」である。11時開店なので、ぶらぶら行けば丁度開店時間だ。
入ると、小上がりとテーブル席があるが、我々はテーブル席につく。かなり広い店内。この店には2階、3階もあるようなので(多分、個室とか宴会場もあるはず)、随分大きな店である。我々の後から8人ぐらいの団体がやってきた。その後も次々に客が入ってきて、我々がが帰るころはほぼテーブル席が埋まっていた。でも全然余裕なのだろう。
未だ午前中だけどビール(中瓶650円)で乾杯。つまみには栃尾の油揚げ(500円)、ひげにんにくの天ぷら(450円)、アスパラガスの天ぷら(???円)、鴨の黒胡椒焼き(600円)、じゃこ天(300円)、カツ煮(810円)を頼んでみた。ひげにんにく®なんて初めて聞いたけど、全くクセが無い。
締めは勿論、へぎそば。3人で2人前(1,920円)を頼む。ちなみにこの店にはへぎうどんなんてのもある。うどんにつなぎは不要だろうが。へぎそばは喉越しはまずまずだけど、あれっ?と思う程、コシが無かった。まさか作り置きってことはないだろうなあ。

145 ほくほく線で十日町へ。
146 十日町の中心街。
147 ここでランチ。
148 いただきます。DSC00446
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149 栃尾の油揚げ。
150 なんだと思う?
151 こんなやつ。
152 アスパラガスの一本揚げ。
153 蕎麦屋に来たら鴨だよね。
154 じゃこ天。
155 カツ煮が美味い。
156 締めはやっぱりへぎそば。
157 ごちそうさまでした。

まつだい駅には14時42分到着。今宵の宿はここから近い「凌雲閣」に予約を入れてある。送迎車が来てくれることになっている時間は15時20分。これは六日町からの下り列車が到着する時間に合わせられている。でも結局、送迎車に乗ったのは我々だけだった。
個人的には6年ぶりの投宿。前回は雪景色だったので、雪の無い松之山の景色がどうなのか楽しみだった。移動中、送迎車の車窓から外を眺めていると、この辺りの地形がとても複雑なのに気が付く。どういった加減でこのような地形が出来上がったのか気になったのでちょっと調べてみた。
例えばこんなサイトによれば、この辺りはほぼ全て地すべり地形だという。鍋立山トンネル掘削に21年も掛かったことと無関係ではないようだ(未曾有の難工事の経緯はこちらのサイトが詳しい)。でもそのお陰で地形は比較的穏やかで、土壌の水もちが良いことから水田に適しているとのこと。そういえば、地形が複雑な割に棚田が目立つ。また豪雪地帯でもあるので、そのお陰で低標高でもブナ林がある、日本でも特異的な場所らしい。
宿に着いたら先ずはチェックイン手続き。我々の部屋は3階。前回は気にならなかったが何故か、廊下の床の軋む音がやけに響く(3階だけか?)。早速風呂に入り、風呂上りには3階の窓から棚田を眺めつつビールをグビッとやった。
翌日、時間がたっぷりあるので朝食前に散歩に行った。宿と松之山温泉街との間にある山に登ってみると、何度も「キロロロロロロ・・・」というアカショウビンの囀りを聞いた。偶々、同じ個体があっちこっち移動していただけかも知れないがラッキーだった。調べてみると、朝夕や曇りの日に囀るということなので絶好のタイミングだったのかも知れない。
朝食のあと朝風呂にも浸かり、贅沢な時間を過ごした。

106 凌雲閣に到着、女将の出迎えを受ける。DSC_3719
107 談話室で受付。
108 3階の廊下。
109 ギシギシ鳴る。


112 風呂場(このときは女湯)。
113 湯上りビール。DSC00423
114 風が爽やか。DSC00421
116 18時になったので食事処へ移動。
117 今宵の夕食。
118 お品書き。DSC00426
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119 【第2日目】朝の散歩に出かける。
120 どこからともなく、キロロロロロ・・・・
129 松之山の棚田。
132 突然、牛のオブジェ。
133 芸術作品だった。
135 何れの旅館もやっているようだ。
136 なんかテレビで見た気がする。
139 戻ってきた。結構歩いた。
140 朝食が美味い。
141 名残惜しいですが。DSC00433
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142 記念撮影。
143 もう一枚。

南葉高原キャンプ場でビールを呑みながら迎えのタクシーを待っていたが、なかなかやって来ない。予定していた、上越妙高駅13時35分発直江津行の電車に間に合うか、だんだん心配になってきた。電話を入れてから30分ぐらい待たされると聞いていたが、それでもまだ来ない。
気を揉んでいるうちに漸くやって来たところで、運転手に「上越妙高駅まで(心の中で「ぶっ飛ばして」)」と告げる。そこで運転手、急ぐのであれば南高田駅の方が早いですよ、と云うので、ではそうして下さいと云いかけたところで、ふと上越妙高駅のコインロッカーに余分な荷物をデポしたことを思い出した。
慌てて「いやいやいや、やっぱり上越妙高駅まで行って下さい」と改めてお願いした。うっかり、着替えの衣類と持参した酒と泣き別れになるところだった。
気を揉んだが、何とか間に合い、追加の缶ビールを買う時間もあった。やってきた車両はET127系。元々はJR信越本線で走っていた型式だが、北陸新幹線金沢駅延伸開業による第3セクターの「えちごトキめき鉄道」発足に伴い有償譲渡されたもの。妙高連峰のシルエットをイメージした塗装が洒落ている。首都圏の車両と較べ、地方鉄道の車両の塗装は総じて奇抜だと思う。
直江津駅までは僅か20分の乗車。ここで北越急行ほくほく線の越後湯沢駅行に乗り換え。今度の車両はHK100形。景色を眺めつつ一杯やるが、ほくほく線はトンネルが多いのでいまいちなのだ。総延長約60kmのうち、約7割がトンネルだという。
中でも全長9,116.5メートルの鍋立山トンネルは完成まで21年も掛かった、知る人ぞ知る難工事だった(詳しくは例えば、Wikipediaを参照のこと)。長くて煩いトンネル内で、その難工事に思いを馳せながらちびちびやった。

102 直江津に出た。
103 手前のほくほく線ディーゼルカーに乗る。
104 手前はET127系、奥はET122形。どちらも、えちごトキめき鉄道の車両。
105 ちょっと呑み鉄旅。

朝食後をゆったりと過ごした後、「凌雲閣」の送迎車に乗ってまつだい駅まで出る。電車まで少々時間があるので、駅構内の売店や土産物店などを物色。ここは鉄道の駅舎が、道の駅・松代ふるさと会館と一緒になっている。余り見ないが、たしか西武秩父線芦ヶ久保駅も隣接していた。コンビニがあったので、「たかの井」という銘柄のカップ酒を購入する。これは小千谷の酒だ。
10時11分発越後湯沢行の快速に乗り、さっそく「たかの井」をちびちびやる。この快速電車には「ゆめぞら」という愛称が付けられていて、車両は昨日の普通電車と同じHK100形だが、車内の設備がちょっと違う。座席は全てクロスシートとなっていて、普通電車のセミクロスシートと異なる仕様だ。
電車がトンネル内に入ると、ミュージックと共に天井に動画が投影される。トンネルばかりのほくほく線としては、景色が見えなくて味気ないその時間を逆手にとって、動画を映すのはなかなかのアイデアだと思う。但し、動画そのものは大して面白いものではないので(イルカが水中を泳いだり、鳥が空を飛んでいる情景を映写しているだけなので)、小さい子供ならいざ知らず、小生には酒の肴とはならないので、すぐに飽きてしまう。勿論、暗いトンネルの壁を眺めているよりはましだけど。是非、コンテンツ向上に努めていただきたい。
六日町駅の手前の赤倉トンネルを出ると天井シアターは終了。その代わりに、目の前に越後三山がふわりと現れる。すっかり雪を纏っても、岩っぽい八海山は黒々としてやはり男性的な山だ。一方の中ノ岳は神々しく白くて女性的。やがて、巻機山も見えて来るこちらも天女の如く真っ白だ。このような景色こそ、雪見酒に相応しい。越後湯沢駅に10時53分到着。大半がトンネルの鉄道旅で、山を愛でる時間は僅かだったが、それでも六日町駅から越後湯沢までの山風景は、十分満足がいく眺めだった。

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今回の旅のきっかけは「雪見酒を呑みたい」と、テキサスで思い付いたことによる。自然の変化に乏しい処にいると、そんなことも考えるようになるものだ。その時に先ず頭に浮かんだのは、松之山へ行こう、というものだった。
以前より、松之山が豪雪地帯であることは知っていたので、12月であってもそれなりに積もっているだろうと踏んでいた。なかでも「凌雲閣」という名の旅館は、木造3階建と聞いていたので一度泊まってみたかった。昨今は、松之山は鳥見の地として有名だそうで、ヤマショウビン氏の一行もここに泊まったとのことだ。
まつだい駅あたりでは、思ったほどの積雪ではなく、やや当てが外れたかという感じだったが、「凌雲閣」に近付くと次第に雪の量が増え、まずまず。宿に着くころには雪も降って来て良い感じだ。木造の本館は昭和13年建築とのこと、となると約80年前ということになる。古びているとはいえ、館内は手入れが行き届いて気持ちが良い。我々の部屋は3階。窓の外の冬景色も申し分ない。
早速、風呂へいく。風呂は木造の本館ではなく、鉄筋コンクリート造の別館にある。少々残念な感じだが、湯はなかなか良い。自家源泉で84℃、ナトリウム・カルシウム塩化物泉とのこと、なめてみると確かにちょっと塩辛い。地殻変動で地下に閉じ込められた海水が含まれているらしい。
風呂から上がったら、早速ビールを調達し、部屋の窓から雪見酒(ビール)と洒落込む。これで、日本に戻ってきたことを実感する。ひと息ついたらもう夕食。再び別館へ移動。今回の宿泊プランには、利き酒セットが付いていた。これで雪見が出来たら最高なのだが、食事処からは外が見えないのだ。誠に残念!

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凌雲閣のHP: こちら

直江津でランチをしたあとは、宿に最寄りのまつだい駅まで、ほくほく線に乗る。何度か乗ったことがあるほくほく線だが、途中駅で降りるのは初めてだ。駅でビール(エチゴビール)を仕入れて乗り込む。車両はHK100形の2両編成。先頭車に"20th Anniversary"とある。開通してからもう20年も経つのか。
ほくほく線は、新幹線以外では最高速を誇っていた「旧はくたか」を走らせて越後湯沢と富山・金沢と結んでいたが、今はその「はくたか」がお役御免となったため、経営的に存続の危機に立たされている。しかし、上越と中越の経済圏を結ぶという役割はあるはずなので、そこに活路を求めることもできるのではなかろうか。もちろん、観光にも力を入れるべきだ。ぜひ、グルメ列車の企画をお願いしたい。
ほくほく線は基本的に踏切が無いので、「はくたか」が無くてもそれなりに高速運転が可能。普通列車のHK100形だって、地方私鉄には珍しく最高速度110km/hで走ることができる。これもアピールポイントだろう。
直江津駅から犀潟駅までは信越本線。海は近いはずだが見えない。反対側はひたすら水田。稲が育った頃はさぞ美しい景色だろう。この辺りは全く雪は無いので、残念ながら雪見酒とはならない。犀潟駅からほくほく線に入っても同じ景色。くびき駅を過ぎると急に山が迫って来て、次の大池いこいの森駅からはもうトンネルばかり。つまみなしで酒を呑む感じで、鉄道旅としてはやや物足りないのである。
しかし、まつだい駅の手前にある鍋立山トンネルという約9kmのトンネルは、工事に22年も掛かったそうで、大変な難工事だった。その理由は、膨張性地山という特殊な地盤だったことによる。なんでも、この付近では複数の泥火山が存在するのだそうな。泥火山と云えば、インドネシアのシドアルジョの泥火山を思い出す。下手に穴を掘ると、とんでもないことになるのだ。

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