山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

只見線沿線

今回の山行の付け足しというよりも、こちらの方がメインではないかと噂なのが、只見線の乗り鉄旅である。2011年7月の新潟・福島豪雨災害で只見川第5~第7橋梁が流されてしまい、廃線化が危ぶまれていた只見線。その後、一部を上下分離方式(車両はJR東日本、線路は自治体)とすることで存続が決まり、2022年10月に全線運転再開となってから、乗車のタイミングを図っていて、それが今回となった。
1番列車は小出駅5時36分発、会津若松駅10時32分着で、4時間56分も掛かるが、途中大白川駅で12分、只見駅で10分、会津川口駅で39分も停車するから、正味の移動時間は4時間足らずである。小出駅から会津若松駅までの直通列車は1日3本しかない。
ちなみに5時36分の列車を逃すと、次の会津若松行は13時12分発まで無い。絶望的だけど、実は7時18分発の上越線下り列車で長岡駅まで行き、信越線に乗り換えた後、新津駅で磐越西線に乗れば12時2分に会津若松駅に着くこともできる。この場合の所要時間は4時間44分。つまり遠回りした方が実は早いのだ。でもそれじゃ意味が無い。ということで、今回は前日に小出駅前のホテルに泊まり、万難を排してこの日を迎えた次第。実は個人的には2日に跨って全線を乗ったことは以前ある。その時は、鄙びた会津柳津温泉に泊まったのだった。
今回乗ってみて気が付いたことは、(朝っぱらから)酒をちびちび吞みながらいけば、5時間なんてあっという間だということ。それに乗り鉄でも、鉄分強めの方々はカメラを抱えて車内を行ったり来たり、なかなか席にじっとしていられないということ(酒なんて吞んでいる場合じゃないようだ)。ちなみに女子連もあまり席におらず、主に先頭車両の運転席脇を陣取っていた。意外と鉄分が多いのだ、と気付いた。

143 【第2日目】雪が降る小出駅。午前5時9分
144 乗り鉄が段々現れる。
146 我々はキハE120系に乗車。
147 準備万端。発車まであと13分
150 長い。
152 上り列車と交換に10分停車。
153 福島県に入るとすっかり冬景色。
154 女子連は先頭車にかぶりつく。
158 車掌はここまで。
159 全くの冬景色。
161 のんちゃんが「魚沼の里」で調達したつまみをいただく。
162 第五只見川橋梁を渡る。
164 会津川口駅。ここでなんと39分も停車する。
165 ここはもう春。
168 東北電力宮下ダムと桜。
P4090401

胃袋が満たされた後、「湖上レストラン鏡ヶ池」を出ると外は本降りの雨。もとより雨に濡れても問題ない恰好をしているが、それでも宿に戻るまでに結構降られ、濡れた。まだ午後2時前。時間があることは、敗退したことの唯一の恩恵。三和土で靴を脱ぎ、箪笥階段を登り部屋に上ったら、とりあえず濡れたものをハンガーに掛けてひと息つき、やおら酒とつまみを取り出す。
女子連も合流して自棄酒。とはいえ、山の上でこの雨に(たぶんこれ以上の雨に)遭遇しなくって良かった、と慰め酒をちびちびやる。だいたいこのGW時期は毎年、天気に恵まれるものだが、今年はいまいちだった、云々。何だかんだ与太話をしているうちに、いつのまにかもう夕食の時間。特に「ごはんですよ!」とかの呼び出しも無いので、頃合いを見計らって1階の囲炉裏の部屋へ移動。
テーブルの上には今宵も盛り沢山の料理が並んでいる。昨日よりも肉系が多い感じか。何れにしても、また酒がすすむこと、すすむこと。今日は殆ど歩いていないのに、やや酒が過ぎたのか忽ち爆睡して気が付いたら朝だった。
翌朝。朝食はゆっくりの時間にしてもらう。帰りの時間は決まっていて、入広瀬発10時9分発の列車の一択。それまでたっぷり時間がある。じっとしていられない女子連は女将さんの助言を得て、鏡ヶ池を経て裏山(鷹待山、標高339m)に登ると出ていった。一方、小生は前回同様、畳にごろ寝でしばし読書。
でも今日は気温が低めで、じっとしていると少々寒くなってくる。部屋の中でもフリースを取り出して羽織る。カジカの鳴き声も聞こえない。そろそろ時間になったので、支度をして宿を出る。ごきげんよろしゅう。また来る時には笑っておくれ。


172 手仕事手ほどき館に戻ったら・・・
173 自棄酒。
DSCF3719
P5030463
174 そして夕食。
175 今宵も山菜、野菜たっぷり。
176 巾着の中身はもちとゴボウ。
177 そしてちょっと洋風。
178 肉も。
179 魚も。
P5020453
20210503_065934
DSCF3740
P5020451
P5020452
P5030464
P5030465
P5030466
P5030467
P5030469

「浅草山荘」で朝風呂を入ってサッパリできたものの、湯上りビールが出来なくて悶々として「手仕事手ほどき館」の送迎車待つ。何れにしても昼飯時なので何処かに寄りたい。迎えに来てもらった際に、何処かお勧め蕎麦屋は無いですかね?と尋ねると、入広瀬駅近くにあるというので、そこへ向かってもらう。破間川沿いに車を走らせていると、やがて只見線と平行に走るようになる。こんな山の中をよく鉄路を通したもんだと感心する。それにしても長閑で風光明媚なところだ。
下ろしてもらった蕎麦屋の名前は「福寿庵」。入ると、数人の先客がいた。皆さん、地元の方のようで、リュックサックを背負った我々に一斉に目を向ける。とりあえずテーブルに着いてメニューを見れば、蕎麦か中華そばか天ぷらしかない。天ぷらを肴に吞むしかないかと思ったが、そもそも呑みものが書いてない。お茶を持ってきた女性店員に、ビールは有りますか?と訊ねると、「置いていません」と。
思わず「えーっ!?」と叫びそうになった。そうか、そういう店もあるんだ、と知ったが、ビールも呑まずに蕎麦を手繰る訳にはいかない。すみませんでした、と雨の中、店を出る。とは云え、当てもなく店を出た訳ではない。「手仕事手ほどき館」の先に鏡ヶ池があり、その池畔に店が有ることを知っていた。
辿り着くと、そこは道の駅の一角、その名も「湖上レストラン鏡ヶ池」。こんな天気でも結構、車が停まっている。ちょっとだけ待たされたが、首尾よく入ることが出来た。早速、恐る恐るビールがあるか、女性店員に訊くと「あります!」との返事。そうこなくちゃ!
付き出しには、おから。他に女神とうふ(410円)、山菜四品(510円)、𩸽の押し寿司(340円)を頼む。𩸽はいわゆる飯鮓。珍しいがこの辺りでは一般的なのか、訊きそびれた。日本酒は、万季なるにごり酒を頼んでみた。小生にはちょっと甘過ぎた。
締めはもちろんざる蕎麦だが、こちらの蕎麦は「ごっぽう」(オヤマボクチ)と「ふのり」をつなぎに使った蕎麦。初めて手繰ると思うが(何処かで食べたっけ?)、食感はやはり「へぎそば」に似たような感じでつるっとしている。つまみも酒も蕎麦も、何れも地のものばかりで、入広瀬を堪能した。

158 入広瀬の蕎麦屋。
159 アルコールは置いていないので、注文せずに出た。
P5020432
P5020431
160 代わりにここへ入った。
161 鏡ヶ池に突き出たレストラン。
P5020436
P5020437
162 付き出しは、おから。
163 缶ビールしかなくても呑めれば全然OK。
164 女神とうふ(410円)と山菜四品(510円)。右下はアザミだと!
165 ピンク色のにごり酒。
166 テーロワールなにごり酒。
167 アルコール度数5%、甘い。
168 二段重ねもりそばを3人でいただく。
169 外は本降りの雨。
170 地元保護な里山。
171 鏡ヶ池の女神像。
P5020448

第2日目は浅草岳アタック。天気はパッとしないが、雨はもうすぐ上がりそうだと期待しながら朝を迎える。今年も、朝5時半に出発したいという我儘をきいてもらい、5時には朝食をいただくことができた。登山口に近いゲートまで送迎してもらったあと、少し車道を歩いただけで雪道に分け入る。雪質はまずまず。直ぐにアイゼンを装着する。
歩き始めても、冬道を選択すべきか、夏道にすべきか悩んだが、とりあえず冬道を辿ることにした。しかし、ちょっとした小沢に係るスノーブリッジを渡って尾根に取り付くと、根曲り竹の藪がすっかり露出していてとても先へ進めそうにない。標高はまだ700m足らず。諦めて夏道との分岐まで戻る。
夏道を探り出して東進すると、ヤヂマナ沢を渡るところのスノーブリッジが崩壊寸前の様子。万一踏み抜いて流されたらシャレにならないと、登頂はきっぱり諦めた。まだ時間は8時。このまま敗退するには早過ぎる。ちょっと天気が良くなってきたので暫し日向ぼっこして過ごす。途中、3人パーティーがやって来てそのまま夏道を辿って行って暫く戻って来なかったので、無事、ヤヂマナ沢を渡ったのかも知れない。しかし、戻ってくる頃にスノーブリッジがどうなっているのか、心配しないのだろうかとちょっと心配。大きなお世話かも知れないが。
ゆっくりとゲートまで戻る途中でまた雨が降り始めた(この天気では結局、山頂までは行けそうになかった)。さらにちょっと歩いた先に「浅草山荘」という宿泊施設があり、立ち寄り湯もやっている。入浴ができる11時よりも早く着いたが、玄関に居た支配人(大工作業中だったので、何処かの工務店の作業員かと思った)が快く「大丈夫ですよ」と云ってくれた。
ロビーも風呂場もガランとして誰も居なかった(宿泊客も居ないのか?)。期待していた風呂上りビールは、自動販売機はあるものの、在庫が無い(自販機は売切状態)とのこと!まさか!!(T_T)

100 雨が降っているがとりあえず出発。
101 ヤヂマナ沢橋。
104 後は守門岳の末端尾根。
108 まだ林道。
109 このスノーブリッジを恐々渡る。
111 ここで冬道を辿ることを断念。
116 そう云われると・・・
117 確かにそうだ。
119 あの先が渡渉点のはず。
120 スノーブリッジにヒビが入っているし、水量も多い。
121 落ちたら「冷たい!」ぐらいじゃ済まなそう。
124 それにしてもこのまま帰るのは早過ぎる。
126 日向は暑いので木陰で佇む。
127 人と残雪と杉林。
128 目の前は茫洋とした守門岳。
129 さて、ゆるりと参るとするか。
132 白崩滝。
136 おや、ミズバショウ。
140 時間はたっぷりあるのでまたのんびり。
143 スマホの標準48mm。
146 暫く車道歩き。
148 ブナの芽吹きと残雪と清流。
151 雨の中、浅草山荘に到着。
152 11時始業だが15分早く入れて貰えた。
P5020421
153 誰もいない男湯。
154 おひとり様貸切状態。
155 誰もいない館内。
156 浅草山荘からの眺め。
157 紅茶とコーヒーは無料でした。

4年ぶりの「手仕事手ほどき館」は、4年前と同じく女子部屋は1階囲炉裏部屋の隣、男子部屋は階段箪笥で上がる2階の角部屋。4年前は目の前の田圃から、カジカガエルの鳴き声が良く聞こえたが今日は静か。今年はやや気温が低いせいかも知れない。
神湯温泉から戻ってきて、部屋で日本酒を舐めながらちょっとのんびりしているうちに、もう夕食の時間。まだ外は明るい。前回は食べ切れず大量に残してしまったので、今回は量を少なめにとお願いしたが、それでも何だかんだ10品ぐらい、ずらりと料理が出てきた(時節柄、大皿で取り分けるスタイルではなく、全て小鉢に取り分けられて出てくる)。
山菜を含め、普段目にすることが無い食材、名前が分からない食材も出てくるものの、これは何ですかと折角訊いても、哀しいかな忽ち忘れてしまう。だからもし次回来たとしても、きっと同じ質問をするに違いない。でも毎回、新たな知識を得た快感を味わえるので、それはそれで悪くない。
素材の味を生かした、野菜中心の料理だが、これはこれで立派に酒の肴になるので、日本酒が進む。このような料理はやはり、日本酒でなくてはならない。考えてみれば家で自ら作る料理は、和洋中を問わず何かとスパイスやハーブを使って、無暗に味を捻くり回すことが多い。だから味自体が濃い目になり、素材の味が分からなくなる。
この宿で出てくる料理はそれとは真逆で、たぶん何れも、出汁と醤油と味醂、酒ぐらいしか使っていないのだろうと思う。それも割と控えめだが美味いし、結果、ご飯にも(といってもご飯までは辿り着けず)日本酒にも合うのだ。人の振り見て我が振り直せ。勉強になる。

010 4年ぶりにやってきた。
011 左からは入れません。
093 手仕事手ほどき館の囲炉裏。
094 懐かしの片口。
P5010372
095 「緑川」で乾杯。
096 アケビの芽は美味い。
097 とにかく山菜、野菜尽くし。
P5010375
P5010376
P5010377

残雪期の守門岳に登ってから早、4年。また入広瀬の「手仕事手ほどき館」へ泊まりに行く機会がめぐってきた。今回のターゲットは浅草岳。個人的にも、かれこれ30年ぶりぐらいになる。それは夏のある日のこと、今は無き、田子倉駅前の林の中にテント泊し、翌日、鬼ヶ面山を経由して登ったのだった。駅前には人家が全くないし、そもそも店も自動販売機も無い。何故こんなところに駅を造ったのだろうと、その時も思っていた、いわゆる秘境駅そのものだった。
そんな浅草岳なので、前泊は必須。それでも始発の新幹線に乗り浦佐で乗り換えれば、8時半には入広瀬駅に着いてしまうので、初日は手軽な山に登ろうと選んだのが鳥屋ヶ峰だ。名前からして鳥の塒になってそうな、緑豊かな低山だが、予想以上に眺望が良く、守門岳や越後三山などが遠く聳え、3年前に、同じように初日に登った下権現堂山が目の前に見えた。タムシバやムラサキヤシオが見頃だった。
満足して山から下りたら、すぐ宿の車に迎えに来てもらうことも出来たが、折角の機会なので地元の温泉施設まで歩いて向かい、午後2時頃に到着。その「神湯温泉倶楽部」は日帰りも、宿泊も、宴会も、キャンプもできる総合レジャー施設。建物も立派でしかも新しい。駐車場に殆ど車が停まっていないので、一瞬、休業中かと焦ったが杞憂だった。
先ずは700円を支払って男湯へ。風呂場はガラガラで勿体ないくらい、のびのび入らせてもらった。湯上りに食事処へ向かうと、だだっ広い座敷に先客がひと組だけ。メニューは実に豊富で、旬の山の幸も並んでいる。この充実ぶりは、今まで入った数多の日帰り温泉施設の食事処のなかでも間違いなく上位だろう。厨房で働くおばちゃんも如才がない。
満足して建物を出ようとすると、玄関脇に「雪下にんじん」がなんと6本180円(税込)で売っていたので、まだ山旅初日だというのに買って3人で山分けした。まったく物価の安さに舌を巻くばかりだ。

001 【第1日目】車窓から見る八海山。
002 小出駅から越後駒ヶ岳を望む。
005 大白川駅へ向かう列車。
009 と云っても地元の人は普通に線路を横断。
011 左からは入れません。
016 愛嬌がある牛。
017 ちゃんとした標識があった。
018 この先にまた鳥居が。
019 オオイワカガミ。
025 下権現堂山。
030 一番左は荒沢岳。
031 左端は浅草岳が見える。
033 いつまでも見ていられる。
035 タムシバと田んぼ。
036 ムラサキヤシオと下権現堂山。
045 タムシバには若葉が良く似合う。
050 芽吹きとムラサキヤシオ。
052 遠くは魚沼丘陵あたり。
058 径が傾斜していて歩き難い。
059 オオカメノキ。
060 どうやらあれが山頂らしい。
065 山頂から見る越後三山。
066 山頂直下に雪。
067 下権現堂山に向かって下る。
069 これなんでしたっけ?
070 ショウジョウバカマ。
073 オオバキスミレ。
075 下山コースは眺めが良い。
076 目立つのは守門岳。
078 キクザキイチゲ。
080 雪田を下る。
083 スミレ。
084 余りにも車が停まっていないので休業中かと心配した。
085 ありがたいことに食事処もやっていた。
086 「食と生ビール祭り」やっていた。
P5010355
P5010356
P5010358
087 生ビール350円、山菜4種400円。
P5010359
088 冬菜とホタルイカ。
089 海老素揚げ。
20210501_143831
090 お疲れ様でした。
091 雪下人参6本でなんと税込180円。
092 3人でシェアしました。

すっかり親しんだ入広瀬駅は極めて長閑な駅だが、ここの一日平均乗車人数は、いったいどのくらいなのだろう。ググって見ると、こんなサイトがあったので覗いてみた。62人とのこと。かなり少ないが、秘境駅というほどのことは無い。
このサイトを見ると、入広瀬駅の会津側の隣に柿ノ木駅という超秘境駅があったのだが、残念ながら2015年に廃止された。一日わずか2人というデータは、廃止直前だったのではなかろうか。察するにこの2人は学生だったが、卒業してゼロになったので廃止されたのかも知れない。
さらに隣の田子倉駅に至っては、そもそも辺りに人家がなかったので、いつ廃止されても可笑しくない運命だったに違いない。いずれにせよ超ローカル駅が存続するか否かの鍵は、乗り鉄達による知られざる人気度ではなく、通学生の存在が左右していると思うが如何だろうか。
宿の方に見送られて、入広瀬駅10時10分発の列車に乗る。このキハ48の2両編成ディーゼルカーは、2日前にやって来たときにも乗っているし、この2日間、何度か目にしている、最早馴染みのラッピング列車。「只見縁結び列車」というネーミングらしい。
入広瀬を出ると、まもなく田圃が広がり、小出駅に近づくにつれてそれが広範囲になる。何れの田圃にも水が引かれ、代掻きの最中。ここはいわゆる魚沼産こしひかりの産地。田圃の背後には雪山が聳えている。この界隈で山といえば、越後三山。田圃と越後三山を眺めつつ、昨日の残りの日本酒をちびちびなめた。

DSC06119

DSC06120

DSC06121

DSC06122

DSC06123

DSC06124

DSC06125

DSC06126

DSC06128

P5050349

DSC06129

IMG_0860見送りに出てきてくれた森田さん

DSC06130

P5050351

P5050353

P5050354

P5050356

DSC06131

DSC06132

DSC06134

DSC06135

DSC06136

DSC06137

P5050363

P5050364

DSC06138

DSC06139

寿和温泉から帰ってきたら、ちょっとゆっくりしているうちに、まだ明るいがもう夕食どき。囲炉裏の間の外にある廊下の奥には、火鉢と座布団が一つ。のんびり外を眺めるには丁度良い設えだが、訊けばこの座布団、なんと猫用だそうだ。
確かによく見ると、座布団に猫の足跡が付いている。その猫、たしかにこの建物を自由に出入りしているが、野良猫だそうである。野良猫なのに、専用の座布団が設えてあるとは随分と待遇が良い。羨ましいくらいである。その猫、我々の顔を見るとニャーニャー鳴くが、なにか食べ物をあげようとすると逃げていく。野良猫のくせに贅沢に慣れているとみえる。
さて夕食。今日の料理も豪勢だ。どれも美味しいが、とても全て食べきれる自信がない。ご飯まで辿り着くのは到底不可能である。ともあれ、守門岳登頂を祝して乾杯だ。守門岳はなかなか大きな山だったのでその分、充実感も大きい。日本酒を頼むと、巨大な片口で出てきた。
外はいつの間にかとっぷり暮れたが、田舎の夕闇もなかなか風情がある。入広瀬駅19時15分発の下り最終列車がやってくる。車窓を見る限り乗客は見当たらない。こんな時間でもう最終電車とは驚くが、最終電車に誰も乗っていないのも驚くし、そこはかとなく物悲しさも漂う。東京近郊であれば、きっとヨッパライ達が管を巻いている最終電車とは大違い。
翌朝は朝食もゆっくりにしてもらい、食後も10時近くまで、ぶらぶらうだうだ。女子連は散歩。小生は、時折、部屋に入ってくる朝の冷気を感じながら、ごろ寝で読書をして過ごす。ゆっくり流れる田舎の時間を楽しんだ。

DSC06095

DSC06111

DSC06097

P5050323

IMG_0841

DSC06098

DSC06099

DSC06100

DSC06101

DSC06102

DSC06103

DSC06104

DSC06105

DSC06106

DSC06108

DSC06109

P5040316

P5040317

P5050329

P5050334

P5050331

P5050330

P5050339

P5050340

P5050342

P5050343

P5050344

P5040319

DSC06110

DSC06112

DSC06113

DSC06114

DSC06115

DSC06117

P5050327

DSC06118

P5050348

入広瀬2日目はメインイベントの守門岳登山。登り5時間、下り3時間と、残雪期としてはまずまずのペースだった。一部、細尾根上の雪の状態が不安定なところがあったが、危険と云うほどのことはない。稜線に上がれば、期待通りの大雪原。有名な巨大雪庇は既に崩壊していたが、跡に残る厚さ数メートルの雪壁は迫力満点。この時期に登ることができて良かったと感じる瞬間。
一日中快晴だったので、一応日焼け止めクリームを塗ったけど、かなり焼けた。火照った身体は、ブナ林でクールダウン。尾根の裾部分は、見渡す限りブナだけ。樹齢が若い木が目立つが、それでもブナの存在感はしっかりある。この中に身を置くだけで癒やされる、特別なフォースを持った木。
それでも車止めゲートまで戻ってくると、身体の火照りと喉の渇きはマックス。送迎車がやって来て、いきなり生ビールを差し出してくれないものかと妄想する。
それはともかく、宿に着いたら何を置いても先ず生ビール。グビグビと一息やると、ビール以外は目が入らなかったのが、その瞬間に視野が元に戻る感じだ。美味い生ビールでひと息ついたあとは、宿のひとに「手仕事手ほどき館」から歩いて数分のところに温泉があると聞いたので、行ってみることにした。結局、宿の風呂は入らず仕舞い。
寿和温泉は、建物はなかなか立派だが極めてシンプルで素っ気なく、ひと気も少ない。前の町長の実績はこの温泉だけだと、誰かに聞いた。何故か、内湯と露天風呂とは料金が異なるし、しかも建物が別。露天風呂に行ってみる。ここは洗い場も外だが、今日の陽気であれば全く問題なし。湯船もこぢんまりしているが、誰も居ないので貸し切りだ。気持ち良く身体を伸ばした。

114 ジグザグに登る。

118 この先は細尾根。

119 尾根上は、雪が微妙に残っている。

124 馬の背のような尾根。

127 山頂はまだ見えない。

DSC06063

DSC06064

DSC06069

DSC06075

DSC06077


DSC06080

DSC06083

DSC06084

DSC06085

DSC06087

DSC06088

DSC06089

DSC06090

DSC06091

DSC06092

DSC06093

DSC06094

今回の山旅の主目的は残雪の守門岳。電車利用だと、1泊で登ることはやや無理なので、山麓の入広瀬に2泊することとなった。宿は、只見線入広瀬駅の目の前にある「手仕事手ほどき館」という変わったネーミングの建物。NPO法人「風小僧」が運営している体験交流型宿泊施設とのこと、いわゆる民宿とはかなり趣が異なる。
ところで入広瀬駅前の平均公示価格は、1.4万円/坪で全国5110駅中で5092位。実勢価格としてもせいぜい2万円/坪ぐらいだろうか。上ものは、ダタみたいなものだろうから、買う気になれば100坪ぐらいだったらいつでも買える値段だ。ひとりあたま10万円ずつ出して一軒買って、山荘にでもしたいところだが、年がら年中、守門岳やら浅草岳に登るわけにもいかないし、日ごろのメンテナンスをどうするかが悩みどころか。
初日には先ず下権現堂山へ登るため、着替えや酒など、さしあたり不要な荷物を置くために宿に寄る。列車を降りて駅舎に向かおうとすると、宿の人がこっちと手を振っている。宿は駅舎と反対側にあった。反対側に出口はないので、最寄りの踏切までぐるっと遠回りする必要があるかと思いきや、宿の人がそのままお出でと手招きするので、そのまま線路を横断。東京近郊では考えられないが、まあ、1日4往復しか走っていないので、さもありなん。
下権現堂山から戻ってきたあと、改めて宿に入り、建物の中を徘徊。ここは、200年以上も前に建てられた民家とのこと。東京近郊の安普請と違い、かなり立派な建物である。玄関を入って右側には道具置き場、その奥が広い、吹き抜けの土間がある。左手に囲炉裏が切ってある居間兼食事処。その奥は女子部屋。男子部屋は急な階段箪笥を上がった中二階。角部屋で昼過ぎは日当たりが良くぽかぽか。窓の外は田んぼ。堪らず昼寝がしたくなる。
まだ夕食まで時間があったので、日当たりが良い男子部屋で、酒とつまみを持ち寄って小宴会。日本酒をちびちびやる。時は5月、もう田圃に水が入ったせいか、軽やかなかじかの鳴き声も聞こえてくる。全く長閑。俗世間のことはもうすっかり忘れた。山登りに来たことすら忘れかけている。

P5030145

P5030146

P5030147

P5030149

P5030150

P5030151

P5030152

P5040243

P5030153

P5040244

P5030234

P5030235

P5030236

P5040240

P5040241

DSC06035

DSC06036

DSC06037

DSC06038

DSC06039

DSC06040

DSC06042

DSC06043

DSC06044

↑このページのトップヘ