山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

体験交流型宿泊施設

胃袋が満たされた後、「湖上レストラン鏡ヶ池」を出ると外は本降りの雨。もとより雨に濡れても問題ない恰好をしているが、それでも宿に戻るまでに結構降られ、濡れた。まだ午後2時前。時間があることは、敗退したことの唯一の恩恵。三和土で靴を脱ぎ、箪笥階段を登り部屋に上ったら、とりあえず濡れたものをハンガーに掛けてひと息つき、やおら酒とつまみを取り出す。
女子連も合流して自棄酒。とはいえ、山の上でこの雨に(たぶんこれ以上の雨に)遭遇しなくって良かった、と慰め酒をちびちびやる。だいたいこのGW時期は毎年、天気に恵まれるものだが、今年はいまいちだった、云々。何だかんだ与太話をしているうちに、いつのまにかもう夕食の時間。特に「ごはんですよ!」とかの呼び出しも無いので、頃合いを見計らって1階の囲炉裏の部屋へ移動。
テーブルの上には今宵も盛り沢山の料理が並んでいる。昨日よりも肉系が多い感じか。何れにしても、また酒がすすむこと、すすむこと。今日は殆ど歩いていないのに、やや酒が過ぎたのか忽ち爆睡して気が付いたら朝だった。
翌朝。朝食はゆっくりの時間にしてもらう。帰りの時間は決まっていて、入広瀬発10時9分発の列車の一択。それまでたっぷり時間がある。じっとしていられない女子連は女将さんの助言を得て、鏡ヶ池を経て裏山(鷹待山、標高339m)に登ると出ていった。一方、小生は前回同様、畳にごろ寝でしばし読書。
でも今日は気温が低めで、じっとしていると少々寒くなってくる。部屋の中でもフリースを取り出して羽織る。カジカの鳴き声も聞こえない。そろそろ時間になったので、支度をして宿を出る。ごきげんよろしゅう。また来る時には笑っておくれ。


172 手仕事手ほどき館に戻ったら・・・
173 自棄酒。
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174 そして夕食。
175 今宵も山菜、野菜たっぷり。
176 巾着の中身はもちとゴボウ。
177 そしてちょっと洋風。
178 肉も。
179 魚も。
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4年ぶりの「手仕事手ほどき館」は、4年前と同じく女子部屋は1階囲炉裏部屋の隣、男子部屋は階段箪笥で上がる2階の角部屋。4年前は目の前の田圃から、カジカガエルの鳴き声が良く聞こえたが今日は静か。今年はやや気温が低いせいかも知れない。
神湯温泉から戻ってきて、部屋で日本酒を舐めながらちょっとのんびりしているうちに、もう夕食の時間。まだ外は明るい。前回は食べ切れず大量に残してしまったので、今回は量を少なめにとお願いしたが、それでも何だかんだ10品ぐらい、ずらりと料理が出てきた(時節柄、大皿で取り分けるスタイルではなく、全て小鉢に取り分けられて出てくる)。
山菜を含め、普段目にすることが無い食材、名前が分からない食材も出てくるものの、これは何ですかと折角訊いても、哀しいかな忽ち忘れてしまう。だからもし次回来たとしても、きっと同じ質問をするに違いない。でも毎回、新たな知識を得た快感を味わえるので、それはそれで悪くない。
素材の味を生かした、野菜中心の料理だが、これはこれで立派に酒の肴になるので、日本酒が進む。このような料理はやはり、日本酒でなくてはならない。考えてみれば家で自ら作る料理は、和洋中を問わず何かとスパイスやハーブを使って、無暗に味を捻くり回すことが多い。だから味自体が濃い目になり、素材の味が分からなくなる。
この宿で出てくる料理はそれとは真逆で、たぶん何れも、出汁と醤油と味醂、酒ぐらいしか使っていないのだろうと思う。それも割と控えめだが美味いし、結果、ご飯にも(といってもご飯までは辿り着けず)日本酒にも合うのだ。人の振り見て我が振り直せ。勉強になる。

010 4年ぶりにやってきた。
011 左からは入れません。
093 手仕事手ほどき館の囲炉裏。
094 懐かしの片口。
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095 「緑川」で乾杯。
096 アケビの芽は美味い。
097 とにかく山菜、野菜尽くし。
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寿和温泉から帰ってきたら、ちょっとゆっくりしているうちに、まだ明るいがもう夕食どき。囲炉裏の間の外にある廊下の奥には、火鉢と座布団が一つ。のんびり外を眺めるには丁度良い設えだが、訊けばこの座布団、なんと猫用だそうだ。
確かによく見ると、座布団に猫の足跡が付いている。その猫、たしかにこの建物を自由に出入りしているが、野良猫だそうである。野良猫なのに、専用の座布団が設えてあるとは随分と待遇が良い。羨ましいくらいである。その猫、我々の顔を見るとニャーニャー鳴くが、なにか食べ物をあげようとすると逃げていく。野良猫のくせに贅沢に慣れているとみえる。
さて夕食。今日の料理も豪勢だ。どれも美味しいが、とても全て食べきれる自信がない。ご飯まで辿り着くのは到底不可能である。ともあれ、守門岳登頂を祝して乾杯だ。守門岳はなかなか大きな山だったのでその分、充実感も大きい。日本酒を頼むと、巨大な片口で出てきた。
外はいつの間にかとっぷり暮れたが、田舎の夕闇もなかなか風情がある。入広瀬駅19時15分発の下り最終列車がやってくる。車窓を見る限り乗客は見当たらない。こんな時間でもう最終電車とは驚くが、最終電車に誰も乗っていないのも驚くし、そこはかとなく物悲しさも漂う。東京近郊であれば、きっとヨッパライ達が管を巻いている最終電車とは大違い。
翌朝は朝食もゆっくりにしてもらい、食後も10時近くまで、ぶらぶらうだうだ。女子連は散歩。小生は、時折、部屋に入ってくる朝の冷気を感じながら、ごろ寝で読書をして過ごす。ゆっくり流れる田舎の時間を楽しんだ。

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今回の山旅の主目的は残雪の守門岳。電車利用だと、1泊で登ることはやや無理なので、山麓の入広瀬に2泊することとなった。宿は、只見線入広瀬駅の目の前にある「手仕事手ほどき館」という変わったネーミングの建物。NPO法人「風小僧」が運営している体験交流型宿泊施設とのこと、いわゆる民宿とはかなり趣が異なる。
ところで入広瀬駅前の平均公示価格は、1.4万円/坪で全国5110駅中で5092位。実勢価格としてもせいぜい2万円/坪ぐらいだろうか。上ものは、ダタみたいなものだろうから、買う気になれば100坪ぐらいだったらいつでも買える値段だ。ひとりあたま10万円ずつ出して一軒買って、山荘にでもしたいところだが、年がら年中、守門岳やら浅草岳に登るわけにもいかないし、日ごろのメンテナンスをどうするかが悩みどころか。
初日には先ず下権現堂山へ登るため、着替えや酒など、さしあたり不要な荷物を置くために宿に寄る。列車を降りて駅舎に向かおうとすると、宿の人がこっちと手を振っている。宿は駅舎と反対側にあった。反対側に出口はないので、最寄りの踏切までぐるっと遠回りする必要があるかと思いきや、宿の人がそのままお出でと手招きするので、そのまま線路を横断。東京近郊では考えられないが、まあ、1日4往復しか走っていないので、さもありなん。
下権現堂山から戻ってきたあと、改めて宿に入り、建物の中を徘徊。ここは、200年以上も前に建てられた民家とのこと。東京近郊の安普請と違い、かなり立派な建物である。玄関を入って右側には道具置き場、その奥が広い、吹き抜けの土間がある。左手に囲炉裏が切ってある居間兼食事処。その奥は女子部屋。男子部屋は急な階段箪笥を上がった中二階。角部屋で昼過ぎは日当たりが良くぽかぽか。窓の外は田んぼ。堪らず昼寝がしたくなる。
まだ夕食まで時間があったので、日当たりが良い男子部屋で、酒とつまみを持ち寄って小宴会。日本酒をちびちびやる。時は5月、もう田圃に水が入ったせいか、軽やかなかじかの鳴き声も聞こえてくる。全く長閑。俗世間のことはもうすっかり忘れた。山登りに来たことすら忘れかけている。

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