山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

米国

今日のNH173便は、エコノミークラスもほぼ満員御礼状態。プレミアムエコノミー、ビジネスクラスとも完全に満席なので、多少マイルが貯まっているもののアップグレードは叶わず。しかし、小生の通路側の席の隣りはさいわい誰も来なかった。今日のフライトは、季節風が強いので定刻よりも30分ぐらい余計にかかるとのこと。つまり所要時間は14時間半ということになりそうで、飛び立つ前からややうんざり。
呑みもののサービスは、サントリー・プレミアムモルツをオーダー。ひさしぶりだ(と云っても、ほぼ2ヶ月ぶりだが)。たった1杯呑んだだけだったが良い気持ちになって、いつのまにか寝てしまい、気が付くと小生以外は黙々と食事中。慌てて、CAを呼んでカツカレーをオーダー。日本スタイルのカレーも、随分、久しぶりだ。
映画は、なんだかんだ3本観た。ひとつめは、おー、こんなのやっているんだと勇んで観た「ダークタワー」。原作者はかのスティーブン・キング。日本では今のところ未公開とのこと。原作は壮大な長編大作なので、それをそのまま映画には出来るはずもないが、はっきり云って、原作とはまったく異なるストーリーでかなり落胆。雰囲気だけは、なんとなくこんなもんかな、という印象。悪役(ウォルター役)のマシュー・マコノヒーが存在感を示していて、完全に主役のガンスリンガー役イドリス・エルバを喰っている。
ふたつめは、シャーリーズ・セロン主演の「アトミック・ブロンド」。正直云ってスパイ映画らしくストーリーが複雑で、一回観ただけでは追い切れなかった(途中で、寝てしまったせいもある)が、シャーリーズ・セロンが段々ボロボロになっていくのが迫真の演技(メイク?)という感じ。
もうひとつは「ダンケルク」という第二次世界大戦もの。もうこの手の題材は使えないものと思っていたが、意外にしぶとい。しかしどのような描写が目新しいのか判らず、次第に退屈になったので途中で観るのを諦めた。そのあとは電子書籍でしばし読書となったが、やはり段々目が疲れて来るので(しかし頭は冴えたままなので)、目をつぶったまま早く次の食事が来ないかと思うばかりで、なかなか時間が経たないのは難儀した。14時間半は長い。

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帰国日の朝、いつものようにジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港まで、タクシーで約30分の移動。これで見納めかもしれないかと思うと、窓の外に広がるヒューストン郊外の景色も多少、違って見える。
ANAのチェックインカウンターは相変わらず、乗客よりも係員の方が多い状態だが、今日はプレミアムエコノミーもビジネスクラスも満席で、アップグレードは出来ないとのこと。週末のせいもあるが、やはりクリスマス休暇が近いことによる影響だろう。
手荷物検査場では、初めて長い行列を見た。いつもは係員が暇そうだったが、今日は大忙し。慣れない乗客を指導するのに声を嗄らしている。係員と長々と話をしている乗客がいたが、そのうちに意思が通じたのか、金属探知機のゲートを通らずにパス。どういう人なのかと思ったが、ペースメーカーや人工関節を入れている人だったのかも知れない。単に申告すればいいのか、何かのIDが必要なのか判らないが、少なくとも我々には判らない面倒がありそうだ。
ターミナルCのラウンジは、初めて経験する程の満杯状態だったが、運良く端っこのテーブルがひとつ空いていた。この混み具合もクリスマス休暇のせいだろうか。それとも今回は、ターミナルEのラウンジが工事中なのか。
さて、席を確保したところで呑みものだ。カウンター内にいるバーテンダーに、クアーズをくれ、と云えばなんと瓶では無く、サーバーからグラスに注がれて出て来た。なんだ、バドワイザーでは無くクアーズを頼めば、生ビールもあったんだと初めて気が付く。それにしてもやっぱり、すりきりまでいっぱい注がれて、泡は立てない。これもアメリカ文化の一部。泡の無い生ビールとはこれでお別れだ。

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いよいよベイタウン滞在は最終日、最後の晩餐となった。今宵は、同居人からかねてより一度、一緒に行こうと云われていた店"Gilhooley's Restaurant and Oyster Bar"へ、満を持して食べに行くことにした。ベイタウンからは南へ40分ぐらいかかるから、気軽に行ける場所ではないが、それでも結構、皆さん行っているらしく、少なくとも我々の中では人気の店のようである。
外観は、疎らな木々に囲まれた、ちょっと草臥れた掘立小屋か海の家を連想させるくらい、カジュアルな店。入口の手前には、オープンエアのテーブル席も結構あるが、だれも座っていない。夜だしやや肌寒いせいもあるが、たぶん混んでいないということだろう。
中へ入ると、楕円形のカウンター席の周りに、テーブル席がずらり。ざっと100人ぐらいは入れそうな広さだが、先客はテーブル席に3、4組と、カウンターに10人ぐらいが座っているだけ。カウンター内にいた女性店員が、「何処でもお好きな席へどうぞ」と仰るので、窓際のテーブル席へ着く。店内の感じは、カントリー調と云って良いのだろうか。何故か、店内には数多くの車のナンバープレートが飾られている。
この店のイチオシは、"Captain Tom's Seafood & Oyster"と同様、牡蠣だそうだ。
さっそくいただこう。焼き牡蠣も2種類注文。他にseafoodではないが、珍しく鶏モツのディープフライもあったので注文。牡蠣ももちろん美味かったが、鶏モツが柔らかく処理してあってとってもジューシー。モツ煮にしてもきっと美味いだろうと思う。
料理にはとても満足したが、それにしても室内照明がややブルーがかった怪しい色なので、料理があまり美味そうに見えなくて、なんとなく残念と云うか、損をしていると思うのは小生だけだろうか。それともアメリカ人にとって、これでかえって美味く感じるのだろうか。

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Gilhooley's Restaurant and Oyster BarのFB: こちら

短期出張でやってきていたひとから、夕食につきあってくれと誘われ、都合、7人でいこうという話になった。行先は、そのひとの所望によりメキシコ料理の"El Toro"。かれこれ10ヶ月ぶりの入店となった(前回はこちら)。一応、メキシコ料理と云ったが、実態はメキシコ風のアメリカ・テキサス料理、いわゆる"Tex-Mex"といったところのようだ。
そう云えば、自分も最初にベイタウンへ来た時には、炊事などは出来る環境に無かったため、同じように誰か誘って食べに行っていた。短期出張の場合には、出張費は足が出る公算が強い。逆に現状の小生のように、自炊の体制がすっかり整っていて、しかも帰国までカウントダウン段階にあると、徒に食材を余らせないような段取りをしてある関係上、急の外食は、その後の調整に頭を悩ませることにもなるので、安易に誘いを受ける訳にはいかない場合もある。尤も、今回の小生の場合、同居人は引き続きアパートに残るので、余った食材の心配はいらないので気楽だ。
"El Toro"はいつも混んでいるとの評判の店で、前回はその通り30分ぐらい待たされたが、今回は10分程度(誘ったひとが、無料のアイスクリームをひとつ喰っただけ)でポケベルのお呼びがかかった。しかし偶々運よく、早く帰る客がいただけで、広い店内は依然として満席状態。かなりの繁盛ぶりだ。
この店はだいぶ照明を落とした設定であるため、我々にはメニューの文字が読み難い。而して、注文は若者にお任せとなるが、正直のところ、誰が頼んでも同じような注文になる。前回同様、出て来たのはファヒータのセット。メインディッシュがチキンとシュリンプのものを其々2人前ずつ注文。これを7人で喰うのはかなり大変である。ビールも2、3本呑んで、これでひとり$30ぐらいだから、まあリーズナブル。少食な日本人にとってはコスパは良いと云えるが、いったい巨漢アメリカ人にとってはどうなのだろうか、気になるところだ。

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またまた送別会で、"Nara Thai Dining"にやってくることになった。前回は、まさかの満席(完全な満席では無く、9人分の席がまとまって確保できなかった)だったが、今回はなんだかんだ15人ぐらいになったものの、いつもどおりに全く問題なし。我々以外に客はひと組ふたりだけ。前回は異常だったのだ。
実は今回、小生も送られる側のひとりだった。結果的に、7ヶ月近くもベイタウンに滞在することになった。はじめは2ヶ月ぐらいという感触だったのだが、やっているうちに終わりが見えず、時間が経つばかり。最後は急転直下、終了と云う感じで、達成感は有るような無いようなでややビミョー。
ともかくも、これでこの店に来ることもないだろうと思うと、それなりに感慨はある。結局、この7ヶ月で良く判ったことだが、ベイタウンはやっぱり田舎で、チェーン店の店はそれなりにあるが、ベイタウンにしかない有名店というのが殆ど無い。この"NARA"にしても、ヒューストン界隈に4店舗あるチェーン店なのだが、まあこれはマシな部類。だいたいのステーキハウスやハンバーガーショップは、姉妹店が何十店舗、何百店舗もあるのが普通だ。日本では居酒屋を含め、従来の巨大外食チェーンの勢力地図が変わりつつあるが、ここテキサスでもそのようなことがあるのだろうか。閑話休題。
今日はゲスト扱いで(つまり払わなくても良さそう)、何が喰いたいとか我儘を云い難い感じ。今日は幹事が若者なので、さしてこれまでの事例などは頓着せず、自分が喰いたいものをバシバシ頼んだようだ。大抵は、春巻きやビーフン、チャーハン等で終わるのだが、そのあとからレッドスナッパーの丸揚げ(鯛の一種でたぶん、ひと皿$30ぐらい)や、寿司(いままでここで、食べたことは無いが、ひと皿$20ぐらい)までが、何皿も出て来たのはややびっくり(たぶん、食べ切れず)。いつもであれば、送別会であってもひとり$30ぐらい出せば十分だったが、今日はきっと$40ぐらいになったのではと推測する。ゴチになりました。

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一週間も経たないうちに、また「大四川888」へ行くことになった。日本からの来客があったため、全員参加で宴会することになったのだが、そうなると頭数は20人以上、場所はもう、「大四川888」しかない。この頃、大人数での夕食が立て続けだが、偶々なのか、そういう時期なのか判らない。
念のため、予約を入れたようだったが、そもそも満席で入店を断るような事態を経験していないのか、店側はそんなのは全く頓着していなかったようで(つまり電話での予約は聞き流していたようで)、我々がぞろぞろ入って来たのを確認した後、店主らしい中国系アメリカ人初老夫婦が「ノープロブレム!」と云いながら、やおらテーブルと椅子を並べ始めた。
そういう状況を見て我々日本人も、しょうがないな、と思いながらも椅子運びなど手伝うのだが、ヒスパニック系及び黒人系の雇われ従業員は、別段気にもせず、遠くで井戸端トークに夢中だったりして、シンパシーに対する感覚が何かちょっと違うような気がした。
テーブルが揃ったところで着席。まだ全員が揃ってはいないが、思い思いのビールを注文し、予行演習と称しながら、実質的には宴席スタート。料理は幹事任せだが、「レタス包み」をはじめ、だいたいいつものメニューで、人数が増えたからと云って変わり映えはまったくなしのワンパターン。
ところで、皆、車移動なので基本的にビールを少々呑むだけだが、テキサスでは日本と同様、飲酒運転は禁じられているのだ。日本の感覚からすると恐ろしくて呑めないと思うが、アメリカでは検問なんてしていないため、実質的には事故さえ起こさなければOKという感覚らしい(ホントかね)。でも、万が一捉まったら即、留置場送りになるし、罰金は諸々含めると1万ドルを超えるらしいから、くれぐれも御用心。

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またヒューストンでの買い物帰りにランチをすることになった。同行者(兼ドライバー)が、「中華が良いか、シーフードが良いか」と聞くので、「シーフード」と答える。「シーフード」のカテゴリーには、中華料理も入りそうな気もするがと素朴な疑問を呈すれば、実は中華料理にシーフードというのは余り一般的ではない、と聞いて、なるほどそうかと気が付く。たしかに中華料理で使う魚介類は、たいてい淡水系だ。何かの本か、ネットで見たのか定かではないが、中国人と日本人では、魚の匂いに対する嗅覚が違うそうだ。中国人は、海の魚の生臭さが気になるらしい。そのため、中国で普及する寿司ネタも限定的、ウニやイクラは全く不人気だそうだ(ウニが中国漁船に乱獲されることはない。なんだか、ちょっとうれしい)。一方、我々日本人は淡水魚の泥臭さが気になる。話がちょっと逸れた。
同行者が目指したのは、ヒューストンとベイタウンの中間、クローバーリーフにある"Captain Tom's Seafood & Oyster"という店。ウリは生牡蠣だそうだ。メキシコ湾産の牡蠣かどうかは判らないが、たぶんそうなのだろう。ベイタウンとかニューオーリンズ界隈で採れたものだったら、ちょっと遠慮したい感じもするが、メキシコ湾も広いから、きれいなところもあるのだろう、と自分に云い聞かせる。
外観は白壁で、如何にもシーサイドにありそうな雰囲気。入ってみると、Uの字カウンター席にずらりと大柄な客が並んでいる。窓際もカウンター席。ここにはテーブル席が無い。もうひとつ、気が付いたが、この店には白人系の客が殆どいない。もっと云えば、我々以外、ほぼヒスパニック系。飛び交う言語も、おそらくはスペイン語ばかりではないかと思う。
満員か~と思ったが、窓際のカウンター席ふたつが丁度空いた。一見客には注文の仕方が判らないものだが、どうやらカウンターの中に居るオヤジに云えば良さそう。とりあえず、コロナ($4.25)と生牡蠣($7.95/1ダース)を注文。小ぶりだがなかなか美味い。いわゆる日本系のマガキではないようで、6個なんかあっという間だ。ひとり1ダースだってまったく問題ないだろう。一緒に頼んだガンボも美味かった。続いてスタッフド・クラブ($9.45/2個)を注文して、これもシェアする。いわゆる蟹の甲羅焼き。これがまた日本人に合う味で美味かった。付け合せのフライドポテトすら、美味かった。人気がある理由がわかる。
となりでは、逞しいヒスパニックオヤジが、山盛りのボイルド・シュリンプを黙々と喰っていた。きっと白人系だったら、いちいち殻を剥きながらちまちま小さいエビを喰うなんて真似は出来ず、分厚いビーフステーキをばくばく喰いたいはず。而してこのような店は、ヒスパニック系に占拠されるのだろうと、スタッフド・クラブをちまちま喰いながら考えた。

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仕事が終わりかけてきた頃、今宵はみんなで食べに行こうか、という話になった。ならば、さっさと終わって職場を出てもいい時間だったが、たまたま、お掃除人によるオフィスの清掃がまだ途中、それが終わったと同時に我々も退勤しようと、暫し待機。そのお掃除人(アラサー位の背が高い黒人女性)は、一通り仕事を終わらせると、連れて来ていた子供共々、自家用車に乗って颯爽と帰っていった。その車種は、小生でも判るキャデラック。どの程度のクラスなのかは判らないけれど(とは云っても、最低、5万ドルぐらいはするだろう)、なんとなく、買う車を間違えているような、それとも仕事を間違えているような(それとも清掃員の給料はかなりイイのか)、はたまた小生のアタマがおかしいのか、なんだかよく判らなかった。閑話休題。
我々もそれぞれの車に分乗して移動。目当ての、オヤジ達が愛するタイ料理店"NARA"に入ろうとしたら、なんと混んでいて入れないとのこと。そんなこともあるんだ、と皆びっくり。我々は9人の大所帯なので、まとめて座るにはやや支障があるのは仕方が無い。そんな人数なので、次善策となるともう「大四川888」、通称「トリプルエイト」へ行くのが妥当だろう。その理由は、その次にすいている筈の店だから。
約半年振りに"トリプルエイト"にやってきた。ドアを開けると、期待通り、スカスカである。
どこでもどうぞ、という感じだったが、他の客に迷惑にならないよう一番奥の一角に設えられたロングテーブルに着席。ビールは、と訊くと、ひとりが「シャイナーボック!」と云えば、皆「おれも!」となって、シャイナーボック($3.75)で乾杯。料理は常連さんにお任せ。ここへ来ると、必ず鶏挽肉のレタス包み(Minced Chicken in Lettuce Wrap、$8.95)を喰うことになる。皆が口を揃えて云うには、「ここではこれが一番」ということだ。たしかに、まあまあだ。しかし、ここは料理メニューが(中華料理はだいたいどこでもそうだが)豊富、もっと色々味わってみたいもんだ。と思っていたそばから、豆腐と野菜の土鍋煮込み(Mixed Vegetable with Bean Curd in Clay Pot、$10.50)ともやし炒め($???)が出てきた。どちらもあっさりしていて、普通に美味い。でもこれじゃ、アメリカ人にはウケないような気がする。この店がいつも空いているのはきっと理由がある。でも、潰れない理由は判らない。

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「マーケット・カフェ」でまったりしたあと、午前11時過ぎにセントルイス大聖堂前の広場まで戻ると、大道芸を眺めているアラフォー同行者と出会う。だいたい、観光客の行動パターンは決まっているのだ。まだ時間は早いが、待ち合わせのレストランに行ってみようということで合意。
「ガンボ・ショップ(Gumbo Shop)」という、ずいぶんストレートな名前のレストランは、既に開いていてかなりの混雑ぶりだ。道に面した入り口を抜け、狭くて暗い通路を抜けた先に中庭があり、店はそこに面している。なんとなくパリやローマでもありそうな店構え。たしかにフレンチ・クォーターは、こういったヨーロッパの古い都市の雰囲気が感じられて、アメリカの中では異質な空間のように思われる。
この店のランチは、基本的に予約を受け付けず、しかも全員が揃わないと入れてくれないシステム。アラサー同行者もやってきて3人は揃ったのだが、時間になってもアラフィー同行者は現れない。その後、暫し気を揉んだが、ようやく4人が揃い、入店を許される。
さっそく注文だが、今日はこれからヒューストンまで運転があるのでアルコールは自粛。小生も、つきあう。料理はというと、昼になっても、アラフィー同行者とアラサー同行者は絶不調の様子。何も注文したくない、という。アラフォー同行者も、ガンボ以外、特にいらないという。まじですか。結局、ガンボを人数分頼んだだけ。おやおや。それじゃあと小生が頼んだのは、「クレオール・コンビネーション・プラッター」(CREOLE COMBINATION PLATTER、$14.99)という盛り合わせ。
どうやらクレオールというのは、フランス由来の地方料理文化の総称であると共に、料理名でもあるようだ。小生の注文した「クレオール」は、「煮込み」という意味。つまり「エビの煮込み」を中心に、「ジャンバラヤ」と「ベイクドビーンズ」を組み合わせたもの。人が喰っているのを見ていると、喰いたくなるのは人の常、アラサー同行者、アラフォー同行者だけでなく、何も喰いたくないと云っていたアラフィー同行者も、スプーンを伸ばして小生が注文のプレートを喰う。美味い、美味い、などと云う。結局、ワンプレートを4人でシェアしたことになった。このプラッターはひとりで喰うには重いが、4等分するとさすがに物足りない。結局、Po Boyも喰えず、何だか最後まで食事的には不完全燃焼。
しかし、ニューオーリンズはヒューストンや、ましてやベイタウンと違い、街の佇まいが良い。居るだけで良い気分に浸れる。半分は嫌々来た感じだったが、連れてきて貰って佳かったと、アラフィー同行者にはひそかに感謝している。

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Gumbo ShopのHP: こちら

アラサー同行者とアラフィー同行者は二日酔いで具合が悪く、どちらもチェックアウト時間ぎりぎりまで、ベッドの中にいたいとのことのようだったので(どうしてそこまで呑むかね)、正常な小生とアラフォー同行者(実はアルコールは呑まないひと)は、それぞれ自由行動で街に繰り出した。
今日も朝からいい天気。まだ午前9時だが、フレンチクォーターには多くの観光客が彷徨いている。セントルイス大聖堂前の広場にはもう、似顔絵書き、単なるなんちゃって絵画売り、大道芸人やミュージシャンが準備を始めていて、音合わせなどをやっている。
小生も、広場のベンチに座り、ちょっと読書。暑からず寒からず、いい具合だ。そのうちにだいぶ人が集まりだし、大道芸人がなにか始めたので、落ち着いていられず退散する。ジャクソン・スクエアを通り抜けてディケイター・ストリートに出ると、目の前のカフェ・ドゥ・モンドは既に客で満員状態。もちろんドーナッツもどきには興味はないが、カフェで本を読むのは悪くない。カフェ・ドゥ・モンドでなくてもいいから何処かへ入ろうと、店を物色。
この辺りは市場が並んでいる。そこで目に留まったのは、その名も"マーケット・カフェ(Market Cafe)"という店。かなり客が入っているものの、いくつかテーブルは空いている。ひとりで入るにも抵抗が無い感じ。名前は「カフェ」だが、結構、料理メニューもあるし、なんと朝からライブ演奏までやっている。
Po Boyもあるので、試してみたい気もしたが、昼食まで我慢しようかと、代わりにバドワイザー($4ぐらい)を注文。ドラフトビールはあるかと問えば、瓶しかないよ、とウェイター。出てきたバドワイザーは、コップが使い捨てプラスチック。なんとなくマーケット感がある。ここでちびちび、ビールを舐めながらしばし読書に勤しんだ。

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Market CaféのHP: こちら

小生を除く3人は、"Orleans Grapevine Wine Bar & Bistro"を出た後、さらに呑みに行ったとのこと。何やら妖しい店(ポールダンサーがいた、ということまでは聞き出した)にも入ったらしいが、ぼったくられることもなく無事、12時半過ぎにホテルに帰ってきたようだ。それにしても、飽きもせず良く呑むものだと感心する。一方、小生は10時過ぎに帰ってそのまま、朝7時頃まで久々の快眠。
ところで、今回泊まった"Holiday Inn Express New Orleans Downtown"は、1泊朝食付きでツインルームが95.5ドル。一人あたま$47.75ということ。ゴルフ4人組はもう1泊するのだが、今晩(24日)の泊まりはなんと料金が3倍(≒$150)になるという。$47.75だと割安感を感じるが、$150だったらべらぼうだ。
23日、すなわちサンクス・ギヴィング・デーだと宿泊需要が少ないのは、我々日本人には少々判り難いが、基本的には家族は皆、家で七面鳥を喰うことになっているらしい(しかし、七面鳥はサンクス・ギヴィング・デーに限らず、年中喰われていると思う)。つまり行楽のためではなく、家に集まるための祝日ということ。日本で云えば、やはり盆と正月に当たるかも知れない。
8時過ぎにひとりで、1階のレストランへ行く(同部屋のアラフィー同行者は爆睡中)。こんな時にホテルに泊まっているのは(我々のように)アメリカ人ではないだろうと予想をつけていたが、必ずしもそうでもない感じ。たしかにメキシコ系の家族や、インド系の若者たちもいる一方で、アメリカ人らしき中高年夫婦もちらほら。レストランは、完全セルフサービスのビュッフェ形式。たいした喰いものははないが、ベーグルとオムレツとターキーソーセージを喰らう。コーヒーは、殆ど香りが無く、「苦い水」と云っていいレベル。それでもターキーを喰うことができたので、なんとなく年越し、じゃなかったサンクス・ギヴィング・デー気分を味わえた。

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Holiday Inn Express New Orleans DowntownのHP: こちら

とりあえずジャズを聞くのは諦めたものの、まだもうちょっと呑みたいとの意見が複数出され、然らば再び街明かりを頼りにバーボン・ストリートを徘徊。ジャズが無くても、呑めさえすれば良いとなると、だいぶハードルは下がったはずだが、人間、そう簡単ではない。ジャズさえあれば、多少店の雰囲気が悪くてもいいかっ、という気が働くが、酒だけとなると雰囲気が重要、多少なりとも気が利いた店じゃないと入りにくい。実は、そんな気が利いた店は簡単に見つからないので、ジャズ酒場を見つけるのと同程度の難しさがある。
世話好きで物怖じしないアラフィー同行者は、酒の勢いも加わって、見ず知らずの道行く人に店を聞いたりする。黒人の若者集団がとぐろを巻いているところへ分け入って、いい店を知らないか、と聞いたりする。眼つきの悪い彼らが云う「いい店」の定義は、きっと我々と違う。聞く意味無いだろ~。しかも、10ドル寄こせば教えてやるだの、それよりドラッグはいらないかだの聞こえてきて、いいカモにされそうな雰囲気。危なっかしくて、見ちゃいられない。この手の輩は、ときどき小生の前に現れ何かと迷惑を被るが、世話好きの酔っ払いは天下無敵、普通の酔っ払い以上に厄介だ。
世話好きの酔っ払いは、簡単には懲りない。何度目かに、今度は地元の若い白人女性に教えて貰った店に行ってみたら、なかなか良さそうなので入ることにした。世話好きの酔っ払いは、たまに役に立つので、見限れない。そこは"Orleans Grapevine Wine Bar & Bistro"という店。賑やかなバーボン・ストリートから、ちょっと静かなオーリンズ・ストリートへ入ったところの右側。正面にはセントルイス大聖堂、その手前にライトアップされたキリスト磔刑像があって、しかもその像の影が大聖堂の壁面に浮かび上がっているので、なにやらダビンチ・コード的雰囲気が漂っている。
店に入ると、照明抑え目でぐっと大人のムード。U字カウンター席の奥にテーブル席。客は大体が白人カップル。BGMは微かに響くジャズピアノトリオ、ビル・エヴァンスか。ビル・エヴァンスとなれば、バーボンよりもワインが似合う感じだ。ニューオーリンズらしさは無いが、ヒューストンも含め、これまで入った中では、一番気の利いた店だ。
ウェイターは、食事だったらテーブル席だが、酒だけならばカウンター席に座ってくれとのことで、男4人でカウンター席に、ようやく座ることが出来た。ほっとしたところで注文しよう。メニューを見ても、ぐるっと見渡してみても、ここはワインがウリのようだ。するとバーテンダーが、今日は10時で閉店だと突然言い出す。時計を見ると9時半。おいおい早く云えよ、と思ったが、考えてみればもう普段だったらとっくに寝ている時間。世話好きの酔っ払いには物足りないだろうが、ちょうどいい店に入ったのかも知れない。
小生はやっぱりカリフォルニアワインにしようと、VAMPIRE PINOT NOIRをグラスでいただく($11)。ちょっとだけワインに浸っているうちに、カウンター内ではバリバリ片付けを始める。客はいつの間にか、我々だけ。もうちょっとゆっくりしてみたい感じの店だったので、ワイン一杯だけでは如何にも惜しい。何かの機会に、この店は、是非、もう一度来てみたい。

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20171123_221142世話好きの酔っ払い撮影(手ぶれ)

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Orleans Grapevine Wine Bar & BistroのHP: こちら

カフェ・ドゥ・モンド(Cafe du Monde)を離れ、さてようやくジャズだ。とりあえずバーボン・ストリートを端から端まで歩く。とにかくジャズの音色が聞こえてこない。聞こえてくるのはロックかポップスばかり。わざわざニューオーリンズの店で、聞く類ではない。明日が早いゴルフ組とはこの辺りで別れ、オリジナル4人組で探索を続ける。
暫し歩き回った挙句、人が集まっているところで、地元の人に聞き込みをしてみると、いくつかやっていそうな店が判った。ひとつは"Preservation Hall"という店。ニューオーリンズでは有名な店らしい。行ってみると、入れ替え制(?)なのか、店の前に行列が出来ている。並んでいる人に聞いたところ、次の回が30分後に始まるので、それを待っているとのこと。残念ながら30分なんて待てない。
次に行った店は、バーボン・ストリートにある"Bourbon O Bar"。ここの前は何度も通ったが、音は外まで聞こえてこない。ここはすんなり店に入れた。やっているのは、いわゆるディキシーランド風のジャズ。いいねいいね、と思ったが、空いている椅子がなく皆、立ち聞き。だいぶ歩き回ったせいで腰が疲れてきたので、これでは無理と、泣く泣く店を出る。
もうこの次の店で一杯だったら諦めよう、と向かったのは"Fritzel's European Jazz Pub"。ここもバーボン・ストリートに面した店だが、近づいてみるとばりばり音が漏れてくる。なんでさっき、気が付かなかったのだろうか。ついさっき、始まったのかも知れない。ここはディキシーランドジャズではなく、モダンジャズ。中へ入ろうとすると満席で、待っている人たちが入り口付近の椅子に座っている(ばりばり聞こえてくるので、ここで聴いているだけならタダだ)。
残念だがここでギブアップしよう。もうちょっと事前に調べて、可能ならば予約をしておくべきだった。しかし、最後の"Fritzel's European Jazz Pub"では、ちょっとだけ「立ち聞き」出来たので多少鬱憤は解消された。

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Fritzel's European Jazz PubのHP: こちら

"Saint Lawrence"でかなり腹一杯になったあと、せっかくだからジャズを聴きに行こう、ということで話がまとまった。店を出て、日本人オヤジ8人、ディケイター・ストリート(Decatur Street)を肩で風を切ってぶらぶら。とっぷりと暮れた夜道だが、街灯りは途切れず、かなり人通りも多い。ジャクソン・スクエア(Jakson Square)の前には、観光用の馬車がずらりと客待ち。馬車といっても、牽いている馬はたいてい小柄で、よく見るとロバかラバのような優しい顔をしたのもいる。こんな夜まで営業するのは大変だな、と馬たちに同情する。
8人のうちのひとりが、(カフェ・ドゥ・モンド)Café Du Mondeでベニエ(Beignet、ドーナッツ状ではないドーナッツみたいな砂糖菓子)を喰おうと云い出す。おいおいジャズが先だろ、などとはオクビにも出さず、しかし甘いものはパスだなあ、と思いつつ後に付いていく。
昼間に通りかかった時は長蛇の列だったが、この時間はどうかなと見てみれば、やや列は短くなったようだが、とても直ぐには入れそうにない。ましてや我らは8人、まとまって座ることは不可能だ。酔っ払いオヤジは我慢が嫌いだ。そこで、ベニエはテイクアウトで賞味しようということになったようだ。買ってきたものを皆に配って外で立食い。小生は、丁重にお断り。
皆は美味い、美味いと云って喰っている。おーい、早くジャズを聞きに行こうぜ。何故あんなものを皆が嬉々として食べたがるのか、まったく気が知れないが、カフェ・ドゥ・モンドは日本にも支店があるようだ。ただし、何故だか東京近郊には無く、一番近いのは、水戸か宇都宮。どうしてもベニエを喰ってみたい方は、何れかの店へ是非どうぞ。

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Café Du MondeのHP: こちら

陽が沈み、街に明かりがともるようになると、フレンチ・クォーターの雰囲気がひと味変わる。所々ライトアップされているバルコニー付の建物が、どこもちょっとした絵になる。欧米人がそういうところへ通りかかるとそのまま絵に収まるが、我々のような東洋系が現れると、とたんに魔法が破られ現実に戻る。
今回、我々は4人でニューオーリンズへやってきた訳だが、実はゴルフを主目的に同じくニューオーリンズへやってきている別口4人組もいて、夕食は8人で一緒に喰うことにしていた。別口隊には用意周到な方がいて、サンクス・ギヴィング・デーだからきっと何処も店が混んでいて、喰いっぱぐれるリスクがあると考え、ちゃんと予約を入れておいてくれたのだった。
その店は「セント・ローレンス(Saint Lawrence)」という店。8人揃って入店すると、店は奥に長い長方形で、すべてを見渡せる。右際がカウンター席、正面がテーブル席。我々の席はすぐ右手の窓際。この店の名前は、キリスト教の聖人の名前と同じらしく、店内には実際にその聖人の絵が飾られている。何故、聖人の名前を店名にしたのかは判らない。そんな名前だと、イタリア料理の店かと思ってしまうが、ここもケイジャン料理のようなクレオール料理のようなジャンルの店。我々にはその区別がよく判らない。
もうビールはいいので、最初からワイン。白だったらつまみはこれにしてちょうだいと、Artichoke Dip($10)を頼んだ。他の者からは、Buffalo Oyster($12)、Onion Ring($8)などを注文。ディップは美味いが、アーティーチョークらしさがいまいち。オイスターは、やはりこちららしく、しっかり味がついた(つまりソースを必要としない)フライ。あとはパスタで、Pasta Pontchartrain($25)も注文。あれっ、また誰もPo Boyを頼まないまま、腹一杯になってしまった、と後で気がついた。皆、Po Boyには関心が薄いと見える。

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Saint LawrenceのHP: こちら

未だ呑み足りないアラフィー同行者たちを置いて、ひとりで一足早く「レムラード(Remoulade)」を出た。遅い昼食を摂って漸くひと心地ついたところなので、今度は心の余裕を持ってフレンチクォーターを漫ろ歩き。気分的には、やはりここへ来たからにはジャズ、それもディキシーランドジャズを聴いてみたいところ。ところが、街はやけに静かだ。
たとえまだ陽が落ちていなくたって、バーボン・ストリートはジャズの音色に溢れていると妄想していたが、まったく聞こえてこない。ここにもやはり、サンクス・ギヴィング・デーの影響が及んでいるようだ。それでも町並みは期待通りに良い雰囲気だ。
有名店の「カフェ・ドゥ・モンド(Cafe du Monde)」へ行ってみると(とは云っても、小生が店を知っていたはずもなし)、長蛇の行列ができていた。噂通りの人気ぶりだが、人出が多い割りに開いている店が相対的に少ないせいで、余計に混んでいるのかも知れない。
ひと通り街を巡ったところで、再び4人で合流。ちょっと喉が渇いたし、夕食までまだ時間があるので、何処かに入りたいところだが、未だジャズの店は見つからない。まいったなと思っているうちに、偶々目に付いた店で漸く音楽が聞こえてきた。でもジャズではなく、ブルース。それでもいいかっ、と「B.B.キングズ・ブルース・クラブ(B.B.King's Blues Club)」に入ってみることにした。
ちょうどライブ演奏をやっている。どうやらここは、コテコテのブルース酒場のようである。思ったよりも客が多い。踊っている客もいる。我々は2階席へ。曲名はもちろん判らないしミュージシャンの名前も聞いたことがないが、やや古びたライブハウスでビールを傾けながら、ブルースに耳を傾けるのも悪くないと感じた。

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B.B. King's Blues ClubのHP: こちら

まだ昼食にありつけていないが、もう2時なので先にホテルへチェックイン。われわれが泊まるホテルは「ホリデー・イン・エクスプレス・ダウンタウン」。とりあえず車と荷物を置いたら、いざフレンチ・クォーターへ。3ブロック先、趣きのある路面電車が走るカナル・ストリートを渡れば、もうフレンチ・クォーター。ここは、ニューオーリンズ、つまりルイジアナが、フランスからアメリカ合衆国へ売却される前の建物が並んだ地区。そもそも、「ルイジアナ」という地名はルイ14世に、「ニューオーリンズ」はオルレアン公に因んでいるとのことだ。しかし、実際にはスペイン統治時代の建物が多いらしい。
フレンチ・クォーターに入ったら、有名なバーボン・ストリートを進む。さすがにこの界隈の店は開いているところが多い。偶々工事中で歩道が狭く、ちょっと歩き辛い。アラフィー同行者が、アラサー同行者とアラフォー同行者を引き連れ、脇目も振らずどんどん先へ進んでいく。どうやら食事のことはすっかり忘れて、観光モードになっているようなので呼び止め、今、肝心なのは昼食であることを再認識してもらい、丁度目の前にあった店へ入ることにした。
そこは、レムラード(Remoulade)という名前の店。中へ入るとさして広くはないが、既にかなりの客が入っていて結構な賑わいだ。観光地に来た気がしてきた。メニューを見ると、クレオール風とか書いてある。クレオール料理というものがあるらしい。ググって見ると、ケイジャン料理とはまた違うようだが、ガンボやジャンバラヤなどはどちらにも属しているようなので、その境目はかなり曖昧のようでもある。
先ずはビール。Abita Amber($4.50)を注文。料理は、小生はOysters Arnaud($12.95)にした。5つのカキにそれぞれ種類の異なるソースが掛かってオーブンで焼いたもの。日本人好みの味付けで美味。他に各人が頼んだものは、Fried Seafood Basket Combo($19.00)、Jambalaya($12.50)、Shrimp Bisque($6.00)。それぞれ美味かったが、あれっ、結局、誰もPo Boy、注文しなかったぞ、と食べ終わる頃気がついた。

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RemouladeのHP: こちら

"Domilise's Po-Boy and Bar"という店の前で遭遇した、地元ルイジアナのおばさんの話はまだ続く。なかなか我々を解放してくれない。良い店があるよ、というので聞いているとどうも衣料品店らしい。それはまた明日にするとして、とりあえず今日の昼食をどうにかしたい。しゃべくり絶好調のルイジアナママの話を何とか遮って、俺たちはメシが喰いたいんだが何処かにいい店はないですか?と訊いてみると、やっぱりたいした店はないのよ、日本は良かったわなどと、また話が振り出しに戻ってしまった。
それでもどうにかこうにか聞き出したのは、ここから5分ぐらいのところに、行きつけの地元料理店があるらしい。5分はまさか歩きじゃない、車でだろうと、ようやくルイジアナママの話を振り切って元の駐車場まで戻り、Googleでナビ検索。
その滑舌ママが紹介してくれた"Mahony's Po-Boy Shop"は、たしかに東へ1.6マイルほど行ったところの住宅街。行く途中にもチラホラ店があるが、どれも閉まっている様子。住宅街の店じゃやっぱり無理だろうと諦め半分で着いてみると、怖れたとおり閉まっていた。
しかし、その"Mahony's Po-Boy Shop"だけでなく、並木通りに整然と並んだ辺りの建物は古き佳き時代の雰囲気を醸し出していて、何とも良い感じの場所だった。サンクス・ギヴィング・デーに来たのは不運だったが、もし機会があるならば、一度このようなところの店に入って、(あのルイジアナママは全然ダメと云っていた)アメリカの家庭料理をぜひ堪能してみたいという気になった。

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Mahony's Po-Boy ShopのHP: こちら

バーケリーから更に小1時間ほどで、目的地、ニューオーリンズに到着。途中の寄り道も含め、ベイタウンから約350マイル。キロに直すと約560キロメートル。東京からだったら、神戸を過ぎてしまうほどの距離。単に隣の州と云っても、やっぱりアメリカは広いと実感する。
もう午後1時過ぎなので、ともかく昼飯だ。アラフォー同行者が念入りに口コミサイト等を調べて見つけた店は、いわゆるケイジャン料理の有名店らしい。ヒューストンでも喰ったが、こっちが本場。やはり本場のPo Boyを喰ってみないと如何だろうということで、皆はふたつ返事で同意。
目的の「Domilise's Po-Boy and Bar」はアップタウンのウェストリバーサイドにあって、いわゆるフレンチクオーターなどがあるダウンタウンとはだいぶ離れている。今日泊まるホテルからでも、とても歩ける距離ではない。
辺りは全くの住宅街だ。店には駐車場がないとの情報なので、近所のショッピングモールに置かせて貰う。そのショッピングモールは、一番端っこにあるスーパーマーケット以外、閉まっている状態。駐車場はスッカラカンだ。悪い予感がする。目指す「Domilise's Po-Boy and Bar」も閉まっている恐れが高そうだが、取りあえず行ってみようと徒歩で数分。
やはり店は閉まっていた。こっちに住んでいる者には当たり前かも知れないが、ここは観光地ではないので、閉まっていて当然なのだろう。4人でちょっとしょげていると、何処からともなく地元のおばさんが現れ、如才なく「あんたたち、ジャパニーズ?それともコリアン?」と突然訊いてきた。ジャパニーズですよ、と答えると、なつかしいわ、日本橋室町で8年間働いていたから、だの(その割りには全然日本語を解せない)、日本料理は何を食べても美味しいわ、その点、ルイジアナの料理は全然ダメよ、だの、矢継ぎばやにまくし立てて、将にこれからそのルイジアナの料理を喰おうとしている我々の出鼻を挫いた。

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Domilise's Po-Boy and BarのHP: こちら

ベイタウンから車で長駆およそ300マイル、時間にして約5時間、テキサス州の東隣にあるルイジアナ州のバーケリー(Vacherie)という小さな町にやって来た。アラサー同行者が、ここに観光名所があると探し出して、ならば行ってみようと皆が同意しやって来た次第である(尤もここは、所謂、行き掛けの駄賃というやつだ)。もちろん小生は運転もしないので、只、云われるが儘、くっついてきただけである。
「風と共に去りぬ」はジョージア州アトランタが舞台だったが、ここルイジアナ州バーケリーにも、かつて黒人奴隷を労働力にした大規模プランテーションがあって、その大富豪が住んでいた邸宅が、今は観光名所になっている。そのひとつがここ、オーク・アレイ・プランテーション(Oak Array Plantation)である。スカーレット・オハラの実家は綿花栽培だったが、ここはサトウキビが作物。実際にそのサトウキビ畑は今も存在している。近所には、他にもう3つ、見学できるプランテーションがあるらしい。
しかし残念ながら今日は何処も閉館。サンクス・ギヴィング・デーで仕事が休みだから来たのに、サンクス・ギヴィング・デーのせいで観光地が休みでは、我々は未来永劫浮かばれない、と云うのは云いすぎだが、それにしてもかなり残念である。たぶん、もう来ることはないだろう。観光地こそ、祝日営業すべきだと、つい愚痴の一つでも云いたくなる。
まわりをぶらぶらしていると、草地(湿地?)で野焼きの最中だった。ちょっと歩いたところにレストランや土産物屋、宿屋(イン)まであった。どうやら、ここで結婚式を挙げるカップルもいるらしい。ビビアン・リーに成りきった気分に浸れるのかも知れない。

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Oak Array PlantationのHP: こちら

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