山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

山旅年間ベストテン

では、ベストファイブは以下の通り。

★第5位: 上越国境/白毛門

064 谷川岳と和尚。

この山も、高校時代からの久恋の山だったが、何故か今まで鬼門で、何度も敗退したり、計画が流れた。やはり上越国境の山は、残雪と新緑のコントラストが美しい。漸く登ることが出来て、喉に刺さった小骨が取れた思い、感慨もひとしおである。

★第4位: 前日光/細尾峠~薬師岳~三ノ宿山&細尾峠~薬師岳~夕日岳

31 アカヤシオを眺めながら出発。

2週続けて細尾峠から薬師岳に登り、前の週は夕日岳を経て古峯神社までトレース、翌週は三ノ宿山までトレースした。前者がひたすらアカヤシオだったが、後者はシロヤシオが主役。たった1週間で、すっかり主役が入れ替わることに驚いた。薬師岳まではそれなりに登山客は多いが、その先はどちらも静かなる山で、良い雰囲気を味わえた。
 
★第3位: 尾瀬~鬼怒沼湿原~日光沢温泉

061 出発してから約2時間。

このコースも、昔から温め続けて来たが、なかなか機会が得られなかった。生憎の雨だったが、深山の雰囲気を満喫することが出来たので気分は上々。全くピークを踏まなかったが、それはそれで一興。勿論、フィナーレを飾るのが日光沢温泉だから、このコースの魅力が増すのだと思う。雨で冷えた身体には、日光沢温泉の湯は最高の御馳走だった。
 
★第2位: 奥秩父/金峰山表参道

025 五丈岩が見えた。

これまで金峰山は、大方の人と同様、瑞牆山荘か大弛峠からの往復しかしたことが無かったが、アコウ平からの表参道が、これほど痛快な登りとは知らなかった。まだまだ、知らないことは多い。これに較べれば、前者の2コースは比較にならないほど詰まらない。鶏冠岩のクサリ場は、イヤらしいかなと少々危惧していたが杞憂だった。このコースを辿っても、大弛峠でその日の最終バスに間に合うと思うが、今回はそもそも金峰山小屋に泊まることも、目的の一つだった。期待に違わず良い小屋。いずれ、金櫻神社から歩かねばならないと思っている。
 
★第1位: 奥多摩/酉谷山

61 山頂は意外なほど眺めが良い。

そして、2016年の山旅ベストワンは、酉谷山。山そのものというよりは、大血川から山頂に至る、山の表情や植生の変化がとても興味深い。高校生の頃はよく登っていた山なので、その頃との違いを確認できたのも良かった。記憶が薄れたせいもあるが、酉谷山一帯を覆っていた篠竹は、いつの間にか一掃され、とても見通しが良い山に変身していた。3.11大震災の影響で閉鎖された小川谷林道は、2017年中には復活するらしいので、何れまた、今よりもちょっぴりだけ近い山になりそうである。それでも奥多摩で、最も山深い雰囲気は変わらないだろうと思う。その時はまた、三又にテント泊するのも良さそうだ。

残りベストファイブの前に、ベストテンには残らなかったものの、とても印象に残った山旅を6つピックアップしてみた。何れも、甲乙つけがたい、心に残る山だった。

★番外その1: 奥秩父/国師ヶ岳~白檜平~柳平

065 落葉松の林を過ぎて・・・

国師ヶ岳から北奥千丈岳、奥千丈岳を経て、黒金山との鞍部大ダオまでの道を石楠花新道というが、今回は途中の白檜平まで歩き、その後は林道を柳平まで下った。大弛峠には、金峰山へ向かうであろうハイカーがそれこそわんさかいたが、国師ヶ岳、北奥千丈岳へ向かう者はその10分の1程度、更にその先は誰にも会わなかった。これこそ、このコースの醍醐味。2016年の紅葉の色付きは全般的にいまいちだったが、この山旅の景色はかなり良かった方だろう。長い林道歩きも苦にならなかった。次回は是非、黒金山まで歩いてみたい。その時は前日、大弛小屋に泊まるのも良いかも知れない。

★番外その2: 御坂黒岳北尾根~南尾根

41 見晴台からドッカーンと富士山が見えた。

黒岳はそれなりに大きな山だが、大抵の場合、東西方向から登ることが多い。今回は、北尾根から登って南尾根へ下ると云う、ほぼ全てバリエーションルートを辿った。お陰で、山頂周辺以外は誰にも遭うことが無かった。北尾根から登ると、山頂(展望台)で突如、富士山が見えるところも、このコースの佳さかも知れない。
 
★番外その3: 沼津アルプス

036 ここは南アルプスが見える。

侮っていたつもりはないが、思ったより歯応えがある山だった。植生が、普段慣れ親しんでいる、中央線沿線や奥多摩の山と異なっているのも、魅力というか、大して緯度が違わないのに不思議だ。海を見ながら稜線を歩けるのは、日本の山ではなかなか経験できない。香港の山登りを彷彿させてくれる。山から下りれば海の幸が待っているのも、この山旅の魅力だろう。この次は、奥沼津アルプスにいくか。

★番外その4: 高原山(釈迦ヶ岳~剣ヶ峰~大入道&鶏頂山~釈迦ヶ岳~西平岳)

067 前黒山とシロヤシオ。

シロヤシオとヤマツツジで一杯の「釈迦ヶ岳~剣ヶ峰~大入道」と、紅葉の「鶏頂山~釈迦ヶ岳~西平岳」と、高原山には2回、足を運んだ。多少タクシー代は嵩むが、日帰りで登って来られるのは大きな魅力。大入道界隈のシロヤシオは、他ではなかなかお目にかかれない程、巨木で見応えがある。釈迦ヶ岳から西平岳へ向かうルートは、意外な野性味があって良かった。

★番外その5: 奥秩父/黒金山

07 直ぐに奥秩父らしい雰囲気。

これまで公共交通機関利用では、日帰りはなかなか難しい山だと認識していたが、タクシー代を奮発すれば、行って来られることに気が付き、計画。予想通り、大して苦労せずに黒金山まで到達できた。残念ながら、山頂では眺望に恵まれなかったが、黒金山周辺の奥秩父の雰囲気に浸ることが出来、ひそかに会心の山だったと自己満足している。それに引き換え隣りの乾徳山は、いくら眺めが良いからと云って、何故あんなに人が多いのだろうか。

★番外その6: 奥秩父/両神山~梵天尾根

083 あの岩壁の上が両神神社の社があったところ。

両神山は、見て佳し、登って佳しの名山だが、派生する尾根もなかなか魅力的。以前、隊長と八丁尾根を辿ったことは有るが、他の尾根は全く未体験ゾーン。今回下った梵天尾根も、予てより気になっていて、今回漸く機会を得ることが出来た。それでも梵天尾根そのものは両神山から秩父御岳山まで延々連なっているので、今回はごく端っこを齧ったに過ぎない。何れ、白井差峠から東をトレースしなくてはならない。

年が明けて既に1ヶ月も経って、いまごろ去年の総括をするのもナニですが、レポートそのものが1ヶ月遅れとなっている現状を鑑み、何卒ご理解下さい。順位付けは、全く個人勝手な、気紛れ的印象によるもの、くれぐれも大目に見て下さい。それでは先ず、第10位から第6位まで。

★第10位 天子ヶ岳・長者ヶ岳&毛無山

025 田貫湖と富士。

とにかく天気が良かったせいもあって、胸やけする程、富士山を見た。もう当分、富士山は結構、と思ったが、その後も結局、見続けている。この頃はシルエットだけで、どの方向から見た富士山だか判る(ような気がするだけかも知れない)。「休暇村富士」は口コミ通りに良い宿だった。この宿無くして、この山旅は有り得なかった。毛無山は標高差が大きくて、アルプス並みのしたたかな登りが続くが、そんな山を一日二回も登ると云う人がいて、たまげた。

★第9位 御座山&茂来山

032 山頂に到着。

どちらも、行こうと思ってなかなか行けなかった山だったので、ようやく安堵できた。どちらの山頂からも八ヶ岳が目の前だったが、その他に普段馴染みが無い形の山並みが見えたことが印象的。こっちの里からむこうの里へ、繋いで歩くのは楽しい、と感じた。やっぱり、単に往復では山旅という感じがしない。積雪期だったせいか、殆ど人と会わないところも良かった。結局、あまり手垢が付いた山は好きではないので・・・。

★第8位: 斑尾山&鍋倉山

087 稜線はもうすぐ。

残雪期のブナを求めて行ってみたが、芽吹きにはやや早く、積雪も少なくて(特に斑尾山)ちょっぴり残念。それでも鍋倉山の、見渡す限りのブナの森と、雪の白と空の青さのコントラストはとても印象的。今度は、芽吹きのタイミングを狙って是非、もう一度行ってみたい。民宿岸田屋の食事も、見栄えはそれ程でもないが、何気に美味かった。

★第7位: 双六岳&笠ヶ岳

182 端正な笠ヶ岳。

昨年の夏のメインイベント。そもそも笠ヶ岳は初めてだし、双六岳も30数年ぶりだったので感慨深い。天気もまずまず恵まれた。それにしても、鏡平は良い処にある。ウッドテラスで呑んだ生ビールは、堪えられない美味さだった。これほど喉が渇いた山も、記憶に無い。抜戸岳から笠ヶ岳へ至る稜線漫歩は、北アルプスならではの醍醐味。笠ヶ岳からクリヤ谷の下りもそれなりに絶景なのだが、さすがに飽きる。そして、なんだかんだ皆さん、良く歩いた。

★第6位: 恩若峰~源次郎岳~ペンションすずらん~棚横手

094 しかし今日の主役はやっぱり富士山。

是非、ペンションすずらんに泊まろうとして、そのために付随的に捻ったプランだったが、思っていた以上に良くて心に残った山旅となった。天気が良かったのも大きい。特に2日目は、薄いもやが谷間に溜まり、幾重にも連なる山の陰影が強調されて、とても印象的な風景だった。富士山が、ピカピカ輝いていた。そして、山旅はそれなりの距離を歩かないと印象に残らないものだと、つくづく感じた。

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