山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

北アルプス

新穂高温泉までは松本からバスで2時間余。西側の高山からも同じく2時間程かかるので、この辺りは鉄道から最も遠い場所にある。個人的には、松本から高山まで、スイスにあるような本格的な山岳鉄道を通して欲しいものだと密かに願っている。勿論、支線として新穂高温泉と上高地にも繋げて、新穂高温泉や上高地界隈は自動車の乗り入れ禁止エリアにしていただく。車両は、松本電鉄の様な長閑な各駅停車の普通列車だけでなく、氷河特急のような、食堂車付きの豪華な観光列車も走らせて欲しい。ちなみに氷河特急をサンモリッツからツェルマットまで乗ると、約8時間、ファーストクラスで35,900円もするが、それでも世界中から人が集まってくる。話が脱線した。
わさび平小屋は、新穂高温泉から1時間余。足慣らしには少々近過ぎるか、と思っていたが、陽気のせいか、それとも道中日差しを遮るところが少ないせいか、暑くて堪らない。たっぷり汗をかかされ、もうこれ以上は歩きたくないな、と思い始めた頃に小屋が姿を現した。やっぱり山小屋はオアシスだ。
丁度、河童橋から歩いて明神館に着いたような感じ。小屋の脇には、豊富な水を引き込んで、リンゴやオレンジ、スイカ等が冷やされている。なかなか美味そうだが、所詮、ビールには敵わない。ともかく、暑くて何もする気が起こらないし、日影から出られない。早速、受付を済ませたら冷たい缶ビール(レギュラーサイズ500円)で乾杯。は~しみる~。 
ひと息ついたら、荷物を部屋に入れる。濡れたものは乾燥室へ(ここの乾燥室はとても強力)。我々の部屋は2階の一番奥(小屋の正面から見て一番手前の右側)。布団は12人分。我々以外に3人居たので、まずまずの混み具合。整理が終わったら、酒とつまみを持って再び外のベンチへ。ワインと日本酒をちびちびやりながら、空き具合を見計らって風呂場に向かう。そう、ここには風呂がある。温泉ではないが、ちゃんとした設備が整っているので、最早、山小屋の風呂ではない。
風呂から上がれば、そろそろ夕食。それなりに宿泊者が多いせいで、夕食は2ラウンドで、我々は1ラウンド目。広くて明るい食堂に集まる。壁に飾られている山の写真は、おそらくこの小屋のオーナーで、山岳写真家の小池潜の作品だろう。なかなか料理も豪華。山小屋として最上級だろう。明日からの英気も、これで養える。
翌朝、ややガスが出ているが、時折星空も姿を現すので、まずまずの天気。朝食も、夕食並みに豪華なものだ。小鉢には、こも豆腐が入っていた。ここが岐阜県高山市であることを思い出した(山の記録はこちら)。

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針ノ木小屋を出た後、結局一日中雨に降られ、ぐっしょり濡れネズミ状態で、種池山荘によたよた到着(山の記録はこちら)。朝から展望は全くなかったが、種池山荘に着く頃にはガスが切れ始め、爺ヶ岳も見え出した。今日は散々だったが(途中でねん挫した、くまちゃんがひときわ散々)、天候回復の兆しが見えたのは嬉しい。できればもう半日早くなって欲しかったところだが、まあ、それも皆(含、小生)のこの頃の行いが、いまひとつだったせいだろうか。さすがに北アルプスの稜線は、雨が降っても楽しめるとは俄かに言い難い。
ここ、種池山荘は昨年も泊まった。これでここ5年間で3回目になる。我々の部屋は3階東側の大部屋。それでも布団は1枚に1人ずつなので助かる。雨具を乾燥室に吊るし、着替えも済ませさっぱりしたところでも、時間はまだ2時前。さて一杯やるかー、と喫茶室へ。ここの喫茶室はなかなか良い雰囲気。天気さえよければ窓から蓮華岳、針ノ木岳が良く見える。
まずはビールを呑まないと、何も始まらない。ここも生ビールは1杯1,000円だが、全く躊躇せずにオーダー。受付の若い女性従業員にお金を渡すと、その引き換えに「この札を外の者に渡して下さい」と云われる(毎度そうなので、疑問は持たない)。サンダルを履いて、小屋の外からアクセスする窓口に行き、札を渡して、ジョッキにビールが注がれるのをじっと待つ。若い男性従業員から「お待たせしました!」とジョッキを渡され、それを握ったまま喫茶室に戻り、グビッとやる。ふー。一方、のんちゃん、なおちゃんの場合は、若い男性が喫茶室までビールを出前してくれた。何故、扱いが違うのかね?
この小屋の顧客満足度としては、北アルプスでも上位にランクされるとは思うが、あえて、難を云えば、トイレが全て和式であること。膝を痛めた者には苦行を強いられる。何とか改善をお願いしたい。出来れば、バイオトイレにしてくれるともっと有難い。とは云うものの、この次ここへ来るのはどんな機会だろうか。

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今年の夏山合宿は、5年ぶりの針ノ木小屋。前回は小屋から針ノ木大雪渓を下ったのだが、今回は登り。生憎のガスで、視界は数十メートル程度。下りてくる登山者が、雨交じりのガスの中から忽然と現れる。大変涼しくて良いが、眺望が一切無く、気分を癒してくれる高山植物も見えないので、只、黙々と登るしかなかったのはやや残念。
なんとか針ノ木小屋に辿り着き、そのままの勢いで蓮華岳を往復して、また小屋に戻ってきたのが午後4時。我々の部屋は個室ではないが、9人で実質的に貸切状態。これで心おきなく酒が呑めると云うもの。この小屋は大部屋スタイルではないので、パーティの人数に応じて部屋割してくれる。それができるのも、宿泊者が意外に少ないと云うことか。実際、我々の部屋の西側(部屋と云うよりは、広い通路と云う感じ)と、北側の小部屋には誰もやってこない。隊長が小屋番に聞いたところによれば、昨今、お盆の頃はこんなものらしい。
濡れたものを乾燥室に入れ、落ち着いたら、先ずビール。フロントで小屋番に注文すると、ジョッキに注がれたエビス生ビールを渡される。1,000円と高額ではあるが、背に腹は代えられない。歩いた後にビールを呑むことは、小生とって業と云っても良い。部屋に戻り、乾杯。生憎の陽気なので部屋呑みだが、晴れていれば窓から外の景色も見えるはず。
まあそんなことはともかく、宴会開始。今日はワイン4本と日本酒1本が勢揃い。つまみはちょっと食べ切れないほどが並んだ。ここは標高2,536mある。一般に、標高が高いと酔うのが早いと云うが、本当にそうなのかは良く判っていないようである。少なくとも学術的根拠は見つかっていないらしい。酒に酔うのはエチルアルコールの血中濃度に左右されるが、標高が高くて酔ったような気分(酒酔いとは別)になるのは、血中酸素濃度の低下によるもの。つまり全く別物なのだが、両方に敏感な人は、なんとなく相乗効果か何かで酒酔いが早くなったように感じる(あるいは錯覚する)らしい。小生は、どうも両方に鈍感の様なので、気にせず、がぶがぶやる。
夜半から強くなった雨の音に何度か目を覚ます。出発時にこの調子だったら明日は停滞かな、と思いつつ、うとうと。果たして、出発時間になっても雨は止まなかったが、小降りになった頃合いを見計らい意を決して出発、結局、降ったり止んだりの一日だった。

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針ノ木小屋のHP: こちら 

室堂を朝一番、7時45分発のトロリーバスに乗り、ロープウェイ、ケーブルカーに乗り替えながら、大観峰、黒部平を経て黒四ダムに到着。女子連の希望により、ここで暫し時間をとる。今日も良い天気。ダム湖の上流には赤牛岳、下流には大タテガビンが良く見えている。
女子連がダム観光に精を出している間、もう何回か来ているため、さして観光には関心を示さない小生は、2階のレストハウスでビールを呑もうかと階段を上がろうとすると、「準備中」の看板が見えた。開店は9時からとのことである。只今、8時45分。むぅ~、残念。客がやってくる時間に合わせて開店してくれないものかね、と小言を云いたくなるのをぐっと呑み込んで、次善策として1階の売店でビールを物色。「黒部の月」なる地ビールがあった。これで何とかなりそうだ。
売店の前に並んでいるベンチのひとつを確保する。ベンチは、ダムと立山の方に向かって置かれている。立山を見上げながら、グビッと一杯やる。こりゃ、いい。目の前を、扇沢からやってきた観光客と、室堂側から下りて来た登山客が交差する。どちらも、ベンチでちょっとひと休み。でも、どちらもビールなんか呑んだりしない。
ふと見ると、「カメラのシャッター押します」と云いながら、観光客のカメラを受け取り、シャッターを押している商売人(プロのカメラマン)がいる。もちろん、シャッターを押すだけで商売になる筈が無い。何か細工があるのだろうと思っているうちに、いつのまにか我が女子連も、シャッターを押して貰っていた。さっそくカモになったようだ。
あとで訊けば、個人用カメラのシャッターを押すのと引き換えに、商売人のカメラでも撮らせてくれと云うそうだ。そしていつの間にか、近くにあるプリンターから商売人の写真が印刷されて出て来ていて、如何でしょうか、○○○円ですが、となるそうだ。そうなるとつい買ってしまい、いつのまにか商売人のペースに嵌っているという仕掛け。この手の商売に引っかかるのはたいてい女。それも、判っていて引っかかるのだから、男には到底理解できない。 

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剱御前小舎から雷鳥沢を一気に下り、沢の出合から一転、みくりが池温泉までひと汗、ふた汗かいて登り返した後、漸く宿の前にあるテラスのテーブル席に着くと、取るもの取り敢えず、先ず真っ先に生ビール(700円)を調達。まだ12時過ぎ、今日も一日良い天気だ。ここのテラスはとても気持ちいいが、日差しが強いのでジリジリ焼けそうだ。ひと息ついたあと、まだ時間が早いので、チェックインして汗を流したら、昼寝でもして午後4時にまたテラスに集合と云うことで一旦解散。
ここ「みくりが池温泉」は、畳敷きの和室と、ドミトリー式の2段ベッドが並んだ相部屋がある。前者は浴衣も付いているので完全に温泉旅館と云っていいが、後者はちょっと気の利いた山小屋という感じ。我々は2段ベッド。荷物を部屋に置いたら温泉へ。
ここは正真正銘の日本一標高が高い温泉。そのせいか、風呂場は激込み状態。特に、脱衣所が狭いので、これから入る人は着替えを持ったまま、風呂から上がった人はタオルを腰に巻いた状態で辛抱強く待っている。小生も行き掛かり上、その群れに入ってしまったので気長に待つ。
何とか風呂に入ってさっぱりした後は、レストランで白海老の唐揚げと生ビールを注文。白海老なんてあるのは、流石ここも富山県ということか。この宿は、風呂場に行く途中にレストランがあるので、風呂上がりには、自然とここでビールを呑むことになる。実に憎い配置である。なおちゃん、のんちゃんも同様に引っかかってまた乾杯。
風呂上がりの一杯をエンジョイした後は、部屋に戻ってしばし昼寝。ほろ酔い加減で熟睡できた。
4時になったので外のテラス席へ。まだカンカン照りで、日焼け止めが必要な状況。持参したワイン、日本酒、つまみで暫し、この雲上の楽園を楽しむ。聞くところによると、モンベルカードがあれば、ソフトクリームがタダとのこと。へ~、タダだったら喰ってみるかと、ん十年ぶり(?)に喰ってみた。もちろん、酒の肴にはならないが、今日の陽気には悪くなかった。

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北陸新幹線で富山に入り、電車、ケーブルカー、バスを乗り継いで室堂に入ったのは11時過ぎ。やはり信濃大町側から入るのに比べればだいぶ早い。今日は雷鳥沢ヒュッテ泊まりなので、室堂界隈でのんびりしているだけでも良いのだが、せっかく抜群の天気なので、滅多に行くことが無い(小生も今回が初めて)龍王岳に登ってみた。薬師岳へとつながるダイヤモンドコースの縦走路から、ちょっとだけ外れているため、思いの外、静かな山を楽しめる。
かなり満足したあと、浄土山経由で室堂に戻る。もう今日は終わったような気になったので、自動販売機からゲットした缶ビールで喉を潤す。ところが記憶はいい加減なもので、今宵の宿、雷鳥沢ヒュッテまでは基本的に下るだけ、と思っていたら、意外に登りがあることに気が付いた。たった1杯の缶ビールでも、結構足に来る。せっかく呑んだビールが全て汗となって抜けた頃、雷鳥沢ヒュッテに到着。
山小屋にしては斬新的な建物、厚切りの板わさのような形のヒュッテも、近づいてみると老朽化が目立つ。長年、冬季の10mを超える積雪と季節風に耐えてきたことを如実に物語っている。右に回り込んで入口へ入る。テラスでは、ビールを呑んで良い調子の方々がいる。テラス席をもっと広げれば、スイス・ツェルマットのCaféもかくや(行ったことないけど、妄想)という感じになるのに勿体ない。我々もチェックインを済ませたら、負けじと生ビール(700円)を注文、ロビーのソファーでお疲れさん乾杯。ふ~生き返るね。
我々の居所は大部屋だが、堂々と一人で布団に寝られる待遇。窓の外には立山連峰が、傾きかけた陽に照らされて輝いて見える。全く問題ない、豪勢なものだ。風呂はかなり混んでいるとの情報だったが、行ってみると洗い場が塞がっているだけだったので、なんとか湯船の湯を使って汗を流す。
風呂から上がったら、酒とつまみを取り出して暫し宴会。未だ陽が残っていて、窓の外の景色を見とれながらちびちびやる。酒を呑みながらの眺めで、これほどの景観には先ずお目にかかれない。今日は、一点の曇りもない一日だった。

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焼岳登頂を果たし大パノラマを堪能したら、少々名残惜しいが上高地を目指して下山開始。先ずは焼岳小屋へ。多少ザレたところもあるが、概ね歩き易い道。まだ、笠ヶ岳や穂高、霞沢岳等が視界に入ったままの下山なので、自ずと歩みは遅れがちになる。U字渓谷を蛇行して梓川が流れているのが見下ろせる。その周囲に上高地帝国ホテルの赤い屋根を始め、いくつかのリゾート施設が点在しているのも視認できる。スイスアルプスもかくや、という眺め。見上げると霞沢岳の上には、刷毛で掃いたような上層雲がやってきたが、それも上高地に下りる頃にはいつのまにか見えなくなった。
焼岳小屋は、針葉樹林帯の中、まったく眺めがない狭隘な地形に建っている。建物自体は小じんまりしているが、辺りにはかなり多くの登山客、それも若者達が屯している。丁度昼時だからだろうか。なかには、小屋の目の前の岩でボルダリングに興じている者もいる。冷たいジュースでも売っていれば(勿論、まだ先があるのでビールではない)飲みたいところだったが、腰を降ろす場所もないので素通りする。
再び樹林帯から出てガレ場の急降下となる。やがて峠沢に沿って下るようになり、見上げれば荒々しい焼岳のドームが覆い被さってくるようだ。この峠沢はかつて溶岩流か火砕流が流れ落ちたのか、カール状に深く抉れている。中の湯側とは全く違った焼岳の容貌を見せている。急な岩壁に掛けられた長い長いアルミ梯子で数人が渋滞中。見ればストックが邪魔している様子。鎖場、梯子場でのストックは百害あって一利なし、さっさと仕舞うべし。この先は、延々樹林帯の中、眺めが無ければ黙々と足早に下るだけ。
次第に傾斜が緩くなり、樹相も変わり、上高地の一角に入ってきたのを感じる。やがて車道(治山運搬路)と合流。さらに先へ進むと田代橋への分岐。とたんに観光客がぞろぞろと現れる。上高地温泉ホテルまで来るともはや観光客だらけ、登山姿は殆どいない。やや場違いな雰囲気すら感じる。空が広くなり、眺望も得られ、迫力ある前穂高・明神岳山群が眩しい。その先、五千尺ロッジや西糸屋が並んでおり、折角なのでビールでも飲もうかと寄ってみるが、気が利いたテーブルが見当たらない。結局、今日の宿、白樺荘まで来て、売店の前のテーブル席を確保。日当たりが良く、風が全く吹かないのでかなり暑い。河童橋の奥に六百山の異形が間近に聳えているのを眺めつつ、ビールでひとり乾杯。目の前を観光客やら登山客らが引きも切らない。さすが、上高地の中心地である。そのうち、明神池の嘉門次小屋で、蕎麦と岩魚塩焼きを喰って来たというカミさんと合流し、その後も青空天井の下で、行きかう人々の表情を眺めつつ暫しビール。
やがて陽が山並みに隠れ、涼しくなってきたので白樺荘にチェックイン。通された部屋は、見事に遮るものが無い穂高連峰が窓の真ん前。これだけでこの宿の価値があるというもの。その引き換えと言っては何だが、この宿の大きさにしては大浴場は(湯船も洗い場も)だいぶ小さい感じ。特別景勝地にあるので廃水処理には何かと制約があるだろうが・・・。ま、それでも山帰りの身としては汗を流せるだけで満足できる。
夕食はメインダイニング。窓の外には日没後でも相変わらずぼんやり穂高連峰が見えている。料理は欧風懐石とのことだったが、いきなりオードブルが二皿、味はともかく量が半端ない。これだけで腹七分目ぐらいいってしまった感じ。このあと、スープ、サラダ、リゾット、魚料理、肉料理、デザートと続くのだが、とっても全部は食べきれそうにない。スープとリゾットは省いてもらった。今日は結局、ほぼ一日中ピーカン快晴だった。それにこれほど長い時間、穂高を眺められたことも記憶にない。たまにはこんな日も与えてやろうという、山の神の思し召しだったのかも知れない。

コースタイム:
1日目: JR松本駅12:44発⇒新島々駅13:14着/13:30発⇒中の湯BS 14:22着⇒(送迎車)⇒中の湯温泉旅館
2日目: 中の湯7:25発→P1 8:10着/8:15発→P2 9:03着/9:08発→P3 9:55着/9:58発→焼岳北峰10:43着/10:52発→焼岳小屋11:46着→P4 12:19着/12:24発→ホテル白樺荘13:44着
3日目: 白樺荘7:30発→上高地バスターミナル7:40着/8:00発⇒新島々駅9:05着/9:19発⇒JR松本駅9:48着

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松本城近くの蕎麦屋「たかぎ」で蕎麦を手繰った後、駅に戻り、松本電鉄上高地線に乗る。窓の外は、たちまち長閑になる。沿線は丁度稲刈りの時期。蕎麦の白い花も満開である。新島々駅で上高地行のバスに乗り換え、中の湯BSで下車。釜トンネル手前のBSには中の湯の売店兼連絡所があり、迎えの車を呼ぶことができる。急斜面に造られた、安房峠へ向かう九十九折りの道の途中に宿があるので、歩いて辿り着くのは少々難儀である。中の湯温泉旅館(標高約1,520m)は、玄関から真正面に霞沢岳、やや左手奥に穂高の吊尾根が見えるという、抜群のロケーションである。かつては、バス道からも見える位置にあったと記憶しているが、その後現在の場所に移転し、建物もリニューアルされた。ただ、昔の露天風呂(卜伝の湯)だけはまだそのままの場所にあるようだ。
チェックインしてさっそく一風呂浴びたら、ビールをちびちび飲みながら外の移り行く景色の変化を眺める。穂高連峰もすっかり見えてきた。明日は良さそうだ。宿にもらった焼岳の案内図を眺めて予習してみる。夕食を食べたあと、地酒を舐めながらまったりとしていたらいつのまにか(たぶん8時頃)就寝。
翌朝5時起床。すぐに窓の外を見る。まだ薄暗いが、雲が全く見当たらないことは明らかだ。北アルプスの山に来て、天気の良し悪しは雲泥の差。ささやかながら気分が高揚してくる。7時の朝食を摂ったら直ちに出発。ゆっくり味わえなくて少々残念。玄関から見上げれば将にピーカンの天気だ。道標はないが、宿の裏にはっきりした道があり、これを辿っていくと車道に出る(標高約1,600m)。路上駐車した車がびっしり並んでいる。車道から再び山道に分け入る。暫く進むと傾斜がきつくなり、どんどん高度を稼ぐ。振り返ると木々の間に、まだ安房山(2,219.4m)の方がだいぶ高い。地図上では、標高1,800m辺りで傾斜が緩くなるが、実際には細かい急登や平坦を繰り返すような複雑な地形になっている。
標高2,000m辺りで針葉樹は疎らとなり、明るくなる。ナナカマドがかなり色付いている。抜けるような青空。行く手に焼岳が見える。灌木帯を抜けると突然、展望が開ける。周囲に目を向け、ついつい写真を撮ってばかりで歩みが遅くなる。こんなに霞沢岳をじっくりと眺めることはこれまで無かった。右側にガレた涸れ沢(下堀沢)が現れ、これに沿うようにまた登りがきつくなる。見上げれば、噴煙の辺りに登山者がアリのように群がっているのが見える。
標高約2,400mで、北峰と南峰との鞍部に出る。火口に池が見える。さすがにこのあたりは人が多い。南峰の方が高いが登山禁止となっている。鞍部を北側に進むと上高地側への道との分岐点。北峰登頂のため多くのリュックサックがデポされており、小生もこれに倣ってデポして北峰へ。山頂まではほんの一投足。360度の大パノラマだか、やはり目立つのは槍・穂高連峰。槍・穂高を縦から眺めると、より一層立体的に感じられ、惚れ惚れする。ここは最高の展望台かも知れぬ。

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