山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

北アルプス

鏡平から笠ヶ岳は、将に日本アルプスらしい稜線漫歩の気分が味わえ良い気分。一方、笠ヶ岳からの下り、クリヤ谷ルートは、他の北アルプスの登山道に較べると、利用者が少ないせいかやや荒れた印象だが、特段不明確な部分はないので、道迷いの心配は無い。笹に捉まりながら下りる部分は、上越国境周辺の登山道を彷彿させる。途中で、テントを担いだ単独行2人と行き違ったが、ここを登る根性は大したものだと感心する。
岩稜帯の下りや大小様々な石の乗り越え、沢の渡渉等、それなりに変化はあるものの、標高差約1,900m、下りだけで6時間余というのは、はっきり云って飽きるし、疲労で足の動きも次第に鈍くなる。誰も怪我無く(除、軽い打撲や擦過傷)下りられたのは、ともかく幸いと云うべきだろう。
途中、歩くペースの違いから二つの班に分け、A班の登山口到着時刻は15時49分、一方、B班は16時39分で、結果的に約50分のタイム差で済んだ。A班は、中尾高原口BSで15時59分発のバスに間に合ったとのことだが、B班を待っていてくれた。その間、ビールを探し回ってみたが、見つからなかったらしい。地元の商工会の方に云いたい。是非、中尾高原口BSに、缶ビールの自動販売機を置いていただきたい。レギュラー缶500円だって買うな、きっと。
中尾高原口BSから、今宵の宿「宝山荘」がある上栃尾BSまで、バスだとわずか8分だが、歩くと1時間。既に13時間余り歩いた後では、とても更に1時間歩く気にはならないが、宿の送迎は無く、辺りにタクシー会社も無いとのこと。つまり16時59分発のバスを逃すと、もう1時間待たなくてはならなかったので、その点でもB班の到着時刻は上手い具合だった。
「宝山荘」は上栃尾BSの直ぐ前。よたよたと玄関に辿り着く。仲居さんには暖かく迎えられるが、もうビール無しには何もしゃべれないし、何も出来ない。直ちに1階の自動販売機で缶ビールを購入し、部屋に入ったら着替えは後回しに、先ずはおつかれさん乾杯。うひ~、美味い。あ~、ほっとした。もう夕食の時間がせまっているので、そうのんびりもできない。さっと風呂(もちろん温泉)に入って汗を流したら、すぐに食事処へ。
料理は奥飛騨温泉郷にある宿らしく、基本的に地のものらしいメニュー。もちろん、高山名物の朴葉みそ焼きや、飛騨牛の陶板焼きも出てきて、十分に満足。酒は高山、平瀬酒造店の久寿玉。もう、なにも云うことは無い。めでたし、めでたし。

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午前3時半過ぎに鏡平山荘を出発し、快調に稜線へ。弓折岳から南下する稜線は、アップダウンはそれなりにあるものの、とても気持ちが良い。流石は北アルプス、わざわざやって来た甲斐がある。のんびりと歩いていたい気分。帰りのことを考えると、そうもしていられないが、少なくとも笠ヶ岳までは楽しめる。
笠ヶ岳からやってくる登山者はそれなりに多い。しかし、我々と同じ方向(弓折岳→笠ヶ岳)に進む者は少ない様子。やはり笠ヶ岳に登るには、笠新道経由が多いということか。
途中、リュックサックをデポし、空身で抜戸岳を往復。抜戸岳山頂から望む笠ヶ岳は、甲斐駒ヶ岳から望む北岳に似て、すっきり端正。惚れ惚れする程、恰好が良い。目の前に見えてから、なかなか着かないのはよくある話で、笠ヶ岳も例外ではない。
やがて、笠ヶ岳本体の登りとなり、テント場に到着。ここのテント場は、眺めが良い場所に雛壇のようになっていて、小屋はすぐ上にあるように見えるが、辿り着くまで意外に大変。実際、15分くらいかかるので、焦らず登る必要がある。テントにいて、急にトイレに行きたくなったら心配だ、と思うような距離である。
ゆっくり登れば笠ヶ岳山荘に到着。小屋の外も中も、殆ど登山客がいない。双六小屋辺りとは大違いである。今回は暑さのせいか、度々冷たい飲み物が欲しくなるが、笠ヶ岳山荘でも飲み物が待ち遠しかった。売店に並んだ何種類かあるボトルの中から、オランジーナ(400円税込)をもらうことにした。正直云って、飲むのは初めてかも知れない。
外のベンチでグビッと飲む。は~美味い。カップラーメンもそうだが、ジュースはいくら冷えていたとしても、下界では食指は動かないが、山の上では最高に美味い。これでまた、笠ヶ岳を越えていく活力が生まれた気がする。その意味で、笠ヶ岳の直下にあるこの小屋は、実に良い場所にある。今度ここに来る機会は何時になるか判らないが、その時は是非、泊まって、ビール片手に槍穂高を眺めてみたい。

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弓折岳直下、標高約2,280mのところに鏡平山荘がある。名前の如く、この一帯は平らな地形で、大小の池(鏡池など)や池塘が点在し、その周囲をダケカンバやナナカマドの木々が茂っていて、箱庭という表現が相応しい。下界は見えないので、ここの標高を実感するのは周りの風景のみ。東側には、槍・穂高連峰が壁のように聳えている。こんなところにある山小屋だったら、誰でも泊まりたくなるはず。
双六岳へ登る途中に、ここ鏡平山荘で飲んだのはネクターだったが、双六岳からの帰りに呑むのは勿論生ビール(900円税込)。同じ山小屋グループの双六小屋では生ビールが1,000円、麓のわさび平小屋では800円だったことからも、ここが中間点であることを実感させてくれる。高山植物と、池塘に囲まれたテラスでのビールは格別である。
ビールを呑んでいるうちに次第に冷えてきたので、小屋内へ移動。我々が泊まった部屋は、図らずも個室だった。人数が纏まっていたことと、事前予約のおかげだろう。部屋には「焼岳」と云う名前がついていた。荷物の整理や濡れたものを干すのに一頻り。ここの乾燥室も、わさび平小屋に負けず劣らず強烈。忽ち乾く。
個室の壁には小さな張り紙で、部屋内での飲食禁止、と書かれていたが、個室だし、綺麗に使えば問題なかろうと、荷物整理が一段落したら、部屋呑み。下界から持参したアルコールは、全てわさび平小屋で飲み干してしまったので、缶ビールとカップ酒を現地調達。鏡平山荘で売っているカップ酒は、その名も「双六」(しかし、ラベルの山はどう見ても槍だ)。高山市街にある、二木酒造の酒だった。この小屋の住所も高山市なので、至極当然なのだが、つい、こんな処にも高山の酒がある!と思ってしまう。
夕食は4ラウンド中、3ラウンド目。今日は150人程が宿泊とのこと。食堂は、板張りに床に座って食事するスタイル。見渡すと、テーブルは5列で、都合42人が座っていた。食事は、山小屋にしてはかなり充実していると思う。これらは全てヘリで運ばれたのだろう。有り難くいただく。
食後は外へぶらぶら。まだ、テラスには多くの登山者が屯している。辺りはすっかりガスに包まれていて視界が利かないが、時折ガスの切れ間から槍・穂の姿が現れると、天上の楽園にいることを実感する。明日はいよいよ笠ヶ岳。予定は3時起きなので、早いところ寝るとしよう。

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北アルプス2日目は、わさび平から鏡平まで小池新道(小池潜の父親の小池義清らが開設)を上がった後、着替えやアルコール・つまみ等の荷物を山小屋にデポしてから、双六岳を往復。鏡平から素直に笠ヶ岳を目指しても良かったのだが、せっかく近くまで来たので、裏銀座にも足を伸ばしておこう(裏銀座を歩いたことが無い人も多いので)と云う魂胆である。
昨年、一昨年と、北アルプスの夏山山行(種池山荘~五竜岳、針ノ木岳~種池山荘)では生憎の天気だったせいか(っていうか、ここ数年で晴れたのは昨年の立山ぐらい。どうも、うちには強力な雨女がいるような・・・)、今回のように、暑くてふうふう云いながらの稜線歩きは、このところ記憶に無い。夏山って、こんなに暑かったっけ。次第に暑さに弱くなっている(熱中症に罹り易くなっている)のも一因かも知れぬ。
とにかく暑くて喉が渇く。500mlのペットボトルがみるみるうちに空になっていく。鏡平山荘で飲んだ不二家ネクター・ミックス(何故か、ネクターしか無かった)は、冷たくて美味かったが、砂に零した水の如くあっという間に飲み干した。
双六小屋はかなり遠くからみえるのか、歩いても歩いても中々近付かないかった。漸く辿り着いてみると、流石は裏銀座、大変な賑わい。まだ午前中にもかかわらず、テント場には大小様々、色とりどりのテントが並んでいる。さながら展示会のようである。ここまで来たのでみんなには双六岳に行ってもらい、自分一人だけここで昼寝でもしてようか、という気持ちももたげてくる。
荷揚げ用のヘリも、働き蜂のように頻繁にやって来ては、去っていく。ガスが上がってくるまでの勝負、ということだろう。小屋に寄って、緑茶のペットボトルを購入。というか、それ以外にはミネラルウォーターしかない。荷揚げが登山者の需要に間に合っていないということだろう。でも、そのお茶は冷たくて美味かった。もちろん、直ぐに無くなってしまったが、気分はリフレッシュ、やっぱり双六岳を往復してこようという気持ちになった。
おかげで双六岳の山頂で昼寝しながら待っていてくれたという、Woodyさん(前日に鏡平泊)にも会うことができた。再び双六小屋に戻り、小屋でまたお茶を買おうとしたら既に売り切れ。新たにジュースなど数種類が冷蔵庫に並んでいた。しかし、残念ながらどれも冷えていない。さっき荷揚げしたばかりのものだから当然だ。それでも客は次から次に買っていく。仕様がないので、小生もぬる~いオレンジジュースで喉の渇きを癒した。

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新穂高温泉までは松本からバスで2時間余。西側の高山からも同じく2時間程かかるので、この辺りは鉄道から最も遠い場所にある。個人的には、松本から高山まで、スイスにあるような本格的な山岳鉄道を通して欲しいものだと密かに願っている。勿論、支線として新穂高温泉と上高地にも繋げて、新穂高温泉や上高地界隈は自動車の乗り入れ禁止エリアにしていただく。車両は、松本電鉄の様な長閑な各駅停車の普通列車だけでなく、氷河特急のような、食堂車付きの豪華な観光列車も走らせて欲しい。ちなみに氷河特急をサンモリッツからツェルマットまで乗ると、約8時間、ファーストクラスで35,900円もするが、それでも世界中から人が集まってくる。話が脱線した。
わさび平小屋は、新穂高温泉から1時間余。足慣らしには少々近過ぎるか、と思っていたが、陽気のせいか、それとも道中日差しを遮るところが少ないせいか、暑くて堪らない。たっぷり汗をかかされ、もうこれ以上は歩きたくないな、と思い始めた頃に小屋が姿を現した。やっぱり山小屋はオアシスだ。
丁度、河童橋から歩いて明神館に着いたような感じ。小屋の脇には、豊富な水を引き込んで、リンゴやオレンジ、スイカ等が冷やされている。なかなか美味そうだが、所詮、ビールには敵わない。ともかく、暑くて何もする気が起こらないし、日影から出られない。早速、受付を済ませたら冷たい缶ビール(レギュラーサイズ500円)で乾杯。は~しみる~。 
ひと息ついたら、荷物を部屋に入れる。濡れたものは乾燥室へ(ここの乾燥室はとても強力)。我々の部屋は2階の一番奥(小屋の正面から見て一番手前の右側)。布団は12人分。我々以外に3人居たので、まずまずの混み具合。整理が終わったら、酒とつまみを持って再び外のベンチへ。ワインと日本酒をちびちびやりながら、空き具合を見計らって風呂場に向かう。そう、ここには風呂がある。温泉ではないが、ちゃんとした設備が整っているので、最早、山小屋の風呂ではない。
風呂から上がれば、そろそろ夕食。それなりに宿泊者が多いせいで、夕食は2ラウンドで、我々は1ラウンド目。広くて明るい食堂に集まる。壁に飾られている山の写真は、おそらくこの小屋のオーナーで、山岳写真家の小池潜の作品だろう。なかなか料理も豪華。山小屋として最上級だろう。明日からの英気も、これで養える。
翌朝、ややガスが出ているが、時折星空も姿を現すので、まずまずの天気。朝食も、夕食並みに豪華なものだ。小鉢には、こも豆腐が入っていた。ここが岐阜県高山市であることを思い出した(山の記録はこちら)。

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針ノ木小屋を出た後、結局一日中雨に降られ、ぐっしょり濡れネズミ状態で、種池山荘によたよた到着(山の記録はこちら)。朝から展望は全くなかったが、種池山荘に着く頃にはガスが切れ始め、爺ヶ岳も見え出した。今日は散々だったが(途中でねん挫した、くまちゃんがひときわ散々)、天候回復の兆しが見えたのは嬉しい。できればもう半日早くなって欲しかったところだが、まあ、それも皆(含、小生)のこの頃の行いが、いまひとつだったせいだろうか。さすがに北アルプスの稜線は、雨が降っても楽しめるとは俄かに言い難い。
ここ、種池山荘は昨年も泊まった。これでここ5年間で3回目になる。我々の部屋は3階東側の大部屋。それでも布団は1枚に1人ずつなので助かる。雨具を乾燥室に吊るし、着替えも済ませさっぱりしたところでも、時間はまだ2時前。さて一杯やるかー、と喫茶室へ。ここの喫茶室はなかなか良い雰囲気。天気さえよければ窓から蓮華岳、針ノ木岳が良く見える。
まずはビールを呑まないと、何も始まらない。ここも生ビールは1杯1,000円だが、全く躊躇せずにオーダー。受付の若い女性従業員にお金を渡すと、その引き換えに「この札を外の者に渡して下さい」と云われる(毎度そうなので、疑問は持たない)。サンダルを履いて、小屋の外からアクセスする窓口に行き、札を渡して、ジョッキにビールが注がれるのをじっと待つ。若い男性従業員から「お待たせしました!」とジョッキを渡され、それを握ったまま喫茶室に戻り、グビッとやる。ふー。一方、のんちゃん、なおちゃんの場合は、若い男性が喫茶室までビールを出前してくれた。何故、扱いが違うのかね?
この小屋の顧客満足度としては、北アルプスでも上位にランクされるとは思うが、あえて、難を云えば、トイレが全て和式であること。膝を痛めた者には苦行を強いられる。何とか改善をお願いしたい。出来れば、バイオトイレにしてくれるともっと有難い。とは云うものの、この次ここへ来るのはどんな機会だろうか。

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今年の夏山合宿は、5年ぶりの針ノ木小屋。前回は小屋から針ノ木大雪渓を下ったのだが、今回は登り。生憎のガスで、視界は数十メートル程度。下りてくる登山者が、雨交じりのガスの中から忽然と現れる。大変涼しくて良いが、眺望が一切無く、気分を癒してくれる高山植物も見えないので、只、黙々と登るしかなかったのはやや残念。
なんとか針ノ木小屋に辿り着き、そのままの勢いで蓮華岳を往復して、また小屋に戻ってきたのが午後4時。我々の部屋は個室ではないが、9人で実質的に貸切状態。これで心おきなく酒が呑めると云うもの。この小屋は大部屋スタイルではないので、パーティの人数に応じて部屋割してくれる。それができるのも、宿泊者が意外に少ないと云うことか。実際、我々の部屋の西側(部屋と云うよりは、広い通路と云う感じ)と、北側の小部屋には誰もやってこない。隊長が小屋番に聞いたところによれば、昨今、お盆の頃はこんなものらしい。
濡れたものを乾燥室に入れ、落ち着いたら、先ずビール。フロントで小屋番に注文すると、ジョッキに注がれたエビス生ビールを渡される。1,000円と高額ではあるが、背に腹は代えられない。歩いた後にビールを呑むことは、小生とって業と云っても良い。部屋に戻り、乾杯。生憎の陽気なので部屋呑みだが、晴れていれば窓から外の景色も見えるはず。
まあそんなことはともかく、宴会開始。今日はワイン4本と日本酒1本が勢揃い。つまみはちょっと食べ切れないほどが並んだ。ここは標高2,536mある。一般に、標高が高いと酔うのが早いと云うが、本当にそうなのかは良く判っていないようである。少なくとも学術的根拠は見つかっていないらしい。酒に酔うのはエチルアルコールの血中濃度に左右されるが、標高が高くて酔ったような気分(酒酔いとは別)になるのは、血中酸素濃度の低下によるもの。つまり全く別物なのだが、両方に敏感な人は、なんとなく相乗効果か何かで酒酔いが早くなったように感じる(あるいは錯覚する)らしい。小生は、どうも両方に鈍感の様なので、気にせず、がぶがぶやる。
夜半から強くなった雨の音に何度か目を覚ます。出発時にこの調子だったら明日は停滞かな、と思いつつ、うとうと。果たして、出発時間になっても雨は止まなかったが、小降りになった頃合いを見計らい意を決して出発、結局、降ったり止んだりの一日だった。

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針ノ木小屋のHP: こちら 

室堂を朝一番、7時45分発のトロリーバスに乗り、ロープウェイ、ケーブルカーに乗り替えながら、大観峰、黒部平を経て黒四ダムに到着。女子連の希望により、ここで暫し時間をとる。今日も良い天気。ダム湖の上流には赤牛岳、下流には大タテガビンが良く見えている。
女子連がダム観光に精を出している間、もう何回か来ているため、さして観光には関心を示さない小生は、2階のレストハウスでビールを呑もうかと階段を上がろうとすると、「準備中」の看板が見えた。開店は9時からとのことである。只今、8時45分。むぅ~、残念。客がやってくる時間に合わせて開店してくれないものかね、と小言を云いたくなるのをぐっと呑み込んで、次善策として1階の売店でビールを物色。「黒部の月」なる地ビールがあった。これで何とかなりそうだ。
売店の前に並んでいるベンチのひとつを確保する。ベンチは、ダムと立山の方に向かって置かれている。立山を見上げながら、グビッと一杯やる。こりゃ、いい。目の前を、扇沢からやってきた観光客と、室堂側から下りて来た登山客が交差する。どちらも、ベンチでちょっとひと休み。でも、どちらもビールなんか呑んだりしない。
ふと見ると、「カメラのシャッター押します」と云いながら、観光客のカメラを受け取り、シャッターを押している商売人(プロのカメラマン)がいる。もちろん、シャッターを押すだけで商売になる筈が無い。何か細工があるのだろうと思っているうちに、いつのまにか我が女子連も、シャッターを押して貰っていた。さっそくカモになったようだ。
あとで訊けば、個人用カメラのシャッターを押すのと引き換えに、商売人のカメラでも撮らせてくれと云うそうだ。そしていつの間にか、近くにあるプリンターから商売人の写真が印刷されて出て来ていて、如何でしょうか、○○○円ですが、となるそうだ。そうなるとつい買ってしまい、いつのまにか商売人のペースに嵌っているという仕掛け。この手の商売に引っかかるのはたいてい女。それも、判っていて引っかかるのだから、男には到底理解できない。 

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剱御前小舎から雷鳥沢を一気に下り、沢の出合から一転、みくりが池温泉までひと汗、ふた汗かいて登り返した後、漸く宿の前にあるテラスのテーブル席に着くと、取るもの取り敢えず、先ず真っ先に生ビール(700円)を調達。まだ12時過ぎ、今日も一日良い天気だ。ここのテラスはとても気持ちいいが、日差しが強いのでジリジリ焼けそうだ。ひと息ついたあと、まだ時間が早いので、チェックインして汗を流したら、昼寝でもして午後4時にまたテラスに集合と云うことで一旦解散。
ここ「みくりが池温泉」は、畳敷きの和室と、ドミトリー式の2段ベッドが並んだ相部屋がある。前者は浴衣も付いているので完全に温泉旅館と云っていいが、後者はちょっと気の利いた山小屋という感じ。我々は2段ベッド。荷物を部屋に置いたら温泉へ。
ここは正真正銘の日本一標高が高い温泉。そのせいか、風呂場は激込み状態。特に、脱衣所が狭いので、これから入る人は着替えを持ったまま、風呂から上がった人はタオルを腰に巻いた状態で辛抱強く待っている。小生も行き掛かり上、その群れに入ってしまったので気長に待つ。
何とか風呂に入ってさっぱりした後は、レストランで白海老の唐揚げと生ビールを注文。白海老なんてあるのは、流石ここも富山県ということか。この宿は、風呂場に行く途中にレストランがあるので、風呂上がりには、自然とここでビールを呑むことになる。実に憎い配置である。なおちゃん、のんちゃんも同様に引っかかってまた乾杯。
風呂上がりの一杯をエンジョイした後は、部屋に戻ってしばし昼寝。ほろ酔い加減で熟睡できた。
4時になったので外のテラス席へ。まだカンカン照りで、日焼け止めが必要な状況。持参したワイン、日本酒、つまみで暫し、この雲上の楽園を楽しむ。聞くところによると、モンベルカードがあれば、ソフトクリームがタダとのこと。へ~、タダだったら喰ってみるかと、ん十年ぶり(?)に喰ってみた。もちろん、酒の肴にはならないが、今日の陽気には悪くなかった。

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北陸新幹線で富山に入り、電車、ケーブルカー、バスを乗り継いで室堂に入ったのは11時過ぎ。やはり信濃大町側から入るのに比べればだいぶ早い。今日は雷鳥沢ヒュッテ泊まりなので、室堂界隈でのんびりしているだけでも良いのだが、せっかく抜群の天気なので、滅多に行くことが無い(小生も今回が初めて)龍王岳に登ってみた。薬師岳へとつながるダイヤモンドコースの縦走路から、ちょっとだけ外れているため、思いの外、静かな山を楽しめる。
かなり満足したあと、浄土山経由で室堂に戻る。もう今日は終わったような気になったので、自動販売機からゲットした缶ビールで喉を潤す。ところが記憶はいい加減なもので、今宵の宿、雷鳥沢ヒュッテまでは基本的に下るだけ、と思っていたら、意外に登りがあることに気が付いた。たった1杯の缶ビールでも、結構足に来る。せっかく呑んだビールが全て汗となって抜けた頃、雷鳥沢ヒュッテに到着。
山小屋にしては斬新的な建物、厚切りの板わさのような形のヒュッテも、近づいてみると老朽化が目立つ。長年、冬季の10mを超える積雪と季節風に耐えてきたことを如実に物語っている。右に回り込んで入口へ入る。テラスでは、ビールを呑んで良い調子の方々がいる。テラス席をもっと広げれば、スイス・ツェルマットのCaféもかくや(行ったことないけど、妄想)という感じになるのに勿体ない。我々もチェックインを済ませたら、負けじと生ビール(700円)を注文、ロビーのソファーでお疲れさん乾杯。ふ~生き返るね。
我々の居所は大部屋だが、堂々と一人で布団に寝られる待遇。窓の外には立山連峰が、傾きかけた陽に照らされて輝いて見える。全く問題ない、豪勢なものだ。風呂はかなり混んでいるとの情報だったが、行ってみると洗い場が塞がっているだけだったので、なんとか湯船の湯を使って汗を流す。
風呂から上がったら、酒とつまみを取り出して暫し宴会。未だ陽が残っていて、窓の外の景色を見とれながらちびちびやる。酒を呑みながらの眺めで、これほどの景観には先ずお目にかかれない。今日は、一点の曇りもない一日だった。

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