山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

吾妻線沿線

吾妻線は、文字通り吾妻川に沿って下る。谷は結構深く、両側に河岸段丘が発達している。中之条駅から25kmほど上流に、政治に翻弄された八ツ場(と書いて「やんば」と読ませるのは、少々強引過ぎないか?と常々感じている)ダムが建設中のはずである。
小生はダムマニアでは無いが、今後日本で、このような規模のダムはもう建設されることは無いらしいので(もう建設適地も無く、必要性も無いらしい)、一度、建設現場を眺めてみたいものである。ダムは単にコンクリートの塊じゃ無いか、と思ってしまうが、実はなかなか興味深いところがある。
コンクリートはその特性上、圧縮強度以外を強度計算に使うことが無い。引張やせん断力は、通常、鉄筋や鉄骨が担うのだ。しかし、その巨大なダムでは鉄骨や鉄筋を使うことは無い。どうやって圧縮強度以外が掛らないような構造にするかは、土木設計屋の腕の見せ所。もっと知りたいところだが、小生は構造屋でも無いので、これ以上、専門的な話を聞いてもたぶん判らないので、ここまでだ。
ビールはさっきの蕎麦屋で呑んだばかりなので、駅のKIOSKでは地酒を買ってみた。「船尾瀧」という名前のカップ酒。「船尾瀧」は榛名山の西山麓、上越線沿線にある柴崎酒造のブランド。実際に、伊香保町ある滝の名前でもあるらしい。
吾妻川を眺めながら早速口開け、口に含んでみると辛口ではあるが、酸味も程良く意外に呑みやすい。これならばスイスイ呑んでしまいそう。1本しか買わなかったことがやや悔やまれる。列車の進み具合を見ながら、チビチビと舐めることにした。

20170522_132437

20170522_132449

20170522_132710

「みどりや」で不思議な体験をした後、特に当ても無く街道(「日本ロマンチック街道」という名が付いているが、そのような雰囲気は無い)を歩き始める。日差しが強いので、日陰を辿りながら中之条町の中心街へとふらふら。街行く人影はほぼ皆無。坂道を登り切った辺り、左手に蕎麦屋と中華料理屋があったが、とりあえず通過。
右手の奥に、なにやら古風な洋館が見えてくる。看板には「中之条町歴史と民俗の博物館 ミュゼ」となっており、元々は明治18年(1885年)に建てられた吾妻第三小学校らしい。建物の雰囲気に惹かれて覗いてみたい気もするが、とりあえず今はめしだ。
さらに右手に、モダンな木造建築物が見えてくる。「中之条町ふるさと交流センター つむじ」というらしい。ちょっと覗いてみると、小洒落た土産物店やカフェ、足湯などがある。今日が月曜日のせいもあるが、地元客率100%の感じ。芝生とウッドデッキが設えられた広場で、うだうだするのも悪く無さそうだったが、とりあえず今はめしだ。
このまま更に「日本ロマンチック街道」を進んでも新たな展開は無さそうなので、引き返すこととし、さっきの蕎麦屋と中華料理屋のどちらに入ろうか、とちょっとだけ迷った挙句、「かごや」という名の蕎麦屋へ入ることにした。何となくだが、少なくとも日本国内の旅先で中華料理屋となると、何か特長とか名物料理でも無いと余り入ることは無い。最近だと、旧軽井沢の「榮林」ぐらいか。
「かごや」へ入ってみると、正面が厨房、右手にカウンター席、左手の道路側がテーブル席で奥が小上がり。客は地元の方がちらほら。普通に地元に根付いた蕎麦屋という雰囲気。これも旅の楽しみの一つかも知れない。小上がりの一番手前に陣取り、ビールで乾いたほどを潤す。ビールが益々美味い季節になってきた。
締めはもちろん、「もり」か「ざる」のつもりだが、「味噌だれぶっかけそば」なるメニューもあってややそそられる。総じて、味噌仕立ての蕎麦は有りそうで無い。カミさんが注文した。小生は、つまみにモツ煮込みを頼む。モツの香りがかなり強いので、カミさんは手が出ない。締めは「ざる」にした。喉越し、つるつる感はそこそこだが、手打ちらしさはいまひとつ。多少涼むことが出来たので、さてまた暑い外を歩いてゆくか。

DSC06293

20170522_115802

DSC06292

DSC06294

20170522_122038

20170522_122058

20170522_122322

DSC06295

DSC06296

四万温泉から路線バスで中之条駅に移動。帰路は13時26分発の指定券を持っているので、また今日も中之条駅界隈で昼食をとることにした。「吾妻路」のような店はもう無さそうだし、今日も日差しが強烈なので、さしあたり駅に最も近い「みどりや」はどうかな、と覗いてみる。
入ると、左手がカウンター席、右手が小上がり(荷物がいっぱい積み上がっていて、上がり難い雰囲気)になっていて正面がテーブル席。その奥はどう見ても普通の家庭の台所のようで、しかもそこのテーブルではご主人と思しきご高齢男性がお食事中。店舗の客間と、家族の台所がくっついた、見るも珍しい構造。おやおや拙いタイミングだったか、と思ってしまうが、縄暖簾は出ているし・・・。
入ってしまった以上、ともかく注文してみよう。先ずは生ビールをいただく。これはちゃんと冷えている。突き出しには山菜(たぶん、こしあぶら)の天ぷら。なかなかだ。あとは何を食べようかとメニューを眺め、ニラ玉ください、とご主人に告げる。判りましたと奥へ下がっていくが、やがて厨房では女将さんが「バカ!」「ニラなんか無い!」「そもそもニラ玉なんて、月に一つか二つぐらいしか注文が入らない!!」などと旦那に向かって吼えている。ひー、声が大きいので我々にもしっかり聞こえちゃっていますけどー。
やがて一呼吸おいて、ご主人が戻ってきて「・・・ニラ玉はできません。」と申し訳無さそうに仰るので、それでは何ができますかと聞けば、餃子(300円)、茹でイカ(???)などとのこと。そのどちらもいただくことにした。イカはごく普通で可も不可もなし。餃子は、襞のつけ方が何となく素人っぽい。味はまずまずだが、ちょっと変わっている。どうやら、餡にニンジンが入っているようだ。
腹はまだまだ満ち足りてはいないが、また何か頼むとご主人が奥で罵倒されそうな感じもして、カミさんももう追加注文はしないつもりらしい。何れにせよ、何となくいたたまれない雰囲気になってきたので、これで出ることにした。

20170522_113240

20170522_105937

20170522_105941

20170522_110242

20170522_110435

20170522_110536

20170522_111318

四万温泉には大小さまざまな旅館があるが、なかでも昨日泊まった「積善館」や「たむら」、「四万グランドホテル」は飛び抜けて大きい。その「四万グランドホテル」の1階に「かふぇふろれすた・はろうきてぃ」なるカフェがある。
もちろん、ハローキティには全く関心が無いが、温泉街をふらふら歩いて何処か休むところ(≓ビールも呑めるところ)が無いか探したが見つからない。結局、どうやら四万温泉に朝から開いている店(小生は半信半疑だったが、カミさんは自信たっぷり)はここ以外無いことがわかり、しぶしぶ入った次第。
チェックアウトする客がゾロゾロと出て来る正面玄関とは別に、カフェ専用の出入口がある。袴姿のハイカラさん的女性店員(給仕と呼ぶべきか)がお出迎え。窓から川面が間近に眺められので、シチュエーションはなかなかいい。
四万グランドホテルは日本で初めて(たぶん世界で初めて)ハローキティとコラボした温泉ホテルだそうで、その一環としてこのカフェができたそうだ。やっぱりというか、恐れていた通り、ここにはビールは置いていなかった。確かに、ハローキティにビールは似合わない。

DSC06281

DSC06282

DSC06283

DSC06284

DSC06285

DSC06286


DSC06276

DSC06279

DSC06280

DSC06290

20170522_094201

20170522_094153

DSC06291

基本的に、クラシックな木造旅館が好きである。それはカミさんも同じなので都合が良い。木造三階建てなどは、見ただけで痺れる。これまでにもいくつかその手の旅館を訪れたが(最近では箱根・小涌谷温泉の三河屋旅館)、未だ泊まったことがないが気になる旅館がいくつも残っていて、ここ、四万温泉の「積善館」もそのうちの一つだった。ここの本館は、なんと元禄四年(1691年)の建築という。
昨今は、「千と千尋の神隠し」に出て来る油屋のモデルの一つとして認知されたようで(でも小生に云わせれば、宿の入り口にある、赤い欄干の橋だけが何となくそれっぽいというだけで、建物は「油屋」を連想させるようなところはない)、単に建物を見物に来る客が結構目立つ。
ところで、海外からの旅行客にとって、日本旅館はハードルが高いらしい(そんなニュースがこちら)。曰く、長期滞在に不向き、ファミリー層に不向き、ルームサービスが不十分、「夜のエンターテインメント」がない、老朽化が目立つところもある、云々。我々にとってはまことに結構なことである。今後も、海外旅行客に不便であり続けてほしい、勿論、潰れない程度に。
ここ積善館も、典型的な日本旅館のせいか、それともかなりの山奥にあるせいか、海外からの宿泊客は少ない。食堂でそれらしき夫婦一組を見掛けただけだ。本館は一般的な旅館と違って、湯治宿の雰囲気を保っていて、部屋までの案内はしないとか、布団の上げ下ろしはセルフなど、サービスは必要最低限。そのため料金も1泊2食付きで7,500円と、かなりリーズナブルになっている。料理だって十分だ。尤も、これは「本館」に限った話で、山の斜面に沿って「山荘」、「佳松亭」と別棟の建物が連なっていて、「佳松亭」では2万円は下らないらしい。さぞかし料理はそれなりに豪華だろうが、そもそも小生はそんなに量はいらないし、建物も鉄筋コンクリート造なので風情はだいぶ異なる(風呂は奇麗だった)。
本館の佇まいはまったく申し分なしだが、我々の客室あたりは一部、コンクリート造りとなっている
のが少々残念。新耐震基準への対応を余儀なくされたのかも知れぬ。一方、本館の一階にある「元禄の湯」は極めてレトロで、これだけでも来た甲斐がある。出来れば何日か湯治してみたい。

DSC06275

DSC06272

DSC06273

DSC06274

DSC06271

DSC06287

DSC06268

DSC06269

20170521_131514

DSC06267

20170521_131522

DSC06288

20170521_131258

20170521_131310

20170521_131316

20170521_131320

20170521_131329

20170521_131427

20170521_131439

20170521_131817

20170521_131956

20170521_163931

20170521_163950

20170521_164032

20170521_164046

20170521_164245

20170521_164255

20170521_180134

20170521_180236

20170521_190903

20170522_081841

積善館のHP: こちら

中之条駅に到着、まだ午前11時。このまま四万温泉へ直行するには早いので、中之条駅界隈で昼食をとることにした。個人的には初めての中之条町訪問。四万温泉や沢渡温泉郷の表玄関の割にはやや寂しい駅前だが、ググって見た限り、それなりに食事できるところはありそうである。
蕎麦だったら、ここが良さそうだと行ってみたのは、駅から歩いてほんの数分の距離にある「吾妻路」という店。今日は午前中からじりじり暑く、なるべく日陰に入りたい気分。開店15分前に着いた時点では誰もいなくて我々が一番乗り。ところが、開店直前には既に数組が我々の後に並んでいて、店の人に連れられてぞろぞろと店に入った段階でもう満席。開店直後に来た客は、最初から外で順番待ちという状態。田舎の蕎麦屋にしては(失礼!)かなりの人気店の様である。
店は蔵の中のような造りで、天井が高く(あれっ、あんな高いところに酒瓶が並んでる!)窓は小さめ。テーブルは無垢の分厚い板で、椅子は切り株。設えは新しいが重厚感たっぷり。先ずは、エビスビール(600円税込、以下同様)で喉を潤す。
酒肴三種(1,000円)を頼むと、厚切りの板わさとわらびおひたし、もずく酢が出てきた。もずく酢には、吾が天敵の山芋の角切りが載っていたので、カミさんに浚ってもらう。ちょっとだけもずくの表面が汚染されたが、それだけでは致死量には至らない。
さて日本酒は何にしようかとメニューを見ると、いろいろ美味そうな酒が並んでいる。そのお品書きの書き出しに「蕎麦屋は、おいしい酒と酒肴を楽しみ最後に少量の蕎麦切りで締める」とある。先代の店主が残した言葉らしい。至極名言である。蕎麦屋の店主にそう云われると心強い。未だ呑んだことがない「馥露酣」(ふくろかん)という群馬の酒を頼むことにした。どの銘柄も大盃600円、小盃400円と均一料金。折角なので大盃でいただく。「馥」とはまた難しい漢字だが、ググってみると「馥郁(ふくいく)たる香り」の「ふく」だった。まさにその名の通りだ。
つまみには、「そば屋のだし巻 二人前千円」との文言に惹かれたので頼んでみると、巨大な玉子焼きが出てきた。こんな大きさにお目にかかったことは無い。しかし、あっという間に食べきった。そして締めの蕎麦。手挽き田舎と変わりそばがセットの「吾妻路」(1,250円)をひとつ注文。意外と若い店主が持ってきてくれた。どちらもつるつるしこしこで申し分ないが、変わりそばの方が一段と喉越し佳し。人気が高い店であることは確かだ。

20170521_110522

20170521_110847

20170521_110915

20170521_121630

20170521_113022

20170521_113132

20170521_113923

20170521_114415

20170521_114548

20170521_114929

20170521_115110

20170521_122221

20170521_122406

20170521_123440

20170521_123507

大宮駅9時26分発の「特急草津31号」に乗車。大宮で在来線下りに乗ることも珍しいが、特急に乗るのもかなり久しぶり。やってきたのは651系車両。かつて「特急草津」や「特急たにがわ」は、いわゆる踊り子号にも使われていた185系だったが、いつの間にか変わっていた。
この651系は以前、「スーパーひたち」として常磐線を走っていたので、会社の出張では随分と利用させてもらった。内装も、タキシードボディーと称された、すっきり外観もそのままだが、常磐線用に交流直流両用だった電源仕様は、高崎線・上越線・吾妻線用に直流専用に変更されていると思われる。
高崎線を進んでいる分には、左の車窓から遠くに秩父の山が見える以外は、基本的に景色は退屈だ。ビールを呑みながら読書をすることになるが、何の気無しに、各席のシートポケットに入っている通販カタログをパラパラと捲る。
毎度思うことだが、いったいこんなのを買う奴が世の中にいるのか、と思うほどくだらない商品が紹介されていたりする。しかも、何年も前から変わらずに載っていたりするので、意外に根強く需要があるのかも知れないなどと感心したりして、多少の退屈凌ぎにはなる。
列車は高崎を過ぎると、榛名山と赤城山が間近に迫ってくるので、くだらないカタログを見ている場合ではなくなる。相変わらず榛名山はごつごつ、赤城山はたおやかだ。渋川駅では偶々、SLみなかみ号が停車していて、乗客がホームに出て思い思いにスナップ写真を撮っている光景に出くわす。みんな、なんだか楽しそうだ。牽引するのはD51498号機。
吾妻川沿いにうねるように進むようになると、やがて中之条駅到着。車窓の山旅はここで終了。

20170521_092444

20170521_092623

20170521_092807

20170521_093954

20170521_094138

20170521_095738

20170521_095815

20170521_101803

20170521_104028

20170521_104053

20170521_104054

20170521_104055

20170521_104249

梅雨明けしたのにも拘らず、たかだか標高が1,200m程度で、暑い思いをするのが判っていた十二ヶ岳と小野子山を、あえて登りに行ったのには訳があった。それはひと先ず後回しにするとして、とにかく今日は覚悟の上とは云え、予想通りに暑かった。時折吹き抜ける風が無ければ、予定通り歩き通せたかどうか判らない(山の記録はこちら)。
ともかく、一刻も早く下界に下りたら、一刻も早く日帰り温泉へ直行だ。今回の山で最も近いのが「根古屋乃湯」という日帰り温泉。外観も内装も、かなり素朴な感じで、手作り感にあふれている。入浴料は400円なので、銭湯よりも安いということになる。貴重品ロッカーは、500円のデポジットを払って鍵を借りる仕組み。
脱衣所には「お風呂上がりにゴックン!おいしい生ビールあります」の貼紙があって、そそられる。風呂場には先客がおひとりだけ。その方も直ぐに出て行ってしまった。内湯も露天風呂もかなり広いが、ひとりで完全貸切状態。
内湯は湯船が2つ、露天風呂は3つに仕切られていて、湯温が異なる。源泉は34℃というから、冷たい感じ。次が39℃くらい(個人的な感触)でぬるめ。一番暑い湯船でも41℃程度(個人的な感触)なので、こちらに入る。湯船から、さっき下りて来た十二ヶ岳と小野子山や、子持山、赤城山を眺めることが出来る。これほどの眺望がある日帰り温泉も珍しいと思う。この温泉は吾妻川畔に建っているが、河岸段丘の上なので見晴らしが良いのだろう。
さっぱりしたところで、さてお待ちかねのビールだ。食事処には、「支那そば」と大きな文字が書かれた暖簾。客は誰もいない。エアコンは無く扇風機が回っているだけだが、窓は開け放たれていて風が入ってくるので、暑くは無い。
ビールのあてには枝豆。なまずの天ぷら(1,000円)が気になったが、この後が控えているので自重。しかし、枝豆だけにするつもりが、奥から女将さんが「田舎だからこんなのしかないの」と云いながら漬物やら、ミニトマトやらのサービスがあって大満足。「玄関にきゅうりが置いてあるから持って行って」と云われ、(小生以外は)有り難くいただいた。ここには、普通の日帰り温泉には無い、家族経営ならではの温かみがあって、和める。次に来た時は、食事処でもうちょっとゆっくりしてみたい。

P7302318

20160730_144428

20160730_144436

DSC02683

20160730_144944
 
DSC02685

DSC02686

DSC02687

DSC02690

P7302319

DSC02688

DSC02689

DSC02691

↑このページのトップヘ