山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

奥秩父

雨上がりの2日目は、梅雨の合間にしては予想以上の好天気に恵まれ、両神山の剣ヶ峰からは、奥秩父の端(雲取山)から端(金峰山)まで望むことが出来、間から富士山も顔を覗かせていた。
景色を堪能したあとが今回のメインディッシュ、梵天尾根となる。ネット記録を色々とチェックした限り、ミヨシ岩さえ越えれば大したことは無さそうだと思っていたが、その後も結構、ズッキンバッコンの登り降りの繰り返しが続く(大小合わせて12個のピーク有り)ので楽ではない。さらに、白井差峠に着いたからと云って安心はできない。何故ならば、まだ高度差約800mの下りが待っているのだ。
それでも足を動かし続ける限り、その長丁場も次第に残り少なくなるから不思議だ。中双里には酒屋が無いことは判っていたので、ビールは大滝温泉まで我慢しなくてはならないと覚悟済。余り早くバス停に下っても、暑い処でぼーっと待っているのも辛い。時間調整しながら、ゆっくりと中双里の登山口に降り立った。
偶々傍には、地元のお年寄りの方(後に横山さんと判る)が家の外に出ていて、両神山から下りて来たことや、途中、子熊を見掛けたことなどを話すと、かたやその横山さんが昔、沢から両神山を登ったことなど、暫し世間話をした。小生の場合は、そのくらいでほぼ会話は終了するのだが、げに恐ろしきは、このちゃんのずうずうしさ交渉力。
なんだかんだ話しているうちに(ここから先は、このちゃんだけの独断場、他の者は聞いているだけ)、ビールの話に移り、山から下りて呑むビールは最高だけど、中双里には飲食店がない、自動販売機もない、呑みたいけど残念等々話になる。それを聞いているうちに気の毒に思ったのか、心の優しいその横山さんが「家に缶ビールが有るけど自分は飲まないので持っていくか」と云い出した。どっ、ひゃー。
流石にタダで恵んでもらう訳にもいかないので、幾ばかりかの金と交換と云うことで決着。その後、缶ジュースまでいただくことになった。ビールは(誠に残念だが)冷蔵庫には入っていなかった様子。それはともかく、完全に諦めていたビールが手に入ったことと、そこまで話を持っていった、このちゃんの交渉力に唯々びっくり。もちろん、ありがたく呑ませていただいたのは、云うまでもない(横山さんは空き缶まで引き取ってくれた、誠に感謝感謝)。

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両神山は、公共交通機関の便から考えると、1泊しないと登るのが少々難しい山なので、これまで2回しか登ったことが無い。今回は、未だトレースしたことが無い、梵天尾根に行ってみようという企画。登りに梵天尾根を使うとなると、清滝小屋までが長いので、2日目の下りに使うことにした。1日目の日向大谷から清滝小屋までが少々楽ちんだが、そんな登り方も偶には良かろうと判断。
結果的に、1日目は予想外にシトシト雨だったので、丁度良いアプローチとなった(山の記録はこちら)。スタート点の日向大谷には、民宿「両神山荘」が昔と変わらぬ佇まい。宿の貼紙には、缶ビールレギュラー缶が400円と書いてあって、朝から目の毒。しかし良く見ると、ビールロング缶も、発泡酒も同じ値段の400円。なんと大雑把な価格設定なのだろうか。これであえて、発泡酒を求める客がいるのだろうか、気になる。さらに、注意書きには「何が有りましても責任は負いかねますのでご了承ください」とあって、突っ込みどころ満載。今度、機会をつくって泊ってみたい。話が逸れた。
清滝小屋は11年ぶり(前回はこちら)の訪問。11年前は両神村(現在は小鹿野町と合併)が運営する有人の小屋だったが、経費節減のためか、それとも宿泊客が少なくなったのか、現在は無人の避難小屋となっている。ログハウス造の母屋は1階のみ開放されていて、2階は利用できない。
屋根続きの別棟(管理棟)にも鍵が掛かっている状態。ちょっと離れた旧館は、以前、食堂(前回、停まったときには、うどん粉がたっぷり入ったカレーライスを喰った覚えあり)として使われていた筈だが、やはり閉鎖されている。利用できるのが母屋の1階だけとは云え、スペース的に避難小屋としては無類の大きさ。1階に入ると、先客はゼロ。意外と云えば意外だが、今日の天候からすれば止むを得ないところだ。ちょっと離れたところに、水場(炊事場)と水洗式トイレもある。テントサイトは旧館の裏。行ってみると、2張あった。
そうこうしているうちに、単独行氏が到着。訊けばここは4回目とのこと。寝具は持参しておらず、手慣れた様子で棚に積まれた毛布などを敷いている(我々は寝袋持参なので使用せず)。
濡れた衣類を干したら、ちょっと酒とつまみでまったり(なんとこのちゃんはビールロング缶2本を背負って来ていた)。その後、パスタ主体の夕食。ここは水が比較的豊富なので、パスタの茹で汁に支障はない。たらふく食って、ワインを呑んだら忽ち眠くなって、随分早いが就寝。夜になる少々冷えて来るものの、シュラフカバーを持って来なかったこのちゃんは、シュラフカバー2重だけでぐっすりできたようだ。
翌日はすっかり雨も上がり、陽が差している。朝食は、メンマとチャーシューと卵がのったマルタイラーメン。単独行氏はピストンのようで、荷物を置いたまま早々に出発。さてこちらも、張り切って両神山を登ろう。

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都合良く、瑞牆山荘9時3分発のバスに乗ったのは良かったが、「増富の湯」到着時刻が9時25分に対して、営業開始時間は10時。次のバスがやって来るのは10時37分。さらにその後は11時47分。10時に開いて風呂に入って、10時37分のバスに乗ること自体はそう難しくは無いが、できれば食事処でちょっとノンビリしてみたい。しかしながら、食事処の営業時間は11時からとなっているので(終了は15時。みじか!)、その場合は自ずから11時47分のバスまで滞在を余儀なくされる。これではせっかく9時3分のバスに乗ったメリットが無くなる。仕方が無い、食事処は諦め、10時37分のバスに乗るとしよう。
それにしても、10時まで30分以上、ぼーっと待つのはなんだか馬鹿馬鹿しい。何とかならないか。そこで渉外係のこのちゃんが「増富の湯」へ電話をかけ、もうちょっと早く開けられないかと直談判に及ぶ。すると、営業開始はきっかり10時です、なんともなりません、と丁重に断られる。流石は公営温泉、時間に厳格である。
オープンを待っているのは我々だけではない。10時直前には、もう10数人が集まってきた。しかし、バスでやってきたのは我々以外にひとりの男性登山者のみ。他の方々は、単に風呂が目当ての様である。我々の周囲を、巣立ったばかりのツバメが飛び交っている。
ようやく10時。ほぼ同時に玄関の扉が開く。さっそく820円(北杜市民は510円)を支払って中へ。風呂場はかなり広いが、源泉を引いている湯船は限定されていて、そこに10名余りが集まるので丁度満員状態。皆さん、良く知っていらっしゃる。源泉は赤茶色なのが特徴。湯温は何故か37℃しかなく、ぬる好きの小生にとっても少々ぬる過ぎる(源泉は32℃らしい。なんでこんな微妙な加温なのか)。貼り紙には、30分浸かりなさい、的なことが書かれているが、たとえバスの時間を気にしなくても、そんなに長湯はできない。結局いつも通りにさっと入ってさっと出る。
とりあえずさっぱりした後、念のため食事処や休憩処もチェックしてから、自動販売機で缶ビールを購入。そのまま建物を出て、バス停前の荷物置き場でグビッとやる。
それにしても、バスの到着時刻に合わせて、「増富の湯」も9時25分に営業開始してもらえないだろうか。1番バスが運休する冬季は10時で構わないので。登山者のことを考えるならば、なんとか善処して欲しい。北杜市議会議員さんにお願いした方がいいかな?

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金峰山小屋の朝食は朝粥だった。酒を呑んだあとの胃袋には、大変うれしい。小生は毎朝、粥でもいいくらいである。さらさらとして粘り気が無いので、炊き粥(いわゆる生米から炊いたもの)だろうか。それとも昨日の残り飯を上手に炊いたのだろうか。漬物や佃煮が数種類並んでいてどれも粥にぴったり。何杯でもおかわりが出来そうである。小屋の食事は、少人数で給仕するのは大変だが、これならば手間も最小限。なかなか考えたスタイルだと感じ入った。何処の小屋でも、朝は粥にしたら如何だろうか。
朝食後、さっさと出発。今日は結構、風が強いようだ。でも、バス停までは危ないところは無いので楽チン下山。途中、富士見平小屋はかなりの賑わい。今日はそこそこ天気は良いが、まだ梅雨の真っ只中。雨覚悟でこんなに人がやってくるとは思えない。数日前の天気予報を見て急きょやってきたのだろうか。(常にプランが立て込んでいる)我々にはできない芸当である。
増富側の登山口である瑞牆山荘には、思ったより早く着いた。バス停には若者数人が待っていた。10時15分のバスに乗る予定なので、約1時間半、たっぷり時間がある。ここは学生時代、クラスの仲間を連れて泊まりにやってきたことがある。ここから金峰山と瑞牆山を往復した。その頃は部屋にテレビもない素朴な山荘だったが、現在は思いの外、重厚な雰囲気になっている。
ビールが呑みたいなと中へ入ると、山荘に併設されたカフェ&レストラン・モンターニュ(Montagne)は営業していない様子。それでも女子連が自称「おばさんパワー」を発揮してくれて、山荘の女将(?)さんに直談判、外のテラス席だったらビールが呑めるとの回答を得た。
さっそくテーブルを陣取り、生ビールを受け取る。まだ午前9時だが、ひと仕事終えたのでへっちゃらである。周囲を白樺の林に囲まれているので、かなり牧歌的雰囲気に包まれた山荘。山から下りてビールを呑むには最高のシチュエーションである。
10時15のバスの前に、9時3分発のバスがあるのだが、季節運行で今は運休のはずだと、のんびり構えていたら、9時にバスがやってきた。早速、渉外担当(このちゃん)がバス運転手に確認。すると、増富鉱泉と瑞牆山荘の間が冬季運休で、通常は瑞牆山荘まで運行するとのこと。なんだか紛らわしい表記だったが、運行するならば乗るしかない。ビールを持ったまま、慌ててバスに飛び乗る。優雅な時間が突然打ち切りになってやや残念だった。

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157 瑞牆山荘のテラスで。

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表参道と金峰山小屋の組み合わせという、我ながら良いプランを思い付いたのは、昨今、栄和交通の乗合タクシーの定期便が大弛峠まで通うようになり、しかもアコウ平で途中下車して表参道を登ったと云う、ネット記事を見た時のこと。それまで、何かと評判が良い金峰山小屋に、一度泊まってみたいと暫く前から思っていたので、これは丁度良いと密かに考え、実行に移すタイミングを見計らっていたという訳。健脚だったら、表参道を登って、そのまま大弛峠へ下り乗合タクシーでその日のうちに帰ることはできるだろうが、我々はその晩はのんびり小屋で過ごし、翌日は下るだけと云う、2日間合わせても6時間余しか歩かない超贅沢プラン。たまにはこんな登り方も良い(山の記録はこちら)。
結果として、表参道は金峰山の登路としては、白眉だと感じた。特に、鶏冠岩から見上げる五丈岩は、否が応にも登高意欲をかき立てる。荒川の渡渉から、標高差800mの直線的なルートは登り応えも十分だ。これほど気持ちが良いルートが何故、これまで埋もれていたのだろうか、と訝しく思ってしまう。
尤も、我々が辿った表参道は、全体のほんの一部分に過ぎない。昇仙峡のすぐ北側にある金櫻神社から本宮である金峰山山頂までが本来の表参道だ。この金櫻神社の由緒は、日本武尊が社殿の造営を命じたというから、相当古い。蔵王権現信仰の対象となってからも、既に千三百年が経過している。
機会があれば(それにアドレナリン分泌が豊富であれば)、昔の修験道よろしく、金櫻神社から金峰山を目指して歩いてみたい。たぶん、途中で泊まる必要があるだろうけど、それはやっぱり御室小屋あたりか。現在、表参道は途中、林道開発等で往年のルートが寸断されているとの由。そこでこの際、甲府市に申し上げたいのだが、市として、このいにしえの表参道を完全復活させ、もちろん御室小屋も復活させ(この頃、旧御室小屋をあえて解体したのは、そのつもりと解釈していいかな)、少々ハイグレードな遍路として、国内外にアピールしたら如何だろうか。上手くすれば海外でも噂になり、熊野古道と並び称されるようになり、ゆくゆくは世界遺産になるかも知れない。
金峰山小屋まで下ったら、外のベンチでビールを呑みながら暫しまったり。この小屋は定員60名。訊けば、今宵は満員だそうである。今日は偶々良い天気だが、本来は梅雨の真っ只中、こんな季節でも満員とは恐れ入る。日が陰ったら小屋の中に入り、食堂兼談話室で呑みの続き。
真っ黒い塊が床に置いてあると思ったら、この小屋の番犬(ラブラドールレトリバー、「ゆずひこ」という名前らしい)だった。まったく気配を消している。そのうち団体が到着し、みなさん、犬とは気が付かずに靴が当たったり、ストックでうっかり小突いても、ピクリともしないで寝ている。堂々たるものだ。
そのうち夕食。名物(?)のワイン付きチキンソテーをいただく。表面はパリッとしていて、味もしっかり浸みこんだモモ肉は結構ジューシー。噂だけのことはある。ワインがついているだけでも、優雅な気分。これで1泊2食付き8,500円は、とてもお得だ。食後、また外へ出て、夕暮れを眺めながらのちびちびやる酒もまた格別。消灯時間(20時30分)にはだいぶ早いが、暗くなったら寝床へ入り、忽ち爆睡した。 

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029 気分は最高潮。

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