山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

わたらせ渓谷鐡道沿線

二日目は日の出直後に庚申山荘を出発し、先ずは庚申山に登る。シャクナゲに覆われた山頂は眺望が利かないが、ちょっと西へ進むと、すっきりした山容の皇海山が望める。元々の山名だった笄(こうがい)山が皇開(こうかい)山となり、皇海山になったとのこと、たしかに笄の感じは伝わってくる。
ここからオロ山を経て沢入山までは、かなりワイルドで面白い。樹林帯は木を掴みながらの登下降があり、一方、笹原が所々現れると、複数のけものみちが入り乱れて我々を惑わせる。ヒトよりも四足動物の方が多い世界。
沢入山を過ぎると、尾根を東側からやってくるハイカーが急に増えてくる。やはり結構、人気なのだ。そのうちに昭文社の地図にも載りそうだ。尾根はすっきりしていて眺望も抜群、思いがけずアルペン的雰囲気も味わえるが、考えてみればこれは足尾銅山の鉱毒が為した結果。山火事の跡地で眺望を有難がるのと同じく皮肉な話、自然回復までの道のりはまだ遠そうである。
「孤高のブナ」の周りには、なんと林野庁による柵が設えてあって近づけない。今日は風が吹かないとジリジリ暑いので、ブナの下の日陰で休んでみたいと思っていたが叶わず。尾根の名前にもなっている中倉山で最後の眺望を楽しんだ後は、樹林帯を急下降。林道に出ても暫くは木々に覆われているが、そのうち炎天下を歩く羽目になる。
ほぼ1時間後、へろへろになりながらなんとか赤倉BSに到着。事前にストリートビューで確認した範囲では、近所には食堂はもちろん、酒屋も見当たらなかったが、どうやらBSの手前にある建物は店のようだ。見上げると遠慮がちに「池口商店」と薄っすら書いてある。
いわゆるよろずやかなと思ったら、店内に酒樽が置いてあるのを発見。おっ、酒屋なんだと思ったら、なおちゃんが「開いているよ」と云いつつ、横倒しになった網戸(店の方曰く、サル除けなのだそうな)をずらして中へ入り、次いで「ビールあるよ!」との報告。やったー!
ストリートビューでは、廃墟にしか見えなかったのかも知れぬ(失礼!)。ともあれ、思いがけずビールにありつくことが出来た。これぞまさに「地獄に仏」。日頃の行いの善さを自ら誉めつつ、缶ビールをグビっとやった。

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北アルプスなどの雪と岩、沢に熱中している時期には、樹木や草花に目が向かないと同様に、栃木や群馬など地方の寂峰なぞには見向きもしないものだが、他の者達と較べると小生は10代の頃からそのような中高年的嗜好に合う山にも関心があった。庚申山もそんな山のひとつ。
庚申山は皇海山の前衛峰でもあるので、皇海山をアタックするときに是非まとめて登りたいと思っていた。ところが昨今、不動沢を詰めて皇海山をアタックする安直なルートが開拓されたため、庚申山を経由して登るルートは篤志家の世界になりつつある。百名山を制覇するがために、安直なルートを登って満足するような輩に同調するつもりは無いものの、庚申山からアタックする場合は庚申山荘に2泊する必要があり、この40年間ずっとなかなか同行者が現れず二の足を踏み続けていた。
最近になって、とりあえず1泊で庚申山だけでも登っておこうかと考えていたところ、この頃庚申山の東側に延びる中倉尾根が俄然注目されている。なんでも「孤高のブナ」なる木があるらしい。興味が沸いたので、それを組み合わせることで行ってみようと計画したのが今回の山行だった(山の記録はこちら)。
そのために先ずは庚申山荘に泊まる。事前情報どおり、随分立派な小屋である。避難小屋としては最大級だろう。トイレは外だが、発電機付きのバイオトイレなので問題なし。寝具としては、多少湿っている感じはするが、布団もふんだんにある。
入って左側はテーブルがあるのでダイニングルームのような感じだが、祭壇もあるので祈祷室のようなところでもある。その奥の部屋を寝床と決め、女子連はお山巡り。小生はWOODYさんと共に、ダイニングテーブルで一杯やり始める。女子連が帰ってきたら早速すきやき。山で喰うすきやきは美味い。ふと外を見たらシカが草を食んでいた。我々の後から宿泊者がどんどん増え、結局今日は40人ぐらいが泊まったものと思われる。
この次にここへ来るのは勿論、庚申山から鋸山を経て皇海山をアタックするときだ。

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電車やバスはもちろん、自家用車に乗っているときだって、春夏秋冬、窓は閉め切ってエアコンにお任せというのが当たり前になった世の中。真夏や真冬に窓を閉めるのは致し方ないが、春や秋は如何なものかと思わないでも無い。
しかし今はエアコン万能時代、エアコン無しには都市は機能しない。特に東南アジアはそうだ。シンガポールが経済発展したのは、リー・クァン・ユーのおかげではなく、エアコンのおかげという云い方もできる。日本だって、エアコンが無かったら夏季のGDPは著しく下がるに違いない。今更、団扇と扇風機の時代には戻れない。
自分もそんなエアコン社会にどっぷりと浸かっているせいか(我が家で、エアコンを点けるかどうかは猫次第)、風を感じることが少なくなってきたと思う。風を感じに山に登る、というのは強ち云いすぎでもない。昨今、わたらせ渓谷鐡道に限らず、トロッコ列車が流行りなのは、そんな風に飢えた者がやってくるせいかも知れない。
と云う訳で、また今年もトロッコわっしー号に乗ろうと、わたらせ渓谷鐡道にやってきた。いつもは疎らな客席だが、今日は何処かのツアー団体が乗り込んでいたようで、ほぼボックス席は埋まった状態。神戸駅から乗車した客は我々だけ。ツアー客が来るか来ないかは、鉄道線の売り上げにも大きく影響するようだ。
走りだすと、トロッコわっしー号は意外と速い。神戸駅から相老駅まで45分、あっという間である。でも、今年も薫風を感じることが出来た。またそのうちに、次回は何処の山から下りて来ようかと地図を睨むことになるだろう。

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「サンレイク草木」でちょっとのんびりできたあとは、路線バス(みどり市の市営バス)で神戸駅へ移動。定刻より若干遅れてやってきたバス(沢入駅始発)に乗っていたのは、我々以外におひとりだけ。勿論、我々は標準的な観光客の行動パターンには当て嵌まらないとは思うが(つまり大抵の人は公共交通機関は利用せず、自家用車でやってくるのだろうが)、こんな状態でバスを走らせるのは何とも虚しい限り。
足利市の「あしバス」じゃないけれど(その顛末はこちら)、バス運転手のモチベーションが上がらないのは仕方がないというか、気の毒だ。観光客がそれなりに乗車するような、即ちバスの運転手にやる気を起こさせるような、なにかアイデアが必要だろうと思う。
昨年とほぼ同じ時期に神戸駅にやって来たのだが、昨年は丁度満開だったハナモモは、今日はすっかり葉が茂った状態。年に寄って開花時期がずれるのはある意味自然ではあるが、今年は極端に感じる。神戸駅に着くと、ちょうど下りの一両編成ディーゼルカーが停車中。運転手と車掌と売り子が四方山話をしている。何だか長閑な風景。
今日はあまり時間に余裕がないので、ここ「列車のレストラン・清流」には寄れないかも知れぬと思っていたが、バスは時刻表通りにきっちり神戸駅に着いたので、そそくさと跨線橋を渡って列車レストランへ向かい、券売機で生ビールを注文、グビっとやる。
今日で「列車のレストラン・清流」は3年連続3回目。車内(店内)の座席には誰もおらず、我々だけの貸切状態で、我々よりも厨房の中の方が人数が多い。毎度こんな状態ではこの店の存続も危ぶまれるが、それなりにやっていけているようなので、今日は偶々なのかも知れぬ。その偶々の幸運を満喫しよう。

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ここ数年、この時期は野州の山々を彩るアカヤシオやシロヤシオを愛でる山旅が続いている。これらの花木は、奥多摩の都県境尾根付近や西丹沢の檜洞丸周辺でも見られるが、上州や野州はひと山まるごとその花で染まるイメージで、規模においては奥多摩や西丹沢はやや引けを取る。
今年は、三境山から白浜山まで巡って、アカヤシオを堪能した。三境トンネル登山口でタクシーを降りたあとは、「サンレイク草木」まで誰ひとり逢わず仕舞。隣りの根本山は、さぞかし中高年で賑わったことだろうと思うが、我々は静かなる尾根歩きで、アカヤシオをひとりじめできた(山の記録はこちら)。
白浜山からは尾根を南に辿り、952m峰からは西へ延びる尾根を下ろうかと思ったが、急がば回れかなと安直に林道をチョイス。しかし、やけに遠回りだし日差しが暑いし、選択は間違ったような気がする。それでも1時間半ほど我慢すれば、「サンレイク草木」に到着。
ここはいわゆる国民宿舎。個人的には国民宿舎の利用はそれほどではなく(東京、神奈川、山梨には無いせいか)、最近でも北海道・トムラウシ山麓の「東大雪荘」(記録は、こちらこちら)と燕岳山麓の有明荘ぐらいか。何れにしても、国民宿舎は一軒屋かそれに近いようなケースで、貴重な場所に建っていることが多い気がする。
「サンレイク草木」もそんな宿で、ここで立ち寄り湯(500円)が出来るのはとても有り難い。風呂場の大きさはそれなりだが、まだ時間が早いせいか利用者が僅かなのでとても広々感じる。風呂から上がったら、ロビーにある自動販売機で缶ビールをゲット。いくつか並んでいるソファーには、所在なさげに居眠りしている(なかには横になっている)中高年宿泊客が屯しているが、そこを分け入ってプシューっとやる。
この宿に泊まって、袈裟丸山のアカヤシオを見に行く客もいるようだ。今度ここへ来る時にはそれをやってみたい。

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水沼駅温泉センターでまったりしているうちに、そろそろ「トロッコわっしー6号」がやってくる時。休憩処での名残惜しさと、トロッコ列車への期待感が交差する時でもある。温泉を出てすぐに列車に乗れることもここのメリットだから、かなりぎりぎりまでうだうだしてからさっと支度。
じつは、水沼駅前に「はやぶさ食堂」なる駅前食堂があり、昨年から気にはなっていた。今回も、つい手っ取り早い「わたらせ庵」に入ってしまったのだが、「トロッコわたらせ渓谷4号」の到着時刻から「トロッコわっしー6号」発車時刻まで1時間14分もあるのだ。我々にとってはさほど短い時間でもない。この次は、温泉を出てすぐに列車に乗れるメリットを少々犠牲にしてでも(「はやぶさ食堂は」ホームから見えるほど近いのであまり問題無い)、覗いてみたい。
それはさておき、「トロッコわっしー6号」が到着。前回同様、完全オープンの車両に乗るが、座席は半分が埋まっている程度。普通車両にどれほど乗っているのか確認しなかったが、こちらよりも多いことはないだろう。思った通り「トロッコわたらせ渓谷4号」と同様な乗客率。B班のくまちゃん、のんちゃんは事前の予約ではなく、車内で乗車整理券を購入したのだが、全く問題無かった。車掌は女性。
前回も書いたが、「トロッコわたらせ渓谷4号」との違いは風圧。体が冷えないようにちゃんとジャケットを着ることが必要。それさえできればあとは風に吹かれるまま、風まかせ。
この車両には売店もある。どんなものがあるか物色していると、女性車掌は女性店員に早変わり。そろそろ持ってきた酒が底をついてきたので、地酒を買うことにした。辛口・赤城山。これで安心。再び、風に吹かれることが出来る。

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「トロッコわたらせ渓谷4号」で風を感じながらのんびりと走っても、神戸駅から30分足らずで水沼駅に到着。こういう気持ちがいい時間は惜しいことに、実にあっという間に終わる。名残惜しい。
ともかく、水沼駅で降りたら次は風呂だ。列車を降りて、10分後にはもう風呂場にいられるのが、ここ駅ナカ日帰り温泉の最大のメリット。入浴料は600円。年会費200円を払えば1回当たり400円になるというのは以前と同様知ってはいたが、名前と住所と電話番号を書くのが面倒でついスルー。今のところ、年2回以上来ることは無さそうなので損にはならない。
風呂は、今回は内湯だけにしたが、窓が大きく明るいので開放感たっぷり。長湯はしないが十分満足。客は殆ど地元のご老人という感じで、それなりには入っている。
わたらせ渓谷鐡道線は、群馬県側は概ねみどり市内を走っているが、ここ水沼駅は桐生市にある。みどり市と桐生市とが、入り組んだ形になっているのかと地図を見ると、桐生市が完全に2つの地域に分断され、その間にみどり市が挟まっていることが分かり、ちょっと驚く。何故、こんなことになっているのだろうか。
WEBで検索していくうちに、桐生競艇をめぐる地方自治体の思惑が交差したことが原因とわかった。Wikipediaによれば、
「・・・時は平成の大合併の時期であり桐生広域圏の構想が存在したが、桐生競艇の存続の是非について桐生市と阿左美水園競艇組合所属の笠懸町・大間々町・藪塚本町の足並みが揃わなかった。このうち藪塚本町は太田市との合併を選択し、競艇事業から撤退。競艇事業存続を主張する笠懸町は桐生市と反目し、大間々町・東村と合併してみどり市となった。このため新桐生市は東西に分断する飛び地合併となっている。・・・」とのこと。
平たく云えば、桐生競艇存続に賛成した自治体が「みどり市」となり、反対した自治体が「桐生市」。ギャンブルに対する立場の違いで、桐生市が東西に泣き別れしたという、当事者ではないわれわれから見るとまことに生臭い話である。閑話休題。
風呂から上がれば、休憩処「わたらせ庵」へ。ここ水沼駅温泉センターは、駅のホームにあるだけあって、うなぎの寝床のように長い建家。一番東側にある風呂場から、一番西側にある「わたらせ庵」へは、再びエントランスや売店スペースを経て移動。何故か、昨年に比べると座卓が減り、テーブル席が増えたような気がする。テーブル席よりも、ゴロっと横になれる畳間に座卓の方が寛げると思うのだが・・・。座卓を確保したら、食券を買ってカウンターで生ビールをゲット。ひとりでグビっとやる。ここで「トロッコわっしー6号」がやってくるまで暫し、まったりした。

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水沼駅温泉センターのHP: こちら

「列車レストラン清流」でまったりしているうちに、そろそろ「トロッコわたらせ渓谷4号」がやってくる時間だ。外へ出ると跨線橋には、列車と花桃を撮影しようと目論む観光客が鈴なり状態。こんなに長閑な田舎駅でも、花が咲き、トロッコ列車がやってくるととたんに華やぐ。
先ず下り線ホームに「トロッコわっしー5号」がやって来る。「レストラン清流」から従業員が総出で臨時の売り子となる。売り物は山椒味噌、ささげ、梅干、竹の子や山菜、アイスクリーム等々。それなりに下車する客がいるのは、近所(といっても歩いたら1時間)に富弘美術館があるせいか。そうこうしているうちに、今度は我々が乗り込むトロッコわたらせ4号が入線。
今日も乗客は意外に少ない。やはりゴールデンウィークか、夏休みあたりが稼ぎ時なのだろう。この列車は、基本的に4月15日から毎土日運転となり、3月以前はこの「トロッコわたらせ渓谷号」は冬季運転休止となる。従って今日は、今期の本格運転が始まってからまだ2週目ということで、「閑散期」みたいなものかも知れない。まさに今が狙い目なのだ。
勿論、我々にとっては空いているこの現状が好ましいのであって、あまり宣伝したくはないが、皆さん、この時期のトロッコ列車の魅力をご存じないとみえる。
やがて、手を振る売り子に見送られながら、ゆっくり発車。渡良瀬川の川面や、山の若葉を眺めつつ、持参した日本酒をちびちびなめる。きょうの酒は、松田の「肉八」で呑んだ「日置桜青水緑山特別純米」。この頃少々、「日置桜」に嵌っている。旨みと酸味のバランスが好み。
窓の外は、さしたる風光明媚な景色が続くわけでもないが、何となく外を眺め、風に吹かれながらゆったりと進むのは、列車旅の原点に触れられる数少ない体験だと思う。きっとまた来年も来ることになるだろう。

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また、今年もアカヤシオの季節。そうとなれば、また、わたらせ渓谷鐡道のトロッコ列車に乗りたい、また、神戸駅の「列車のレストラン」でビールを呑みたい、と思い、それに合った山行をあれこれ検討。そうすると、結果的にはごく近くのマイナーな山(むしろ望むところではあるが)しか条件に該当しないことが判った。
それで今回決めたのは、燧石山から白萩山まで高沢山稜の縦走(山の記録はこちら)。実際に歩いてみると、思った通り山中では誰にも会わず(鍋足の集落で、地元の方に大茂峠への道筋を教えて貰っただけ)、静かな山旅となった。狙いだったアカヤシオは、標高800mぐらいで丁度見頃、1,075mの白萩山では未だ蕾の方が多い状態だった。
座間峠からの下りは、沢筋へジグザグに下るところがかなり不明瞭だったが、なんとか林道に出られた。あとは車道を辿って淡々と神戸駅を目指すだけ。途中からは花桃の並木通り。今年の花桃まつりは4月8日と9日だったようで、とっくに終わっているが、花はどう見ても今が真っ盛りの様子。今年の開花は予定よりだいぶ遅かったようだ。
山中は涼しくて快適だったが、神戸駅界隈まで下るとかなり暑い(和尚の計測によると、尾根上で12℃、神戸駅付近では25℃だった由)。皆は花桃の写真撮影に熱中しているが、小生としては一刻も早く神戸駅に着いて、列車のレストラン「清流」でビールを呑まずにはいられない。
皆に構わず、ひとり「清流」に飛び込むが、店内(車内)もエアコンが利いている訳ではないので、外よりも暑いくらい。おかげで、生ビールがより一層美味く感じ、たちまち飲み干した。なんとかまた来年も、ここがゴールとなる山行計画を捻り出したい。

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時間まで「水沼駅温泉センター」でのんびりして、さてとホームに出れば丁度、「トロッコわっしー6号」がやってきた。2012年に導入した、新型車両だそうである。製造は新潟トランシス。車両の塗装色は、紅葉をイメージしたもの。いかに行楽客が秋に多いか、判る気がする。ちなみに「わっしー」とはわたらせ渓谷鐡道のイメージキャラクターで、郵便ボックスのような姿をしている。モチーフは、真正面から見た車両のようである。
車内で乗車券を購入する。今どき珍しい、短冊の様な券で、「車内補助券」と書いてある。行先や料金を示すため、鋏でパンチ穴を開けるスタイル。これだけでノスタルジーを感じてしまう。
16時25分に水沼駅発車。ここから次の停車駅、大間々駅まで9.6kmを16分かけて走る。同じ区間を機関車牽引の「トロッコわたらせ渓谷号」だと、24分かかる。丁度1.5倍。すなわち、「トロッコわっしー号」は1.5倍のスピードで走っていることになる。
それは実際、乗ってみて体感した。身体で受ける風圧が、「トロッコわたらせ渓谷号」とだいぶ違う。たしかに、ママチャリと原付バイクぐらいの違いは有りそうだ。風は強いが、ウィンドヤッケを着れば問題ない。気持ち良さは変わらない。再び、酒ボトルを取り出してちびちびやる。車内には売店があり、酒やビールも売っているようである(但し、売り子は見当たらなかった)。この「トロッコわっしー号」にも、窓がある普通の車両が付いているが、よほど風が冷たい場合でなければ、流石にそちらに座る気にはならない。
今回乗って初めて知ったことだが、「わたらせ渓谷鐡道」という言葉から、黒部峡谷のような深い谷を縫って走るのかと勝手にイメージしていたが、実際はそうではなかった。渡良瀬川は意外にゆったりと、所々に河岸段丘を形成させながら流れていた。
途中、通過する上神梅駅という駅は、大正元年建築で、国の登録有形文化財に指定されているとのこと。周囲が花壇で飾られていて、ちょっとメルヘンチック。この駅の通過では、「トロッコわっしー号」もゆっくりと走って、客の目を楽しませる。ところでこの「トロッコわっしー6号」も、「」乗車率はせいぜい20%ぐらいだろうか。まだシーズン前だからかも知れない。何はともあれ、我々には良いタイミング、贅沢な時間だった。

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世の中に駅ナカ温泉は数あれど、大抵は足湯で、正真正銘の日帰り温泉があるのは、かなり珍しい(そのうちのひとつに、皆さんよくご存じの越後湯沢駅がある)。今回はその中から、わたらせ渓谷鉄道の水沼駅温泉センターに寄ってみることにした。
勿論、山行プランの最初から決めていたので、この前後はトロッコ列車に乗ることにして、そのためには何時までに山から下りる必要があり、それに相応しい山ルートは何処か、と全て逆算して計画を立てた。従って今回は珍しく、往路の列車から、帰路、北千住に戻るまで、全て時間が決まっていた次第である。こうなるともう山は、フルコースの前菜のようなものである。
やっぱり、いちばん時間が読めないのは山の中。昭文社の地図にもコースタイムの記載は無く、しかもこの辺りの土地勘が乏しい。そのため、使えるものは使おうということで、タクシーで三境トンネルの入口まで登ったのだが、結果的にこれが功を奏した。座間峠からの下り、ハイキングコースと云う標識を見て油断したのか、地図に記載のない林道に紛れ込み、思わぬ遠回りをしたのだが、タクシーで高度を稼いだおかげで、神戸駅到着時刻はほぼ当初計画通りだった。
トロッコ列車で水沼駅に到着すると、本当に温泉施設はホームにあった。下車したら、5秒で入場できる。こんなに便利な温泉は、そうは無い。中は結構、広い。これだと温泉付き駅ではなく、駅付き温泉と云う感じ。600円払って風呂場へ。ちなみに、後で判ったことだが、友の会会員だと通常600円が400円に割引される。友の会年会費が200円とのことなので、会員になっても良かったかも知れない。でも年間2回以上来るかと云われると、ちょっと黙る。
脱衣所も中も、かなり客が多く賑わっている。列車レストランには入らないが、日帰り温泉には入りたい、という客は多いのだろう。露天風呂も悪くないが、内風呂も窓が大きく、外の緑が良く見えて気持ちが良い。やっぱり温泉は、自然に近い方が良い。
風呂上がりは食事処「わたらせ庵」へ。ここにも結構、客がいて思い思いに寛いでいる。何処か公民館の大広間の如くシンプルな内装だが、かえって田舎感があって和める。我々もビールを呷って暫しノンビリしていたら、もう次のトロッコ列車が来る時間。直前まで呑んでいられるのがグッドである。

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水沼駅温泉センターのHP: こちら

「列車のレストラン・清流」でまったりした後は、日帰り温泉がある水沼駅までトロッコ列車で移動。予め、なおちゃんに乗車整理券を買っておいて貰っていたのだが、当日買っても全く問題ない程、車内は空いていた。こんな良い季節なのに、何故客が集まらないのだろう。
それはともかく、我々にとっては願ったり叶ったりである。トロッコというと貨車をイメージするが、わたらせ渓谷鐡道のトロッコは客車を改造したもの。かつて昭和40年代に量産され、旧国鉄やJRで使われていた、急行用12系客車がベースの様だ。窓も窓枠も思い切って取っ払った状態となっている。
牽引する機関車はDE10形。これも昭和40年代から50年代にかけて量産された、ローカル線ではおなじみのディーゼル機関車。それまでの主役だったC56形やC11形、C12形等の支線用蒸気機関車の代替として導入されたシロモノであり、SLファンからは仇のように思われた、云わば憎まれ役だった。時は巡り、今はトロッコ列車を牽引する役を担い、今の子供たちの人気の的になっている(?)わけで、我々には何やら感慨深い。
わたらせ渓谷鐡道では、この客車タイプのトロッコ列車以外に、ディーゼルーカーを改造したトロッコ列車(こちらは、水沼駅から乗車する予定)がある。前者は1日1往復(基本的には土日だけの臨時列車)、後者は2往復運転している。
神戸駅14時46分発。水沼駅まで距離は10km弱しかなく、途中駅は全て通過するのにもかかわらず、約30分かかる。まるでママチャリ並み。トロッコ列車が、いかにゆったりと走るのかが判るだろう。そのおかげで、僅かな風の音と、線路の繋ぎ目の音しか聞こえない。渓谷のせせらぎの音や、鳥の鳴き声も聞こえてきそうだ。寒からず暑からず、トロッコ列車に乗るにはちょうど良い季節だ。
客車には、座席はとても簡易だが、どうぞここで呑んで喰って下さい、と云わんばかりに大きなテーブルがあるので、ありがたく酒とコップを取り出し、つまみを齧りながらちびちびやる。風が心地良い。それにしても、この開放感はどうだ。呑み鉄だったら涙が出る程だ。トロッコ列車が、こんなに良いとは知らなかった。いままで勿体ないことをした。これから、この遅れを取り戻さなくてはなるまい。

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やはりこの時期、気になるのはアカヤシオ。そうなると自然に、上州か下州の山行を考えることになる。「残馬山」なんて、つい数年前までは全く知らなかったが、ネットを調べていくうちにいくつかの山行記事を見付け、興味が湧いた。特に、わたらせ渓谷鉄道に近いことが気に入った。
わたらせ渓谷鉄道は、かつての国鉄足尾線時代も含め、これまで乗ったことが無かった。山に登るための手段(即ち往路)としては、いまいち乗り継ぎなどが不便なためである。でも復路の手段としては別。特に第三セクターのわたらせ渓谷鉄道になってから、神戸駅に列車レストラン、水沼駅に駅ナカ温泉、それにトロッコ列車が走っていることから、極めて魅力的、いつか機会を捉えて行ってみたい、そのためにはどの山に登ろうかと常々考えていた。
往路は別の手段を考え、復路のみ、わたらせ渓谷鉄道を使うと云う条件に合致したのが「残馬山」だった。そして今回、JR桐生駅からタクシーを奮発して、三境トンネルまで上がり、残馬山周辺の満開アカヤシオを満喫し、ほぼ予定時刻通り、神戸(ごうど)駅に下山することができた(山の記録はこちら)。
駅員さんが、「掘りたての竹の子どうですか」などと声をかけてくるが、こちらの頭の中はビールでいっぱい、それどころではない。跨線橋を渡って「列車のレストラン・清流」へまっしぐら。昨今、駅ナカのレストランは珍しくないが、 列車そのものを、まるごとレストランにしているのはなかなか無いだろう。列車の車体は、かつて東武特急「けごん」に使われていた1720系だった。
入口正面で食券を買い、厨房にいるお姐さんに渡して呑みもの、食べ物を受け取る、つまり学食形式。席は、シートを向かい合わせにしただけでは大きなテーブルが入らないので、シートピッチを改造して拡げてある。先客は3組ほどいたが、我々がビールを呑んでいるうちに、我々だけになった。
やがて列車が到着すると、時々客がレストランに入ってくる。ホームには駅員だけでなく、レストランの店員まで総出で、土産物やアイスクリーム、掘りたて竹の子の売り子に変身。列車が行ってしまうとまた、鳥の鳴き声しか聞こえない静かな駅に戻る。
それにしても、シーズンの頃はどうなのか判らないが、今日はこんなに良い陽気で、辺りは新緑で溢れているというのに、列車レストランに入る客の少ないことよ。観光バスや自家用車でやってくる輩には、このレストランの有難さは判らないと思う。ここへ来るには、是非、山から下りて来ることをお奨めしたい。

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 列車レストラン・清流のHP: こちら

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