山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

近畿

京都3日目は観光気分で比叡山に登ることにした。これまで延暦寺を参拝したことは何度かあったが、比叡山の山頂には立ったことがなかった。荷物はキャリーサービスで宿から京都駅へ送る。1個1,000円掛かるとはいえ、いちいち駅のコインロッカーへ預けに行く必要が無いのでとても便利、昔から愛用している。
先ずは昨日と同様、出町柳までバスに乗り、そこから叡山電車に乗り換え、終点の八瀬比叡山口駅で下車。更にケーブルカーとロープウェイを乗り継いで比叡山山頂駅に到着。もうそこは比叡山の一角で標高は820m余り。最高峰の大比叡は848.1mなので楽過ぎるが、有るモノは使う主義なので心は痛まない。大比叡は眺望が全く無いせいか、ひと気も無い寂しい山頂である。
ともあれ登頂を果たした後は、せっかくなので延暦寺へ向かう(ってか、たぶん大比叡は既に延暦寺の寺領内)。延暦寺の拝観料は大人1,000円。しかし、大比叡から向かうと何もゲートがないので、いつの間にか境内の中にいる状況。生憎、国宝の根本中堂は大改修の最中で、完成は6年後のことだった。今日は月曜日だけど結構、観光客が来ている。
参拝が終わったらそろそろ昼どき。今度は滋賀県側にある比叡山鉄道のケーブルカーに乗り、坂本へ。穴太衆積みの石垣を眺め、「塞王の楯」の世界に思いを馳せる。庭園が立派な食事処「芙蓉園本館」は予約が一杯で入れなかったので、「鶴㐂そば」へ向かう。建物は重厚な造り。こちらも行列ができていたが、それほど待たされることなく入店。創業は享保元年(西暦1716年)というから300年以上も経っている超老舗蕎麦屋である。
「鶴㐂そば」は外観同様、内装もいい雰囲気。さらに、蕎麦前が豊富だし、蕎麦も極めて真っ当で美味い。旅先でこういう店に出会うととても幸せな気分になれる。

194 【第3日目】今日も東横イン四条烏丸で朝食。
195 2泊お世話になりました。
196 朝の四条通。
197 出町柳駅からこれに乗った。
198 終点の八瀬駅。
199 ケーブルカーとロープウェイを乗り継ぎ、比叡山頂駅に到着。見えているのは蓬莱山。
201 殆ど労せずに到着。でも眺望ゼロ。
203 ここからちょっとだけ山径。
205 ここは観光客が疎ら。
206 戒壇院は誰もいない。
208 根本中堂は大修理の真っ最中だった。
209 まだ何年もかかるらしい。
207 遠くに見えるのはやっぱり琵琶湖。
211 振り返るとこんな眺め。
213 ケーブル延暦寺駅。
214 かなりクラシック。
215 2階の展望台から大津市街の眺め。
216 こちらは堅田方面。
218 左端は蓬莱山。中央遠くは白山か?
219 坂本にある蕎麦屋でランチすることにした。
220 建物もイイ感じ。
221 ちょっと待たされた。人気の店だ。
222 創業は享保元年、徳川吉宗が八代将軍に就任した年。
223 和室だけどテーブル席が有難い。
224 鴨と九条ネギ。
225 天ぷら盛り合わせ。
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226 滋賀の酒「七本槍」。
227 うなぎ蒲焼。
228 生湯葉。
229 うざく。
230 しめはざるそば。「ざる」でも刻み海苔はかかっていない。
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居酒屋「棲家」で京都の酒と料理に舌鼓を打ったあと、まだ20時前だったのでちょっと寄り道することにした。折角、夜の京都に来て祇園も先斗町も寄らないなんて有り得ない。お大尽ではないのでお茶屋遊びは出来ないけれど、小洒落たバーでもあれば一寸寄ってみようという感じで、とりあえず手近な先斗町に向かう。
通りの賑わいは以前に比べればやや寂しいレベルだけど、風情は記憶のままのようだった。先斗町の佇まいは、先斗町にしかないと思う。敢えて何処かの店に予約を入れるということをせず、この径をそぞろ歩きしながら店を探すだけで、何となくいい気分になれる。
先斗町のなかほどで、偶々目に留まったのが「ハロードーリー」という昭和のジャズバーだった。以前から名前は聞いていたような気はするが、入るのは初めてなので、記憶が間違っていてぼったくりバーだったらどうしようか、という思いがよぎり、入るのを一瞬躊躇った。
入ってみると、カウンター席はあるが奥にテーブル席がいくつもあり、そちらに案内される。奥に長いのは京都では普通。一番奥はもう鴨川に面しているはずだが、そちらには窓も扉もない。ジャズバーに川床は似合わないということか。偶にはライブもやるらしい。
アンティーク調で実にオーセンティックな雰囲気な店である。流れていたのは「Tea for Two」、歌っているのは女性ボーカルだが誰だかよく分からない。ドリス・デイだろうか。それはともかく、この店に合った感じの曲である。さて吞み物は何にしようか。女性陣はカクテルが良いだろうが、こちらはなるべくドライが良い。そういえば何年か前、京都に来た時に祇園で呑んだラフロイグにしてみよう、と思い出した。

190 先斗町をそぞろ歩き。
191 イイ感じ。
192 インスタ映えな風景。
193 ジャズバーに入ってみた。ここは良心的な店でした。
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眺めの良い比良駅のホームでビールを吞み始めたが、間も無く電車が来たのでそのまま乗り込む。さいわい車内はガラガラだったので、他人の目を憚ることなくそのまま吞み続けた。京都駅で地下鉄に乗り換え、また四条駅で下車。ベースキャンプの「東横イン四条烏丸」に戻ると、早速シャワーを浴びてさっぱりする。
夕刻になったら、再び京の街へ繰り出す。昨日は四条通から下がった仏光寺通だったが、今日は上がって木屋町通へ向かう。でもその前に、錦小路をぶらぶらしてみる。日曜日なのでたいていの店は閉まっていると思っていたが、意外と開いている店が多い。恐らくは皆、観光客相手の店である。まだインバウンドは戻ってきていない筈だが、それでも結構、欧米系の観光客が目立つ。以前、牛刀を買ったことがある「有次」が開いていたら、ちょっとだけ覗いてみようかと思ったが閉まっていた。
今宵の店は、高瀬川からちょっとだけ西に入ったところにある「棲家」という居酒屋。ひっそりとした隠れ家的なイメージを連想したが、店内は至って明るく賑やか。この店もかなり女子率が高いし平均年齢も低い感じなので何となく落ち着かない。
生ビールで乾杯した後は、今宵も京都の日本酒を堪能しつつ、おばんざい三種盛り、おぼろ豆富サラダ、カツオのカルパッチョ、豚ロースの西京焼き、石焼き野菜など、野菜中心な料理をいただいた。何れもひと手間かけた味付け、デコレーションを楽しむことが出来た。
おとなりのテーブルには若い女性ばっかのグループがやってきて呑む前から賑やか。「へしこ炒飯っておいしそう」「てか、へしこって何?」等の会話がまる聞こえ。京都の女の子でも「へしこ」を知らないのか、とやや意外だった。それにしても、へしこ炒飯、美味そうだった。

179 錦市場をそぞろ歩き。
180 今宵はここで。
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181 客は女性ばかりで一寸落ち着かない。
182 突き出し。
183 おばんざい三種盛り。一番右は里芋の唐揚げ。
184 おぼろ豆富サラダ。
185 カツオのカルパッチョ。
186 豚ロースの西京焼き。
187 石焼き野菜。
188 スイーツ。みららしに絡まっているのは生麩。
189 今日も喰い過ぎました。

2日目は比良山系最高峰の武奈ヶ岳に登る(山行記録はこちら)。最寄りは、やはり鯖街道沿いにある坊村BSとなる。実はここへ行くには日曜日だけ、しかも出町柳駅前BSを7時45分に出るバスの一択しかない。
而して、公共交通機関を利用して武奈ヶ岳に登るのは、ほぼ必然的に日曜日に限られる。そのお陰で、1台だけでは乗り切れないほどの客(ほぼ全て登山者)が群がった。土曜日にも走らせたらいいんじゃない?京都バスさんよ!と思うのは小生だけではない筈だ。結局のところは増発便が出て、何とか全員乗り切れたらしい。
出町柳から凡そ1時間、坊村BS前にある公衆トイレも、そのバス到着後に大行列ができて騒然とした雰囲気となる。でもそれから約10分後、我々が出発する頃にはだいぶひと気も疎らになった。登山口の明王院までの道沿いに「比良山荘」という音に聞こえた有名料亭がある。名前だけは知っていたが、こんな辺鄙なところにあるとは知らなかった。一度でいいから鮎を喰いに来てみたい。
坊村BSから武奈ヶ岳までは3時間弱。途中から紅葉の中を進むようになる。樹林帯を過ぎると、昨日登った蓬莱山が随分と立派に見える。辺りは丁度紅葉の盛りで、自然と歩みが遅くなる。武奈ヶ岳山頂付近になると琵琶湖が見えた。全貌は見えないものの、却ってその大きさはよく分かる。
下山は琵琶湖側へ向かう。途端に、眼下に琵琶湖が広がる。この眺めは唯一無二だ。辺りを彩る紅葉を眺めながら湖畔に下り、湖西線の比良駅へ向かう。駅のすぐ手前に「ほっとすてぃしょん比良」という店があってビールも呑めるのだったが、店内には高校生グループがいたのでその場で呑むのはちょっと憚って、缶ビールを買うだけにして駅のホームでプシュッとやった。

082 さて、参りますか。8時56分
084 ここは高級料理屋。
083 これから目の前の御殿山コースを登る。
086 いっちゃうよー。
087 登り始めはお寺の参道だが・・・
088 その後はいきなりの急登。
090 九十九折りが延々と続く。
093 ここは傾斜が緩い。
094 でもすぐに九十九折りの急登。
096 まだ標高が低いせいか緑が支配的。
097 標高840m付近。
099 御殿山コースの紅葉その2。
103 御殿山コースの紅葉その6。
104 御殿山コースの紅葉その7。
108 御殿山コースの紅葉その11。
109 御殿山コースの紅葉その12。
111 段々落葉が増えてきた感じ。
112 標高1,000m付近。この先で休むことにした。10時44分
114 ウリハダカエデの絨毯。
115 この辺りになると晩秋の様相。
116 木々の間に見えるのは昨日登った蓬莱山。
117 御殿山に到着。11時4分
119 初めて武奈ヶ岳が見えた。
121 振り返れば蓬莱山。
124 はい、撮ります。
127 気持ちが良いところ。
130 上の方には登山者がいっぱいいる。
131 さすが人気の山だ。
133 あと登り100mぐらいか。
135 眺めに見惚れてなかなか足が先へ進まない。
137 下りてくる人もかなりいる。
138 最後の登り。
140 武奈ヶ岳の肩。11時39分
141 ここから見る蓬莱山は大きい。
143 西側の眺め。
147 中央奥が伊吹山。その左奥に薄っすら御嶽山。
148 琵琶湖の向こうは鈴鹿山脈。
151 空身で山頂へ。
153 撮影も順番待ち。
154 下の方は良い色。
157 開けたところに出た。
158 八雲ヶ原というところ。
161 風が吹くと結構涼しい。
163 武奈ヶ岳を振り返る。
165 とは言ってもまだ2時間ぐらいはかかる。
166 目の前の無名峰がモザイク的。
168 石ゴロゴロの径がしばらく続く。
169 何気に歩き難い。
171 ここだけ幅が狭い尾根。
173 大山口に出た。14時17分
174 バスを待たずに駅まで歩くことにした。
175 何処から下りてきたのか分からない。
176 あれは釈迦岳のようだからもっと左のはずだ。
177 比良駅前のカフェでビールをゲット。
178 殆ど客が乗っていないので遠慮なく。

大原から路線バスに乗り、地下鉄に乗り継いで四条で下車。今回のベースキャンプは東横INN京都四条烏丸。四条烏丸に泊まるのは恐らく中学生の修学旅行以来である。当時はまだ市電が四条通にも烏丸通にも走っていて、就寝時に大部屋で布団に入って寝ようとしている頃、窓の外から市電の車両が線路交差部を通過するときの音、いわゆる「どですかでん」の音が気になって、なかなか寝られなかった覚えがある。
今宵の店は、四条烏丸にほど近い、仏光寺通にある「栞屋」という町家造の居酒屋。仏光寺通にある店なんて多分、初めてだ。今まで入ったことがあるのは祇園や六角通、四条河原町、寺町通、木屋町通、先斗町辺りの店、それだけでちょっと新鮮である。
予約した時間より少々早めに宿を出て、店の辺りをぶらぶら歩いてみると、相変わらず京都には、この街の雰囲気に溶け込んだような、でもかなり個性的で小洒落た店が多いし、それがまた益々増えているように感じる。京都の神社仏閣はほぼ飽きたが、京都の街並はどうやら死ぬまで飽きそうにない。
「栞屋」は我々を含め予約客ばかりがやって来る、人気の店のようである。町家なので靴を脱いで上がる。我々は2階の席。BGMにはZONEの「~secret base~君がくれたもの~」がかかっていた。1階も含め、全体的に女性客の割合が高いようである。
先ずは生ビール(590円)で乾杯。メニューを見る限り基本的には居酒屋料理なのだが、京都らしさが随所にある。例えば九条ねぎ入り焼き餃子(430円)。例えばブリは、切身を炙ってあってしかも山葵おろしがかかって出てくる(900円)。例えば生麩の肉味噌田楽(590円)。やはり坂東ではなかなか見かけないシロモノである。
ビールの後は勿論日本酒。やはり京都・伏見の酒だ。どれも料理が美味いのでついつい頼む酒が増え、予約した2時間はあっという間だった。

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074 日が暮れてから仏光寺通をそぞろ歩き。
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075 今宵は仏光寺通にあるこの店で夕餉。
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076 今日は余り疲れてませんが、お疲れ様です。
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077 京都らしい料理を頂きました。
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078 お腹いっぱいです。
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「ぎゃらり杣の道」で骨董品に囲まれながら、つい日本酒まで吞んでしまったあとのこと、これから京都の街へ移動するわけだが、この時間、路線バスは無い(朝10時1分発の1本しか無い!しかも日曜日のみ!!)。而して最寄りのバス停は大原。そこまでタクシー移動するしかない。そのタクシーも京都から呼ぶのではなく、大津から呼ぶことになると(∵ここは京都府ではなく滋賀県大津市だから)。でも乗ったら大原までは凡そ20分の距離(料金は4,460円)。意外と近いのだ。
せっかく大原に来たのだからと、女子連は観光するという。一方、もう大原には何度も来たことがあって基本的に神社仏閣鑑賞は間に合っている小生は、三千院の門前で皆と別れ、何処かの茶屋で待つことにした。この界隈のモミジはなかなか良い具合に色付いている。
今日は土曜日なのに、コロナ禍でインバウンドが無いせいか至って静か、何処の茶屋もガラガラの様子。こんな大原に来たことがない。でも別に菓子を喰って抹茶を飲みたい訳ではないので、何処でも良いとは云えない。そんななか、ビールを置いていそうな店を見つけたので入ってみた。
道に面した土産物屋「森善」の奥に、パッと見、50~60人ぐらいは楽に入れそうな飲食スペースがあり、客はそこに数人しかいない。「おのみやす」というイージーな名前が付いた店だが、ビールはあるし、西側の眺めが良い(大原の里が一望できるという)ので全く問題ない。
席に着いてメニューを眺めると、確かにビールは置いてあるが、つまみにするような単品料理が見当たらない。せいぜいいなり寿司ぐらいで、あとは麺類とか丼物、定食物ばかり。でも試しに定食物を単品で頼めるか女性店員に訊いてみたら、あっさり「大丈夫ですよ」とのこと。で、ありがたくビールと桑の葉餃子を単品で注文。桑の葉の味は記憶になかった(多分、初体験)が、予想以上に美味かった。

057 大原に立ち寄った。
058 この辺りのモミジは良い具合。
059 三千院。
064 宝泉院。
065 宝泉院その2。
066 その頃副隊長はここの店にしけこんだ。
067 こういう名前の店。
068 食事処はガラガラ。
069 いただきます。
070 桑の葉餃子を注文。
071 一口サイズの餃子。桑の葉感は無かった。
072 結局、参道の紅葉がイイ感じ。
073 これから京都市街へ移動。
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4月の奈良・吉野山以来、今年2回目となる関西の山旅。今回は琵琶湖の西、比良山系の山に初めて登る2泊3日の企画で、先ず第1日目は蓬莱山に登ることにした(山行記録はこちら)。日本三百名山の一つだからということもないけど、この比良山系の中では有名な山のようなので、どんなもんかと思ってとりあえず選んでみた。
今回のプランを考える上で一番の悩み処は、どこをベースキャンプにするか、ということに尽きる。最初は、比良山系に最寄りの坂本辺りを考えてみたものの、2泊するのであれば旅館よりもビジネスホテルの方が使い勝手も良さそうだと思い至り、だったら大津の方が色々ありそうだということになり、調べていくうちに、なんだ大津と京都なんて電車で10分くらいしか離れていないんだ、と気付き、じゃあ何かと選択肢が多い京都にするか、ということに落ち着いたのだった。
ということで、初日は京都駅構内のコインロッカーに余計な荷物をデポしたあと、湖西線に乗って志賀駅で下車、ここから路線バスに乗りびわ湖バレイロープウェイの山麓駅で下車。駅には予想以上に客が列を成していて、ロープウェイ乗車が暫く待たされる。
蓬莱山は中腹の紅葉はなかなか見事だったが、山頂付近はすっかりガスに包まれていて、微かに琵琶湖が見下せる程度。でも山の雰囲気(植生)は関東とはやはり違う。遥々来ただけのことはあると感じながら、琵琶湖と反対側の鯖街道へ下る。
そこには骨董屋のような、飲食店のような(多分、両方とも正解)「ぎゃらり杣の道」がある。ネットで調べた範囲では、やっているのかどうかが判らなかったが、どうにか営業中で助かった。なにせこんな超山の中、代案などあるはずもない。
でも予約客があるというのでテーブル席には着けないとのこと。ということで骨董品が並んでいる部屋の上り框のようなところでビールを呑む。鯖寿司も売っていた。そのうち、骨董品部屋に入ってもいいと云われ、囲炉裏が切ってあったので骨董品に触れないよう、そうっと座り、日本酒を呑んだ。酔っぱらったら色々壊しそうで怖い。何だか不思議な体験だった。

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関西の桜の名所、醍醐寺を堪能した後は、もう京都駅へ戻って家路に着く頃合い。醍醐寺から京都駅への最適経路が良く分からないが、バスとか電車を乗り継ぐのが面倒だし、地図を見る限りそれほど遠くないのでタクシーで直行することにした。
総門を出たところに醍醐寺前BSがあり、偶々、空車のタクシーがやって来たので手を挙げると、上手い具合に乗車できた。その運転手曰く「ホントはここでは乗せられない」と。でも乗っちゃったので問題なし。このタクシー運転手、とにかくよく喋る運転手だった。
聞きもしないのに、コロナ禍で売上がさっぱりだった頃は、仕事を休んでキャンピングカーを借りて奥さんと日本中巡っただの、客を拾うポイントだけ押さえればタクシー運転手として十分やっていけるだの、元々は福岡にある神社の跡取り息子だったが、跡取りは弟に譲って京都に出て来て、今は弟に「これで一生喰っていける」と感謝されているだの、喋りっぱなし。全く話が尽きず、気が付けば京都駅に着いていた。この饒舌さも、タクシー運転手としての資質の一つかも知れない。そう云えば、松本のアルピコタクシー波田営業所の運転手も、まさに立て板に水だった。
京都駅に着いた後、ちょっとだけ京都の味に触れることにした。駅構内は何処も客でごった返す状況、特に目当ては無かったので、駅前の伊勢丹の上に行ってみたら、偶々入れそうだったので入ってみたのが「松山閣」という湯葉料理の店。御室の奥山にある本店は高級店(ランチでも最低1万円から)で、ここはその支店だった。ビールや日本酒を傾けつつ、比較的お手軽に様々な湯葉を味わうことが出来た。湯葉や麩でこんなに種類があるのはさすが、京都だ。これだけで、何となく京都気分に浸ることが出来た。

216 京都駅ナカのこの店で締め。
217 眺めが良い。
218 またビール。
219 生麩田楽。
220 こんなに様々な麩。
221 ゆば刺し。
222 ゆば天ぷら。
223 野菜天ぷら。

「カフェ・エトランジェ・ナラッド」で満ち足りた気分になった後、そのまま奈良市街でプチ観光しても良かったが、せっかくなので満開の桜が見たい、しかし奈良市街には桜の名所が無い、ということで、京都の桜の名所、醍醐寺へ行くことになった。そういえば、吉野も醍醐寺も、秀吉が愛した桜の名所である。ということで、我々も太閤気分で花見をしよう。
土地勘が無いので、「カフェ・エトランジェ・ナラッド」からどういうルートで醍醐寺へ行くのがベストなのかはっきりしなかったが、乗り換えが一番少ないのはJR奈良駅から奈良線に乗り、六地蔵駅からタクシーで乗り付けるルートだと思われ、これで行くことになった。
JR奈良駅へ着いてみると、いつの間にか橋上駅になっていた。それに、かつてとは全く異なる、駅前の華やかさ。関西のJR線は、近鉄との競争で負け犬状態かと思っていたが、それなりに金は掛けて、それなりに効果が表れているように見える。和洋折衷な旧駅舎は、奈良市の総合観光案内所になっていた。
六地蔵駅からタクシーで醍醐寺に着くと、今までと人の数が全然違う。流石は醍醐寺である。拝観料1,000円を支払って境内へ。昔は何処の寺もだいたい500円だった気がする。桜はまさに見頃だった。
取り敢えず境内を端から端まで巡り東の外れ、弁天池でUターン。それにしても、何処も彼処も桜だらけ人だらけで些か疲れて来た。この後、皆は霊宝館へ行くというので、付いては行かず待っていることにした。何処か茶屋でもないかなと見渡せば、丁度上手い具合に「ル・クロスゥルスリジェ」というカフェがあった。境内にカフェ、しかもかなり本格的なフレンチスタイルのカフェがあるとは、なかなか洒落ている。大して客は入っていなかったので好きなところへ座ってメニューを見れば、ビールが置いてあり、しかもまたしてもハートランドだ。関西人はハートランドが好きなのかしらん。

204 旧奈良駅舎。
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205 醍醐寺に行ってみた。
206 さすがの人出。
207 桜はちょうど見ごろ。
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208 仁王門。
209 桐の御紋は秀吉の花見をイメージ?
210 金堂。
211 五重塔。
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212 弁天池と弁天堂。
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213 また喉が渇いてきたので・・・
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214 ここに立ち寄り。
215 ハートランドビールがあった。
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吉野の桜の余韻に浸ったまま、橿原神宮前駅と大和西大寺駅で乗り換えた後、平城京跡を眺めながら近鉄奈良駅へ移動。個人的に奈良は随分久しぶり。ここへ来たのはランチを喰うため。このところ和食が続いていたので、今日のランチはヨコメシにしようということになった。
ちなみに、ヨコメシと云っても通じない者が結構多い。『三省堂国語辞典』にもあるように「西洋料理。洋食」のことであるが、意外に一般化していないようである。
なおちゃんが選んだ店は、「カフェ・エトランジェ・ナラッド」という名のイタリアンで、近鉄奈良駅からJR奈良駅へ向かう途中にある。その手前に、奈良漬の老舗「今西本店」があったので寄ってみた。ここの奈良漬は一般的な奈良漬と違い、真っ黒である。
「カフェ・エトランジェ・ナラッド」は想像以上に広い店だった。我々は、一番奥の端っこ。賑やかそうだから、他の客の迷惑にならないような配慮がなされた、のかも知れない。メニューを見た限り、ランチタイムでもなかなか一品料理が豊富で良かった。我々は常に、こういう店を探し求めている。
先ずは生ビール(ハートランド生、640円)で、大峯・吉野奥駈道ツアーの無事踏破を祝して乾杯。先ずは生ハムとサラミの盛り合わせ(1,650円)と前菜盛り合わせ(900円)、奈良の旬野菜窯焼き(860円)を頼む。生ビールにタテメシ(和食)も悪くないけど、やはりヨコメシの方がしっくりくる。これは歴史の違いか。
その後は白ワイン(ワインメーカーズ・ノート・シャルドネ、3,300円)に切り替え、料理はしらすと青のりのオイルパスタ(1,320円)、大和鶏と大葉ジェノベーゼ(1,430円)、ピッツァ・マルゲリータ(1,320円)、ピッツァ・クアトロフォルマッジ(1,760円)と炭水化物系4連発。いやはや皆さん、食欲旺盛。こちらは赤ワイン(ヤンモ・ロッソ、3,650円)に切り替え、そのアテに大和ポークのグリル(1,520円)と海老とマッシュルームのアヒージョ(970円)をいただいた。どれも美味くて大満足だった。

184 これで帰る。
185 特急よりもこちらの方が早いんで。
186 窓の外はどこでも桜。
187 平城京跡。
188 復元された大極殿と南門。
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189 老舗奈良漬店に立ち寄り。
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190 ランチはここにした。
191 モダンなイタリアン。
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192 喉が渇いたよ。
193 シャルキュトリ盛り合わせ。
194 前菜盛り合わせ。
195 焼き野菜盛り合わせ。
196 ビールの後はオーストラリアのシャルドネ。
197 しらすと青のりのパスタ。
198 大和鶏と大葉ジェノベーゼ。
199 マルゲリータピッツァ。
200 クアトロフォルマッジ。
201 大和ポークのグリル。
202 エビとマッシュルームのアヒージョ。
203 満足しました。
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昨日はいい気分になったせいか、(小生だけでなく皆)午後8時前には早々と寝て仕舞い、そのおかげで今朝はもう4時から目が覚めた。まだ外は暗いので、布団に包まったまま暫し読書。寝る前だと直ぐに寝落ちしてしまい、大してページが進まないが、朝はそんなことにはならず結構熟読できるので、この頃はこのパターンが多い。
それでも6時前には起きて、早朝の吉野を散策してみた。昨日よりガスが垂れ込んでいて、上千本から上は良く見えない。中千本の桜は、昨日よりも色付きが良い気がする。偶々目の前に、西行が「まがふ色に花咲ぬれば吉野山 春は晴れせぬ峰の白雲」と詠んだ歌碑があって、すっと感情移入した気がした。
小1時間ほどウロウロした後、宿に戻って朝食。昨夜の夕食に較べると随分と質素な朝食。だが、だいたい関西の朝食はこんなイメージだ。それでもご飯は少しだけおかわりした。8時過ぎに宿を後にして、金峯山寺蔵王堂へと向かう。今は特別御開帳とのことで拝観料は破格の1,600円。だからといって、せっかく来たのに素通りは出来ず、大枚叩いて久しぶりに迫力満点の蔵王権現を拝した。
次は下千本へ。ここの見どころは昭憲皇太后御野立跡からの眺め。晴れたら奥千本まで見えるらしいが、今日の天気では無理。見渡す限り中千本、下千本でも、まだ五分咲きにもなっていない感じだったが、見応えはあった。
後は桜を見上げながら七曲り坂を下り、近鉄吉野駅へと向かう。ここはロープウェイだとあっという間なので、歩いて下った方がずっといい。吉野駅に着いたら、次の電車までちょっと時間があったので駅前の茶屋「近藤」で地ビールをゲット、まだ10時前だけど失礼してグビッとやった。

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171 秘仏ご本尊特別開帳中なので1,600円でした!
172 仁王門は大改修中。
173 下千本。
174 この辺りも五分咲きぐらいか。
175 昭憲皇太后御野立跡からの眺め。
176 あちらは中千本。
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178 七曲りを下る。
179 ロープウェイに乗る客は少ない。
180 吉野駅前の茶屋。
181 おっ、地ビール発見。
183 ろうろう、という名前。

花矢倉展望台から眺めた限り上千本はまだ開花前。一方、中千本の桜は開花は済んでいるものの、今はやっと二、三分咲きぐらい、あと一週間後が見頃かなという感じだった。それでも見応えは十分、やはり吉野はちょっと違う。次は中千本にある展望台へと向かうとしよう。
下り坂には何故か東南アジア系(タイ人?)の若者団体が一杯いて賑やか、でも我々にはちょっと歩き難い。途中にある「竹林院群芳園」や「櫻本坊」にも立ち寄り。前者は老舗旅館で庭が有名、後者は神仏習合の道場で、何故か役行者の母親の像があるのが珍しい(はっきり云って大した彫刻ではない)。
林とうふ店の向かいに駐車場があり、ここが隠れた展望台。中千本は目の前、上千本を見上げるような位置にある。女子連は何処へ行ってしまったのか見当たらないので、そのまま今宵の宿「吉野館」へ向かうと、もう着いていた。荷物を置いて吉水神社の展望台へ。ここは秀吉がお気に入りだったという「一目千本」の眺めだ。
ひと通り桜は見たので宿へと戻り、風呂に浸かる。風呂上りに女子部屋を覗いてみると、5人で4部屋ぶち抜きのスペースを占有。何とも豪勢なことだ。それ以上に凄いのは窓からの眺め。如意輪寺を真正面に、中千本を独り占めのような、抜群の景色が望める。これで1泊2食付15,400円は断然、お値打ちだと思う。
せっかくなので(男部屋からは微かに上千本が見える程度なので)、こちらで湯上りビールをいただけば、もうすっかり極楽浄土、もう何もいらない気分である。
そうは云ってもメシの時間になれば腹が減ったことに気が付き、いそいそと食事処へ。これといった名物料理ではないにせよ、色々と手が込んだ懐石風な夕餉が並んでいて、今度は舌で吉野の夜を堪能した。

133 そこそこ咲いている。
134 もう中千本。
135 竹林院群芳園に立ち寄り。
136 ここは高級旅館でもある。
137 昨年もやってきた櫻本坊。
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139 上千本を見上げる。
140 あちらは如意輪寺。
141 女子連は今宵の宿に到着。15時16分
142 吉水神社。15時22分
144 ちょっぴり早かったけど。
145 記念撮影。
146 桜と蔵王堂。
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147 男子部屋。
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149 女子部屋からの眺め。
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150 女子部屋は5人で4室独占!
151 風呂上りも桜を眺めながら。
152 こちらが夕食会場。
153 お疲れ様でした。
154 見て楽しい夕食。
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155 地酒に酔う。
156 窓の下に夜桜。
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157 【第3日目】朝の東南院。
158 網羅的な案内板に感心した。
159 朝の蔵王堂。
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161 南朝妙法殿。
162 朝の駐車場。
163 昨日よりも眺めが良い感じ。
165 奥が休憩所。
166 今朝の上千本。
167 西行の歌がしみるね。
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169 「吉野館」の朝食はシンプル。
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170 お世話になった仲居さんと。

2日目はいよいよ大峯奥駈道。昨年、山を下りた五番関から、女人結界門を背にして吉野に向かってスタート。実は今回のコースで最大の懸念は、果たして大天井ヶ岳に雪が残っているか、残っているとすればどのくらいか、だった。土地勘が無いので、関西の中央部にある標高1,439mの山に雪はいったいどのくらい降るのかも、それはいつ頃からいつ頃まで根雪として残っているのかも、良く分からない。
ネット上の記録を見れば、4月初めに登る輩は極めて少ないのが分るだけ。前日に観音峰展望台から山上ヶ岳を見ることが出来て、1,719mであのくらいだから、大天井ヶ岳に残っていても大したことは無さそう、と漸く心を落ち着かせることが出来た。
実際、登ってみてツボ足でもなんとかなる程度だった。しかし、念のためチェーンスパイクを装着。それでも150mぐらい下ったらもう必要なかった。あとは淡々と距離を稼ぐだけ。途中、何ヶ所か靡があった一方で、緊張するようなところは一切なく、いつの間にか吉野の入口、青根ヶ峰に到着。
今までほぼ我々だけの世界だったのが、奥千本辺りになるとポツリポツリと観光客が現れ、金峰神社はまだ静かでも、吉野水分(みくまり)神社に着けばもうすっかり観光地。思った以上の賑わいである。我々もお詣り。ここは祭神が三柱なので、社殿も三殿一棟造りという珍しいスタイルなのだ。
本来はまだ奥駈道の途中なのだが、もう我々も何となく浮かれた気分。だったら眺めが良いところに行ってみようかと、ちょっと脇道に逸れて「花矢倉」に寄ってみる。ここは吉野の観光ポスターにも使われるような眺めが良いところで、上千本から中千本、下千本まで見渡せる。
天気はほぼ回復してきたものの、肝心の桜はちょっとだけ早かったようだ。それでもここほど立体的に桜を俯瞰できるところは、日本と広しいえども無いだろう。折角なので、茶店で缶ビールを仕入れてグビッとやった。

068 五番関登山口からスタート。8時24分
069 石がゴロゴロ。
070 ここはずっと急登。
073 女人結界。
074 行けませ~ん!
076 岩にしがみ付くヒノキ。
077 ちょっとだけ眺望。
078 この岩は簡単にスルー。
082 積雪量は大したことは無い。
085 はい、撮ります。
086 大天井ヶ岳直下。
087 ここは一気に下る。
089 手すり状態。
090 ここも激下り。
092 チェーンスパイクを脱ぐ。10時9分
093 後は淡々と下るだけ。
094 ヒノキ葉のじゅうたん。
095 第69番靡「二蔵宿」に到着。10時35分
097 菊丸が撮っているのは・・・
098 こんな独創的なマップ。
099 登り返し。
100 B班は四寸岩山に到着。11時35分
101 ちょうどその頃、A班は足摺茶屋に到着。
102 道は建物の中へ。
104 この宝筐塔も靡でしょうか?
106 ここも眺望なし。
108 晴れたら山上ヶ岳が見えるらしい。
109 ここもヒノキ葉模様のじゅうたん。風のせいか?
110 ガラガラな下り。
111 見えているのは金剛山か?
114 B班は青根ヶ峰に到着。13時9分
116 もう吉野山の一部。
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118 山頂でひと休み。
119 かつての女人結界がここ。
120 また眺めが良いところから金剛山が見えた。
121 もう山道は終わり。
122 ここは奥千本。
123 金峰神社に参拝。13時49分
124 吉野水分神社に参拝。
125 特徴的な様式の拝殿。
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126 花矢倉に立ち寄り。14時24分
127 こんな眺め。
128 中千本辺りは桜が咲き出している。
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129 この眺めを肴に一杯。
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130 ちょっと長居しました。

大峯奥駈道のうち、北半分の残りをトレースするため、吉野の桜鑑賞と抱き合わせで行くプランを立てた。大峯に行くのはこれで3回目、毎度思うが大峯は遠い。あさイチの「のぞみ」に乗っても、天川川又に着いたのは午前11時ちょっと前。この時間から奥駈道は無理なので(二蔵宿小屋に泊まれるらしいが、やめた)、初日は足慣らしを兼ねて、観音峰に登ることにした(山行記録はこちら)。
下市口駅から天川川又までタクシーで移動する道中、「陀羅尼助丸」の看板が其処彼処にある。興味があったので、タクシーの運転手に「陀羅尼助丸」の話を聞いてみたら、こちらの人は、特に胃腸の具合が悪くなくても飲むとのこと。つまりサプリ的飲み方をするようだ。どの店がいいのか聞いてみたが、何処も同じだと。処方箋は、役行者が作ったと聞いたことがある。
天川川又から観音峰登山口までは、宿の車に乗り換えて移動する。思った以上に天気が良かったせいで、観音峰展望台から、まだ雪を被った稲村ヶ岳や山上ヶ岳を眺めることが出来た。初日としては上々吉である。気分良く登山口まで戻り、宿の迎えの車で洞川温泉へと移動する。温泉街の入口で車を降りて宿までそぞろ歩き。でもそんな輩は我々以外、見掛けない。
今宵の宿「あたらしや」は、昨年独りで泊まった「花屋徳兵衛」の真向かいにある。洞川温泉全体がそうだが、この宿もかつては大峯登山にやってきた「講」の宿坊だったらしい。そのせいで、襖で仕切っただけの大部屋が残っている。今回の女子部屋がまさにそうだった(男子部屋は、一番端っこに新しく作った、座敷牢のようなこじんまりした部屋だ)。
タクシー車内でも話題になった「陀羅尼助丸」を製造販売する店は、洞川温泉街にもいくつがあるが、ここ「あたらしや」でも売っていたので、買ってみることにした(宿泊者は100円割引の900円)。粒は思ったよりもずっと小さく(仁丹よりも小さいか)、1回に30粒を飲むとのことだ。
「あたらしや」の夕食はぼたん鍋、予想以上にサッパリしていて美味かった。締めはチーズリゾット、これもなかなかイケた。他にも凝った料理が色々あって、満足度は高かった。

001 【第1日目】天川川合にある観光案内所。
002 観音峰登山口にて。
003 吊り橋を渡ったら山道。
005 マムシに注意とのこと。
009 大して展望は良くない。
010 所々にこんな説明。観音峰とは直接関係はない。
012 観音峰展望台から望む稲村ヶ岳と山上ヶ岳。
014 こちらは弥山。八経ヶ岳は見えているのかどうか。
015 立派な石碑が立っている。
016 更に先へ。
020 雪が残っている。
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024 やっぱりここは眺めが良い。
025 石碑の周りに展望案内板があった。
028 さて、下山。
031 この杉は吉野杉ブランドか?
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034 洞川温泉街には陀羅尼助が目立つ。
036 そそられる~。
037 洞川温泉街をそぞろ歩きするのは我々だけ。
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039 向かいが去年泊まった「花屋徳兵衛」。
040 男子部屋。
041 男子部屋から風呂へ向かう。
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042 男湯。
043 どうやら一番風呂。
045 女子部屋は二間続き。
046 川を眺めながら。
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047 食事処は大広間。
048 いただきます。
049 料理のメインは鍋。
050 地元で獲れたぼたん鍋。
051 ちっとも脂っぽくなかった。
052 燗酒はお銚子、冷酒はチロリ。
053 鹿肉も全く臭みなし。
054 ぼたん鍋の締めはリゾット。
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055 提灯にあかり。
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056 囲炉裏でかき餅を焼いた。でも誰も喰わない。
057 大旦那?が歴史を語る。
058 奈良の銘酒「風の森」。
059 部屋酒いただきます。
060 食後の会計。
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062 【第2日目】朝のロビー。
063 1泊組のB班が先発。
064 ではお気をつけて。6時56分
065 A班はこれから朝食。7時26分
066 A班も出発。
067 お世話になりました。8時5分

橿原神宮前駅に14時12分到着。ここで14時30分発の京都行特急へ乗り換える。近鉄大阪線ホームから橿原線ホームへの連絡通路上にはいくつかの店がある。2日前の往路には、ここの「梅守本店」でわさび葉寿司を買った(実は前回も買った)。仄かに辛みを感じる程度で、それほどわさび葉らしくない。他でなかなか見掛けないので、この店の専売特許なのかも知れない。
乗り換えの途中、菊丸がその隣の「柿の葉寿司のゐざさ 中谷本舗」で柿の葉寿司を買ったので、釣られて小生も買った。奈良の土産物と云えば奈良漬けがポピュラーだが、カミさんも小生も余り好きではない。而して柿の葉寿司を買う方が断然多い。
そのついでに、缶ビールを入手するため隣のファミリーマートに入るが、クラフトビールは見当たらず。京都までほぼ1時間掛かるので、缶ビール1本では足りなくなる恐れがある。
席に着いたら間も無く発車。車内はやはりガラガラである。リュックサックから、昨日泊まった「花屋徳兵衛」のおにぎり弁当の残りと、晩酌の残り(「猩々」という奈良の地酒)を取り出し、テーブルに並べた。菊丸が持ってきてくれたつまみの残りもあるので、随分豪華になった。
車窓から生駒山とか、垂仁天皇古墳や薬師寺の塔を眺めながらチビチビやる。奈良ならではの眺め。そのうち西大寺駅に到着。そういえば暫く奈良駅界隈に来たことが無い。山が多い奈良県であってもこの辺りまで来ると、大した山が無い。せいぜい標高は400~500mぐらいなので、わざわざ首都圏から登りに来るのは酔狂が過ぎる。一方、吉野以南であれば、山は飽きるほどある。またその辺りの山に登りに来るか、それとも熊野古道辺りでも辿るのも悪くない。そんなことを考えているうちに、もう京都だ。

225 橿原神宮から22000系へ乗り換えて京都へ。
226 ビールを仕入れて残りのつまみや弁当を喰う。

「豆富茶屋 林」の豆富ハンバーグ定食は「これでも豆腐?」と疑う程、普通にハンバーグで、堪能した。お腹が一杯になったので動くのが億劫。これでまだ上り坂が続くのであれば憂鬱になりそうだが、もう後は下るだけなので良かった。
偶々、蔵王堂が修理中だったのは残念だったが、吉野の雰囲気は十分楽しめた。折角なので、土産に本場物の吉野葛を買って行こうと思い、古そうな製造直売店で手に入れてみた。よく見れば、この界隈はそんな店ばかりである。
吉野山駅からは下りのロープウェイに乗車。やっぱり乗客は我々だけ。定員は28名だけど(そもそもそんなに乗れるのかな、という程小さい)、このご時世だから貸切状態がうれしい。でも麓の千本口駅まで乗車時間は僅か3分。空中遊歩はあっという間に終了。
吉野駅も閑散としていた。次の特急まで少々時間があるので(京都までの指定席券はチケットレスで購入済み)、冷やかし半分で土産物屋を物色。吉野らしい売り物は、やはり吉野葛か柿の葉寿司、あとは日本酒か「陀羅尼助」(だらにすけ)か。そういえば、洞川温泉街には「陀羅尼助」の製造販売元がズラリと並んでいた。「陀羅尼助」に複数の製造元があると初めて知った。「陀羅尼助」は役行者が製法を編み出したとのこと。吉野では、金太郎飴の如く役行者が出てくる。
特急の発車時刻が近づいたので、再度、土産物屋に入り、先ほどから気になっていた「熊野古道麦酒」なるクラフトビールをゲット。改札を潜って近鉄12410系大阪阿部野橋行特急に乗車。わずか2両編成なのは、シーズンオフで平日だからかな。他に乗った客はもう2、3人ぐらいなので、2両でも多い。
走り始めたところでプシュッとやり、コップに注いで味わう。かなり吞みやすいタイプだった。ラベルを見ると、製造元は吉野でも熊野でもなく、三重県伊勢市にある会社だった。

219 蔵王堂は大修理中。
220 仁王門も通れない。
221 下りもロープウェイ。
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222 やっぱり貸し切り状態。
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223 近鉄特急12410系と5800系。
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224 熊野古道麦酒、なかなかイケます。
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大峯遠征最終日(3日目)はもう観光。今日中に帰られればいいので、行先は何処でも(京都でも奈良でも大阪でも)良かったが、菊丸が吉野に泊まるというので、折角なので行くことにした。桜のシーズンしか行ったことが無いので、シーズンオフはどんなものか見てみたい気持ちもあった。
洞川温泉発の下市口駅行き路線バスは、午前中には7時25分発と11時25分の2本しかない。11時25分は余りに遅いので7時台を選ぶのが真っ当だろうが、「花屋徳兵衛」の朝食は7時半からとのこと。ということで残念ながら朝飯は諦めるしかない(でも握り飯を持たせてくれた)。宿としてもバスの時間は認識しているのだろうから(マイカー客しか相手にしない訳ではないだろうから)、発車時刻に合わせて朝食をスケジューリングしてくれても良さそうだ。良いところは多い宿だが、それでもまだホスピタリティ改善の余地があると思うが如何。
下市口駅に8時35分到着。ここから近鉄吉野線に乗り換え、終点吉野には8時56分に着いた。ここからは徒歩かバスかロープウェイを選択できるけど、迷わずロープウェイに乗る。でもロープウェイの始発は9時20分とのことで、暫く、係員の準備作業(掃除したり、試運転したり)を眺めながら時間を過ごす。運賃は往復800円。ちなみにこのロープウェイは日本最古だそうで、確かに見た目、相当レトロである。
終点の吉野山駅から待ち合わせ場所の蔵王堂までは、結構な坂道(というか、吉野はほぼ全て坂道)なので、ひと汗かかせられる。道中、土産物屋はそれなりに開いているものの、客は小生以外誰も居ない。まあシーズンオフだし、今日は平日(月曜日)なのでこんなものかも知れない。売っているのは吉野葛が多い。
菊丸と無事再会した後、先ず「吉水神社」へ行ってみる。ここは「一目千本」の眺望で有名。でも、かの後醍醐天皇が南朝を置いた「御所」でもあったし、源義経が暫く滞在したあと静御前と今生の別れをした場所としても有名なところだ。国宝級の遺物が結構、雑然と並んでいる。
その後、東南院(建物への入り方が分からず)とか、喜蔵院(偶々留守だったみたいで、やはり本堂には入れず)とか、櫻本坊(役行者のご母堂像など、なかなか見どころが多かった)に寄ってみた後、腹が減ったので「豆富茶屋・林」に入った。客は我々だけ。豆富ハンバーグ定食(1,450円)はかなり美味かった。桜ではなく観光名所を静かにじっくり見てみたいのであれば、この季節は悪くなさそうだ。

190 【第3日目】A班:朝の「花屋徳兵衛」。
191 A班:ご厄介になりました。
192 A班:バス停へ向かう道。
193 A班:これで下市口駅まで向かう。
194 A班:しばらく誰も乗って来なかった。
195 A班:吉野ロープウェイ駅。
196 A班:シンプルな車内。
197 A班:菊丸が投宿した旅館。
198 無事合流したら吉野をぶらぶら。
199 吉水神社にやってきた。
200 一目千本桜。
201 また春に来たい。
202 ここは秀吉が花見をしたところでもある。
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203 南朝の皇居だった吉水神社。
204 折角なので600円を払って拝観。
205 義経一行も逗留し、静御前とはここで別れた。
206 後醍醐天皇の玉座。
207 石庭から蔵王堂が見える。
208 役行者の脇にはもちろん前鬼後鬼。
209 歴史的遺物が無造作にありました。
210 これで600円は高くないかな。
211 ここは寺の人も留守でした。
212 こちらは役行者の役行者母公像がある櫻本坊。
213 お堂が沢山あって見応えありました。
214 ここの拝観料は500円でした。
215 ここでランチ。
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216 暑いんで。
217 副隊長は豆富ハンバーグ膳。
218 菊丸は豆富づくし膳。

大峯奥駈道二日目は、行者還避難小屋を5時半に出発。今日は大普賢岳、山上ヶ岳を越えて、五番関の結界門までのコースタイム8時間の行程。早めに出たいところだったが、行者還岳直下の急登を真っ暗な中で登るのはちょっとリスクがありそう(落石しそう)だと、明るくなってから出発した次第。
大峯奥駈道全体では75の靡(なびき)があるらしいが、今日はそのうちの11ヶ所を辿ることになる。1つ目が行者還。2つの大岩の隙間に窟があり、八大金剛童子が祀られているらしい。この先、次々と出遭う靡にも様々な神仏が祀られているので、文字通り気が抜ける暇もない。その靡は、窟だったり、池だったり、覗きだったり、山頂だったり、森だったりと、形態も様々である。
地形的には、大普賢岳がひとつのクライマックス。水太覗から眺める大普賢岳、小普賢岳辺りの鋭角的峰々はまさに仙人の棲む世界を思わせる。この辺りから登山者も急に増えてくる。大普賢岳山頂にはかなりの人がいて、皆のテンションも高め。関西人だからなのか、それともこの雰囲気に昂揚しているせいなのか判らない。
阿弥陀ヶ森の結界を過ぎると、途端に人影が薄くなる。奥駈道を縦走するストイックな輩でなければ、女人が居ないと登山意欲も湧いてこないのかも知れない。山上ヶ岳は予想外に広大で平坦な山頂で、これはこれでひとつの仙境だ。遥か彼方の眼下に、洞川温泉が見える。あそこまで下るのかと思うと気が萎える。
それでも黙々と奥駈道を五番関まで辿り、下界に下りてからも車道を暫し歩いた途中でタクシーを呼ぶことが出来たので、明るいうちに洞川温泉に到着。今宵の宿「花屋徳兵衛」は、タクシー運転手曰く、洞川温泉で一番の人気宿とのこと。その通り建物の雰囲気も、宿の人の接客も、柔らか肌触りの温泉も申し分なかった。それにひとり客なのに、部屋が二間もあって吃驚した。

053 ここも靡です。
054 このハシゴ下が行者雫水。
055 このハシゴが浮石たっぷり、落石しそうで気持ち悪いノダ。
056 陽が出た。
057 明るくなれば気持ちも高揚する。
062 攀じ登る。
066 右下に落ちたら帰って来られない。
069 左は稲村ヶ岳、右は山上ヶ岳。
071 七曜岳直下のクサリ場。
072 七曜岳到着。7時13分
073 江戸弁の如く「ひちよう」と称するノダ!
074 ここも靡。
078 クサリ場を下る。
082 石庭のようなところ。
084 あの鮫の歯のような尾根に径が付いているとは思えない。
085 稚児泊は広々したところ。7時57分
086 ここも靡。
087 国見岳への登り。正面は岩壁なので道は右へトラバース。
089 鎖があるから行くしかないね。
090 よくこんな道を見つけたもんだと感心。
091 木を潜ったり跨いだり。
092 右側はストンと落ちているのでクサリは必須。
094 奥駈道から外れているので空身で往復。
095 3時間歩いたが、まだ先は遠い。次は弥勒岳。
097 バックは国見岳。
099 弥勒岳はあっさりクリア。9時3分
100 また庭園的な癒し空間。
101 水太覗(みずぶとのぞき)に到着。
102 昼寝がしたい。
103 余り右へ寄らないでね。
104 大普賢岳が目の前。
105 眼下に小普賢岳。
107 稲村ヶ岳がだいぶ近づいた。
108 大普賢岳に到着。9時35分
109 第64番靡「脇宿」。
110 やってきました、阿弥陀ヶ森の女人結界。11時2分
112 オレはこっちです。
114 お気を付けて~!
115 第65番靡「阿弥陀ヶ森」。
118 B班:伯母谷覗。11時33分
120 A班:珍しく,湧き水が豊富なところに出た。
122 A班:避難小屋は小さめ。
124 A班:第66番靡「小篠宿」。
123 A班:不動明王像は稲村ヶ岳を睨んでいる。
125 B班:歩き難かったところ。
127 A班:ちょっとひと休みして・・・
128 A班:今日の行動食。
129 A班:あれが山上ヶ岳。大峯山寺が見えている。
133 A班:あと4丁。
135 A班:山上ヶ岳に到着。12時36分
136 A班:熊野まで書いてある。
137 A班:大峯山寺。
138 A班:着きました。
139 A班:ここに蔵王権現が出現したらしい。
140 A班:山頂はこんなに長閑。
141 A班:稲村ヶ岳、弥山、仏性岳、孔雀岳、釈迦ヶ岳まで見えた。
143 A班:日本岩。
144 A班:岩の上が抜群の眺め。
145 A班:何故かこのカラスがちっとも逃げない。
146 A班:ざっくりした案内板。
147 A班:遠くに洞川温泉街。
149 A班:鷲ノ巣岩。
151 A班:木道になっているところもある。
153 A班:何気に歩き難い木段。
154 A班:陀羅尼助茶屋。
155 A班:ここも?
156 A班:一軒だけなく結構長い。
157 A班:いかにも大峯らしい。
158 A班:洞辻茶屋。13時35分
159 A班:中は広い。
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161 A班:まだこんなところがあった。
162 A班:クサリがやけに長いので超重い。
164 A班:ブナ林。
165 A班:深くえぐれた道。
166 A班:鍋冠行者堂。中華鍋? 14時41分
167 A班:ここにも役行者。
168 A班:結界門が見えた。丁度15時。
169 A班:五番関。ところがアンテナが立っていない。
170 A班:五番関登山口まで下りても圏外。
172 B班:その頃、B班は柏木登山口に到着。
173 B班:山上ヶ岳まで116丁もある。
175 A班:タクシーを待つ15分間。
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176 A班:今宵の宿「花屋徳兵衛」に到着。16時19分
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177 A班:次の間がある。
178 A班:一人では勿体ない。
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179 A班:街道沿いに建っている。
180 A班:お向かいは八百屋さん。
181 A班:いい感じの洞川温泉街。
182 A班:風呂上りに、昨日は吞めなかったビールをいただく。
183 A班:夕食。
184 A班:鮎の塩焼きが出た。
185 A班:湯豆腐。
186 A班:天ぷら盛り合わせ。
188 A班:窓の外はこんな感じになっていた。
189 A班:部屋に戻って地酒をちびちびやる。

昨年に引き続き「大峯奥駈道」第2弾。前回は行者還トンネル西口から南を目指し、前鬼口までトレースしたが、今回は北側。大普賢岳、山上ヶ岳を経て五番関を目指す行程。同行してくれる菊丸とは阿弥陀ヶ森女人結界でサヨナラするので、4時間余りは一人旅となる。
行者還トンネル西口を出発し、奥駈出合から五番関まで一日では到底無理なので、途中、行者還避難小屋での宿泊が必要。そのために防寒具、シュラフ、食料、水等、普段よりも余計な荷物を背負っての縦走となる。腰の調子がいまいちな状態だったが、背負ってみると意外と何とかなるものだ(山の記録はこちら)。
昨年の奥駈出合から右へ向かう弥山方面は、最高峰で深田百名山の八経ヶ岳を目指す登山者と頻繁に出会ったが、今回の奥駈出合から左は実に静か。忽ち仙境の雰囲気に浸れる。
登山口から3時間強で行者還避難小屋に到着。誰もいない。建物内部はかなりキレイな状態(トイレはそうでもない)。気になっていた水場を見に行くついでに、奥駈道からやや外れている行者還岳に登ることとする。行者還岳の南側は絶壁なので、東側を北へ回り込んで登るようになっている。
水場はよく分からなかったが、それらしきところを一寸登ると、水の音が聞こえてきた。ホースは外れていたが、水は普通に流れていた。この先、小笹ノ宿まで水場はないので貴重だ。奥駈道まで戻り、行者還岳へ向かうと梯子が連なる急こう配。しかも浮石が多い。梯子が無ければかなりの難所だ。明日はリュックサックを背負ってまたここを登るのかと思うと気が重い。
無事、行者還岳登頂を果たしたら小屋まで戻る。夕食前に、菊丸が持参してくれたつまみを突きつつ、ちびちびと赤ワインを呑んでいたら、単独行男子がやってきた。結局その晩は、我々含め3人だけが投宿した。泊りで奥駈道を縦走する輩は意外と少ないということだ。
軽量化を図ったので、夕食は(朝食も)アルファ米リゾット。結構、美味かった。夜半はかなり風が吹いていて山が唸っていた。そのせいか、思ったよりも冷え込まず、比較的よく寝られたようだ。

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001 【第1日目】行者還トンネル西口。
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001 【第1日目】
002 ここが登山口。張り切っていこう!11時58分
003 ゆるゆると歩き始める。
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005 リュックサックの重さを感じながら。
006 シャクナゲが出てきた。
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007 稜線は近い。
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008 「出合」に到着。13時7分
009 これから奥駈道を西へ向かう。
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010 行く手には大普賢岳。
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011 茫洋たる紀伊山地。今日は快晴。
012 穏やかな尾根を辿る。
013 懐かしの仏性岳&孔雀岳。
014 西側斜面を進む。
015 一ノ垰(いちのたわ)に到着。13時44分
016 北西の眺め。左端は鉄山(てっせん)、右端が稲村ヶ岳。
017 東の眺め。大台ケ原。
018 西の眺め。弥山とその左に八経ヶ岳。
019 ここから行者還トンネル東口へ下れるようだ。
020 小さな水溜まり(池)がある。
021 ここは靡(なびき)の一つ。
022 靡だけど、ここは全く岩々していない。
023 今日のランチも2年前と同様、わさび葉寿司。
024 長閑なところでひと休み。
025 目の前には行者還岳、右奥の大普賢岳が高い。
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026 岩が出てきた。
027 行者還岳の正面には岩壁。
028 おやっ、人工物。
029 行者還避難小屋に到着。15時11分
030 随分立派だ。
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031 行者雫水へ向かう。
032 ホースは外れているが・・・
033 水は湧いていた。
034 あの木造物のなかに貯水タンクがある?
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035 あそこが行者還岳山頂か?
036 到着。
037 一個目のピーク、ゲットしました。15時54分
038 なんとか大普賢岳が見えた。
039 小屋へ戻る。
040 明日ここを登るのはイヤだな~。
041 行者還避難小屋の大部屋。
042 2階もある。
043 我々は1階の小部屋。
044 auは動画が再生できる!(docomoは全然ダメ)
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045 夕食はドライフーズ。
046 でも赤ワインとつまみも。
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047 【第2日目】朝5時8分。朝焼けに見惚れる。
048 パッキング中。
049 日の出の刻。
050 同宿の単独行。
051 それでは出発。5時33分

京都駅前でなんとか牛たん屋に入りランチを済ませた後は、帰りの新幹線までの時間を踏まえ、手近な東寺(教王護国寺)を拝観することにした。リュックサックを背負って行くのは気が利かないので、何とかコインロッカーが空いていないか引き続き捜索。それでもなかなか見つからず、諦めてタクシーに乗ろうかと乗り場に行って見ると、偶然、目の前のコインロッカーが空いていて無事デポ完了。いつも結果オーライな我々。
それなりに観光客は居るが、金閣寺や清水寺などとは比べものにならないはず。久々に見る立体曼荼羅もたっぷり時間を掛けることができたし、普段は未公開の五重塔内部の拝観もできた。皆さん概ね満足したところで、京都駅までぶらぶら徒歩で戻る。
道の途中にあった丹波松茸昆布本舗 「あめ久」で、ちりめんじゃこを買おうとしたら、ポケットに財布がないことに気が付き、どきどきする。店の女将も固まる。いったい何処で落としたのか。当てがあるわけではなかったが、直近で財布を出した場所は東寺の拝観券売り場。戻ってみると、果たして落し物として届けられていて大安心。日本でよかった。 ついでに「あめ久」で気が付いて良かった。それにしても、落したことに気が付かないとは、全く鈍い。
再び駅に向かって歩き、 先ほどの「あめ久」の女将に顛末を報告したあと、ちょっとまだ時間があるので偶々八条口駅前で目にした「Man in the Moon」という名のアイリッシュパブに入ってみることにした。
店内はやはり欧米系観光客で賑わっている。中国系や東南アジア系は、こういうところには入らないだろう。運良く窓際のテーブル席が空いていたので着席。さっき手間を取らせたお詫びに、アイリッシュビール(アヒルちゃんはノンアル)を振舞った。またも「禍福は糾える縄の如し」を実感した。

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