山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

駅構内、バス停

2日目は比良山系最高峰の武奈ヶ岳に登る(山行記録はこちら)。最寄りは、やはり鯖街道沿いにある坊村BSとなる。実はここへ行くには日曜日だけ、しかも出町柳駅前BSを7時45分に出るバスの一択しかない。
而して、公共交通機関を利用して武奈ヶ岳に登るのは、ほぼ必然的に日曜日に限られる。そのお陰で、1台だけでは乗り切れないほどの客(ほぼ全て登山者)が群がった。土曜日にも走らせたらいいんじゃない?京都バスさんよ!と思うのは小生だけではない筈だ。結局のところは増発便が出て、何とか全員乗り切れたらしい。
出町柳から凡そ1時間、坊村BS前にある公衆トイレも、そのバス到着後に大行列ができて騒然とした雰囲気となる。でもそれから約10分後、我々が出発する頃にはだいぶひと気も疎らになった。登山口の明王院までの道沿いに「比良山荘」という音に聞こえた有名料亭がある。名前だけは知っていたが、こんな辺鄙なところにあるとは知らなかった。一度でいいから鮎を喰いに来てみたい。
坊村BSから武奈ヶ岳までは3時間弱。途中から紅葉の中を進むようになる。樹林帯を過ぎると、昨日登った蓬莱山が随分と立派に見える。辺りは丁度紅葉の盛りで、自然と歩みが遅くなる。武奈ヶ岳山頂付近になると琵琶湖が見えた。全貌は見えないものの、却ってその大きさはよく分かる。
下山は琵琶湖側へ向かう。途端に、眼下に琵琶湖が広がる。この眺めは唯一無二だ。辺りを彩る紅葉を眺めながら湖畔に下り、湖西線の比良駅へ向かう。駅のすぐ手前に「ほっとすてぃしょん比良」という店があってビールも呑めるのだったが、店内には高校生グループがいたのでその場で呑むのはちょっと憚って、缶ビールを買うだけにして駅のホームでプシュッとやった。

082 さて、参りますか。8時56分
084 ここは高級料理屋。
083 これから目の前の御殿山コースを登る。
086 いっちゃうよー。
087 登り始めはお寺の参道だが・・・
088 その後はいきなりの急登。
090 九十九折りが延々と続く。
093 ここは傾斜が緩い。
094 でもすぐに九十九折りの急登。
096 まだ標高が低いせいか緑が支配的。
097 標高840m付近。
099 御殿山コースの紅葉その2。
103 御殿山コースの紅葉その6。
104 御殿山コースの紅葉その7。
108 御殿山コースの紅葉その11。
109 御殿山コースの紅葉その12。
111 段々落葉が増えてきた感じ。
112 標高1,000m付近。この先で休むことにした。10時44分
114 ウリハダカエデの絨毯。
115 この辺りになると晩秋の様相。
116 木々の間に見えるのは昨日登った蓬莱山。
117 御殿山に到着。11時4分
119 初めて武奈ヶ岳が見えた。
121 振り返れば蓬莱山。
124 はい、撮ります。
127 気持ちが良いところ。
130 上の方には登山者がいっぱいいる。
131 さすが人気の山だ。
133 あと登り100mぐらいか。
135 眺めに見惚れてなかなか足が先へ進まない。
137 下りてくる人もかなりいる。
138 最後の登り。
140 武奈ヶ岳の肩。11時39分
141 ここから見る蓬莱山は大きい。
143 西側の眺め。
147 中央奥が伊吹山。その左奥に薄っすら御嶽山。
148 琵琶湖の向こうは鈴鹿山脈。
151 空身で山頂へ。
153 撮影も順番待ち。
154 下の方は良い色。
157 開けたところに出た。
158 八雲ヶ原というところ。
161 風が吹くと結構涼しい。
163 武奈ヶ岳を振り返る。
165 とは言ってもまだ2時間ぐらいはかかる。
166 目の前の無名峰がモザイク的。
168 石ゴロゴロの径がしばらく続く。
169 何気に歩き難い。
171 ここだけ幅が狭い尾根。
173 大山口に出た。14時17分
174 バスを待たずに駅まで歩くことにした。
175 何処から下りてきたのか分からない。
176 あれは釈迦岳のようだからもっと左のはずだ。
177 比良駅前のカフェでビールをゲット。
178 殆ど客が乗っていないので遠慮なく。

バスは定刻の14時45分よりちょっと早めに甲斐大和駅到着。次の登り電車、15時24分発高尾行まで40分余ある。何故かいつも、乗り継ぎのタイミングが悪い。この陽気では待合室で電子書籍を読む気にはならず、かといって皆と駄弁って時間を潰す程の器量も無い。
ということで、最寄りの甲州街道沿いにある「セブン-イレブン」へひとり、缶ビールを仕入れに向かうことにした。炎天下を歩くのは大丈夫なのかと問われそうだが、これが仕事だったら途端に足が重くなるのに、ビールを仕入れるとなると足は軽くなり、灼熱アスファルトも気にならなくなるから不思議だ。
「セブン-イレブン甲斐大和店」は、もうかれこれ足掛け15年ぐらいはお世話になっているコンビニである。家の近所には徒歩圏内に5、6のコンビニがあるが入れ替わりが激しく、これほど長い付き合いがある店は意外と無い。
外は炎天下でも、店に入ればまさにオアシス。このままここで列車を待ちたいくらいである。いっそ、駅舎の中にコンビニを移してくれないものか。昨今、無人駅が増えているのだから(甲斐大和駅も無人駅)、駅舎はどうせ空いているので勿体ない。アメリカ・テキサスのガソリンスタンドには必ずコンビニが併設されていたが、それと同じ発想で、今後、国道沿いのJR無人駅は全てコンビニにしてもいいのではなかろうか。
「ヤッホーブルーイング」の「山の上ニューイ」があったのでゲット。これは「セブン-イレブン」とのコラボ商品で、「水蒸気蒸留法」という、クラフトビールでは普通やらない製法で作ったビール。この製法だと本来、沸点の高い物質も低沸点で蒸留できるわけで、一般の方法に比べると様々な物質が多く抽出できることになり、味と香りに広がりが生まれる、ということか。確かに美味いのは美味いが、流石、水蒸気蒸留だ、とは分からなかった。

50 甲斐大和駅で電車待ち。
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「前日光ハイランドロッジ」に泊まった後の2日目をどうしようか、とそれこそ1年以上前から考えていた(とはいえ、ずっと考えていた訳ではない)。1日目の逆コース(ハイランドロッジ→三枚岩→古峯神社)は論外としても、場所が場所だけに結局は路線バスの終点である古峯神社に戻るしかないかなと思っていた。
しかし何度も地図を開いてみると、古峰ヶ原から足尾に向かって下る手段も有りそうに思えてくる。途中には目ぼしい山は無いが、地形的にも険しいところも無さそうだ。ネット検索した限りは、余り歩かれている径では無さそうで、眺めも期待できそうにないが、足尾へ下れるだけでも魅力的なので、こちらに向かうプランにした。
実際に辿ってみると、三枚岩から古峰ヶ原湿原、深山巴の宿辺りまでは俗に云えばパワースポット、勝道上人をはじめとする修験者が辿った雰囲気がそこはかとなく残っていて、なかなか味わい深い。其処から先は、踏み跡が有るような無いような(あるのは恐らくはケモノ径だろう)、何となく茫洋とした尾根を黙々と辿ることになる。所々にヤマツツジや、ちらほらシロヤシオも咲いていて、意外と退屈せずに歩くことが出来る。
1,029.3m峰を越えると、あとは足尾に向かってまっしぐらに下ることになる。途中、テレビアンテナ塔があるところからは、足尾の街と周囲の山々を見渡すことが出来た。車道に出たら、通洞駅へ向かう。途中、期待通りにデーリーヤマザキがあったので缶ビールを買いに入ると、驚くほど商品陳列数が少ない。営業していることが奇跡の様だったが目出度く缶ビールは調達できて、首尾良く通洞駅前のベンチでグビットやった。

102 お世話になりました。7時4分
103 とりあえず方塞山の先、三枚岩まで戻る。
104 またフェンスに沿って移動。
105 およそ100mほど登り返す。
108 また三枚岩。8時1分
109 どちらも龍神。
110 何れの銅像も新しい感じ。
112 天狗の庭にしては少々狭くないか?
113 まだ暫く緩やかな下り。
116 やはりヤマツツジは蕾。
120 鮮やかなオレンジ色はレンゲツツジ。
123 車道のすぐそばにある避難小屋ってどうよ。
124 ここもあまり湿原っぽくない。
127 深山巴の宿に到着。8時52分
128 勝道上人修行の地。
130 いったん車道に出る。
134 ズミが咲いている。
136 標高が低いせいか。
139 辺りは落葉松林。
146 全体的にはやはり不作な感じ。
147 見えた白い山は奥白根山か。9時55分
148 これからだんだん高度が下がる。
151 暫し撮影タイム。
152 これもいいねと立ち止まる。
158 下界が近くなってきた。
159 まだヤマツツジ。
160 NHKテレビ塔に到着。11時13分
162 正面は黒檜山。
163 備前楯山は目の前。
167 眼下には通洞の町。
168 手すりは壊れかかっている。
169 こんなところに出た。あとは車道を移動。
170 商品がやけに少ないデイリーヤマザキで缶ビールをゲット。
171 通洞駅に到着。12時2分
172 駅前で、お疲れさんでした。

藤七温泉でにごり湯に浸かってから、11時54分発の岩手県北バスに乗って帰路に着く。しかしながらこのバスは盛岡駅までは行ってくれず、途中の八幡平マウンテンホテルBS止まり。乗換時間が45分もある。こんな田舎に来たら、そんな45分くらいに目くじらを立てるべきではない。でもその45分をぼ~っと過ごすのは勿体ない。何処かにカフェでもないか(結局それか!)、と期待しつつ乗車した。
このバスが辿る八幡平の南側の道は、「八幡平樹海ライン」と呼ばれている。その名の通りひたすら鬱蒼とした森が続く。一方、八幡平の西側の道は「八幡平アスピーテライン」と呼ばれている。「アスピーテ」とは噴火の際、粘り気の少ない溶岩が流れ出してできた、傾斜が緩い火山を指す用語。勿論、これは八幡平のことを指しているつもりなのだろう。
しかしWikipediaによれば、八幡平は以前はアスピーテに分類されていたが、現在では成層火山が侵食や爆発によりなだらかになったものであるという説が有力となっているらしい。それが本当だったら「八幡平アスピーテライン」は「八幡平コニーデライン」に改名しなくてはならないはず。今更そんなこと云われてもねぇ、と自治体は聞こえないふりをしているかも知れない。
一方、我々は何処までも広がる森を抜けると、白樺林が似合う平地に出た。辺りはホテルやペンションが点在している。その一角にあったのがバスの終点、「八幡平マウンテンホテル」だった。否応なく降ろされた後、辺りを見回した限りカフェらしき建物は見当たらない。やむを得ず「八幡平マウンテンホテル」へ入り、カフェとかラウンジとか有りますか?と尋ねると「ありません」とつれない。
折角、バスの乗換ターミナルという特権を得ている割に、商売っ気が無いな!と心の中で毒づく。ふと土産物売り場に目をやると、「ドラゴンアイ」という名のついたクラフトビールが並んでいた。直ちに買って(館内では呑まないでください、と云われたので)外へ出ると、偶々東屋があったのでそこでプシュッとやった。ここは喫煙所らしいが、誰も来ないので遠慮なく使わせてもらった。

175 バスの乗り継ぎに1時間もあるので。
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「遠野醸造TAPROOM」でクラフトビールを堪能した後、そろそろ列車の時間になったのでよたよたと遠野駅へ戻ると、丁度、語り部の話を聞き終わった女子連と合流。そのままぞろぞろと駅舎の中に入ると、釜石線が不通との情報に接する。えっ、どゆこと?。駅員は涼しい顔で曰く、大雨で不通になっていて復旧の見込みはありませ~ん、と。えー、そんな降ったかな?と云っても始まらない。
海千山千の女子連はすぐさま行動を起こす。直ちに観光案内所へとって返し、さっき解約したばかりのレンタカーを継続して利用し、そのまま新花巻まで行って乗り捨て出来る様に直談判。観光案内所兼レンタカー営業所の女性係員は最初渋っていたが、炸裂したおばさんパワーに押し切られ、新花巻の支店へ問い合わせた結果、乗り捨て可能と判明。やれやれ。
幸いなことに時間内なので、追加料金も発生しない。しかも、新花巻のすぐ手前にある東和ICまでは、本格運用されていない高速道路をタダで利用できるとのこと。レンタカーも旧型式とはいえプリウスなのでガソリン代も大して掛からない。なんだかかえって得した気分になるから不思議なものだ。
のんびり列車の旅が、快適ドライブ旅に変わった。天気も相変わらずだし、道中はすべて山の中なので大した眺めもないが気分は上々。ビールを呑めないのが多少残念だったが、それもわずかな間だけだ。
思ったよりもずっと早く新花巻駅に到着。次の盛岡行きの新幹線まで30分ほどあるので、KIOSKで缶ビールをゲット。見れば盛岡のクラフトビール、ベアレンビールだった。何処か呑めるところがないか構内を彷徨き、待合スペースでプシュッとやった。目の前には花巻温泉郷の観光案内とともに、花巻が生んだスター、菊池雄星と大谷翔平の写真が並んでいた。

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016 レンタカーで新花巻駅まで無事に移動し、乾杯。
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このところ、個人的に一番の悩みは山梨県の「まん延防止等重点措置」。8月20日から9月12日までまん延防止措置が延長されることに伴い、酒類の提供が事実上禁止されている。つまり自ら持って行かない限り山から下りてもビールが呑めない。山梨県を頼ることが出来なくなった。これは個人的な緊急事態。
という現状を踏まえ、今回は緊急避難的に「まん延防止等重点措置」の対象となっていない長野県まで足を延ばすことにした。日帰り可能な長野県の山となると、北陸新幹線沿線では鼻曲山界隈か浅間山系。中央線沿線では、八ヶ岳山系では編笠山か西岳、南アルプス山系では入笠山辺りということになる。
あれこれ色々悩んだ挙句、最近登っていない守屋山をチョイスしてみた。たぶん、個人的に30年ぶりぐらい。諏訪大社上社本宮の背後にあるため、ご神体との説もあるこの山は、下界から見上げると何処が山頂なのか判らないくらい、ぱっとしない山だが、山頂からの眺めは抜群。而して天気が気になったが、予報に寄ればどうやら雨は朝のうちだけで、午後は回復するとのこと。あまり早く登らない方が良さそうだと、立石コースをゆっくり登り始める。
途中、浅間の滝に寄り道しても凡そ1時間半で守屋山の東峰に到着。読み通り、その間にすっかり雨は上がり、多少ガスが残っているものの、奥秩父、八ヶ岳、諏訪湖、中央アルプス、南アルプスをぐるり見渡すことが出来た。西峰(本峰)は更に開けていて、景色を存分に楽しむことが出来た。これだけでも、わざわざ特急「あずさ」に乗って此処まで来た甲斐があるというもの。
下りは水吞場を経て杖突峠へ下った。峠に着いたところで、持参した缶ビールを取り出すと、既にすっかり融けた状態。早速開けてグビッとやった。この杖突峠を通る国道152号線は、高遠町へと繋がる街道(高遠街道)なので真冬でも通行出来る。次に守屋山へ登るのは、雪景色か、高遠城址公園のサクラを眺めに来る時にしようかと思う。

02 パラパラと小雨が降り始めている。
05 色々と書いてある。
08 この岩は人家から見える(見えた?)らしい。
10 十文字岩。そう言われれば・・・
13 何かと岩はいっぱいあるが、手を使って登るところはほぼ無い。
14 上の方に大きな岩がある。
16 鬼ヶ城。
17 雨宿りが出来る。
19 ちょっと寄り道して浅間の滝。
22 前嶽には寄らず。
24 今日の花、トリカブト。
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26 なので見掛け以上に登り易い。
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27 ずんずん高度を稼ぐ。
28 そんなことは無いと思う。息を切らさずに登るのが良薬。
31 のんちゃんは傘を干しているのです。
32 守屋山東峰に到着。
33 ほぼ360度の展望。
34 八ヶ岳連峰。
35 霧ヶ峰と蓼科山と北八ヶ岳。
36 南アルプスは鋸岳だけが雲の下。
43 西峰山頂直下にある「ラビットハウス」。
44 西峰に到着。こちらが守屋山の本峰。
48 雲は東へ。
50 見飽きない。
52 高ボッチ山と鉢伏山の右には美ヶ原のテーブルマウンテン。
55 八ヶ岳の裾野が美しい。
56 はい、こちらに注目!
57 水吞場へと下る。
59 ここが水吞場。
67 杖突峠に到着。ビールが美味い!

「ペンションすずらん」のレストランでまったりしているうちに、そのそろバスの時間になったので女将さんに別れを告げて外へ出るとまた雨が降ってきた。今日は一日そんな陽気。
定刻通りにやって来た、甲斐大和駅行き栄和交通バスへ乗り込むと、朝と同じく我々だけ。途中から誰も乗って来なかったので、やっぱり復路も貸切だった。いやー、こんなこともあるんだとちょっと驚きつつ、「大工殺すにゃ刃物はいらぬ 雨の三日も降ればいい」という都々逸を思い出す。バス会社にとって刃物の代わりは雨とコロナ禍。
バス運転手と与太話をしながら、噎せ返るような緑に包まれた道を辿って甲斐大和駅へ。定刻よりも早く到着し、駅の時刻表を見ると次の列車は小1時間先だ。この時間帯のバスに乗ることが少ないので気が付かなかったが、こんなに接続が悪いとは思わなかった。さてどうするか。
甲斐大和駅前の「雅」に寄る手もあるが、今日は大月で打ち上げしようと思っているので、今ここで食べるのはちょっと困る。とはいってもただボーっと待つのも芸が無いなと思いつつ、階段を降りるとホームには誰も居らず。
だったらここで時間を潰すかと、やおらリュックサックから酒ボトルとカップを取り出す。申し合わせたように、乾き物などのつまみも出てきたので、チビチビやりながら過ごすことになった。成り行きにしては出来過ぎだ。
調べてみると、ここでやるのも1年ぶり、しかも同じメンバーだった。偶々かも知れないが、巡り合わせということもある。何れにせよ、遠望は全く利かないけれど、この駅のホームは嫌いではない。

61 バスを待つうちに雨が降り出した。
62 帰りのバスも貸し切り。
62 誰もいない甲斐大和駅で電車待ち時間にちょっと一杯。
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「巴」で鮎尽くしを喰って大満足した後は、またタクシーに乗り、沼田駅へ移動。運転手曰く、若い頃はこの辺りの川(利根川の支流)で鮎を取ったことがあるとのこと。今は天然鮎がいったい何処まで遡上するのだろうか。
沼田駅13時31分発の各駅停車に乗車。一旦、新前橋で乗り換えた後、高崎駅に14時20分到着。
いつも通りであれば酒もそれなりに入っていることだし、ここから新幹線に乗って帰るところなのだが、何せ今日はまだ時間が早い。そんなに急ぐことも無いと、高崎駅14時8分発の上野東京ラインに乗ることにした。でも折角なので、グリーン車の2階席で優雅に帰ることにした。大宮まで800円なので、新幹線の指定席と較べて3分の1の追加料金で済むのもうれしい。
しかし問題は車窓からの眺め。沼田から高崎ぐらいまでは左右、山の眺めがあって楽しいが、深谷辺りから先は只、ひたすら住宅街と偶に現れる平凡な田圃や畑を眺めることになり(新幹線であれば高架上を走るため、住宅街の上に関東山地の山々を眺めることが出来る)、少々退屈だ。
この時間帯のせいもあるだろう、グリーン席はガラガラ状態。これだったら人目を憚ることもないし、万一、多少声が大きくなっても迷惑にならないだろうと(とは云っても、なまじ静かだと却って遠くの声も煩いものだ)、昨日の残り酒を取り出しチビチビやる。
そうすると、住宅ばかりの退屈な眺めであっても酒の肴になるから不思議だ。それにしてもひたすら家ばかり見ていると、首都圏の境界とはいったいどこだったのだろうと思い悩む。人口減少とはいっても、メガロポリス東京の存在は別格だ。それと共に埼玉県て、意外と結構広いなと感じてくる。新幹線では味わえないこんな気分に浸れるのが、「上野東京ライン」の隠れた魅力のひとつかも知れない。

143 これがあれば時間は気にならない。
142 湘南新宿ラインのグリーン車で帰る。
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富士川の眺めを肴にビールを吞んだ後、身延山ロープウェイに乗って山麓駅(久遠寺駅)まで下る。このロープウェイ、HPによれば全長1,665mで高低差は関東一(って、ここは山梨県だけど(笑))の763mという。確かに乗り甲斐があるので、片道料金860円はリーズナブルな感じがする。ちなみに日本一の高低差は、中央アルプスの駒ヶ岳ロープウェイで950m。たしかにここは、たとえ素面でも歩きたくないところだ。
山麓駅で降りても、久遠寺の入口、三門まではまだ結構な下りが待っている。久遠寺の境内を抜けると三つの選択肢、即ち「菩提梯」と称される石段と、女坂、男坂。287段の菩提梯を降りる気はしない(一段一段が大きいので膝を悪くしそうだ)ので、女坂を下ることにした(先月は菩提梯を登って男坂を下った)。
巨大な三門を潜ると門前町。蝋燭屋とか数珠、仏壇等を売る店があるところはさすが、お寺の門前町だ。小生はその類いよりも、飲食店の方にどうしても目が行く。COVID-19のせいか、それとも陽気が良くなったせいか、先月に較べると開いている店が増えたような気がする。
身延山BSから身延駅行のバスに乗車。30~40分おきに出ているのは、それなりに利用客が多いということだろう。この本数の多さは、山から下りて乗るバスの中ではかなり珍しい。所要時間は12分で運賃は300円。途中、身延山総門(間口6.4m、高さ9.4m)をバスが抜けていく。
身延駅には11時27分に到着。ここでJRに乗り換えるが次の電車は11時50分。あまり時間が無いので、前回入った「カフェレストラン ファミーユ」に寄るのは残念ながら無理。ということで、その「ファミーユ」で缶ビールを購入し(この店では店頭で酒類の販売もやっているノダ!)、誰もいない駅のホームでプシュッとやった。こればっかりは、このご時世でなくとも田舎の駅じゃないと無理だ。

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昨日は山から下りてきた時間が遅かったせいで、風呂に入って食事を摂ったらすぐに就寝となった。この頃、山の宿で9時過ぎまで起きていることはまず無い。明けて今日は身延山に登るだけなので、そんなに早起きする必要も無いけれど、結局自然に早く起きてしまうので(遅くまで寝られないので)、6時には朝食を摂って6時40分に出発となった(山行記録はこちら)。
登る途中にある赤沢集落は、身延山と七面山との間を繋ぐ参道の宿場町として中世のことから栄え、最盛期には13の宿があったそうだ。今回、唯一残る宿「江戸屋」に泊まってみたかったが、叶わなかった(その代わりに宿を求めたのが「ひのや」だった)。蕎麦屋もあるのでいつの日にか、また赤沢へ来てみたい。
その先もひたすら林道が続く。折角の良い天気なのに、殆ど眺めの無い単調な道なので結構退屈。行き交う人もほぼゼロ。静かな山歩きをする上では申し分ない。途中、十萬部寺と感井坊との間で、斜面の崩壊を補修したばかりのところがあった。「ひのや」の女将が心配していたところはここだったと思われる。利用者がいない道を速やかに補修するのは、やはりその前後に坊があるせいだろう。
身延山にはつい先月にも登っているが(その山行記録はこちら)、その時はガスに包まれて視界ゼロだったが、今日はピーカンの天気。思親閣の裏、北展望台からはズラリと南アルプスの峰々が眺められた。特に印象的なのは笊ヶ岳の鋭鋒だ。
一方、南展望台からは富士川がうねりながら流れる様が眺められる。雲が沸き上がってきているため、富士山は望めなかった。身延山ロープウェイ奥之院駅で缶ビールが売っていた為、早速仕入れて、展望台と同じような眺めが得られるテラスで景色を肴にグビッとやった。

079 【第2日目】6時から朝食を出してくれた。
080 今日は身延山登山。6時40分。
083 果たしてやっているのだろうか。
089 向こうに雪山が見える。
091 石畳。
093 舗装道路を登る。
094 笊ヶ岳が見えるところで小休止。
097 標高900m付近はなだらか。
098 間も無く十萬部寺。
099 十萬部寺。8時47分。
100 十萬部寺から感井坊はほぼ水平移動。
101 これから先も舗装道路。
105 今日は未だ山中で誰に会っていない。
109 七面山が良く見えるところに出た。
111 身延山奥之院に到着。
113 仁王門。
114 思親閣をスルーして・・・
115 北展望台へ行ってみた。
116 どっかーんといい眺め。
118 塩見岳や白根三山も。
119 鳳凰三山も八ヶ岳も見えている。
120 ご褒美な眺め。
122 こちらは南展望台。
123 富士川の流れ。右手は安倍奥の山々。
126 ロープウェイの奥之院駅でビールをゲット。
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2日目は朝からピーカン。冬の上越国境でこんな天気に巡り合うのは極めて幸運だ。余程、皆さん(含、自分)の行いが良かったとみえる。予定では一ノ倉沢出合までの往復、でもそれだけじゃ勿体ない感じもする。こんな天気だったら、雪の稜線に立てばさぞかし胸がすくような眺めだろう。とは云っても、これから谷川岳往復は流石にキツイ。ガラリと変えて、ロープウェイで天神平往復だけの超楽チン軟弱観光にする手もある。どうするか。とりあえず送迎バスを待って出発し、水上駅でロープウェイ駅行きの路線バスに乗り換える。
バスに乗っている間に再考し、やはり初心貫徹でいってみようと旧清水峠越えの道を歩き出す。最初はしっかり踏み跡があったが、九十九折の車道に沿って進むと何故かトレースが無い。ツボ足では話にならないのでスノーシューを履いてラッセル開始。忽ち汗みずく。暫く進むとまたトレースが現れたのは、先行者は皆、急斜面をショートカットしていたようだ。ともあれ、ラッセルが無いのは何よりだ(と云っても先行トレースはツボ足(!)なのだった)。
あとはほぼ平坦なトレースを淡々と辿るだけだが、そうは云っても雪道。夏だったらマチガ沢出合まで30分も掛からないが、たっぷり1時間掛かって到着。日に照らされたトマノ耳、オキノ耳が神々しい。その先の一ノ倉沢出合まで更に1時間掛かったが、見上げてみれば圧倒的な迫力。やはり来た甲斐はあった。
帰りは我々スノーシュー6人分の弾丸トレースが出来ているので、半分ほどの時間でロープウェイ駅に戻った。早速、前回にも入ったレストラン「ビューテラスてんじん」を探すと閉まっていて誰もいない。コロナ禍のせいか、それともシーズンオフのせいなのか。仕方なく、自動販売機で缶ビールを買ってグビッと立ち呑みした。やっぱ、これでも美味い。

066 今日はここから。
067 天神平も良く見えている。
068 ここから除雪無し。
069 今日もサングラスは必携。
070 雪上訓練中のパーティ。
071 トレースが無かったのでスノーシューを履く。
072 今日は絶好のスノーシューイング日和。
073 ツボ足のトレースあり。
074 今日も交代でラッセル。
075 正面は白毛門。
076 吹き溜まりは3mぐらいは積もっていそう。
077 マチガ沢が見えた。
078 ここまでたっぷり1時間掛かった。
079 ハイ、ポーズ。
080 あれがトマノ耳。すぐ左のザンゲ岩も良く見えている。
081 笠ヶ岳。
082 真っ白な上越国境稜線。
083 先を急ぐ。
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084 更に雪は深く。
085 吹き溜まりを何度も越える。
086 一ノ倉沢が見えた。
087 気分は一気にクライマックス。
088 黒々とした衝立岩が目立つ。
089 さすが迫力がある。
090 一ノ倉沢出合に到着。
091 記念撮影。
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092 もう一枚。
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093 国境稜線に光が当たっている。
094 あのとんがりはシンセン岩峰。
095 白毛門も尖って見える。
096 名残惜しいが、さて戻ろう。
097 あの黒い岩は堅炭岩。
098 帰りはラッセル無しなのでやっぱり速い。
099 マチガ沢出合。
100 また逢う日まで。

101 白毛門もさようなら。
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102 ロープウェイ駅に到着。
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103 レストランは閉まっていたので立ち飲み。

「より道の湯」で風呂と湯上りビールで温まったあとは、予め調べておいた電車に乗るべく都留市駅へ向かうと、何故かアプリで調べていた発車時刻と実際の駅の時刻表が異なっていて、あと40分待たされることになった。日が落ちて寒くなってきたので、温まるものが欲しくなる。仕方がない、時間を潰すため且つ温まるための燃料が必要だ。
さっそく、駅前にあるスーパー・ウスイ(以前は随分利用させてもらったがこの頃はご無沙汰)で呑みモノと喰いモノを仕入れ、駅の待合室を占拠して一杯やった(中途半端な時間帯で電車待ちの客はいないので、地元の皆さんに迷惑は掛かっていない(はず))。今日は通常に較べて酒好きの輩が多いため、寒々しい都留市駅の待合室でも(ちょっと怖いけど)盛り上がった。
この駅舎は木造平屋建ての簡素な建物だが、薄ピンク色のモルタル(?)塗装が特徴的。昼間はくすんで見えるせいか風采が上がらないけれど、夜は照明に照らされて、なかなかいい雰囲気を醸し出している。駅舎好きオタクだったら無視は出来ないはず。
かつて、この都留市駅は「ホリデー快速」や「富士山ビュー特急」、「フジサン特急」が停まる駅だったが、この頃は主要駅としての座は「都留文科大学前」に奪われてしまい(都留文科大学の知名度向上のためか?)、今は各駅停車しか停まらないただのローカル駅に格下げになっている。
それでも駅前にはだいたいいつもタクシー(富士急山梨ハイヤー)が客待ちしてるし、いくつかの路線バス(富士急山梨バス)の始発BSであることには変わりがないので、ややちぐはぐな感じもする。我々としても時々「より道の湯」やタクシーを利用することがあるので、特急電車がまた停車してくれるよう祈らざるをえない。

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「五十沢温泉ゆもとかん」に泊まった翌朝、目覚めと共に窓を開けて外を見ると、やや雲があるが快晴。絶好の八海山アタック日和になった。しっかり朝食を摂り、宿の送迎車で7時50分出発、ロープウェイ駅へ向かう。
駅に着いてみるとかなりの登山者の列が出来ていて、暫し待たされる。しかもコロナの影響で、運転開始が7時30分ではなく8時に遅らせ、さらに、運転終了時間も30分繰り上げて16時までとのこと。かえって「密」になるのでは?と突っ込みたいが止めておく。しかしこれだと時間切れで山頂まで登れずに、帰らざるを得ない者も出てきそう。我々だって他人事ではない。
山頂駅からすぐ歩き出す。若者パーティーや、ツアー団体客が目立つ。白装束の修験者の団体(どこかの会社の社員旅行?)までいる。さすが、修験道の山だ。抜きつ抜かれつで、薬師岳まではなかなか自分たちのペースで登らせてもらえない。
千本檜小屋にも多くの登山客(含、ツアー団体)が屯しているので、とても一緒に休む気は起らず、先へ進む。この辺りから紅葉の色が鮮やかになってきた。丁度見頃に当たったようだ。多くの登山者はこの先、直登コースを選んでいる様だが渋滞は必至。我々は当初の予定通り、巻き道をチョイス(先頭だったWoodyさんは何故かひとり直登コースへ向かった為、渋滞に嵌って途中で引き返したようだった)。
この選択が功を奏したようで、大日岳までは順番待ちに遭遇せず登頂できた。先客は二人パーティーのみ。壮大な眺めを楽しんだらさっさと下ろう。次から次へと鎖で登ってくるので、途中で我々の下降を割り込ませてもらい、何とか下山。もう頭に浮かぶのはビールしかない。下りも巻きルートは空いているので、順調に千本檜小屋まで戻る。相変わらずの人混みなのでスルーし、ロープウェイ山頂駅まで一気に下り、Woodyさんと無事、再会。
山麓駅に着いたら一目散に売店へ駆け込み、ビールをゲット。見れば、八海醸造のライディーンビール。あっという間に吞み干した(山行記録はこちら)。

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077 ロープウェイ山麓駅から見上げる八海山。

078 標高差771mを一気に上がる。

079 巻機山が見えた。

081 ロープウェイ山頂駅からの眺め。

082 昨日登った当間山も微かに見えている。

083 このあたりの紅葉はもうちょっと先。

084 おっ、越後駒ヶ岳。

085 径は濡れているがまあまあ歩き易い。

087 左手(北側)は守門岳。

088 浅草岳はガスが掛かっているようだ。

089 女人堂を通過。

090 段々、色付きが良くなってきた。

091 あの辺りは黄色が主体。

092 癒されながら登る。

094 薬師岳の色付き。

095 あの遠くの山は毛猛山。

096 紅葉の回廊。

098 まだまだ余裕。

100 7年前のGWはここが最高点。

101 いよいよ八ヶ峰が目の前。

104 この先は紅葉真っ盛り。

106 左に見える隣の尾根(入道岳北尾根)の紅葉。

107 右側の尾根も。

110 千本檜小屋を振り返る。

111 これから迂回路をチョイス。

112 迂回路手前を振り返ってみたところ。

113 あっちの尾根が屏風道か。

114 気分は如何?

115 迂回路はこんな調子。

116 高度感はそれなりにある。

117 眼下に南魚沼の穀倉地帯。

118 岩場には大抵、鎖があるので安心。

119 岩そのものもスタンス豊富。

120 しかし見ている方が怖い。

121 周りを見る余裕はないだろうけど。

122 辺りの紅葉は真っ盛り。

123 あのピークは七曜岳あたりか。

124 白河岳と釈迦岳。

125 見えてきたのは摩利支天岳?

126 ここでひと息入れる。

127 真上の白河岳には登山者がいっぱい。

128 摩利支天岳と剣ヶ峰と大日岳が見えている様だ。

129 ここから迂回路を離れ、八ヶ峰稜線へ。

130 入道岳北尾根の紅葉がキレイ。

131 摩利支天岳から白河岳と釈迦岳を望む。

132 摩利支天岳に挑む(手振れでゴメン)。

133 釈迦岳。

134 錦を纏った峰。

135 下に迂回路が見える。

136 摩利支天岳の下り。

137 見た目よりは難しくない。

138 越後駒ヶ岳のガスはなかなか取れない。

139 眼下の紅葉。

140 摩利支天岳に到着。

141 先頭の副隊長は大日岳に到着。

143 このちゃんは摩利支天岳の下り。

144 ひろちゃんは大日岳到着。

145 三人で記念撮影。

146 菊丸のキメポーズ。

147 ひろちゃんのキメ。

148 このちゃん、大日岳の最後の登り。

149 なおちゃんのキメ。

151 何を撮っているの?

152 摩利支天岳の下り待ち。

154 待ち時間に写真撮影。

155 何を撮っているのかといえば・・・

156 こんな眺め。

157 復路も迂回路をチョイス。

159 まさに錦の衣。

160 地蔵岳を巻けば虎口を脱したことになる。

161 千本檜小屋と薬師岳が見えてきた。

162 千本檜小屋には一杯屯していたのでスルー。

163 ここで漸く7人が揃う。

164 お世話になりました。

165 濡れた下りも慎重に。

166 下に見えるのは女人堂。

168 無事、ロープウェイ山麓駅に戻った。

169 もう八海山はガスの中。

172 これは八海醸造のクラフトビール。

170 Woodyさんとも目出度く合流。

171 お疲れさまでした。

「やまと天目山温泉」の食事処でしばしのんびりしてから、14時31分発のバスに乗車。雨は上がったようだ。まだ時間が早いのかバスに乗っていた客はせいぜい10名ほど、「やまと天目山温泉」から乗車したのは我々以外に夫婦一組だけだ。甲斐大和駅には定刻の14時45分よりちょっと早めに到着。
そのまま切り返して駅に横付けするかと思ったら、一旦、中央線を渡る橋を通り、駅の反対側の小さなロータリー(こんなのあった?)を回って戻ってきた。回っている最中にかなり立派な銅像が出来ているのを見た。武田勝頼公だ。やはり終焉の地に相応しいと云うことか。信玄公銅像がある甲府駅北口に較べて、甲斐大和駅はかなり寂しいがそれも致し方あるまい。
駅に入ったら上り電車の時間を見ると、次は15時21分発の高尾行となっている。微妙に時間がある。それならばと、甲州街道沿いにあるセブンイレブンへ行って、ビール等を買出しすることにした。随分久しぶりな気がする。
戻ってきたら改札口を抜け、ホームのベンチに座ってまたグビッと一杯やる。ここは線路の両側が法面に挟まれていることもあって、妙に落ち着ける。勝沼ぶどう郷駅も悪くは無いが、ここ甲斐大和駅に較べると客が多いのと、ホームの東側には民家もあるのでやや人目を憚る感じがないでもない。ここは解放感が半端ない小海線・松原湖駅に次ぐ居心地の良さかも知れない。
さてウィズコロナ時代幕開けの1泊ツアーはこれでおしまい。また次のにんじんを考えなくてはならない。次は7月。梅雨明けとなれば、やはりテント泊のシーズンだ。ウィズコロナ以前からトレンドはソロテントだが、この先はそれが常態化するのは間違いない。小屋泊にも魅力はあるがこの時代、なかなか大変。皆に強要することは出来ないが、ソロテントの計画を増やすこともこの時代に相応しいと感じて貰えるはずだ。

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今回は、日光と足尾の境にある赤倉山が目指す山。タクシーで降りたところからは基本、下りなのでとても楽チンだ。スタートは半月山第2駐車場。今日は空気が澄んでいて眺めが良い。目を凝らすと、なんと富士山や南アルプスまで見えるではないか。
後日、地図上で計測してみれば半月山駐車場から富士山まで、直線距離でおよそ160kmもある。関西から富士山が見えるらしいが、その距離は300kmと云われている。それには流石に負けるが、日光から富士山が見える機会はそうそうある訳では無い。少なくとも、小生にとっては高校生の頃、男体山の山頂から見た富士山以来、人生で2回目の眺めだ。
半月山第2駐車場から赤倉山まではしっかり踏み跡があり、迷うようなところはない(山の記録はこちら)。赤倉山直下の草原も、事前の情報通り実にいい感じの場所だった。ぜひ一度、テント泊してみたい。しかし、赤倉山からの下り初めは、まともなルートからちょっと外れていたせいで、暫く気が抜けない急降下が続く。
でもそのおかげで、沢沿いの林道に降り立つのがやけに早かった。あとはぶらぶらと水平移動するだけ。次第に目の前に、荒々しい備前楯山が大きく見えるようになる。思ったよりもあっけなく、上間藤の赤倉BSに到着。期待通り、今日も池口商店は開いていた(前回はこちら)。早速、缶ビールをゲット。
店の女将さんが、今年は桜が早かったとうれしそうだった。また、勘定の計算が出来なくなったら店を閉めると仰ったそうな(だったら、うちの会だって既に店番が出来そうにない者がいそうだ)。
昨年同様、買ったビールを持って、木の下のベンチで乾杯。今日は陽気が良かったので、ビールが一段と美味い。裏の川(渡良瀬川)を見渡してみたが、残念ながらカモシカは見当たらず。でも、ここは居心地がいい。また来年も来られるだろうか。

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日川尾根を登った帰り道、すずらん昆虫館前BSからふたたび栄和交通バスに乗り込み、甲斐大和駅に定刻通り15時45分に到着。次の上り電車は16時15分発なので、丁度30分の待ち時間となる。今日は終始曇りでちょっと肌寒い陽気、せっかく「ペンションすずらん」で温まったのが、このままではまた冷えてしまう。
甲斐大和駅前には「雅」という、一回だけ入ったことがある飲食店があるのだが、さすがに30分だけでは少々短過ぎるので、入るのは見合わせた(開いているかどうかの確認もしていない)。これが立ち呑み屋だったら、きっと躊躇せずに入ったと思う。いっそ、土日限定で甲斐大和駅の待合スペースに、「立ち呑みコーナー」を作ってくれたら、きっと寄ってあげるのに、といつも思う。
店員は、地元のシルバー人材にお願いすればなんとかなるはず。それでも人件費が気になるならば、自動販売機だけでいいから置いて欲しい。なんだったら、ホームに作ってもらってもいい。ただし、一つ注文をつけたいのは、たとえ「立ち呑みコーナー」と云えども雰囲気は大事。インスタ映えはしなくてもいいから、居心地の良さは追求してもらいたい。
でも小生の場合、やってくるのはせいぜい年に2回ぐらいが関の山だから、個人的にあまり売り上げには貢献できない。それを踏まえたうえで、なんとか考えてくれませんかね、JR東日本さん。
ということをちょっとだけ妄想したが、今はとりあえず身体が冷えないうちに一杯やろうと、ホームのベンチを確保し、リュックサックから酒のボトルを取り出す。つまみは、つぶ貝の燻製が現れた(なおちゃん提供)。これだけあれば、電車が30分後だろうが、他の登山客に白い目で見られようが問題ない。備えあれば憂いなし。有り難く、ちびちびやった。

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志賀高原の山歩きは初めてじゃないが、まだ志賀山には登ったことが無かった。今回は、四十八池湿原まで辿りついた後、女子連は「今日はもう山は十分、早いとこ温泉に浸かりたい」というご様子なので、独りで登ることになった。ここから先は、ヒトの気配はぐっと少なくなり、静寂に包まれる。
裏志賀山から見下ろすと、四十八池湿原はまさに箱庭のよう。志賀高原は地形が複雑、山の形も千差万別で様々な火山があり、そのおかげか大小の池がそこかしこに点在している。それが山歩きのいいアクセントになっていて、他では味わえない面白さがある。
めでたく志賀山にも登頂した後は、女子連に遅れること約1時間で、硯川へ下る。次のバスまで、まだ小1時間ある。当てにしていた「横手山レストハウス」は、残念ながら改修工事で休業中だ。「硯川ホテル」を覗いてみても、外来者にビールを呑ませてくれる雰囲気がなかったので、左様ならばと木戸池まで歩いてみることにする。途中、「平床」辺りで雲が切れて日が差すと、黄色く色付いた白樺林が浮かび上がって思わず足を止める。
およそ30分後、木戸池温泉ホテルに到着。フロントに居たオヤジ(もしかして支配人か、それとも宿の主か?)に、缶ビールの所在を聞くと、「あちらにあります」と指を刺す。汚れた靴で絨毯に上がるのは憚れたが、「構いませんよ」と心優しく了解を得たので、首尾よく缶ビール(300円)をゲット。外に出て木戸池を眺めながらグビっとやる。ちょいと肌寒いが、気分は最高。
木戸池温泉ホテルは源泉かけ流しの温泉宿。宿代も極めてリーズナブル。今回、志賀高原での宿を探している際、かなり迷ったのだが、バスの利便性を最優先したため、「ホテル白樺荘」にしたのだった。もし、奥志賀高原行きのバスが木戸池BS始発だったら、迷わずここに決めたと思う。それくらい、ここはいい感じである。

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「大菩薩の湯」内の「大菩薩亭」でまったりしたあと、帰りは「ホリデー快速ビューやまなし」に乗るつもりで、それに丁度具合が良い16時6分発の塩山駅行山梨交通バスに乗る。バスは駅に向かってぐんぐん下る。塩山駅に到着すると、目の前に何やら高級そうなバスが停車している。
降りてみると、バスの乗降口に何人もの係員が取り巻いている。どうやら、これは「四季島」のツアーバスのようだ。ってことは、「四季島」が塩山駅に停まっている!? 階段を急ぎ足で上り、跨線橋の上から見下ろすと、果たしてシャンパンゴールドの車体。うーん、塩山駅には似合わない感じ。それにしても奇遇だ。
ホームに下りてみると、キャビンアテンダントの女性と、真っ白なスーツの駅長(?)と、桃の着ぐるみがお出迎え。これは、JRの山梨キャンペーンキャラクター「モモずきん」ちゃん、だそうだ。
乗車口にはシェフもお出迎え。やっぱり「四季島」は、ホスピタリティが違うようである。調べた範囲では、この1泊ツアーは最低クラスでも30万円するそうである。それでも忽ち予約はいっぱいになってしまうようで、今から申し込めるのは来年の予約。みんな、そんなに列車好きなのか。まあ小生はそんなラグジュアリーな列車じゃなくてもいいけど。
しかし、目にするのは別。新幹線の「ドクターイエロー」に出会うと幸せになれると云うけれど、少なくても「四季島」に出会っても幸せな気分になれるようだ。気さくな車掌さんから栞をもらった。こんな紙っぺらだって、「SHIKI-SHIMA」と書いてあると魔力が生じる。
やがて「四季島」はすべるように出て行った。何となくその余韻に浸ったまま、ホームでちょいと一杯。普段呑んでいる日本酒がひと味違う気がした。

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二日目は日の出直後に庚申山荘を出発し、先ずは庚申山に登る。シャクナゲに覆われた山頂は眺望が利かないが、ちょっと西へ進むと、すっきりした山容の皇海山が望める。元々の山名だった笄(こうがい)山が皇開(こうかい)山となり、皇海山になったとのこと、たしかに笄の感じは伝わってくる。
ここからオロ山を経て沢入山までは、かなりワイルドで面白い。樹林帯は木を掴みながらの登下降があり、一方、笹原が所々現れると、複数のけものみちが入り乱れて我々を惑わせる。ヒトよりも四足動物の方が多い世界。
沢入山を過ぎると、尾根を東側からやってくるハイカーが急に増えてくる。やはり結構、人気なのだ。そのうちに昭文社の地図にも載りそうだ。尾根はすっきりしていて眺望も抜群、思いがけずアルペン的雰囲気も味わえるが、考えてみればこれは足尾銅山の鉱毒が為した結果。山火事の跡地で眺望を有難がるのと同じく皮肉な話、自然回復までの道のりはまだ遠そうである。
「孤高のブナ」の周りには、なんと林野庁による柵が設えてあって近づけない。今日は風が吹かないとジリジリ暑いので、ブナの下の日陰で休んでみたいと思っていたが叶わず。尾根の名前にもなっている中倉山で最後の眺望を楽しんだ後は、樹林帯を急下降。林道に出ても暫くは木々に覆われているが、そのうち炎天下を歩く羽目になる。
ほぼ1時間後、へろへろになりながらなんとか赤倉BSに到着。事前にストリートビューで確認した範囲では、近所には食堂はもちろん、酒屋も見当たらなかったが、どうやらBSの手前にある建物は店のようだ。見上げると遠慮がちに「池口商店」と薄っすら書いてある。
いわゆるよろずやかなと思ったら、店内に酒樽が置いてあるのを発見。おっ、酒屋なんだと思ったら、なおちゃんが「開いているよ」と云いつつ、横倒しになった網戸(店の方曰く、サル除けなのだそうな)をずらして中へ入り、次いで「ビールあるよ!」との報告。やったー!
ストリートビューでは、廃墟にしか見えなかったのかも知れぬ(失礼!)。ともあれ、思いがけずビールにありつくことが出来た。これぞまさに「地獄に仏」。日頃の行いの善さを自ら誉めつつ、缶ビールをグビっとやった。

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週末の朝に大宮駅へ行くとなると、たいてい時間が早過ぎてKIOSKやNEWDAYS以外はまだ何処の店も開いていない場合が多いが、今日は山旅ではないのでゆっくりした時間。全てではないが、多くの駅ナカの店はもう開いている。
まだ列車まで多少時間があるので、ちょっとお茶にしようと、「エキュート」の上(「エキュート」は橋上の、プラットホームから見れば2階にあるので、3階または中3階)にある「パークサイドカフェ」へ入ることにした。
大宮駅の駅ナカ「エキュート」は、和洋菓子や惣菜・弁当の類を売る店についてはかなり充実していると思うが、軽く一杯やれる店となるとここ「パークサイドカフェ」以外には「ウィカフェ」ぐらいしかない。しかも、どちらも女性向けの内装とメニュー。オヤジ同士で入れるような雰囲気ではない。呑んだ呉れオヤジは、ターゲット客層として想定されてないのか。
大宮には日高屋がいっぱいあるのだから(なにせ本社もあるのだから)、「エキュート」にも一軒ぐらいあっても可笑しくない。そうすれば列車の乗り継ぎにオヤジ達が喜んでやってくると思うのだが、エキュートの品格にそぐわないとJRが出店を拒んでいるのかも知れない。
「パークサイドカフェ」に入ったのはまだ午前9時だが、コーヒーを飲むくらいだったら、ビールにしよう。完全オフなので後ろめたいことは全くない。若い女性店員に白い目で見られることも無い。さすがに朝っぱらは身体が乾いていることは無いので、グビグビとはいかず、ちびちびいただく。店の窓からはコンコースを行き交う客の動きが良く見える。何気にそれぞれの立居振舞を見ているだけで、これはこれで、ビールのつまみになるものだ。

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